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追突事故後、自律神経失調症に…。後遺障害等の認定は受けられるの?

むちうちが原因で自律神経失調症が発症するとは、想像がつかないという方もいらっしゃるかと思います。むちうちで自律神経失調症の症状が現れることは、珍しいケースではありません。
今回は、自律神経失調症で現れる症状や後遺障害等級認定について詳しく解説していきます。交通事故にあってから何となく体調が悪い、気分が落ち着かないなどの不調を感じている方は、ぜひご一読ください。

むちうちで自律神経失調症になるの?

首を痛がる男性

むちうちは首や体の痛みに加え、様々な不調を引き起こします。
不調の1つとして、自律神経失調症が現れるケースも少なくありません。

交通事故によるむちうちは、自動車の衝突や追突などの衝撃を受け、首が鞭のようにしなる動きを強いられることがきっかけで発症します。
「むちうち」という名前は正式な傷病名とされているわけではなく、医師から診断を受ける際は以下のような傷病名が用いられています。

  • 頚椎捻挫
  • 頚部挫傷
  • 外傷性頚部症候群

自律神経失調症とは

頭を抱える女性

自律神経は、「交感神経」と「副交感神経」の2つに分かれています。
交感神経は、日中に活動している時や緊張している時に働き、副交感神経は、睡眠時やリラックスしている時に働きます。自律神経失調症は、交感神経と副交感神経のどちらかの働きが過敏になることで、体調不良を引き起こします。
症状の種類は身体的なものから精神的なものまで幅広く、様々な症状が同時に起こるケースが多いです。

自律神経失調症の主な症状

自律神経失調症により現れる症状は、以下の通りです。

●身体的な症状

  • めまい
  • 頭痛
  • 動悸
  • 手足のしびれ
  • 不眠
    など

●精神的な症状

  • 不安感
  • 気分が落ち込んでいる
  • やる気が起きない
  • 感情の起伏が激しい
  • 焦燥感
    など

言葉で表現することが難しい精神的な症状が現れた場合、うつ病と誤診されて心療内科などを紹介され、治療が遅れてしまうケースもあります。交通事故後に上記のような症状があらわれた場合は、むちうちによる自律神経失調症の可能性も考えた方がよいかもしれません。

後遺障害等級認定を受けるために必要なこと

レントゲンを見る医師

交通事故による後遺障害が残った場合、後遺障害等級認定を受けるには、症状を医学的に証明・説明すること、交通事故が原因であらわれた症状であるという因果関係を証明・説明することが必要とされます。

実際に後遺障害認定を受けることは難しい

書類

自律神経失調症の場合、後遺障害等級認定を受けることは難しいといわれています。
理由としては、以下の通りです。

  • 自律神経失調症と診断されにくい
    レントゲンやMRIなどの画像検査からは症状を確認できず、自覚症状がなければ診断することが難しい。
  • 交通事故との因果関係がわかりにくい
    自律神経失調症の原因はむちうちだけでなく、ストレスや女性ホルモンの乱れから生じる場合もあり、交通事故が原因であると証明することが難しい。
  • 治療期間が短い
    症状が現れたり、治ったりする場合、断続的に通院すると治療期間が短いとみなされて認定を受けられない場合がある。

示談の前にすべきこと

交通事故後に自律神経失調症の症状があらわれた場合、まずは医師から自律神経失調症の診断を受けることが大切です。症状を医学的に証明するには、医師による診断を受ける必要があります。
また、弁護士に相談することで、資料の作成や入手、示談交渉などをスムーズに進めることができる場合があります。後遺障害等級認定の申請に必要な書類をしっかりと準備できれば、認定を受けられる可能性も高まります。
自律神経失調症では後遺障害等級認定が受けられないと、あきらめる必要はありません。

自律神経失調症で受けられる等級

説明する医師

むちうちによる自律神経失調症の場合、認定を受ける可能性がある後遺障害等級は、12級13号または14級9号といわれています。
12級13号と14級9号の認定を受けるための条件としては、以下のような違いがあります。

  • 12級13号
    局部に頑固な神経症状を残すもの
  • 14級9号
    局部に神経症状を残すもの

具体的にどのような状態で認定を受けることができるのか、それぞれ解説していきます。

12級13号

レントゲンやMRIなどの画像検査結果や神経学的検査から、他覚的所見が認められる症状が当てはまります。

14級9号

他覚的所見が認められず、自覚症状の訴えのみである場合は、14級9号の認定を受ける場合があります。認定を受けるためには、症状固定とされるまで一貫して持続している症状があるか、症状に対して継続的な治療が行われていたかで判断されます。
したがって、交通事故後にあったらすぐに病院へ行き、その後も定期的なに通院を続ける必要があります。

非該当になる可能性も

以下のような要素が当てはまっている方の場合、非該当とされる可能性が高まります。

  • 他覚的所見が認められず、症状を医学的に説明できない場合。
  • 治療期間が短く、改善の見込みがない症状ではないと判断された場合。
  • 通院を長期間中断していて、後遺障害として認定するべき症状ではないと判断された場合。

まとめ

ポイントの説明

交通事故後、むちうちが原因で自律神経失調症になることがあります。
また、治療を続けても症状が残った場合、後遺障害等級認定を受けることは困難であるといえます。対策として、自覚症状を医師に伝えて適切な後遺障害診断書を作成してもらったり、示談を弁護士に依頼することを検討してみてはいかがでしょうか。

この記事の執筆者

交通事故病院編集部 ライター / T.N
大学を卒業し、出版社で取材や編集業務を経験。その後、WEBメディアの執筆に転向し、事故に関する様々な知識を多くの人に届けるべく、日々邁進中。現在は、交通事故専門士の資格を取得するために勉強をしている。座右の銘は、格物究理。

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