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むちうちで首が痛い時にカロナールは効果あり?ロキソニンとの違いも解説

監修記事

オオクマ サキコ

看護師

むちうちの辛い症状を「カロナール」などの鎮痛剤でなんとかしたい…と、むちうちを患っている方はお考えでしょう。結論として、カロナールはむちうちの痛みに対して、効果的であると言えます。

本記事では、カロナールがむちうちに効果的である理由、カロナールの特徴、また鎮痛の作用がある薬「ロキソニン」との違いについて、細かくご紹介します。カロナール以外のむちうちによる痛みに対する対処法を知りたい方もご一読ください。

むちうちで首が痛い時にカロナールは効果あり?

「むちうち」とは?発症の原因や症状等

▲「むちうち」とは?発症の原因や症状等

医学用語で、むちうちは「頚椎捻挫」と呼ばれます。発生する状況としては、スポーツや交通事故などで首に強い負担がかかってしまうことにより起こります。

痛みなどの症状だけではなく、めまいなどの神経症状の発生につながるケースも見られます。辛い症状が多いむちうちですが、痛みについてはカロナールの効果が期待できます

カロナールを服用すれば痛みを軽減できる

カロナール(一般名:アセトアミノフェン、以下カロナール)を内服することで、むちうちの痛みを軽減させることが期待できます。空腹時の内服は避けて、痛みが出現した際に内服しましょう。続けて内服する場合には4-6時間の間隔を空けることが必要です。

カロナールは、脳の中枢神経や体温中枢に働きかけることで、痛みや熱を緩和させる解熱鎮痛剤です。しかし、実際は薬がどのように作用して効果を発揮させるか(作用機序)について詳細はわかっていないと言われています。

カロナールはあくまで痛みを抑えるもの

むちうちの痛みにも効果が期待できるとはいえ、カロナールは痛みを抑える、つまり症状に対しての対処をする「対症療法」であり、根本的な治療となる「原因療法」とは言えません。

痛みが和らいだからといって、通院を中断してしまったり、薬を指示通り内服しないと言った行動は、痛みが改善しないばかりか、むちうちの症状を悪化させるケースにつながるリスクもあるでしょう。医師の指示に沿って通院を続け、指示通りに薬を使用することが大切です。

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むちうちでよく処方されるロキソニンとカロナールの違い

むちうちで首が痛い時にカロナールは効果あり?ロキソニンとの違いも解説

カロナールと同様に身近に聞く痛み止めの薬であるロキソニン(一般名:ロキソプロフェン、以下ロキソニン)は、内服の場合、炎症を抑えて痛みを和らげること、また解熱の役割も期待できます。

カロナールとロキソニンのそれぞれの薬の効きの程度や体への負担、また使用できる年齢等の違いをご紹介します。

カロナールは子供や妊婦も使用できる

カロナールは数ある痛み止めの中でも、比較的、胃や腎臓への負担がかかりにくいと言われています。痛みの症状がある高齢者、子供や妊婦に対しての対処療法として、カロナールは第一選択になります。必要時、医師の診断による処方であれば、カロナールは0歳児の乳児に処方されることもあります。

いかに安全性が高いかがよくわかります。当然のことですが、カロナールも医師の指示に沿った適正量を内服しましょう。自己判断による過剰摂取は健康を害するため、絶対にやめましょう。

鎮痛作用はカロナールの方が弱い

カロナールは、ロキソニンより胃や腎臓への負担が少ないと言うメリットがあります。一方で、炎症を抑える作用はほとんどないと言われており、痛みを抑える鎮痛作用はロキソニンよりも弱いのがカロナールのデメリットです。

そのため、むちうちによる痛みがある場合、効き目が穏やかなため、頓服薬としてではなく、定時での内服にカロナールが処方されることも珍しくはありません。

関連記事むちうちによる首の痛みにロキソニンは効果あり?使い分けとタイミングが大切

むちうちでカロナールを使っても痛みが取れない場合

むちうちの場合、カロナールを使っても痛みがとれないということがあります。ここでは痛みが改善しなかった際に、取るべき行動を4つご紹介します。

症状は辛いかと思いますが、慢性的なむちうちによる痛みにさせないためにも、放置したり、我慢することなく早期に対応する必要があります。

湿布や薬の種類について医師と相談する

カロナールを使用しても、痛みが軽減しないことを医師に相談しましょう。症状の変化を医師に正確に伝えることで、適切な処方を検討してもらうことができます。先にご紹介したロキソニンなど、他の鎮痛剤へ変えてもらうことで症状が改善することも期待できます。

例えばロキソニンは、内服薬だけでなく、湿布といった外用薬も存在しますから、併用することも可能です。ロキソニンの湿布はドラックストアなどでも販売してはいますが、薬効の成分も強いので、むやみに使用することはおすすめできません。

ブロック注射や牽引などの治療

むちうちにはブロック注射や牽引治療も有効です。

  • ブロック注射:痛みをやわらげるため、神経や神経周囲の組織に、直接局所麻酔を注射するのがブロック注射です。入院する必要はなく、外来受診のみで治療が可能です。保険適用となります。
  • 牽引治療:機械や手で、頚部を引っ張るのが牽引治療です。むちうち症により、圧迫されている神経を和らげることで、血流を良くして痛み改善を期待することができます。保険適応となります。

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首のコルセットで固定する

首のむちうちにおけるコルセットの役割:首の負担を減らして炎症を悪化させないこと

▲首のむちうちにおけるコルセットの役割とは?

