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打撲の痛みはいつまで続けば病院に行くべき?判断基準や治し方を解説

監修記事

瀧澤 竜太郎

医師(整形外科他)

交通事故だけでなく、スポーツによる接触や転倒によって打撲を負う人は多く、腫れや痛みを伴うことが多いです。

痛みがあっても適切な対処がわからずに放置すると、場合によっては痛みが長引いてしまうことがあります。

さて、打撲の痛みとはいったいどれ程の期間続くか、痛みを長引かせないための対処法は何があるかをご存知でしょうか?

今回は打撲の痛みが続く期間や、痛みを長引かせないための適切な対処法について紹介していきます。

打撲症状とは

打撲とは?

▲交通事故の怪我:打撲とは?

打撲とは、軟部組織の損傷により腫れ・痛みを伴う炎症反応や皮下出血が現れる症状です。

皮下出血があると皮膚が青紫に変色してしまったり、押さえると痛みを感じたりします。

打撲の痛みはいつまで続く?一時的な症状とは

損傷組織の修復や皮下血腫の吸収にはおおよそ1〜2週間ほどの時間を要するため、打撲の症状も同時期で落ち着いていきます。

仮に組織損傷の程度が大きくて重度の打撲症状だとしても、本来は1ヶ月ほどの期間があれば回復するはずです。

痛みが1ヶ月以上続くなら、捻挫や骨折の可能性もある

打撲が1ヶ月以上も皮膚色が変化しなかったり、痛みが残っている場合は、単なる軟部組織の損傷だけではなく別の要因が絡んでいる可能性を疑いましょう。

捻挫による靭帯損傷や骨折をしている可能性があります。その場合は病院を受診しましょう。

また、炎症反応が強い時期は安静にしていても痛みを伴いますが、安静による痛みが長期間にわたって継続している場合は特に注意が必要です。

痛み以外の打撲の症状

打撲の症状とは?

▲交通事故の怪我:打撲の症状とは?

打撲は痛みの他にも多彩な症状が現れます。

  • 内出血
  • 炎症
  • 運動制限
  • 腫れ

局所的に強い衝撃が加わると血管の損傷を招いてしまい、血液が漏れ出てしまうことで内出血を起こしてしまいます。

損傷した組織の修復過程で炎症反応が起こると、患部に腫れや熱感を生じますが症状は一時的です。

痛みが強い場合や、組織修復後の癒着が原因で関節を円滑に動かすことができないと、運動制限を認めることがあります。

腫れについては、以下にまとめていますので参考にしてください。

関連記事打撲の腫れはいつまで続く?痛みを和らげる方法とその他の打撲症状を解説

打撲は病院に行くべき?迷った時の判断基準とは

打撲で病院受診するときの判断のポイント

▲打撲で病院受診するときの判断ポイント

打撲を負ったときに病院に行くべきか悩む人もいるでしょう。

痛みが長期化していたり、悪化したりする場合は打撲とは別の原因を考えることが必要です。

特に打撲を生じてから1ヶ月が過ぎても症状が改善されない場合は、別の怪我の可能性もあるので病院を受診しましょう。

受診するべきかどうかの判断基準を、以下にわけて紹介します。

  • 4週間ほど痛みが続く場合
  • 骨が突き出たような場合
  • 内出血がなく痛みだけ残った場合

4週間ほど痛みが続く場合

打撲は軟部組織の損傷によって内出血や炎症反応が生じます。

痛みのピークは受傷から3日ほどの炎症期であり、そこから治癒が進むにつれて痛みは軽減していくため、ほとんどは2〜3週間で改善することが多いです。

4週間ほど経過しても痛みが改善しない、または増悪している場合は組織の修復が終了していない可能性が高く、最悪のケースでは骨折している可能性があります。

4週間ほど痛みが続く場合には医療機関を受診するとよいでしょう。

骨が突き出たような場合

打撲の痛みは、炎症期の安静時にも現れますが、損傷部位の修復に伴って軽減していきます。腫れや熱感が改善していくと、基本は圧痛以外の症状はほとんど気にならないものです。

