交通事故で怪我をした場合、病院へ後日行っても良い?病院の通い方とは
監修記事
オオクマ サキコ
看護師
交通事故の被害者は、事故の処理や保険の手続きに追われることもあります。そのため、事故後すぐに病院へ行けない可能性もあるでしょう。
そこで今回は、交通事故の後日に病院へ行ってもいいのかについて解説していきます。
-
まずはお気軽にご連絡ください
- 電話受付時間 9:00~22:00
-
LINEで無料相談
(24時間365日、受付) -
WEBで無料相談
(24時間365日、受付)
目次
交通事故の後日に病院へ行っても大丈夫?
交通事故で怪我を負ったとしても、手続きや処理ですぐに病院へ行けない場合もあります。「事故後、すぐに病院へ行けなかったけど、診断書の取得はできるのだろうか…。」と不安になる方もいるのではないでしょうか。
交通事故による怪我の診断書は、後日病院へ行った場合でも取得することは可能です。しかし、診断書の取得は早めに行うことをおすすめします。交通事故から時間が経ってしまうと、事故が原因の怪我であることを認めてもらえない可能性があります。
診断書は、加害者に対して損害賠償の請求をする際に必要な書類の1つでもあります。損害賠償を請求することで、被害者は治療費を負担することなく、交通事故治療を受けることができるのです。
交通事故の怪我は後日あらわれることも…
交通事故の怪我は、すぐにあらわれるとは限りません。以下のような理由で、怪我の症状が後日あらわれる可能性もあるのです。
事故直後は脳が興奮したり緊張状態になり、アドレナリンが出ている状態になります。ですので、本来むちうちの痛みが発生していても、痛みに気づかないことがあります。しかし、時間が経つことで脳の興奮や緊張状態が解けると痛みが出るため、遅れて現れているように感じるのです。
また、痛い箇所が複数あっても、痛みが強い部分を最も痛いと感じるため、他の部位の痛みを感じにくくなっています。ですが、痛みが強かった部位が緩和され怪我の状況が変わってくると、あまり痛くなかったところの痛みが強く出てくることもあります。」
このように、交通事故の怪我が後日あらわれた場合は、病院で診断書を取得した後で物損事故から人身事故への切り替えを行うようにしましょう。ただし、物損事故から人身事故へ切り替える場合は、事故から10日以内に行うようにしてください。診断書同様、事故から時間が経ってしまうと、事故と怪我の因果関係が認められないと判断される場合もあります。
自覚症状がなくても病院へ行った方が良い理由
交通事故の症状は遅れて発症するように感じることがあります。次の理由から交通事故にあったら早期に病院を受診してください。
事故で発生した怪我だと認められない
交通事故より期間が経過すると、事故が原因で起きた怪我であると認めてもらうことが困難です。例えば「むちうち症」などは、普段の生活が理由で起きたのではないか、などと医師が診断に迷ってしまう可能性が出てくるでしょう。
事故と怪我の因果関係が認められない
最初物損事故として対処し、後から症状がでて来た場合は、人身事故へ切り替えることができます。事故から10日以内に行いましょう。診断書同様、時間が経過することで事故との因果関係が認めてもらえなくなることがあります。
交通事故による怪我の治療について
交通事故による怪我の治療を受けられるのは、病院だけではありません。ここでは、通院先や通院の仕方について解説していきます。
2つの通院先
交通事故による怪我は、以下の通院先で治療・施術を受けることができます。交通事故の治療費は、加害者が負担してくれますが、通院先は被害者自身が選べます。
- 整形外科
整形外科では、医師が治療を行います。受けられる治療は、手術・MRIやレントゲンなどの検査・痛み止めや湿布などの薬の処方です。 - 整骨院
整骨院では、柔道整復師が施術を行います。受けられる施術は、マッサージ・電気療法・温熱療法・牽引などです。
通院の仕方
交通事故治療は、怪我の程度によって異なりますが、以下のような通院頻度・期間を目安にしてください。
交通事故で受けた衝撃の大きさによって、症状の程度は異なります。交通事故によるむちうちの治療期間は、軽度であっても3週間程かかるでしょう。重症の場合は3ヶ月、またそれ以上の期間を要する場合もあります。むちうちの受傷直後は、可能であれば毎日通院した方がよいです。最低でも2日に1回は通院してください。通院頻度が多ければ多いほど、症状の回復は早まります。
