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整骨院と整形外科の違いは?どっちがいいか症状やケースにあわせて解説!

監修記事

オオクマ サキコ

看護師

交通事故の怪我は整骨院と整形外科どっちがいい?

交通事故や怪我で症状に悩んでいるとき、整骨院と整形外科のどちらに通えば良いのでしょうか。どちらも施術を受けられるイメージですが、両者の違いを明確に説明できない人は多いです。

特に交通事故では慰謝料や後遺症といった話を聞くと思いますが、状況にあわせて通院先を選択しなければ不利益を被ることもあります。

今回の内容は、整骨院と整形外科の違いを理解し、自分の症状や現状に適した通院先を選択できるようにしましょう。

整骨院と整形外科の違い

整骨院と整形外科の明確な違いは、「医療機関であり、診断や治療を受けられるかどうか」という点です。

整形外科は医療機関であり、医師が在籍しています。CTMRIなど、精密機器を用いた画像評価により正確な診断を可能とし、症状によっては手術や痛み止めの処方といった医学的な処置を受けることができます。症状の原因を精査してもらいたい人は、整形外科の受診をおすすめします。

一方で、整骨院は診察や治療といった医療行為はできませんが、「施術」を用いて症状を改善に向かわせることが可能です。

薬に頼りたくない人や、仕事終わりなどの遅い時間帯の通院を希望する人には向いているでしょう。画像評価で根本的な原因が分からない慢性症状に対して効果が期待できる場合があります。

接骨院と整骨院の違い

接骨院と整骨院の違い

▲接骨院と整骨院の違い

接骨院と整骨院の違いについて疑問に思う人は多いと思いますが、実はどちらも同じです。法令上で認可されている名称は「接骨院」「ほねつぎ」になり、基本的に「整骨院」と表現することは認められていません。

しかし、行政上の判断で整骨院でも許可されていることが多くなってきています。

整骨院・接骨院で扱う怪我は打撲・骨折・脱臼・捻挫・挫傷などの日常生活で起こり得るものであり、医療国家資格である柔道整復師が施術に携わります。

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整骨院と整形外科の特徴の違い

整骨院と整骨院の明確な違いは「医療行為の有無」になります。整形外科では「治療」と表現しますが、整骨院では「施術」としなければなりません。他にも多くの特徴の違いがあるので解説していきます。

整骨院(接骨院)の特徴

整骨院では捻挫・打撲・挫傷・骨折などの怪我に対して施術を受けられる場所であり、以下に示す特徴が挙げられます。

  • 徒手による原因の精査が可能
  • 土日祝日や遅い時間帯の営業
  • 会話を大切にする
  • マンツーマンの徹底したサポート

整骨院では精密機器を用いた画像診断はできませんが、原因不明の慢性疼痛などを直接触れて評価していきます。また、仕事で忙しい人でも通えるメリットは大きいでしょう。

ひとりひとりの時間を確保し、会話をすることで繋がりを大切にしています。

整形外科の特徴

整形外科では診察や治療といった医療行為が受けられる場所であり、以下に示す特徴が挙げられます。

  • 手術を受けることができる
  • 精密機器による正確な画像診断
  • ブロック注射や痛み止めの処方が可能
  • 慢性疼痛に対しても保険適応となる

器質的問題がないか、画像評価をして正確な診断を下します。必要であれば手術を受けられますが、避けたい場合は痛みをコントロールしながら理学療法士によるリハビリで様子を見ることも可能です。整骨院と違い、慢性疼痛に対しても保険適用となります。

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整骨院と整形外科の治療・施術内容の違い

整骨院と整形外科の特徴の違いは理解して頂けたと思いますが、両者では治療や施術内容も異なります

ここでは、両者が取り扱う疾患・症状における治療・施術内容の違いを解説していきます。

整骨院で受けられる施術

整骨院では、むちうち・捻挫・挫傷などの怪我に対して、医療国家資格である柔道整復師が施術を行います。実際に触れて施術する手技療法を中心としますが、他にもマッサージ・あん摩・鍼灸・物理療法を併用することで施術効果を高めます。