圧痛のみであれば受診の緊急性は低いですが、腫れが引かずに骨が突き出たような感覚がある場合は骨折の可能性があるので、様子を見ずに早急に医療機関を受診しましょう。

骨折に気が付かずストレスを与え続けると骨がさらにずれてしまう危険性もあるので注意が必要です。

内出血がなく痛みだけ残った場合

毛細血管の損傷があれば内出血を伴いますが、基本的には長くても2〜3週間で皮膚色の変化まで改善することがほとんどです。

損傷した筋肉の回復もおおよそ同じ期間を要しますが、修復の過程で組織同士が癒着してしまうことがあります。

動かしているうちに自然と改善するものですが、痛みが強い場合には過度なストレスを与えると再び軟部組織が損傷する可能性があるでしょう。

内出血が改善しても痛みだけが残る場合は医療機関へ相談しましょう。

病院へ行かなくても大丈夫なケース

反対に、病院を受診せずに様子をみてもよいケースを紹介します。

例えば、内出血が残っていても青紫色ではなく黄色に変化している場合や、歩いたり関節を動かしても痛くない場合は骨折をしている可能性は低いでしょう。

また、腫れや痛みは残っていても徐々に軽減している時は、治癒が進んでいる状態であるため必ずしも病院を受診しなくても問題ないです。

打撲の基本的な治し方や自宅での応急処置

打撲により腫れがある場合は炎症反応が生じている可能性が高いので、適切な処置であるRICEを行いましょう。

RICE処置 とは

▲応急処置で大切なRICE処置とは

RICE処置とは

RICEとは、以下の4つの応急処置の頭文字を総称したものです。

  • Rest(安静)
  • Ice(冷却)
  • Compression(圧迫)
  • Elevation(挙上)

炎症反応に対する治療法は第一に安静です。

冷却は1setを15〜20分間として、set間は1〜2時間と間隔をあけて繰り返し実施します。

凍傷のリスクがあるので過度な冷却には注意が必要です。炎症のピークは2〜3日間ですが、受傷部位に熱感がなければ冷却は終了しましょう。

包帯の適度な圧迫や患部の挙上は組織循環を促進させるため、治癒過程においては重要です。

座っている時間が長い場合は定期的に足を上げるとよいでしょう。

病院受診後のケアは整骨院でも受けられる

ポイント,注意点

交通事故によって打撲を生じた場合には、整形外科だけでなく整骨院・接骨院でも施術を受けることが可能です。

交通事故による通院費用や施術費は入通院慰謝料として請求できることを覚えておきましょう。

また、施術は整形外科と整骨院のどちらでも受けることができますが、両者の違いを知らない人は多いです。

交通事故通院における整形外科と整骨院の治療内容の違い

▲交通事故通院の病院と整骨院の治療内容の違い

整形外科はレントゲン検査だけでなく、CTやMRIといった精密検査の結果をもとに医師の診断を受けられます。リハビリを実施している場合もあります。

整骨院は国家資格者の柔道整復師により手技療法を中心とした施術を受けることができます。

比較的営業時間が長い場合が多く、自身の生活スタイルにあわせて通院しやすいメリットがあります。

関連記事整骨院と整形外科の違いは?どっちがいいか症状やケースにあわせて解説!

まとめ

今回は、打撲が続く理由と適切な対処法について解説しました。

打撲の痛みは軽症であれば数日、長くても2〜3週間で完治することが多いので、1ヶ月も続く場合は他の原因が考えられます。

特に腫れが引かない、痛みが増悪している場合は骨折が疑われるので病院を受診しましょう。

交通事故で生じた打撲は整骨院と整形外科のどちらでも施術を受けることができます。

整骨院へ通院したい場合は、医師の診察を受けた上で、自身の症状や施術内容で検討しましょう。

この記事を監修したのは…

桜整形外科内科ペインクリニックの院長。専門分野は、整形外科,麻酔科,ペインクリニック,内科,リハビリテーション。

桜整形外科内科ペインクリニックHP
https://sakuraseikei.com/

<保有資格>
・麻酔科標榜医
・日本麻酔科学会専門医
・日本医師会健康スポーツ専門医

<経歴>
2008年
・慶応義塾志木高等学校卒業・筑波大学入学
2013年
・University of Edinburgh Royal Infirmary : Anaesthesiology / Acute medicine
 (英国 エジンバラ大学 麻酔科 / 急性期内科)
・Universitätsklinikum Bonn : Anästhesie
 (ドイツ ボン大学 麻酔科) 臨床留学
2014年
・筑波大学卒業
2020年
・筑波大学後期研修プログラム修了
2020~2022年
・イムス東京葛飾総合病院 麻酔科・整形外科
・土浦協同病院 麻酔科・ペインクリニック
・帝都メディカルクリニック 西新井駅前院 整形外科・ペインクリニック
2022年3月1日〜現在 
・桜整形外科内科ペインクリニック 院長

この記事の執筆者

理学療法士 / 岡野 圭祐
理学療法士として、大学病院、急性期総合病院に務め、急性期や外来整形患者を担当。 臨床業務の他にロボット開発、リーダー活動、勉強会開催など多岐にわたる経験がある。 理学療法士としての可能性を広げるため、ライター活動も行っている。

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