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交通事故のリハビリ内容|病院や整骨院への通院期間や頻度、慰謝料も解説

監修記事

柿野 俊弥

理学療法士

交通事故で怪我をした方は、リハビリや通院の頻度、慰謝料のことなど、さまざまな悩みを抱えているかもしれません。本記事では、これらの不安を解消するために交通事故後のリハビリに関することを詳しく解説します。

この記事を読むことで以下についてわかります。

  • 交通事故による怪我のリハビリ内容
  • 交通事故による怪我の通院先と選び方
  • 整骨院でリハビリを受ける際のポイント
  • リハビリの頻度と期間
  • 実際に交通事故後にリハビリを受けた人の体験談
  • リハビリにかかる通院費用や慰謝料は受け取れるかどうか

交通事故で怪我をして不安を抱えている方は、ぜひ参考にしてください。

交通事故の怪我におけるリハビリの役割

交通事故のリハビリ内容|病院や整骨院への通院期間や頻度、慰謝料も解説

交通事故によるケガのリハビリは、後遺症を防ぎ、早く回復するために必要不可欠です。医師やリハビリの専門家のもと、適切なリハビリを受けることで、怪我の回復が促進され、痛みやしびれなどの後遺症を防ぐことができます。

よく理解しておいてほしいのが、リハビリの必要性を判断するのは医師だということです。自己判断で運動やストレッチなどを行うと、怪我の悪化につながる恐れがあるため、必ず病院を受診し、医師の指示をあおぎましょう

交通事故による怪我のリハビリ内容

交通事故による怪我のリハビリは、早い回復や後遺症を防ぐために重要となります。そこで気になるのは「交通事故の怪我ではどのようなリハビリを行うか」ではないでしょうか。

ここでは「病院での理学療法士によるリハビリ」と「整骨院での柔道整復師による施術」の2つに分けて交通事故で行うリハビリの内容を解説します。

病院での理学療法士によるリハビリ

病院でのリハビリは理学療法士が担当します。理学療法士によるリハビリでは、まず検査結果や症状をもとに、より詳細に体の状態や動作を確認する臨床評価を行います。その後、個人に合わせたリハビリの計画を立て、実際にリハビリを行っていきます。

具体的には、筋力トレーニングやストレッチなどの運動療法による筋肉や関節の動きの改善、症状の軽減を目的として温熱療法・電気療法などの物理療法が行われます。

理学療法士によるリハビリは、必ず医師の指示のもとで計画的に進められるので安心して治療を受けられるでしょう。

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整骨院での柔道整復師による施術

整骨院・接骨院の交通事故施術とは?

▲整骨院の交通事故施術内容の種類

整骨院での施術は、柔道整復師が担当します。交通事故による怪我で引き起こされた筋肉の緊張や痛みを緩和するために、手技を用いて筋肉や関節のバランスを整え、体の自然治癒力を高めます。

また、必要に応じて温熱療法や電気療法などを取り入れ、痛みや炎症を軽減します。テーピングなどの補助的な施術も行ってもらえます。

関連記事交通事故の治療を整骨院で受ける|施術内容と保険適用について解説

交通事故のリハビリを受ける病院の選び方

先述のとおり、交通事故のリハビリは病院か整骨院で受けることができます。しかし、多くの病院や整骨院がある中で選ばなくてはなりません。そこで、病院の選び方を知っておく必要があります。

病院の選び方として、次の2つのポイントを把握しておきましょう。

  • 交通事故の治療や手続きに詳しい病院へ通院する
  • リハビリしてもらえない場合は転院するのもあり

それぞれ詳しく解説します。

交通事故の治療や手続きに詳しい病院へ通院する

交通事故による怪我の治療では、保険会社とのやり取りや手続きなども発生します。そのため、交通事故の治療やリハビリに詳しい病院を選んだ方が、通院中に手続きで困ることが少なくなり安心です。治療だけでなく、保険対応に慣れた病院を選び、リハビリに集中できるようにしましょう。

関連記事交通事故でおすすめの整形外科の選び方|病院以外の通院先も紹介

リハビリしてもらえない場合は転院するのもあり

リハビリ施設が整っていなかったり、病院の事情でリハビリを受けられない場合は、転院する選択肢もあります。交通事故のリハビリは受傷してからどれだけ早く治療を開始するかが重要で、適切なリハビリを受けられないままでは怪我の回復が遅れる可能性があります。

通院または入院している病院でリハビリが受けられない場合は、リハビリしてもらえる病院への転院を検討しましょう

関連記事交通事故で整形外科がリハビリしてくれない…転院するべき?

