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2019.05.21 交通事故 任意保険 被害者 加害者 追突事故 人身事故 慰謝料 事故直後 休業損害 健康保険

追突事故後の流れとは?加害者・被害者がとるべき行動を解説!

もしも追突事故が起きたとき、あなたは適切に判断して行動に移すことができるでしょうか?
事故処理や保険の手続きなどは難しい対応が多く、損をしないための知識も必要になります。
今回の記事では、追突事故後の流れや使用できる保険の種類、示談についての注意点など詳しく解説していきます。

追突事故にあった後の流れ

追突事故
追突事故が発生した場合、加害者と被害者にはそれぞれとるべき行動があります。

はじめに、追突事故には物損事故人身事故の2種類があり、どちらかで処理されることになります。
物損事故とは、物だけが壊れていて怪我をした人がいない事故のことを指します。
これに対して人身事故は、怪我をしたり死亡した人がいる事故のことを指します。

事故後の対応の違いとしては、物損事故の場合は保険会社への連絡後に壊れた物の修理を行う、人身事故の場合は病院で怪我の治療を行うという点で、それ以外に大きな違いはありません。
以下では、人身事故の場合の対応について解説していきます。

加害者対応

追突事故の加害者がするべき対応としては、以下の通りです。

  • 警察へ連絡する
  • 被害者と連絡先を交換する
  • 保険会社へ連絡する
  • 被害者へ謝罪する

警察へ連絡する

追突事故を起こした時は、警察に報告を行うことが義務づけられています。お互いが怪我を負っていなくても、警察への報告を怠った場合は道路交通法違反とみなされてしまいます。

被害者と連絡先を交換する

追突事故の当事者同士で、お互いの情報を交換しましょう。
以下については免許証や車検証を見て、必ず確認するようにしてください。
免許証などでお互いの氏名や住所、電話番号などの確認を行います。

  • 氏名
  • 住所
  • 年齢
  • 電話番号
  • 車のナンバー
  • 強制保険
  • 加入している任意保険会社名

保険会社へ連絡する

自分が加入している任意保険会社へ、事故発生の日時や概要について報告します。追突事故が発生した日から一定期間保険会社へ連絡しなかった場合、損害賠償金が支払われない可能性があります。したがって、速やかに連絡することがよいでしょう。

被害者へ謝罪する

被害者に対して、誠意をもって謝罪することが大切です。謝罪の仕方としては、訪問、電話、手紙、メールなど様々です。
謝罪をするタイミングとしては、追突事故から数日~1週間以内が望ましいとされています。謝罪のタイミングが遅れると、被害者に誠意が伝わりにくくなってしまうからです。

被害者対応

追突事故の被害者がするべき対応としては、以下の通りです。

  • 警察へ連絡する
  • 加害者と連絡先を交換する
  • 保険会社へ連絡する
  • 病院を受診し、怪我の治療を行う

警察へ連絡する

軽微な事故であったとしても、必ず警察に連絡しましょう。警察に届け出がされていない事故は交通事故証明書の発行がされず、損害賠償金の請求ができなくなってしまう可能性があります。

加害者と連絡先を交換する

運転免許証とともに、加害者の氏名・住所・電話番号・加入している保険会社などを確認しましょう。
加入している保険会社については、後から損害賠償のやり取りを行うために聞いておく必要があります。

保険会社へ連絡する

自分が加入している任意保険会社に、事故発生の日時や場所、事故の概要について報告しましょう。加入している保険の契約内容によっては、自分が加入している保険会社から保険金を受け取ることができたり、事故後の処理方法についてアドバイスをもらえたりする場合があります。

病院を受診し、怪我の治療を行う

追突事故の場合、事故直後は自覚症状がなくても後日痛みなどの症状が現れるケースが多いです。追突事故にあったら、すぐに病院を受診して検査を受け、治療を行うことが大切です。

▶︎参考:追突事故の怪我の通院先や治療方法について詳しく知りたい方はこちら

追突事故にあった場合に使える保険

通院の領収証とお金
追突事故による怪我の治療や車の修理が必要になった場合、保険を利用して治療費や修理費の負担を軽減させることができます。

利用できる保険は加害者と被害者で異なります。

被害者 自賠責保険・任意保険・労災保険・健康保険
加害者 任意保険・労災保険・健康保険

それぞれどのような保険なのか、詳しく解説していきます。

自賠責保険

自賠責保険とは、車やバイクの所有者に加入が義務付けられている保険です。被害者が利用する場合は、加害者が加入している自賠責保険を利用することになります。
自賠責保険は、交通事故の被害者の救済を目的としており、補償対象となるのは交通事故によって身体に損害を与えられた被害者です。
ただし、受け取ることが出来る保険金には限度が定められています。

任意保険

任意保険とは、自賠責保険のように加入する義務はありませんが、自賠責保険よりも補償できる範囲が広い保険です。自賠責保険では補償しきれなかった部分をカバーすることができます。