症状の緩和に伴って、週2回、1回、2週に1回と、徐々に通院頻度を下げていきましょう。また、交通事故治療は、転院や2つの通院先を併用して通うことも可能です。転院や併用をする場合は、必ず保険会社に連絡しましょう。保険会社への連絡を怠ってしまうと、加害者が負担してくれるはずの治療費を支払ってもらえない可能性があります。
▶︎参考:転院や併用するときのポイントについて知りたい方はこちら
交通事故の損害賠償を請求する方法
交通事故の被害者は、治療費や慰謝料を加害者に請求することができるといいました。治療費や慰謝料を含めて損害賠償といい、被害者が交通事故によって負った損害を加害者が金銭で埋め合わせをすることを指します。損害賠償には、積極損害・消極損害・慰謝料の3つに分類されます。
被害者に損害賠償を請求するには、請求手続きを行う必要があります。
2つの請求方法
交通事故の加害者に損害賠償を請求する場合は、被害者請求・加害者請求のどちらかで行うことになります。
- 加害者請求
加害者が先に被害者に損害賠償金を支払い、その後で保険金を自分が加入している保険会社に請求する方法。 - 被害者請求
加害者側から損害賠償が支払われない場合、加害者が加入している保険会社に直接、損害賠償を請求する方法。
ただし、損害賠償の請求には法的な期限が決められています。傷害に関する損害賠償は、加害者請求の場合は損害賠償金を支払ってから3年以内、被害者請求の場合は事故が発生してから3年以内に行わなければなりません。
損害賠償は示談成立後に支払われる!
交通事故の被害者が受け取ることのできる損害賠償は、すぐに受け取れるものではありません。損害賠償は、示談成立後に支払われるものなのです。そもそも示談は、怪我の症状が完治または、症状固定と診断された後に行うのが一般的です。
そのため、被害者は治療費を一時的に負担しなくてはいけない可能性があります。交通事故の治療は高額になることもあるため、後で負担した治療費が返ってくるとしても、一時的な負担は避けたいものです。そんなときは、仮渡金制度を利用することをおすすめします。
仮渡金制度とは?
交通事故の被害者が、治療費の支払いで必要になる費用を賄うために設けられた制度です。仮渡金制度を利用した場合、示談成立後に支払われる損害賠償の一部を先に受け取ることができます。
ただし、仮渡金制度で受け取れるお金は、怪我の程度に応じて5万円・20万円・40万円となっています。
後遺症になった場合の対応
交通事故によって怪我を負った場合には、病院を受診した後、数か月単位で治療をすることは珍しくありません。最終的に症状が固定された場合は、交通事故による「後遺症」と呼びます。交通事故による後遺症の診断を受けるためには、画像検査を受けることや、医師の診察が必須となります。
後遺症は、程度や傷の大きさによって等級が分かれており、「後障害等級認定」と呼ばれる認定を受けることで慰謝料請求できる額が異なります。とはいっても、症状があれば必ず認められるわけではありません。事故が原因で起こった症状か、仕事が継続できないといった事情が発生しているかなどの審査を受けなくてはならないのです。
交通事故と言えば、むちうちは代表的な症状でしょう。診断を受け、適切なタイミングで治療を行うことで後遺症になってしまうのを防ぐことができます。
交通事故後の病院への通い方についてのまとめ
交通事故で後日病院へ通っても大丈夫ですが、なるべく早く病院へ行くようにしましょう。事故から時間が経ってしまうと、事故と怪我の因果関係が認められず、診断書を取得できない可能性があります。
診断書を取得できなければ、加害者に損害賠償を請求できず、自費で交通事故治療を受けることになります。したがって、事故で怪我を負った場合は、早めに病院へ行くようにしてくださいね。
-
まずはお気軽にご連絡ください
- 電話受付時間 9:00~22:00
-
LINEで無料相談
(24時間365日、受付) -
WEBで無料相談
(24時間365日、受付)
この記事を監修したのは…
看護学校卒業後、総合病院にて外科病棟、救急病棟、外来等、急性期看護を経験。結婚・出産を経て、看護師として臨床以外でスキルを磨けるライターに魅力を感じ、活動を開始。現在、医療福祉系の記事を中心に執筆中。
この記事の執筆者
カテゴリ一覧
交通事故に関する知識や通院について
無料でサポートいたします。