成人の頭の重さは4~5㎏といわれ、普段その重さを支えるのが首です。むちうちにより首が負傷している場合、症状を悪化させないためにも、首のコルセットで支え、首の負担を軽くさせるようにしましょう。正しい使用をすることで、回復を早めることができます。

使用期間は受傷から1週間程度で、長期に渡って使用するものではありません。首を長期間固定することで、血流が悪くなったり、首周囲の筋力低下によって痛みが増強する恐れがあるからです。

関連記事交通事故でむちうちに…コルセットを使う目的は?

冷やしたり温めたりする

むちうちは温めるべき?冷やすべき?:炎症があるときは「冷やす」、炎症が収まったら「温める」

▲むちうちは温めるべき?冷やすべき?

むちうちの痛みは冷やしたり温めたりと言った方法でも痛みの軽減が期待できます。それぞれ効果的なタイミングがあるので注意が必要です。

  • 急性期(3日〜1週間程度):急性期は患部で炎症が起き熱を持っている状態です。冷やして安静にしましょう。
  • 慢性期(炎症が落ち着いたころ頃):患部の炎症は落ち着き、痛みが軽減している時期になります。激しい痛みはないものの、痛みが続いている状態です。損傷している箇所の修復を早めるためにも、温めて血流をよくすることに努めます。

関連記事むちうちは冷やす?それとも温める?

むちうちによる痛みがカロナールなどで引かなければ整骨院での施術も

交通事故治療で整骨院に通うメリット(営業時間が長い・土日祝日も通える・予約可能)

▲交通事故治療で整骨院に通うメリット

カロナールなどで痛みが改善しない場合のアプローチとして、施術を整骨院で受けることも検討してみましょう。整形外科への通院をしているのにも関わらず、痛みが慢性化している場合も同様です。

特に、交通事故の場合は整骨院も自賠責保険の対象となり、治療費の面での心配がある方も安心です。病院と比較して、整骨院であれば営業時間が長く、土日祝も営業しているのは大きなメリットと言えます。

整骨院でのむちうちへの施術

整骨院・接骨院の交通事故施術とは?

▲整骨院の交通事故施術内容の種類

整骨院ではむちうちへの施術として電気療法、あん法、牽引療法、運動療法、手技療法などが挙げられます。そのうちの3つを紹介します。

  • 電気療法:患部にパッドを当て、微弱な電流を流します。筋肉の緊張を和らげ、血流を良くします。
  • あん法:患部を温める(温あん法)にはホットパック、冷やす(冷あん法)場合はアイシングを患部へ置くことで痛みをおさえ、血流をよくすることが期待できます。
  • 牽引療法:患部を機械で牽引し、狭くなった骨の間隔を広げることで、神経痛などの改善を期待します。

実際に行われる施術の内容は整骨院によっても異なるので、まずは症状を含めて相談をしてみることをおすすめします。

関連記事むちうちで整骨院に通院していい?いつから通えるかや施術も解説!

むちうちへのカロナールの効果まとめ

カロナールはむちうちの痛みに効果があります。しかし、カロナールの内服は一時的に痛みを緩和できますが、完治を目指す原因療法にはなりません。またロキソニンと異なり、体への負担は少なく、幅広い年齢層に使用できる薬ですが、鎮痛作用は緩いと言われています。

むちうちの痛みが軽減しない場合は、急性期・慢性期問わず、まず医師に相談することが大切です。同時に、あん法を使用したり、整骨院で施術をうけることも検討してみましょう。辛い痛みを軽減できるきっかけになりましたら幸いです。

参考
1)一般社団法人日本ペインクリニック学会:NSAIDsとアセトアミノフェン
2)あゆみ製薬株式会社:カロナール錠を服用される方へ

この記事を監修したのは…

看護学校卒業後、総合病院にて外科病棟、救急病棟、外来等、急性期看護を経験。結婚・出産を経て、看護師として臨床以外でスキルを磨けるライターに魅力を感じ、活動を開始。現在、医療福祉系の記事を中心に執筆中。

この記事の執筆者

看護師 / オオクマ サキコ
看護学校卒業後、総合病院にて外科病棟、救急病棟、外来など、急性期看護を経験。その後、結婚・出産を経て、看護師として臨床以外でスキルを磨ける看護師ライターに魅力を感じ、活動を開始。現在、医療福祉系の記事を中心に執筆中。

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