加害者を対象とした補償内容

  • 対人賠償保険
    交通事故で相手を死傷させて損害賠償責任を負ったとき、自賠責保険の限度額を上回る金額を補償します。
  • 対物賠償保険
    交通事故で他人の財産や所有物に損害を与えたことで、損害賠償責任を負った場合の補償です。相手自動車の時価額を超えた分の修理費用は補償されません。
  • 対物超過特約
    相手自動車に時価額を超える修理費用が発生した場合、時価額を超えた分の修理費用が補償されます。

被害者を対象とした補償内容

  • 人身傷害保険
    交通事故の被害によって、被害者本人や同乗者が死傷した場合、過失の有無にかかわらず損害額が補償されます。
  • 搭乗者傷害保険
    自動車に搭乗中の人が死傷した場合、死亡保険金や入院、通院の保険金が低額で支払われます。
  • 無保険車傷害特約
    交通事故の被害にあい、死亡または後遺障害が残ったものの、相手の車が不明であったり無保険で十分な補償が得られなかったりする場合に補償されます。

労災保険

労災保険とは、労働者が業務中や通勤中に負傷・病気・死亡した場合に必要な保険給付が行われる制度のことを指します。
労災保険を使用するには、「業務災害」か「通勤災害」と認められる必要があります。

交通事故の場合、過失割合によって支給額が減らされるということはありません。自身の過失割合が大きく、加害者となったときは労災保険を使用することがよいとされています。

健康保険

健康保険とは、病気や怪我の治療にかかった費用の一部を国や企業が負担する制度のことです。国や企業から負担されない分の費用は自己負担する必要があります。一般的な自己負担額の割合は3割ですが、3歳未満は2割、70歳以上は1割とされています。

事故による怪我の治療で健康保険を使用する場合、第三者行為による傷病届を健康保険組合に提出する必要があります。
健康保険を使用すると、本来であれば加害者が負担するべき治療費を、健康保険組合が立て替えて支払うことになります。
後日、立て替えた分の費用を健康保険組合が加害者に請求する際に必要となる書類が、第三者行為による傷病届とされています。
ただし、労災保険の補償対象となった場合は、健康保険を一緒に使用することはできません。

追突事故後の被害者が請求できるお金

お金と車
追突事故にあった被害者は、加害者に対して損害賠償を請求することができます。追突事故の加害者は、民事責任を負うことになるためです。
民事責任とは、被害者に与えた損害(人を負傷・死亡させたり、自動車などの物を壊す)を賠償する責任です。

被害者が加害者に請求できる損害賠償の項目としては、大きく分けて以下の3つが挙げられます。

  • 積極損害
  • 消極損害
  • 慰謝料

積極損害

積極損害とは、追突事故によって被害者が出費を余儀なくされる損害です。
具体的には、以下のような費用のことを指します。

  • 治療費
  • 入院費
  • 通院交通費
  • 葬儀費用
  • 介護費用
    など

消極損害

消極損害とは、被害者が将来得られることが予測された利益を事故で失ったことによる損害のことを指します。
消極損害は、2つの種類に分けられます。

  • 休業損害
    追突事故で負った怪我が原因で働くことができず、収入が減少することによる損害のことをいいます。家事従事者(主婦・主夫)も休業損害の請求が可能とされています。
  • 逸失利益
    追突事故による後遺障害が残ったために労働能力が減少あるいは喪失し、本来得られたはずの将来的な収入の減少をきたす損害のことをいいます。

慰謝料

慰謝料とは、追突事故による精神的苦痛に対する賠償を指します。追突事故で怪我をした場合に請求が認められる慰謝料は、以下の2つが挙げられます。

  • 入通院慰謝料
  • 後遺障害慰謝料

入通院慰謝料は、怪我の治療を受けるために入院や通院をすれば請求が認められる慰謝料とされています。
一方で後遺障害慰謝料は、後遺障害等級認定を申請し、等級の認定を受けなければ請求することができません。

▶︎参考:後遺障害等級認定について詳しく知りたい方はこちら

追突事故の損害賠償は慰謝料額で大きく変わる

電卓を見せるスーツの女性
慰謝料には、計算方法の異なる3つの算定基準があり、その基準によって受け取ることができる金額が大きく変わります。
どのような算定基準なのか、それぞれ解説していきます。

3つの算定基準

慰謝料を計算するときは、以下の算定基準のうち、どれか1つを適用することになります。

  • 自賠責基準
    自賠責基準は、加害者が任意保険に加入しておらず、自賠責保険に慰謝料を請求する際に適用されます。被害者へ最低限の補償をするための基準で、3つの基準の中では最も低い金額の計算式となります。
  • 任意保険基準
    任意保険基準は、加害者が任意保険に加入していて、任意保険会社に慰謝料を請求する際に適用されます。計算方法は各保険会社によって定められており、公開されていません。
  • 弁護士基準
    弁護士基準は、慰謝料の請求を弁護士に依頼することで適用されます。過去の交通事故の裁判例などをもとにしていて、3つの算定基準の中では最も高い金額となります。