もし、リハビリが受けられる病院探しで困ったら、下記からお気軽にご相談ください。

整骨院へ通院してリハビリを受ける際のポイント

交通事故後のリハビリを受ける際、病院のリハビリが混んでいたり、仕事の都合で通院が難しかったりする場合、整骨院に通うのも有効な選択肢です。整骨院でのリハビリは自賠責保険の対象になるため、費用面でも安心して治療を受けられます。ただし、整骨院に通う際にはいくつか注意点があります。

  • 事前に担当医へ相談する
  • 相手の保険会社に連絡する
  • 病院も併用して通院する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

事前に担当医へ相談する

整骨院に通院したい場合は、まず事前に通院している病院の担当医に相談し、許可を得ることが大切です。医師の許可なく整骨院に通うと、後で治療内容や通院に関してトラブルが発生することがあります。例えば、医師の許可なしに整骨院へ通院した場合、保険会社が治療費の支払いを拒否するケースがあります。

事前に確認をしておけば安心してリハビリを続けられるので、治療に集中するためにも、事前に担当医に相談しておくようにしましょう。

相手の保険会社に連絡する

交通事故で加害者側の保険会社が治療費を負担している場合、整骨院でリハビリを受ける際には、事前に保険会社にも連絡をしておいてください。

保険会社に事前連絡をせずに整骨院に通うと、通院費用や慰謝料を請求できなくなる場合があります。そうなると、治療にかかる費用をすべて自費で支払わなければならなくなり、怪我による身体的・精神的負担だけでなく、経済的な負担も増えることになるため、きちんと相手の保険会社に連絡しておきましょう。

病院も併用して通院する

整骨院でリハビリを受ける場合でも、病院での通院を継続する必要があります。病院での治療は、治療の必要性を裏付けるものとなります。

整骨院の施術は法律上、治療とはみなされないため、整骨院だけに通うと治療費や慰謝料の支払いを保険会社から打ち切られる場合があります。

また、医師が在籍していないため、医師の診察や検査が受けられません。怪我の状態を正確に把握できていないままだと、適切なリハビリが受けられず、回復が遅れてしまう可能性があります。

整骨院に通院する場合は、必ず病院と併用するようにしましょう。

関連記事交通事故で整形外科と整骨院は併用可?メリットや注意点を解説

交通事故後のリハビリの期間や頻度の目安

通院する女性交通事故で怪我を負い、どれくらいリハビリをすればよいのか気になっている方は多いでしょう。ここでは、交通事故のリハビリの期間と頻度の目安について解説します。

リハビリ期間は怪我の程度や症状によって異なる

交通事故によるリハビリの期間は、怪我や症状の程度に大きく左右されます

軽度のむちうちや捻挫であれば、数週間から1ヶ月程度のリハビリで改善が見られることもありますが、神経に関わる怪我の場合、数ヶ月以上に及ぶこともあるため一概には言えません。

ただ、怪我をしてからできるだけ早いタイミングでリハビリを始めた方が、リハビリ期間は短くなる傾向があります。

リハビリの頻度は痛みの程度や症状、回復のペースによって異なる

リハビリを行う頻度は、痛みの強さや症状の進行、回復のペースによって異なりますが、回数が多いに越したことはありません。しかし、仕事や学校などの都合で頻繁な通院は難しい場合もあるでしょう。そういった場合は、週2〜3回を目安にリハビリを行うとよいです。

また、ほとんどの怪我が早くリハビリを始めることが効果的だとされているため、受傷後は早めに受診し、できるだけ頻繁に通院することをおすすめします。

最終的な判断は医師が行うため、医師の指示に従ってリハビリを進めるようにしましょう。

関連記事整形外科のリハビリは週何回通えばいい?機能訓練との違いも解説

交通事故後のリハビリ体験談

交通事故にあってしまい、事故後に整形外科や整骨院でリハビリを受けた方の体験談をご紹介します。

整形外科でリハビリを受けた事例

バイクで走行中に通行禁止車線を跨いで侵入してきた車と衝突する事故にあってしまった「大島ゆまさん(20代・看護師)」の事例を紹介します。

大島ゆまさんは、初診で骨折は無いとの診断でしたが、3ヶ月ほど経ってから骨折がわかり急遽手術することになったそうです。

また、右足の靭帯が伸びきってしまっていることも後から分かり、筋力をつける為に筋トレ・ストレッチ・歪みを取るなどのリハビリを整形外科で月に1回通院して受けていたそうです。

こちらの事例の詳細は、下記からご覧いただけます。

体験談バイク走行中に事故〜骨折の手術・入院やリハビリ

整骨院でリハビリを受けた事例

自宅から道路に出ようとしたところ、運転席側に車が突っ込んできて衝突する事故にあってしまった「かいろさん(30代・会社員)」の事例を紹介します。

かいろさんは、整形外科へ受診したところ、レントゲンで骨と骨の感覚が狭くなっていることが分かり「通えるときにリハビリに来てください。」と言われたそうです。

しかし、整形外科のリハビリへ1〜2回通いましたが、完全予約制で常に予約がいっぱいだったため、なかなか通うことができなかったそうです。

そこで、病院の先生に『リハビリの予約が全く取れないので、整骨院を併用したい』と相談したところ、整骨院への通院の許可をもらうことができ、その旨を保険会社にも伝えて、整骨院への通院を開始しました。

