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追突事故で股関節に痛み…考えられる症状や後遺障害等級を解説!

交通事故にあうと、むちうちや腰椎捻挫の症状があらわれるイメージが強いのではないでしょうか。股関節の痛みや動かしづらさなどの症状が出ることは、予想だにしなかったという方もいらっしゃるかと思います。

今回の記事では、交通事故後に発症する股関節の疾患や、治療を受ける通院先、後遺症が残った場合に認定される可能性がある後遺障害等級について解説していきます。

追突事故で股関節を負傷する原因は?

追突事故
追突事故にあってから、股関節の痛みに悩まされる方も少なくありません。原因としては、急ブレーキを強く踏んだ状態のまま追突の衝撃を受けたことで、股関節を損傷してしまうことが多いといわれています。

股関節に症状が出る怪我について

股関節が痛い女性

股関節に症状が現れる場合、どのような疾患が疑われるでしょうか?詳しく解説していきます。

変形性股関節症

変形性股関節症は、踏ん張ると股関節に痛みや可動域制限が生じたり、筋肉に力が入りにくくなるという症状があらわれます。
加齢、体重増加や肉体労働などによる負荷で引き起こされる変形性膝関節症(一次性)、病気や外傷から引き起こされる変形性膝関節症(二次性)と、原因によって2種類に分けられています。

腰椎椎間板ヘルニア

腰椎椎間板ヘルニアは、腰の痛みに加え、股関節の痛みを感じることがあります。しかし、時に股関節の痛みだけを引き起こす場合があるといわれています。
交通事故による衝撃を受け、脊椎の間にある椎間板が変形し、一部分が突き出て神経が圧迫されることで痛みやしびれが生じます。

脊椎変性すべり症

脊椎変性すべり症とは、交通事故による衝撃を受け、椎間板にズレが生じたことで発症する疾患です。下半身に痛みやしびれなどの症状を引き起こします。

坐骨神経痛があらわれることもある

坐骨神経痛では、臀部から太ももの裏側に痛みが生じます。痛みの種類は様々で、熱を帯びた痛みやしびれるような痛み、刺すような痛みを感じます。

坐骨神経とは、臀部から太ももにかけて通る、人体の中で最も太い神経です。交通事故の衝撃で腰回りを打撲したことによって、坐骨神経が刺激を受けて発症する場合もあります。

正式な傷病名として坐骨神経痛と名づけられているわけではなく、坐骨神経に沿って生じる症状の総称とされています。
上記で解説した、変形性膝関節症やヘルニア、脊椎変性すべり症などの疾患から引き起こされることがあります。詳しくは、病院でレントゲンやMRI検査を受けて確認することがよいでしょう。

股関節の怪我の治療は整形外科や整骨院で!

四つ葉を持っている手と病院

股関節を負傷したときは、整形外科や整骨院に通院し、治療を受けることで改善を目指すことができます。
この2つではどのような治療が行われ、通院するとどのようなメリットがあるのでしょうか?詳しく解説していきます。

整形外科への通院

整形外科では、湿布や薬の投与、レントゲンやMRIなどの画像検査、診断書の作成など、医師のみが行える医療行為が可能とされています。
交通事故による怪我で通院する場合、交通事故との因果関係を証明することで相手側に治療費を請求することができます。証明には、医師が作成した診断書が必要です。したがって、交通事故にあったら最初は整形外科を受診しましょう。

整骨院への通院

整骨院は病院よりも営業時間が長く、休日も営業している場所が多いという通院のしやすさが長所の一つです。
整形外科と違い、医師による治療を受けることはできません。柔道整復師による手技療法や物理療法、運動療法などを用いた施術を受けることができます。症状に対して直接的なアプローチを行えるため、整形外科と併用して通院することで、早期の改善を目指しやすくなります。

股関節に後遺障害が残った場合の後遺障害等級は?