慰謝料の計算方法

ご自身が受け取れる慰謝料の金額は、計算式をもとにおおよその相場を割り出すことができます。
今回は、計算式が明確である自賠責基準の計算方法をご紹介します。

    1日あたりの慰謝料額(=4,200円)×「通院期間」または「実際に通院した日数×2」
    ※「通院期間」と「実際に通院した日数×2」は、計算結果が少ない方を使う。

例として、通院期間3ヶ月、実際に通院した日数を48日と仮定して慰謝料の計算をしていきます。
①90日(通院期間)
②48×2=96(実際に通院した日数×2)

少ない方の①が計算の対象となり、
90×4,200=378,000

よって、受け取ることができる慰謝料の金額は378,000円になります。

追突事故の示談交渉の注意点

話し合い
損害賠償の請求金額は、示談交渉で確定します。
示談交渉とは、交通事故の加害者が被害者に支払う損害賠償の金額を決めるために、当事者間で行われる話し合いのことをいいます。

ほとんどの場合、被害者は加害者側の保険会社と示談交渉を行うことになります。お互いが納得できる結果になれば示談成立となり、損害賠償が支払われます。
しかし、中には示談交渉の際に当事者同士がもめてしまうケースもあります。
示談交渉をするときには、以下のポイントに注意することが大切です。

  • 早期の段階で示談をしない
  • 追突事故とむちうちの因果関係の証明が難しい
  • 追突事故で被害者が「過失ゼロ」の示談交渉

それぞれどのように注意するべきなのか、詳しく解説していきます。

早期の段階で示談をしない

事故現場ですぐに示談をしたり、保険会社から治療費の打ち切りを打診されてこれに応じ、早期に示談を終わらせたりするべきではありません。
示談を早まると、自分が負った損害に見合った損害賠償を請求できなくなってしまう場合が多いからです。
一度示談成立となると、後で不服に思うことがあっても示談の内容を変更することができなくなります。

▶︎参考:治療費の打ち切りについて詳しく知りたい方はこちら

追突事故とむちうちの因果関係の証明が難しい

追突事故で発症することが多いむちうちは、外傷がみられる怪我ではありません。体の内部にある筋肉や靭帯などの損傷が原因とされています。
そのため、画像検査では損傷を確認できず、むちうちの症状を証明することが難しく、「軽い追突事故でむちうちになるはずがない」と因果関係が疑われてしまう場合もあります。
また、むちうちは事故直後は何も感じていなかったにも関わらず、しばらく時間が経ってから痛みがあらわれる場合が多いという特徴があり、これも因果関係が疑われる原因の一つになります。

▶︎参考:むちうちの痛みが後日あらわれる理由について知りたい方はこちら

追突事故で被害者が「過失ゼロ」の示談交渉

追突事故は、被害者に過失が認められないケースが多いです。被害者の過失が0の場合は、示談交渉を保険会社に任せることができず、自分で行わなければなりません。
理由としては、加入者に過失がないと保険会社は賠償責任を負わないため、介入すべき根拠がないからです。

交渉のプロであり、知識が豊富な加害者側の保険会社を相手に、交通事故に関する知識を持っていない被害者が、妥当な金額の損害賠償を受け取れるようにすることは、難しい交渉だと思います。
示談交渉に自信がない場合は、弁護士に相談してみてもよいでしょう。

弁護士に相談する

交通事故の対応に特化した弁護士は、交通事故の法律や保険など豊富な知識を持っているため、加害者側の保険会社と対等に交渉を進めることができます。
他にも、示談交渉を弁護士に相談することは以下のようなメリットがあります。

  • 弁護士基準を適用して計算されるため、慰謝料の増額を目指せる。
  • 本来であれば請求できる損害賠償の項目を見逃すことがない。
  • 示談に必要な書類の手配や手続きなどを代行してくれる。

示談交渉を弁護士に依頼する場合は、弁護士費用が必要となりますのでご注意ください。
ただし、加入している任意保険に弁護士特約が付帯している場合は、弁護士費用の負担を軽減することができます。弁護士特約を使用すると、加入している保険会社が弁護士費用を負担してくれます。

追突事故後の対応に関するまとめ

ポイントを説明するビジネスマン
追突事故が起きたら、警察と保険会社へ連絡することが重要です。警察や保険会社への連絡を怠ると、本来受け取れるはずの保険金が受け取れなくなってしまう恐れがあります。
また、怪我を負った場合は保険を使うことで治療費の自己負担を軽減させることができます。被害者と加害者がそれぞれ使うことができる保険は、以下の通りです。

被害者 自賠責保険・任意保険・労災保険・健康保険
加害者 任意保険・労災保険・健康保険

追突事故にあうと、突然のことに動揺してしまうかもしれませんが、落ち着いて今回の記事で解説した対応を実行することが大切です。

この記事の執筆者

交通事故病院編集部 ライター / T.S
大学を卒業し、出版社で取材や編集業務を経験。その後、WEBメディアの執筆に転向し、事故に関する様々な知識を多くの人に届けるべく、日々邁進中。現在は、交通事故専門士の資格を取得するために勉強をしている。座右の銘は、格物究理。

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