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【腰痛】寝る時はコルセットを外すべき?正しい使い方や役割を解説

監修記事

大嶋 伸雄

柔道整復師

腰痛をお持ちの方はコルセットをつけた経験があるのではないでしょうか。

コルセットを付けると腰の痛みは和らぎ、軽減するメリットがありますが、
「腰痛があってコルセットを普段つけてるけど、寝る時は外したらいいの?」
こんな悩みを抱えている方も多くいることでしょう。

そこで、今回は寝る時はコルセットを外すべきか、その理由やコルセットの正しい使い方、そして寝る時の負担の少ない姿勢や寝方についても徹底的に解説していきたいと思います。

寝るときはコルセットを外した方がいい

寝るときにコルセットを外した方が良い理由4つ

▲寝るときにコルセットを外した方が良い理由4つ

普段コルセットを付けている方は、寝てるときに外すべきか悩むかもしれません。

結論からいうと、寝るときはコルセットは外したほうが良いでしょう。

日中にコルセットを着用することには多くのメリットがあります。

  • 関節可動域を制限して疼痛を緩和させる
  • 姿勢の保持、関節の保持をする
  • 腹圧を高めて腰椎、腰部を固定させる
  • 安心感を得られる

急性腰痛症やぎっくり腰などコルセットによる固定が必要な場合はきちんと着用しましょう。

しかし、寝るときにコルセットを着用し続けると、下記の通り腰痛に悪い影響が及ぶ場合があります。

  • 腰の血流が悪くなり症状が長引く恐れがある
  • 寝ている時は重力が腰椎や腰部への負荷が減る為コルセット着用の必要がない
  • コルセットの効果はそもそも8時間程度しかない
  • 汗もなどになりやすい
  • 寝返りをうつ妨げになる
  • 寝返りが打ちにくくなる為途中で目が覚めてしまう恐れがある

したがって、寝る時はコルセットを外す方が望ましいです。

寝る時もコルセットが必要なケース

脊椎圧迫骨折、腰椎骨折、病的骨折などがある方にとって、コルセットは不可欠です。

脊椎の圧迫骨折などがあると、寝返りをうつ際や起き上がる際に、骨折を悪化させたり、治癒が遅くなる恐れがあります。

圧迫骨折とは?

▲圧迫骨折とは?

特に骨粗鬆症(こつそしょうしょう)などによって、脊椎を圧迫骨折している高齢者の方は、別の場所を骨折しやすくなっており、その予防としてもコルセットは必要です。

コルセットを使用することで、以下のような効果が期待できます。

  • 寝返りや起き上がりで骨折を悪化するのを防ぐ
  • 背骨や腰の負担を軽減する
  • 新しい部位の骨折を防ぐ

このように、コルセットを付けることは、骨折の安定化に同等の効果があり、痛みの軽減だけでなく、骨折の悪化や新しい骨折の予防につながります。

また、一日中腰椎、腰部の固定が必要な症状の場合は、医師、専門医の指示があります。

症状や怪我の状態によって使用するコルセットも違います。患部をしっかり固定をしないとならないので、安静を保ち早期に症状を軽減させましょう。

関連記事腰椎捻挫とは?原因から症状、治療法やリハビリも解説!