整骨院へは週4・5回通い、カウンセリングのほかに、ウォーターベット、マッサージ、電気療法、レーザーをしてもらったそうです。

こちらの事例の詳細は、下記からご覧いただけます。

体験談追突事故で後から痛みが…整形外科と整骨院の併用通院〜示談まで

交通事故によるリハビリの通院費用や慰謝料は受け取れる

交通事故によるリハビリの通院費用や慰謝料は、被害者の立場であれば受け取ることができますが、いくつか注意しておくべきこともあります。

  • 対象となるのは完治・症状固定前のリハビリ期間のみ
  • リハビリ費用を立て替える際は150日間ルールに注意
  • 漫然治療に該当するリハビリに注意

交通事故のリハビリで受け取れる費用や慰謝料を確認した後、上記3つの注意点について確認していきましょう。

交通事故によるリハビリで受け取れる費用や慰謝料

交通事故の怪我でリハビリに通う場合、受け取れる費用や慰謝料は次のとおりです。

  • 治療費
  • 交通費
  • 文書料・診断書発行費
  • 休業損害
  • 入通院慰謝料

休業損害とは、交通事故が原因で仕事を休んだことで減った分の収入の補償のことです。

また、入通院慰謝料として受け取れる金額は「自賠責基準」「任意保険基準」「弁護士基準」のうち、どの基準で算出されるかで大きく異なってきます。

交通事故の慰謝料3つの基準の解説

▲交通事故の慰謝料3つの基準

もっとも高額の慰謝料が期待できるのは弁護士基準です。弁護士に依頼するには費用がかかりますが、加入している任意保険に弁護士特約があれば費用を補償してもらえます。

弁護士監修交通事故で通院したら慰謝料はいくらもらえる?計算方法も解説

対象となるのは完治・症状固定前のリハビリ期間のみ

症状固定とは:治療を続けても症状の緩和が見られない状況の事

▲症状固定とは?

交通事故によるリハビリで費用や慰謝料を受け取れるのは、完治や症状固定がされるまでの期間のみです。症状固定とは、治療を続けてもこれ以上の回復が見込めないと医師が判断した状態を指します。

症状固定後のリハビリは、慰謝料や治療費請求の対象外となるため請求できなくなるため注意が必要です。

しかし、後遺障害等級認定に申請して、後遺障害と認定してもらえれば後遺障害慰謝料逸失利益を請求できるようになります。

関連記事症状固定は誰が決める?保険会社の提案への対応や後遺障害認定を解説

立て替える際は150日ルールに注意

相手の保険会社に任意一括対応をしてもらえない場合や加害者の方が任意保険に加入していない場合などに、リハビリ費用を自分自身で立て替えをする際は「150日ルール」に注意が必要です。

任意一括対応とは?

任意一括対応とは?

「150日ルール」とは、交通事故の怪我で多い運動器のリハビリについては健康保険を使用できる期間が発症から150日間とされているルールです。

リハビリ費用を自分自身で建て替える際に健康保険を使用することで負担額が減りますが、150日を超えると健康保険が使えなくなることがありますので、リハビリが長期にわたる場合は医師に健康保険についても相談をしておくと安心です。

関連記事整形外科のリハビリにかかる料金目安|保険適用や自己負担額を解説

漫然治療に該当するリハビリに注意

漫然治療とは、回復の効果が期待できない治療のことです。マッサージのみ、物理療法のみなどのリハビリを続けていると「客観的に見て効果が期待できない治療をしている」と判断され、保険会社からの支払いが打ち切られる可能性があります。主に、治療後に受け取る診療報酬明細書などを見て判断されます。

医師の指示に従い、適切なリハビリを計画的に進めることで支払いを打ち切られるリスクを回避することができます。きちんとしたリハビリを続けているにもかかわらず、保険会社から支払いを打ち切る申し出があった場合は、医師に治療継続の意見書を書いてもらうとよいでしょう。

関連記事漫然治療とは?交通事故の治療費が打ち切りにならないためにできること

交通事故のリハビリまとめ

交通事故によるリハビリは、ケガの回復や後遺症を防ぐために非常に大切です。リハビリ期間や頻度は、怪我の程度や回復のペースに応じて異なりますが、医師の指示に従って進めましょう。

また、病院や整骨院での治療・施術は、自賠責保険の対象となり、通院費用や慰謝料も受け取れます。ただし、漫然治療には注意して、必要なリハビリを計画的に行うようにしてください。

参考
1)厚生労働省:理学療法士及び作業療法士法

この記事を監修したのは…

理学療法士として、回復期病院で脳血管疾患を中心にリハビリテーションを経験。その後、フリーライターに転向。医療・健康分野をはじめ、地域・観光、転職関連などの幅広いジャンルの執筆を行っている。

この記事の執筆者

理学療法士 / 柿野 俊弥
理学療法士として、回復期病院で脳血管疾患を中心にリハビリテーションを経験。その後、フリーライターに転向。医療・健康分野をはじめ、地域・観光、転職関連などの幅広いジャンルの執筆を行っている。

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