交通事故で相手の保険会社から連絡がこない時の理由と対処法
監修記事
オオクマ サキコ
看護師
交通事故で被害者になったが、相手の保険会社からなかなか連絡がこない…と不安に感じていませんか?
相手の保険会社からの連絡が遅いと、手続きが進まなかったり、治療費や損害賠償について不安が募ったりと気がかりになってしまいます。
そこで今回は、以下の内容を解説します。
- 交通事故で相手の保険会社から本来連絡がくるタイミング
- 相手の保険会社から連絡がこない時に考えられる理由
- 相手の保険会社から連絡がこない時の対処法
「保険会社からいつ連絡が来るんだろう…」
「連絡がこない場合にはどうしたらいいのか…」
と悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
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目次
通常はいつ?交通事故での相手の保険会社からの連絡
交通事故後、通常相手の保険会社からいつ連絡がくるかご存じですか。答えは、交通事故直後・通院期間中・示談交渉といったタイミングで、相手の保険会社から連絡がくることが多いようです。
連絡の内容も、保険会社からの事故に対する見舞いの挨拶や、示談交渉など、事故の内容によって多少異なってきますが、おおよそ次のようなタイミングとなります。
交通事故の直後
事故の直後に来る連絡は、事故に対する見舞いや今後の流れについてです。同時に、事故の状況や、現在通院しているかどうかといったことも確認されることがあるようです。初回の連絡が来る際には、加害者側の保険会社における担当者が決まり、双方の窓口となってくれます。
また、事故における治療を受ける際に「一括払い」の対応を保険会社へ依頼しましょう。医療機関での治療費を保険会社が直接支払ってくれるので、治療費を払う手間が省け、高額な治療を建て替えることによる一時的な家計の圧迫を避けることができます。
弁護士監修交通事故の治療費は誰が支払う?手続きの流れや打ち切りの打診について解説
通院期間中
事故による治療や施術を受け、ある程度症状が落ち着いてきたとみなされたタイミングで、治療の打ち切りの話になります。治療費の打ち切りについては、保険会社が判断できる項目で連絡をしてきます。とは言っても、治療打ち切りに対して、早急に応じる必要はありません。
症状が固定されていない場合は、治療を続ける必要がありますから、自信を持って対応しましょう。症状固定までにどのくらいの期間かかるのか、判断するのは医師です。主治医に確認してから診断書をもらい、保険会社と治療費の継続を交渉しましょう。
関連記事症状固定は誰が決める?保険会社の提案への対応や後遺障害認定を解説
示談交渉の時
示談は裁判をせず、交通事故の当事者間で賠償に関する問題を解決することを指します。
保険会社は加害者と被害者の間に入り示談交渉を行うために、連絡がきます。連絡は被害者の症状固定が見られる時期に入ります。
物損事故の場合は、事故と損傷の整合性が取れた段階になります。被害者(または、加害者)より示談金が提示され、合意するようであれば示談が成立します。
相手の保険会社から連絡がこない時に考えられる理由
相手の保険会社から連絡が来ない場合は、どのような理由が考えられるのでしょうか。
加害者側が保険会社へ連絡をしていなかったり、任意保険に加入していないといったことがあります。また、保険会社の対応によって、理由があり連絡がこないこともあります。
それぞれのケースを詳しく確認していきましょう。
加害者が自身の保険会社に連絡をしていない
保険会社を利用するということは、今後保険料が上がってしまう原因となります。そのため、保険料を気にして、加害者が保険会社を利用したくないと考えるようであれば、保険会社に連絡をしないということがあり得ます。
保険会社に事故を起こしてしまった旨を連絡していなければ、保険会社も手続きを行うことは不可能です。
加害者が任意保険に加入していない
任意保険は自賠責保険と異なり、加入は自由に選択することができます。そのため、保険会社からの連絡がない場合、加害者が任意保険に加入していないことも予想されます。
自賠責保険では任意保険のように示談交渉を行う担当者もいないため、電話が被害者にかかってくることはありません。連絡は直接加害者に取らなければならないため、連絡を待つばかりでは解決につながらないので注意しましょう。
保険会社の連絡不備
相手の保険会社からの連絡は早急に欲しいものです。しかし、保険会社の担当者が業務を多重に抱え、対応が遅くなり、連絡ができないことがあります。また、事故に対して社内での対応や連絡が不十分であり、時間を要してしまった結果、連絡できないことも。
いずれにしても、保険会社側の不備により連絡がこないことはあり得るので、加害者側に状況を確認する必要がでてきます。
相手側に損害賠償義務がないと判断している
加害者側の保険会社ですから、最初は加害者側に事故の経過を聴取することになります。加害者側の事故に対する報告内容の結果、損害賠償の義務が発生していないと保険会社が判断することもあります。