コルセットの正しい使い方

コルセットを使うポイント

▲いつコルセットを使うべきか

コルセットは、骨折などの際に腰椎を安定させるためにも使用できますが、正しい使い方をしないと効果がないだけでなく、悪影響が及ぶ場合があります。

ここで、コルセットの正しい使い方を理解しておきましょう。

  • コルセットは必要な時だけ使うこと
  • コルセットを付ける位置に気をつけること

コルセットは必要な時だけ使う

まず、コルセットは必要な時だけ使いましょう。

というのも、コルセットをずっと付けておくと腰周囲の筋力が低下し、血流が悪化することで、腰痛が悪化する恐れがあります。

  • 長期間使用すると腰周囲の筋力が弱まる
  • 痛みの必要性に応じて使用するようにする

このように、長期的にコルセットを付けておくと、腰周囲の元々の筋力が落ちてしまい、痛みが軽減されても腰痛が再発する恐れがあります。

したがって、痛みがあるときにコルセットを使用し、軽減されたら必要に応じて外すことも大切です。

また、寝てる時など長時間つけるのは避けましょう。

コルセットをつける位置

つづいて、コルセットを付ける位置にも気をつけましょう。

正しい位置で着用しないとかえって逆効果になる可能性があります。

一般的には、コルセットを腰の痛い部分の中心部分にあわせてつけがちですが、これは大きな間違いです。

実際には、腰骨の上の方にコルセットの中心をあわせてつけるのが正しい付け方です。

このつけ方で骨盤を安定させることで腰痛の痛みが軽減されます。

骨盤の上の方を固定することで、骨盤が安定しやすくなり、痛みの軽減につながります。

ただし、あまりにも上の方を巻いてしまうと、胃などが圧迫されてしまうため、注意が必要です。

また、痛みや症状によって選ぶコルセットも変わります。

自身で購入したコルセットを実際につけてみると、あまり意味がない場合や、緩すぎて効果のないつけ方をしている場合があります。

自分の症状に合ったコルセットを、体にピッタリとフィットするように固定しないと効果的とはいえません。

腰痛が悪化する寝具とは

ベッドとマットレス

間違った寝具で寝ると、腰痛を引き起こしたり悪化させたりする可能性があります。

具体的に腰痛が悪化する恐れがある寝具を見ていきましょう。

  • 硬すぎるマットレス
  • 柔らかすぎるマットレス

それぞれのデメリットを説明していきます。

硬すぎるマットレス

マットレスが硬すぎると、背中や腰などの痛みを引き起こす可能性があります。

また、寝るときの理想的な姿勢が維持できない可能性もあります。

マットレスが堅すぎると、反発力が強まってしまうだけでなく、腰や背中などの特定の部位に集中してしまい腰に負荷がかかってしまいます。

特に、もともと腰周囲の筋肉が弱っている高齢の方や体が大きい方は硬いマットレスでは痛みや疲労を感じやすくなります。

硬いマットレスは極力避けるようにしましょう。

柔らかすぎるマットレス

一方、柔らかいマットレスは睡眠には快適に思えるかもしれませんが、腰痛がある方にはお勧めできません。

というのも、腰が深く沈んでしまうため、腰痛を軽減することが少なくなってしまいます。

たとえば、柔らかいマットレスに身体を沈めると、背骨が逆アーチ状に曲がったまま寝る場合になります。

さらに、柔らかすぎると、寝返りを打つのが難しくなり、かえって腰の筋肉に負担がかかってしまいます

腰に負担の少ない寝方

腰に負担の少ない寝方

▲腰痛に良い寝方とは?

寝方と腰痛への負担は相関することがわかっています。

寝方によって腰痛を軽減する寝方もあれば、増強してしまう寝方もあるのです。

  • 仰向け
  • 横向き
  • うつ伏せ

それぞれの寝方のメリット、デメリットを見ていきましょう。

仰向け

仰向けで寝ることは、基本的には腰痛にいいといわれています。

これは腰や体にかかる力が、自然な脊柱のアーチによって軽減されるためです。

自然な脊柱のアーチが保たれれば気道も確保ができ呼吸も安定します。

ただし、足を伸ばしたりしてしまうと、腰が反り返って腰痛が悪化してしまう恐れもあります。

腰が痛くなることに不安がある方は、少しだけ足元を高くしてあげると寝やすいでしょう。

横向き

腰が痛いときの寝方は横向きが良い

▲腰が痛いときの寝方は横向きが良い

腰痛がある方にとって、横向きで寝ることは様々なメリットがあります。

横向きで寝ると気道が確保しやすく呼吸もしやすく安眠できます。

また、横向きで膝を曲げたままにしておくと、体のバランスが取れ、腰椎への圧力を軽減できます

必要に応じて、膝の間に小さな枕を挟むとより安定するため、お勧めです。

ただし、膝を曲げて腰を曲げ過ぎてしまうと、背骨に負担がかえってかかってしまう恐れがあるため、加減が大切です。

うつ伏せ

うつ伏せは一般的には腰痛には、悪い寝方と思われがちですが、肩や背骨の痛みがある方には有効な場合があります。

ただし、反り腰になってしまい腰には負担が出てしまうため、腰痛がある方は、仰向けや横向きで寝るようにしましょう。

どうしても、うつ伏せで寝たい方は、お腹に柔らかい枕などを敷いて腰がそらないような工夫が必要です。

関連記事むちうちの痛くない寝方とは?首の負担が少ない寝姿勢を解説

腰が痛くても楽に起き上がれる方法

腰が痛い時に起き上がるのは本当に苦労します。

そんな時には、上記のステップで起き上がるよう試してみてください。

  1. まず、より痛みを感じる方が上で横向きになる。
  2. 右が上になっている場合は右腕で(左が上の場合は左腕で)上半身だけ起こす。
  3. ベッドで寝ている場合は脚を降ろす。布団の場合はなるべく脚を伸ばす。
  4. 下になっている肘を立てて上半身を更に起こす。
腰椎捻挫の時に腰の負担をかけずに起き上がる方法

