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交通事故で整形外科がリハビリしてくれない…転院するべき?

監修記事

宮﨑 忍

理学療法士

交通事故で怪我を負って整形外科を受診したが、薬だけ渡されてリハビリについては何も言われなかった…。

痛みがあるのにリハビリを受けられないの?と不安になりますよね。

病院や医師によっては、交通事故による怪我へのリハビリを避けたがる場合があります。

しかし、怪我の度合いに関係なく、怪我を負った後の身体をメンテナンスするためにも、リハビリは受けた方が良いです。

また、自賠責保険の場合は、リハビリを受けていないと保険会社から治療を終了したと判断され、支払いを打ち切られてしまうケースもあります。

そうした事態を避けるためには、どのように対処すればよいのでしょうか?

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整形外科が交通事故のリハビリに積極的でない理由

整形外科の医師が交通事故後のリハビリに積極的でない場合、考えられる理由はいくつかあります。

1つ目は、交通事故による怪我の特徴にあります。2つ目は負担が増える点です。

1.交通事故に多い怪我・むちうちの特徴

まず考えられる理由として、治療の見通しが立てづらい点があげられます。

交通事故に多い「むちうち」は、あらわれる症状が幅広く、その程度も個人差が大きいです。

そのため、改善する期間や過程にバラつきがでてしまい、治療の見通しが立てづらくなります。

むちうちとは?

「むちうち」とは?発症の原因や症状等

▲「むちうち」とは?発症の原因や症状等

正式には頚椎捻挫(けいついねんざ)や外傷性頚部症候群などと呼ばれています。

事故の強い衝撃により首が過度に沿ったあと、反動で下を向いてしまった時に生じます。

首にある筋肉などの軟部組織が損傷し、首の痛みだけでなく頭痛めまい吐き気などの症状を伴う場合もあります。

また、怪我をした翌日や数日後になって強い痛みを自覚することが多く、早期から首の安静が必要です。

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2.手続きや保険会社対応などの負担が増える

次に考えられる理由として、手続きや対応で負担が増える点です。

病院側と保険会社とのやり取りは多岐にわたります。

まず、治療費を保険会社に請求するのですが、その際に自賠責保険用の診断書と診療報酬明細書を作成する必要があります。加えて、保険会社は医師の判断をもとに治療費支払いの継続を判断します。

そのため保険会社から患者状況について何度も回答を求められ、手間や時間を取られることが考えられます。

また、後遺障害が残った場合には、後遺障害等級認定に必要な書類を記載するために詳細な症状経過を判断する必要があります。

後遺障害とは?(後遺症と後遺障害の違い)

▲後遺障害とは?(後遺症と後遺障害の違い)

これにも多くの時間がかかり、通常業務に支障が出てしまいます。

さらに、被害者が加害者に対し訴訟提起した場合には、患者の弁護士対応をすることもあります。

以上のように交通事故の患者を受け入れることによって、通常の患者には必要のない対応が求められ負担となるのです。

交通事故のリハビリを受けたい場合の対処法

交通事故後、整形外科で診断が出たにも関わらず、リハビリをしてくれなかった場合はどのような対処法があるでしょうか。

1.転院する

交通事故で転院する方法は、まず保険会社と医師に転院したい旨を伝えます。次に、医師に紹介状(診療情報提供書)を作成してもらいます。注意点はできるだけ早めに転院することと、転院回数は最小限にとどめることです。

▲交通事故で転院する方法

まず1つ目の方法は、転院です。リハビリを積極的に行っている病院への転院が可能です。

通院する病院を変更したい場合は、治療費を支払う加害者側の保険会社に、通院先の変更を申し出ましょう。正当な理由であれば、変更に応じるはずです。

ただし、転院を申し出るなら早めが良いでしょう。怪我をしてから経過した期間が長いと、応じてもらえない場合があります。

また、万が一転院した先も合わなかった場合、転院自体は何度でもできますが、短い期間に繰り返してしまうと不適切な診断が重なり、被害者の主張が認められにくくなります。なるべく転院の回数は少ないほうが良いでしょう。

さらにリハビリを行ったとしても、後遺症が残ってしまう可能性はあります。その場合は、後遺障害診断書が必要になります。

後遺障害診断書とは?

▲後遺障害診断書とは?

後遺障害診断書は、基本的には転院元の医師が記載します。

そのため転院する場合は、あらかじめ後遺障害診断書の扱いはどうなっているか確認しておくことをおすすめします。

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2.整骨院・接骨院で施術を受ける

もう1つの方法は、「整骨院・接骨院で施術を受ける」です。

整形外科でリハビリをしてくれなかったとしても、国家資格である柔道整復師のいる施設では、自賠責保険を適用した施術を受けられます。

ただし、整骨院に通院する場合は、整形外科との併用通院を行いましょう。

なぜなら、怪我や病気の「診察」や「診断」を行えるのは医師のみだからです。医師の診断がなければ保険会社が治療費を支払わない場合もあります。

後遺症が残ってしまった場合にも、整形外科に通院していなければ後遺症害診断書を作成できません。

整形外科と整骨院・接骨院は何が違う?

交通事故通院における整形外科と整骨院の治療内容の違い

▲交通事故通院の病院と整骨院の治療内容の違い

整形外科と整骨院・接骨院とは何が違うのでしょうか。

整形外科は医療行為である検査や治療を行い、整骨院・接骨院はマッサージといった医療類似行為を行います。

具体的には、整形外科ではレントゲン検査やMRIなどの画像診断から、状態を把握し、医師の指示のもとで、運動療法を軸にリハビリをしていきます。

整骨院・接骨院は画像による検査はできませんが、カウンセリングや徒手検査を用いて適切なアプローチを行います。

つまり、整形外科と整骨院・接骨院では、カバーする範囲が異なります。

例えば、整形外科で画像を含めた診断をつけてもらい、急性期を過ぎ安静にしている時の痛みが落ち着いてきた時に、整骨院・接骨院での徒手療法の施術を検討すると良いでしょう。

関連記事交通事故の治療を整骨院で受ける|施術内容と保険適用について解説

交通事故後、痛みがある場合は転院や併用通院も検討を

ここいいな、と思った通院先であまり症状が改善しない場合もあるでしょう。通院先の治療内容が自身の症状に合っていない可能性もあります。

その場合は、転院や病院と整骨院の併用などを検討するのも1つの方法です。

ただし、転院や併用通院をする場合は、事前に加害者側の保険会社にその旨を伝えておく必要があります。無断で転院や併用通院をしてしまうと治療費を補償してもらえなくなる可能性があるためです。

十分に注意した上で、自分の症状に適した治療やリハビリ、施術を検討しましょう。

この記事を監修したのは…

理学療法士として急性期総合病院で脳血管疾患をはじめ様々な疾患に対するリハビリテーションを経験。得意な領域は整形外科やコンディショニング。現在は予防の必要性を感じライターとして啓蒙活動中。

この記事の執筆者

理学療法士 / 宮﨑 忍
理学療法士として急性期総合病院で脳血管疾患をはじめ様々な疾患に対するリハビリテーションを経験。得意な領域は整形外科やコンディショニング。現在は予防の必要性を感じライターとして啓蒙活動中。

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