むちうちによる足のしびれの原因とは?症状や治療、後遺障害等級申請も解説
監修記事
柿野 俊弥
理学療法士
交通事故にあった後、むちうちによる首の痛みだけでなく、足のしびれもあり、不安に感じていませんか。むちうちは首の痛みが代表的な症状として知られていますが、実は足のしびれを生じることもあります。
足のしびれは神経の異常が原因で、筋肉や靭帯の損傷による症状と比べて後遺障害として残る可能性が高いため、早めの適切な対応が必要です。
本記事では、交通事故によるむちうちが原因で足のしびれが起こる原因や後遺障害等級認定について解説します。むちうちによる足のしびれで悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
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目次
むちうちによる足のしびれの原因
むちうちによる足のしびれの原因としては「神経圧迫」と「血流障害」の2つが考えられます。いずれも交通事故などによる首への強い衝撃が引き金となっています。ここでは、それぞれのメカニズムについて詳しく見ていきましょう。
神経圧迫による足のしびれ
私たちの皮膚には触覚、圧覚、痛覚、温覚、冷覚の5つの感覚センサーがあり、これらが刺激を感知して神経を通じて脳へと送られます。
しかし、むちうちによって神経のどこかが圧迫されると、本来の感覚とは異なる異常な信号が脳に伝わり、それを「しびれ」として感じるのがメカニズムです。
神経圧迫自体は、交通事故の衝撃で骨にゆがみが生じたり、筋肉の緊張が高まったりすることで生じることがあります。
血流障害による足のしびれ
血管は神経に酸素や栄養を運ぶ重要な役割を担っています。しかし、むちうちによって首周りの筋肉の緊張が高まると、血管が圧迫されるため血液の流れが滞ります。その結果、神経に十分な酸素と栄養が届かなくなり、神経に障害が生じ、足のしびれが引き起こされるのです。
正座をしたときに足がしびれる現象と似たメカニズムですが、むちうちの場合は筋肉の緊張が改善されない限り、足のしびれが続くことになります。
足のしびれなどむちうちにみられる症状
むちうちによる足のしびれは、神経や血流に問題が生じることで発生します。それに伴い、足のしびれ以外にもさまざまな症状があらわれます。
ここでは、足のしびれの具体的な症状と経過、さらに他に見られるむちうちの症状についてみていきましょう。
足のしびれの症状と経過
むちうちによって足のしびれが生じると、足の裏の感覚が鈍くなるため歩きにくくなったり、足のだるさを感じたりすることがあります。長時間立ちつづけることや歩くことに疲れを感じやすくなるため、日常生活に支障をきたすことも珍しくありません。
症状の進行や経過は人それぞれで、軽度のむちうちの場合は時間の経過とともに足のしびれが落ち着くケースもあります。しかし、神経の圧迫や血管障害が重度の場合や治療を始めるのが遅くなった場合は、症状が長引き、後遺障害として残る可能性もあります。
関連記事むちうちによるしびれが治るまでの期間|治療方法や後遺症を解説
足のしびれの他にみられるむちうちの症状
足のしびれの他にも、むちうちによってさまざまな症状があらわれます。たとえば、首・肩のこりや痛み、頭痛、めまいなどが代表的ですが、他にも吐き気や嘔吐、視力の低下、息苦しさ、眼精疲労、耳鳴りなどもあらわれることがあります。
これらの症状は、事故後すぐにあらわれることもあれば、数日から数週間後に発症することもあります。そのため、事故直後に症状がなくても油断せずに、すぐ病院を受診することが大切です。
関連記事むちうちはどんな症状?治療方法や完治までにかかる時間について解説
むちうち以外に考えられる足のしびれの原因
むちうちが原因で足のしびれが発生することは多いですが、交通事故では他の原因でも足のしびれが起こり得ます。代表的な原因としては、以下のとおりです。
- 外傷性脳損傷
- 椎間板ヘルニア
- 脊髄損傷
それぞれ見ていきましょう。
外傷性脳損傷
外傷性脳損傷とは、外部からの衝撃によって脳が傷ついたり出血したりする疾患です。ダメージを受けた脳の部位に応じて体の各部に症状があらわれ、感覚を司る脳の領域が損傷すると、足のしびれが生じます。
外傷性脳損傷は記憶障害や注意障害、遂行機能障害などの症状を引き起こす「高次脳機能障害」を発症しやすいのが特徴です。交通事故以外にも、スポーツ中の衝突や高齢者の転倒などでも起こります。
関連記事交通事故で頭を打った | 脳震盪の症状や他の傷病、後遺障害について解説
椎間板ヘルニア
交通事故による椎間板ヘルニアの発症や既存のヘルニアが悪化したことによって足のしびれが生じることがあります。
椎間板ヘルニアは、背骨の間にあるクッションの役割を担う「椎間板」が後ろに飛び出し、神経を圧迫することで足のしびれや背中・腰の痛み、脱力感などの症状を引き起こします。
ただ、椎間板ヘルニアがあっても無症状の場合も珍しくないため、交通事故で発生したものかどうかが問題になる場合があります。
関連記事追突事故により椎間板ヘルニアが悪化…後遺障害は認定されるの?