特に加害者が自身の過失を否定するだけでも、損害賠償が発生しない案件だと判断されてしまいます。加害者側に過失がなければ、任意保険を使用することはできませんから、連絡がこないわけです。
関連記事交通事故で加害者が謝罪に来ない!適切な対処法と慰謝料を詳しく解説
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相手の保険会社から連絡がこない時の対処法
相手の保険会社からの連絡を待ち続けるだけでは、被害者が損をしてしまうことも考えられます。ここでは相手の保険会社からの連絡が来ない時の対処法について、ご紹介します。
加害者本人に連絡をするだけでなく、専門家や専門の窓口に相談するのもよいでしょう。
保険会社の相談窓口へ連絡する
事故後の連絡について状況を確認するためにも、保険会社の相談窓口へ連絡しましょう。
交通事故発生時は、その場で加害者の連絡先と一緒に、加害者の保険会社も確認します。もし、加害者から連絡が来ないと言った場合にも、保険会社を通して対応してもらうことができます。
また担当者によって、連絡の頻度や対応も異なってきます。必要に応じて、保険会社の苦情受付窓口に相談することもできます。
相手の保険会社が不明な場合は加害者本人へ連絡する
加害者の任意保険会社が不明な場合は、加害者本人に連絡しなくてはなりません。とは言っても、加害者が自身の過失を否定することも考えられ、保険会社を教えてもらえないこともあります。
被害者が個人で、相手の保険会社を調査することは困難です。その場合、弁護士に相談し、任意保険会社への契約があるかを確認してもらうことができます。
そんぽADRセンターに連絡する
保険会社以外の第三機関として設置されているのが、そんぽADRセンターです。相手の保険会社からの連絡がなければ相談機関を利用しましょう。
そんぽADRセンターは、自賠責保険・自動車保険に対しての一般的な相談が可能となっています。保険会社とのトラブルに対する苦情や、トラブル解決の提案もしてくれます。
そんぽADRセンターの利用は原則無料で、通信費や郵送料などは利用者の自己負担です。
弁護士に相談する
保険会社から連絡がこない理由も様々ですが、保険会社への連絡を依頼することによって、加害者とのトラブルが心配されるものです。
交通事故にあった場合には、弁護士に相談するのもよい手段でしょう。また弁護士に代理人になってもらうことで、後々の示談交渉等がスムーズになったり、慰謝料が多くなるケースもあります。専門家にしかできない相談を依頼することが可能です。
弁護士監修交通事故で通院したら慰謝料はいくらもらえる?計算方法も解説
相手の保険会社から連絡がこない・遅い場合の注意点
被害者として辛い思いをしているなかで、相手の保険会社から連絡がこなかったり、対応が遅いのは非常に困ります。それでも、保険会社へ脅迫するような対応をしないよう注意しましょう。
相談窓口へ相談したり、専門家を活用したりして冷静に対応してください。
冷静に対応する
保険会社から連絡が来なかったり、対応が遅いと言った場合でも、冷静に対応することは忘れないでください。感情的な対応を取ってしまうことで、クレーマーと捉えられたり、脅迫するような行動をとるのはタブーです。
保険会社に連絡を取ることが困難であったり、ハードルが高いと感じる場合には、自身の代理人として弁護士に依頼する手段もあります。保険会社との対応を全て任せることができ、メンタル面での負担が軽減されるかもしれません。
関連記事交通事故で保険会社が嫌がることは?通院や示談をする前に注意点を確認
相談できる機関や窓口を活用する
無料で相談できる機関や窓口も設置されているので活用していきましょう。先にご紹介したそんぽADRセンターや保険会社のカスタマーセンターに相談すると良いです。
適切な対応を取ってもらうことを依頼するだけでなく、交通事故に関する知識を得ることができ、今後の対応に困りません。ご自身で加入されている任意保険に弁護士特約があれば、弁護士費用を補填してもらいながら対処にあたることができます。
関連記事交通事故の弁護士特約を徹底解説!成功報酬は誰が払う?等級は下がる?
交通事故で相手の保険会社から連絡がこない場合には対処法がある
交通事故で相手の保険会社から連絡がこない・遅い場合には、様々な理由が考えられます。相手の保険会社がどこの会社か分からない場合には加害者本人に連絡をしてみましょう。保険会社や加害者本人との対応が煩わしい場合には弁護士に相談し、対応を依頼することも可能です。
また、そんぽADRセンターなど無料で相談できる機関もあるので困った場合は活用するとよいでしょう。
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この記事を監修したのは…
看護学校卒業後、総合病院にて外科病棟、救急病棟、外来等、急性期看護を経験。結婚・出産を経て、看護師として臨床以外でスキルを磨けるライターに魅力を感じ、活動を開始。現在、医療福祉系の記事を中心に執筆中。
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