手術や薬に頼ることがないので、副作用の心配はありません。交通事故による慢性疼痛に対して、徒手で原因を探りながら関節や筋肉をアプローチして症状を改善していくことを得意とします。

整形外科で受けられる治療

整形外科では画像評価で得られた情報や理学所見などを参考に、手術・ブロック注射・リハビリテーションなどの治療を受けることが可能です。

特に手術後は、医師による定期的な診察を下に治療内容を変更していくので、医学的管理が必要な疾患を中心に担当します。

医療国家資格である理学療法士によるリハビリテーションでは、マッサージやストレッチなどの徒手療法だけでなく、トレーニングや体の使い方を学習する運動療法や物理療法を行います。

整骨院と整形外科は交通事故で併用通院できる?

交通事故の怪我で整骨院と整形外科を併用するには

▲交通事故の怪我で整骨院と整形外科を併用するには

交通事故による同一の症状で、整骨院と整形外科を併用し、通院したいとお考えになる方もいるかもしれません。

しかし、同じ症状で、健康保険を適用させ、整骨院と整形外科を併用し、通院することはできません

併用して通院するためには、自賠責保険を利用する必要があります。

交通事故による被害者救済のために、「自賠責保険」とよばれる保険があります。

自賠責保険は、原付を含むすべての自動車を使用する人に対し、法律で加入が義務付けられている強制保険です。

交通事故により被害を受けた場合、加害者の自賠責保険を使用し、治療費や慰謝料を請求することができます。

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交通事故(自賠責保険)で併用通院する場合の注意点

交通事故の怪我で整骨院と整形外科を併用通院する為のステップ

▲交通事故の怪我で整骨院と整形外科を併用通院する為のステップ

整骨院と整形外科の併用通院には自賠責保険の利用は必要ですが、条件によっては慰謝料の請求や後遺障害認定の申請を拒否されてしまうことがあります。

ここでは、併用通院する場合の注意点を解説していきます。

1.整形外科を受診して診断書の発行を依頼する

自賠責保険を利用して併用通院する場合は、まず第一に整形外科を受診する必要があります。整形外科は医師が在籍するため、慰謝料の請求や後遺障害認定の書類に必要な診断書を作成することが可能です。

整骨院には柔道整復師が在籍していますが、公的に認められていないため、診断して診断書を作成することができません。保険会社とのトラブルを避けるためには、整形外科を受診して診断書を用意してから整骨院を通院するようにしましょう。

2.相手方の保険会社へ併用通院する旨を伝える

慰謝料を支払うのは加害者側の保険会社になるため、通院の了承を得る必要があります。整形外科を受診して通院の必要性を確認しなければ、保険会社は被害者が嘘をついて不必要な通院をしているのではないかと疑ってしまいます。

また、了承を得ずに通院をして治療費を請求することは、信頼関係を壊すだけでなく、支払いを拒否されることもあるでしょう。今後も別の条件で通院が必要になったときにトラブルの原因となるので、併用通院をするのであれば事前に保険会社に伝えるようにしてください。

3.整骨院と整形外科へ相談をする

整形外科では画像診断を用いて正確な診断を下し、手術の必要性を判断することができます。手術が不要であったとしても、強い痛みによって日常生活に支障を来している場合はブロック注射や痛み止めの処方でコントロールして症状を緩和します。

整骨院では、画像診断では異常がないのにも関わらず、症状に対する適切な手技を用いて改善へ向かわせることが可能です。それぞれの強みを生かして、双方に相談をしながら連携を図っていくことが重要になります。