脊髄損傷
脊髄は、脳から出ている円錐状の神経の束で、背骨の中を通っています。交通事故で衝撃が加わったことで脊髄が損傷すると、損傷部位から下にある手足の感覚や筋肉を動かせる機能が低下または失われ、その中の一つの症状として足のしびれがあらわれることがあります。
脊髄損傷は転倒や転倒でも起こりますが、発症原因としてもっとも多いのが交通事故です。交通事故後に足のしびれに加えて、手足の感覚が鈍くなったり、動かしにくさを感じたりする場合はすぐに医療機関を受診しましょう。
むちうちによる足のしびれの治療と通院先
むちうちによる足のしびれを治療するためには、適切な医療機関の受診が大切です。足のしびれは、放置すると後遺症として残ることがあるため、早めに病院や整骨院で治療を始めましょう。
ここでは、病院と整骨院での治療方法や、それぞれの特徴について詳しく解説します。
病院
むちうちによる足のしびれがある場合、まずは整形外科を受診しましょう。整形外科では、医師の診察やレントゲン、MRIなどの検査で、足のしびれを含む症状の原因を明確にできます。さらに、検査結果と専門的な知識・経験に基づいた治療方針を立てて、治療を進めてもらえるので、安心して治療が受けられます。
治療は、薬物療法やリハビリテーションが中心となります。必要に応じて痛みや炎症を抑える薬剤を処方しながら、むちうち自体の改善に向けたリハビリテーションが行われます。
また、交通事故が原因の場合、加害者に治療費や慰謝料の請求をする際には、医師だけが作成できる「診断書」が必要です。後遺障害等級認定に申請する際にも「後遺障害診断書」が必要になるため、医師が在籍している病院を受診することが大切です。
整骨院
病院での治療と並行して整骨院にも通院することで、より体の回復を促せます。
整骨院では、柔道整復師が手技療法を実施し、筋肉や関節の状態を整える施術が中心となります。温熱療法などの物理療法を用いて、筋肉の柔軟性を高めることで痛みの緩和を目指したりする場合もあります。整骨院での治療は、病院と同様に自賠責保険が適用されるため、費用負担を心配することなく通院できる点も大きなメリットです。
ただし、整骨院に通う際には、必ず事前に病院の担当医に相談し、許可を得るようにしましょう。許可を得ずに整骨院の治療を受けると、医師の治療方針と異なる治療を受け、症状の悪化につながるおそれがあります。
関連記事交通事故で整形外科と整骨院は併用可?メリットや注意点を解説
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むちうちによる足のしびれが続くなら後遺障害等級申請を検討
交通事故の影響で足のしびれが続き、後遺症として残ることがあります。その場合は、後遺障害等級認定を申請し、後遺障害として認められれば、等級に応じた補償を受けられます。
後遺障害等級認定とは、交通事故によって生じた怪我が後遺障害にあたるかどうかを判断する手続きのことです。
申請には、医師のみが作成できる「後遺障害診断書」が必要です。診断書には治療経過や検査結果が詳細に記載され、後遺症の重要な証拠となり、認定されるかどうかに大きく影響します。
足のしびれは、12級や14級に認定される可能性があります。両者の違いは、医学的な証明ができるか否かです。12級に認定されるにはMRI画像など医学的な証明が必要になります。
後遺障害等級認定は、申請してから結果が出るまでに時間がかかることがあるため、医師に「症状固定」と判断されたら早めに行動に移しましょう。
関連記事むちうちで後遺障害認定を受けられる確率は?認定率を高める対策も解説
むちうちによる足のしびれの通院に不安があるなら相談を
むちうちによる足のしびれは、二次的に起こる神経圧迫や血管障害が原因です。いずれの原因も神経がかかわっているため、症状が長期化しやすい傾向があります。早い改善を目指すなら、できるだけ早い医療機関の受診がおすすめです。
しかし、医療機関選びや通院する中で不安を感じる方もいるでしょう。そんなときは、当サイト「交通事故病院」からご相談ください。24時間、無料で相談を受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせくださいね。
参考
1)国立研究開発法人国立長寿医療研究センター:しびれの原因は?
2)日本リハビリテーション医学会:外傷性脳損傷のリハビリテーション
3)慶應義塾大学病院 医療・健康情報サイト:外傷性脳損傷のリハビリテーション
4)一般社団法人日本脊髄外科学会:脊髄損傷
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この記事を監修したのは…
理学療法士として、回復期病院で脳血管疾患を中心にリハビリテーションを経験。その後、フリーライターに転向。医療・健康分野をはじめ、地域・観光、転職関連などの幅広いジャンルの執筆を行っている。
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