書類

後遺障害とは、治療を続けても改善の見込みがなく、医学的に症状を証明または説明できる、労働能力の低下や喪失を伴う障害のことを指します。症状の程度に応じて1~14級までの等級に分類されており、認定を受けると加害者側へ後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益を請求することができます。
ただし、等級によって請求できる金額は異なります。

認定される後遺障害等級は8級7号、10級11号、12級7号

股関節に後遺障害が残った場合、8級7号、10級11号、12級7号の認定を受ける可能性があります。それぞれの認定基準とされる症状とはどのようなものであるのか、ご紹介いたします。

8級7号

8級7号の認定基準は、1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すものとされています。
3大関節とは、下肢(腰から下の部位)にある3つの重要な関節といわれる、股関節、膝関節、足関節のことを指します。
「関節の用を廃したもの」とは、以下のような状態が該当します。

  • 関節が強直したもの。
  • 関節の完全弛緩性麻痺またはこれに近い状態にあるもの。
  • 人工関節・人工骨頭をそう入置換した関節の内、その可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されているもの。

つまり、関節がまったく動かなくなるか、それに近い状態(健側の可動域の10%程度以下)の状態のことを指します。

10級11号

10級11号の認定基準は、1下肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すものとされています。
「関節の機能に著しい障害を残すもの」とは、以下のような状態が該当します。

  • 関節の可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されているもの。
  • 人工関節・人工骨頭をそう入置換した関節の内、その可動域が健側の可動域角度の1/2以下に制限されていないもの。

関節可動域が1/2以上に制限された場合か、1/2以上の可動域制限がなくても、人工関節または人工骨頭をそう入置換した状態のことを指します。

12級7号

12級7号の認定基準は、1下肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すものとされています。
「関節の機能に障害を残すもの」とは、以下のような状態が該当します。

  • 関節の可動域が健側の可動域角度の3/4以下に制限されているもの。

関節の可動域が、健康な状態の側と比べて3/4以下に制限されている状態の事を指します。

後遺障害慰謝料の金額は3種類の基準によって異なる

後遺障害慰謝料とは、交通事故による後遺障害が残ったことで被害者に生じた、精神的苦痛を補填するための慰謝料です。
慰謝料を算定する基準は、自賠責基準任意保険基準弁護士基準の3つがあります。

自賠責保険基準は、被害者へ最低限の補償をすることを目的としている、自賠責保険に基づいた算定基準です。3つの基準の中では最も低い金額で算定されます。

任意保険基準は、各任意保険会社で独自の算定基準が定められています。具体的な相場はほとんど公表されていませんが、自賠責基準と同等または少し上回る金額で算定されるといわれています。

弁護士基準は、過去の交通事故の裁判例を参考とした算定基準です。3つの基準の中では、最も高い金額で算定されるといわれています。

どの基準を適用するかで、獲得できる慰謝料の金額は大きく変わります。
上記で解説した8級7号、10級11号、12級7号の場合に獲得できる慰謝料の相場は、以下の通りです。

等級 自賠責基準 裁判基準
8級7号 324万円 830万円
10級11号 187万円 550万円
12級7号 93万円 290万円

以上の結果から、裁判基準を適用することで、受け取ることができる慰謝料の金額は大幅に増額することが分かります。
裁判基準を適用するには、示談の段階で弁護士に依頼することが確実であるといえます。

後遺障害等級はいつ申請するのか?

後遺障害等級は、医師から「症状固定」の診断を受けてから申請できるようになります。
症状固定とは、ある程度治療を継続してきたが、これ以上治療を続けても症状の改善が見込めないと医師が判断した状態を指します。
症状固定後は加害者側から治療費を請求することができなくなりますが、治療を続けること自体は可能です。

まとめ

交通事故後に股関節に症状が出た場合、変形性膝関節症やヘルニア、脊椎変性すべり症が発症している可能性があります。まずは整形外科を受診し、レントゲンやMRIなどの検査を受けましょう。

治療を続けても症状が残ってしまったら、後遺障害等級認定を受けることで、後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益を請求することが出来ます。症状に適した等級が認定され、十分な補償を受けることができるよう、今回の記事が参考になれば幸いです。

この記事の執筆者

交通事故病院編集部 ライター / T.N
大学を卒業し、出版社で取材や編集業務を経験。その後、WEBメディアの執筆に転向し、事故に関する様々な知識を多くの人に届けるべく、日々邁進中。現在は、交通事故専門士の資格を取得するために勉強をしている。座右の銘は、格物究理。

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