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交通事故で加害者が謝罪に来ない!適切な対処法と慰謝料を詳しく解説

監修記事

鍋谷 萌子

ビジネス実務法務検定3級

交通事故の被害者となったときに、本来は謝罪に来るべきはずの加害者が謝罪に来ない状況に陥ることがあります。

  • そもそもなぜ交通事故の加害者が謝罪に来ないのか?
  • 逆に交通事故の加害者が謝罪を積極的に行う理由とは?
  • 交通事故の加害者が謝罪に来ないことを理由として慰謝料の増額を要求することは可能か?

今回はそのような状況になった際に、気になる理由や注意点について解説していきます。

交通事故の加害者が謝罪に来ない理由とは

加害者が謝罪に来ない 理由

交通事故の被害者となったのに、加害者がなかなか謝りに来ない」ことはよくあります。

その理由についてまず考えていきましょう。

交通事故にまつわる対応はすべて保険会社に任せるため

交通事故の加害者が謝りに来ない理由のなかでもっとも分かりやすいのは、「そもそもすべてのやり取りを保険会社に任せているから」です。

これは交通事故の加害者側の過失・問題とは一概には言い切れません。

専門家でもない当事者同士でのやり取りをした場合、話し合いが上手くいかなかったりこじれたりしてしまう可能性が高くなるからです。

このような状況を懸念して、交通事故の加害者は保険会社の方から「直接謝罪に伺うことはやめてください」と止められることもよくあります。

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事故を起こした責任を認識していない可能性

交通事故を起こしたくて起こす人はいません

そのため多くの人は(保険会社から止められて実際に行動に移すことはできなかったとしても)、誠意を以って事態の収拾にあたろうとします。

しかし一部の誠意のない加害者の場合は、「自分は悪くない」「自分が悪かったとしても、嘘をつらぬけば事は収まる」「電話に出なければ相手はあきらめる」と考えます。

このような場合は交渉が長引くことが多く、精神的にも摩耗させられてしまうでしょう。

交通事故の加害者の謝罪連絡が積極的な場合は示談を希望している可能性

交通事故の加害者の謝罪連絡が積極的な場合は示談を希望している可能性

交通事故の加害者のなかには謝罪をまったく行わない人もいますが、逆に積極的に謝罪連絡をしてくる人もいます。

なかには「できれば示談で納めてもらいたい」ために積極的に行動しているケースもあります。被害者と加害者の間で示談が成立した場合、刑事処分が軽くなるからです。

示談は一度成立したら原則修正や取り消しができないので、軽率に応じるべきではありません。しかし、「相手が出してきた条件が通常よりもよく、かつ相手の態度からも真摯に反省していることが見て取れる」場合は、専門家に相談したうえで、示談に応じてもよいでしょう。

保険会社を通さず謝罪に来る場合は賠償金額に関する言及に注意

任意保険に加入しており、本来は保険会社の担当者が交渉の対応をするにもかかわらず、交通事故の加害者が直接謝罪に来た」という場合は、対応に注意が必要です。

相手が賠償金額の話をしてきたときに、それを不用意に了承してしまうと、いざ示談交渉の場になったときに、その「了承」が悪い影響を与えてしまうこともあるからです。

謝罪を受ける際は、賠償金の話などを軽率に了承することは避けるべきです。

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交通事故の加害者が謝罪に来なくても慰謝料増額は難しい

交通事故 慰謝料

「交通事故の加害者が謝罪に来なかった」ことは、交通事故の被害者からすれば腹立たしいかもしれません。「それならば慰謝料を増額させたい」と思うのもある意味では当然でしょう。

しかし交通事故の加害者が謝罪に来ないことのみを理由として慰謝料の増額を要求することは、極めて難しいといえます。

なぜなら、慰謝料の金額の基本は「自己態様の悪質さ」によって決められるからです。

たとえば同じように20キロオーバーで歩行車をはねた場合、直後に車をとめて救急車や警察や保険会社に連絡をして対応した場合と、ひき逃げをしてこれを隠ぺいしようとした場合では後者の方が慰謝料が高くなります。

刑事罰に影響する可能性はある

交通事故の加害者の謝罪の有無は慰謝料の増額には大きな影響は与えませんが、刑事罰には影響を与える可能性があります。

なぜなら交通事故の被害者は、「相手に厳罰を望むか否か」の希望を出すことができるからです。

もちろん度を越した要求は認められませんが、「救助も連絡も対応も真摯であったので刑罰を軽くしてほしい」と被害者が望んだ場合と、「救助も連絡も対応も不誠実であったので厳罰に処したい」と被害者が望んだ場合では、刑事罰の重さが変わってくる可能性はあります。

加害者からは謝罪よりも適切な損害賠償を得ることに注力

交通事故の加害者が謝罪に訪れないのが気に食わなくとも、相手の行動を完全に制限することはできません。

「より自分に有利な補償を受けるためにはどうすればよいか」を考える方が建設的でしょう。

上でも述べたように、「謝罪に訪れなかったこと」だけを理由として慰謝料を増額させることは難しいといえます。

しかし、謝罪に訪れないばかりでなく、被害者であるあなたに暴言を吐いてくるなどの行動が見られた場合は、それを理由として慰謝料の増額を求めることも不可能ではありません。

加害者が謝罪に来ない場合は弁護士への相談も検討

弁護士のバッチ

上では「交通事故の加害者が謝罪に来なかったことだけを理由として慰謝料の増額を求める事は難しいが、相手の態度によってはできることもある」としました。そのときの味方になるのが「弁護士」です。

損害賠償金を増額して請求できる可能性がある

相手からの暴言などがあった場合はこの証拠を保全し、弁護士に相談してください。証拠をもとに交渉を行い、慰謝料を増額して請求できる可能性があります。

また、交通事故の慰謝料には「自賠責基準」「任意保険基準」「弁護士基準」の3つの算出する基準があります。

損害賠償金の請求額としては、弁護士基準が最も高額になります。

加害者の対応に被害者自身や家族が気をもまずに済む

弁護士を委任する一番大きなメリットは、「加害者の対応を自分でしなくてもよくなること」にあります。

加害者と直接のやり取りや交渉は、被害者自身やその家族の心をすり減らします。しかし弁護士に依頼すれば、そうした対応の窓口となってくれます。

関連記事むちうちで弁護士費用特約を使うメリットとは?

交通事故後の対応に困ったときは専門家への相談も視野に

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交通事故の被害者となったときには「謝罪に来ない交通事故の加害者」に、イライラさせられることもあるでしょう。

しかし気を揉んで時間を浪費したり、暗くなったりしていても状況は改善しません。適宜プロに頼って、迅速に事態を終息させることも重要です。

特に法律や交渉の専門家である弁護士は、慰謝料増額の面でも頼りになることでしょう。

この記事を監修したのは…

交通事故関係、弁護士事務所・クリニック等でのコラム執筆を数多く経験。確かな情報収集力を元に、常に正しく信頼のおける情報を「誰であっても理解できるかたちで」わかりやすく丁寧に解説していきます。

この記事の執筆者

ライター / 鍋谷 萌子
ビジネス法務検定資格取得者。赤本を元に交通事故関係の記事を多数作成してきました。弁護士事務所・クリニックなどでのコラム作成経験が非常に豊富です。確かな情報収集力を元に、常に正しく信頼のおける情報を「だれであっても理解できるかたちで」、分かりやすく丁寧に解説していきます。

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