POINT

整形外科と整骨院に通うポイント

・整形外科を受信して診断書をもらう

・相手の保険会社へ併用通院を伝える

・整骨院と整形外科へ相談する

交通事故の診断書を整形外科でもらう理由

交通事故治療における診断書の内容と役割

▲交通事故治療における診断書の内容と役割

ここでは、交通事故によって整形外科で医師に診断書を作成してもらう理由を解説します。

1つめは、警察に診断書を提出することで人身事故として処理をしてもらうためです。

2つめは、加害者側の保険会社に提出して慰謝料を請求するために必要になります。整骨院のみを通院して慰謝料を請求しても、診断書がない場合は保険会社からの支払いを拒否されてしまうことがあるので注意してください。

仮に後遺症が残ってしまった場合は、後遺障害等級の認定を受けて後遺障害に対する賠償金を請求するために診断書が必要になります。勤め先によっては会社にも提出が必要になるので、交通事故に遭ったときは職場に確認するようにしましょう。

整骨院と整形外科のどちらが良いかは症状や状況で変わる

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お困りの症状に対して、整形外科か整骨院(接骨院)のどちらがいいかと言うと、その症状や、治療・施術を受けようとしている状況により変わります

例えば、急な交通事故による「首・肩の痛み」と、慢性的な、病的でない原因不明の「首・肩の痛み」は、同じ「首・肩の痛み」の症状でも、行くべき施設は、それぞれ異なってくると言えます。

どのような理由をもとに、行くべき施設を判断するかは、次に解説していきます。

整形外科で治療するべき症状やケース

整形外科での治療は、次のような症状や状況の場合に検討します。

  • スポーツの試合中に、骨折・脱臼をした疑いがある
  • 交通事故にあったので、診断書を発行してもらいたい
  • 原因不明の腰痛が悪化しており、痛み止めや、湿布薬が欲しい
  • 気になる症状について、画像の検査をしたうえで病名が知りたい
  • 膝の痛みに効く点滴があると聞いたので、打ってほしい

痛みやしびれなど、いずれかの症状が発生し、原因が明らかでない場合は、最初に整形外科の受診を検討します。

また、交通事故やスポーツに関連するなど、原因がわかっていても、どっちに行くべきか迷う場合は、最初に整形外科を選択するのが良いと言えます。

その理由は、整形外科であれば、症状に対する診断や画像などの検査による根拠のもと、効果的な治療を受けられる可能性が高いからです。

まれに、整形外科に関連する以外の疾患が原因で、痛みやしびれなどの症状が発生していることもあります。

その場合、医療機関でしか行えない、診断の分野が必要とされることからも、最初に整形外科を受診するべきと言えます。

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整骨院での施術を検討してもいい症状やケース

場合によっては、整骨院での施術を検討してもよい、次のようなケースがあります。

  • 病院では異常がないと診断されているが、症状の原因を知りたい
  • 病院でリハビリ治療をしているが、なかなか改善しないため、他の方法を試したい
  • 日常生活からくる肩こり、薬以外が効かず、なんとかしたい

整骨院では、すでに症状の原因がある程度わかっており、整形外科で診断されている場合や、具体的な症状の原因はわからずとも、「異常がない」と医師に診断されてから、利用することが望ましいと言えます。

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整骨院と整形外科のどっちがいいかは症状解決のために検討を

ポイント,注意点

痛みやしびれと言った症状を解決するためには、ある程度の期間、通院する必要があることがほとんどです。

そのためにも、適切な施設で診察や施術を受け、時間・金銭的にも損のないようにしたいものです。

そのために、現在のご自身の状況を改めて確認し、整骨院と整形外科のどちらに行くべきか、十分検討することが大切です。

この記事を監修したのは…

看護学校卒業後、総合病院にて外科病棟、救急病棟、外来等、急性期看護を経験。結婚・出産を経て、看護師として臨床以外でスキルを磨けるライターに魅力を感じ、活動を開始。現在、医療福祉系の記事を中心に執筆中。

この記事の執筆者

看護師 / オオクマ サキコ
看護学校卒業後、総合病院にて外科病棟、救急病棟、外来など、急性期看護を経験。その後、結婚・出産を経て、看護師として臨床以外でスキルを磨ける看護師ライターに魅力を感じ、活動を開始。現在、医療福祉系の記事を中心に執筆中。

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