▲腰椎捻挫の時に腰の負担をかけずに起き上がる方法

腰痛自体の改善につながる対処法

腰痛そのものの改善につながる方法をいくつかご紹介します。

この中から自分に合っているものを選んで是非実践してみてください。

もちろん効果的で長く続けられるものが良いでしょう。

適切な姿勢を意識する

人は重力とは切っても切れない関係性にあります。重力に反発するように人間は立ち上がったり歩いたりしてるためです。

その際に意識してほしいのが「姿勢」です。

体の重心やバランスが取れている姿勢であれば問題はありません。

しかし、猫背や片側重心などの姿勢を長時間続けて重心やバランスが崩れてしまうと、負担がかかる必要のない筋肉や関節に重力がかかり続け「過負荷」の状態になります。

その筋肉や関節は重力に反発する力が必要なため、長時間続けると疲労が溜ります。

そのため、座っている時や立っている時など、その場に応じた良い姿勢を維持することが、腰痛予防の1つと言えるでしょう。

腰痛に効果的なストレッチやエクササイズストレッチ,エクササイズ

現在は、腰痛に効果的なストレッチやエクササイズをネットで調べれば簡単に知ることができます。

しかし、間違えないでほしいのは、やればやっただけ効果がでるものではありませんし、やりすぎも良くありません。

決して無理をせず、痛みのない範囲で行って下さいね。

デスクワークの方におすすめなのは、体幹部を伸ばしたり曲げたり左右に捻じったりするストレッチです。

  1. 両手の指を組み手のひらを上に向けて上に伸ばす。
  2. 次にその両手を左右に倒して体の側面を伸ばす。
  3. 最後に手を腰に当てて左右に捻じる。

このストレッチは立っても座ってもできるので、お仕事の合間にも簡単にできます。

立ち仕事の方におすすめするのは、下半身のストレッチです。
脚が疲れてくるとどうしても立ち姿勢が崩れて、腰痛につながりやすいからです。

  1. 足のつま先を持って膝を曲げて、太ももの前の筋肉を伸ばす。
  2. 脚を前後に広げてアキレス腱を伸ばす。
  3. 両脚の屈伸運動。

このエクササイズは立ち仕事の途中で行えますので、ちょっとリラックスしたい時にやってみましょう。

生活習慣の見直し

生活習慣の見直しと言われてもピンとこない方もいらっしゃると思いますが、基本的な考え方として、「運動」、「栄養」、「休養」の3つのバランスの見直しと考えてみましょう。

長く続けられる適度な運動で心身ともにリラックス、バランスの取れた食事で栄養補給、夜更かしをせず早寝早起きで疲労の回復。

3つ共に完璧でしたら問題はありませんが、意外とできていない方が多いです。

これを読んだ方は良いチャンスですから1度見直してみましょう。
腰痛予防目的に始めたことが、より健康になる為の体づくりになりますよ。

適度な運動と体重管理も大切

運動の習慣が既にある方はよいのですが、これから運動を始めようとする方に必要なのは、「習慣化」することです。

今の生活の中に運動という習慣を組み込むわけですから、楽しく、長く続けられる運動が良いですね。

散歩、ウォーキング、ジョギング、水泳、ゴルフ、テニス、ジムに通うのでもいいでしょう。

1人で続けられる自信がない時は誰かと一緒でもいいですし、お話ししながらでもいい、短時間でもいい、汗をかかなくてもいい、今日サボってもいい明日やればいい、くらいの気持ちで良いと思います。

そして、気が付いたら数か月続いて、結果として体重が落ちていたら最高ですね。

良質な睡眠と休息を確保する

何をもって良質な睡眠とするかは、みなさん考えがあると思いますが、何が一番かと考えると、朝起きて「あ~良く寝た!」と言って起きた瞬間なのではないでしょうか。

そのためには、適度な運動で軽い疲労感があると入眠しやすくなったり、ストレスを感じ過ぎず頭の中がリラックスできていることなどが必要なのです。

ぐっすりと寝られた時は体の疲れも取れていて、きっとお腹も空いているはずです。

そこで、バランスの良い朝食を摂ることが良い1日の始まりとなることでしょう。

良質な睡眠を取ることは、体に疲れを残さないのと同時に腰痛予防にも繋がります。

治療や施術を受ける選択もある

いろいろ自分で試してみたものの、どうしても治らないときは、専門家に診てもらうことも大切です。

早く治ることはもちろんですし、痛みというストレスからも解放されることでしょう。
行こうかどうしようか迷った時こそ早めに受診しましょう。

整形外科で医師の診断や理学療法士によるリハビリ

整形外科を受診するメリットは大きく3つあります。

「検査」「投薬」「手術」ができることです。

「検査」ではレントゲンやMRI、CTなどの検査で骨の状態や筋肉、神経の状態がわかります。症状に対する原因が判れば処置が的確にできます。

交通事故後に行われるレントゲン検査とCT・MRI検査の違い

▲交通事故後に行われるレントゲン検査とCT・MRI検査の違い

「投薬」は、あなたの症状に対して必要があれば飲み薬や貼り薬、塗り薬等が処方されます。

場合によっては痛み止めや機能改善の為に注射や点滴をすることがあるでしょう。

「手術」は、飲み薬や貼り薬では症状が緩和されず手術をすることが治癒の近道だと判断された場合に行われます。

適切な処置が行われて症状が改善していき痛みが緩和してきたら、再発予防の為にリハビリをすることが大切です。

担当の医師の指示の基づき理学療法士によるリハビリが行われます。
痛みの改善はもちろんのこと、筋肉や関節の機能を回復させて本来の動きに戻していきます。

日常生活に於いて痛みがなく安心して生活が送れるようになるまで、しっかり診てもらいましょう。

整骨院(接骨院)で柔道整復師による施術を受ける

整骨院・接骨院で受けられる施術の種類

▲整骨院・接骨院で受けられる施術の種類

整骨院、接骨院で施術を行う先生は、「柔道整復師」という国家資格を取得している先生です。

大学や専門学校で専門の知識と技術をしっかりと学び、実技試験と筆記試験の両方の国家試験に合格した方が治療を行っていますので安心です。

専門領域は、骨折、脱臼、捻挫打撲(打ち身)、挫傷(肉離れ)です。

柔道整復師の国家資格の他に、あん摩マッサージ指圧師や鍼灸師の国家資格を持っている先生もいますので、より幅広い施術が受けることが可能です。

中には、それ以外にも幅広い知識と技術を持っている方もいます。

腰痛専門や〇〇専門といった、特定の症状に対してより深い知識と高い技術を持っている方もいますので、相談もしやすいでしょう。

また、整骨院・接骨院は整形外科より数も多く、駅の近く、住宅街、最近では夜遅い時間まで営業していたり、日曜・祝日に営業しているところもあります。

自宅の近くや職場、学校の近くで通いやすそうなところがあれば、早めに通院することをおすすめします。

交通事故で腰痛になってしまったら

交通事故で腰痛になってしまったらどうすればいいのでしょうか?

交通事故は、まずはじめに病院で診察を受けることが重要です。

交通事故後の整形外科受診は①検査(レントゲン・MRI)②診断書の発行③痛み止めや湿布の処方等ができる

▲交通事故後の整形外科受診

理由としては、大きく2つあります。

  • レントゲンMRIで体の状態を検査できる
  • 交通事故後の手続きに必要な診断書は病院でしか発行できない

目に見えないダメージにより、事故から数時間・数日後に容体が悪くなるケースもあります。また、時間が経ってから病院を受診しても、症状と交通事故の因果関係が認められないといったケースもあります。

まずは、整形外科の医師による診察を受けましょう。

また、交通事故による腰痛で整骨院・接骨院に通うことはできますが、自賠責保険を利用するためには医師による診断書が必要です。

交通事故にあった場合は、まず病院で診察を受けましょう。

この記事を監修したのは…

柔道整復師。施術歴は27年。スポーツトレーナー、フィットネスインストラクター、リラクゼーションサロン店長、大手接骨院グループの分店長を経験。その後、独立し接骨院・整体院を開業をして6年目を迎える。その経歴を活かし人材育成や、セミナー開催の活動も行う。柔道整復師以外では、カイロプラクター、健康管理士一般指導員、健康管理能力検定1級、健康運動実践指導者などの資格を持つ。

この記事の執筆者

柔道整復師 / 大嶋 伸雄
柔道整復師。施術歴は27年。スポーツトレーナー、フィットネスインストラクター、リラクゼーションサロン店長、大手接骨院グループの分店長を経験。その後、独立し接骨院・整体院を開業をして6年目を迎える。その経歴を活かし人材育成や、セミナー開催の活動も行う。柔道整復師以外では、カイロプラクター、健康管理士一般指導員、健康管理能力検定1級、健康運動実践指導者などの資格を持つ。

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