むちうちによる頭痛は薬だけで治る?原因や治し方について
監修記事
オオクマ サキコ
看護師
交通事故でむちうちになると、頭痛の症状があらわれることもあります。頭痛の症状は、鎮痛薬の処方だけで終わることもあり、不安になる方も多いのではないでしょうか。
今回は、むちうちによる頭痛は薬で治るのか、薬以外の治し方、むちうちで頭痛があらわれる原因などについて解説していきます。
むちうちによる頭痛の治療方法について気になっている方はぜひ参考にしてください。
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目次
むちうちになると頭痛の症状があらわれる?
むちうちは、交通事故で多い怪我だといわれています。事故の衝撃で首が鞭のようにしなり、首周辺の筋肉と靱帯などが損傷することで、症状があらわれます。
頭痛はむちうちの症状の1つです。むちうちで頭痛があらわれる原因としては、以下のことが挙げられます。
日髙先生:
「首の奥には、頚椎に沿うように、『頚長筋』という筋肉があります。交通事故の衝撃で頚長筋が損傷してしまうと、すぐ近くにある自律神経が刺激され、頭痛の症状が現れます。」出典:とんとん整骨院 東武練馬店 日髙先生
むちうちの症状は頭痛だけではありません。他にも、様々な神経症状が出現することがあります。
むちうちの症状は頭痛だけじゃない!
むちうちの症状は、首や肩の痛み、可動域制限、頭痛、めまい、耳鳴り、歩行障害、知覚障害、しびれなど、軽いものから重いものまで様々な症状があらわれます。
また、むちうちは頚椎捻挫型、バレー・ルー症状型、神経根症状型、脊髄症状型の4つの症状型に分類することができます。
関連記事むちうちはどんな症状?治療方法や完治までにかかる時間について解説
むちうちの診断は難しい
むちうちを診断することは、難しいといわれています。特に、むちうちにみられる頭痛や吐き気、めまいなどの症状は、風邪の症状と勘違いしてしまう恐れがあります。
また、むちうちは、筋肉や靭帯などの損傷によるものです。そのため、身体の外側に症状があらわれているかを確認することができません。むちうちを調べるためには、適切な検査を受ける必要があるのです。
むちうちの検査をする場合、レントゲンではなくMRI検査の方が異常を確認できる可能性が高いと言われています。レントゲンは、骨折の場合に有効とされる検査です。一方、MRIは脊髄や靭帯、椎間板などの内部組織の異常を見つけることができます。
ただし、MRIだけではむちうちの原因を明確に突き止めることができない場合もあります。そのため、MRIと神経の異常を調べることができる「神経学的検査」を併用することをおすすめします。
各種検査を実施するかどうかについては医師が判断しますが、むちうちの症状がひどい場合は検査を行うことがあります。
関連記事交通事故によるむちうちのMRI検査とは?検査のタイミングや後遺障害認定も解説
交通事故後はなるべく早めに病院へ
むちうちの症状は、事故直後ではなく、事故の数日後にあらわれることも珍しくありません。その理由は、事故直後は身体が興奮状態になるため、怪我を負っていても痛みに気づかないからです。
しかし、むちうちの症状が数日後にあらわれて診断を受けた場合、事故と症状との因果関係が疑われる可能性もあります。事故との因果関係を証明する診断書を取得できなければ、加害者に慰謝料や治療費を請求することが難しくなります。
そのため、事故後に自覚症状がなくても、一度病院を受診するようにしましょう。
関連記事追突事故で痛くなくても病院受診する理由 – 痛みが出た時へ備えよう
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むちうちによる頭痛の治し方は薬だけでいい?
むちうちによる頭痛の症状があらわれた場合、整形外科や病院で「鎮痛薬」が処方されることがあります。しかし、鎮痛薬だけではむちうちによる頭痛の症状は改善しないことが多い傾向にあります。
そもそも鎮痛薬は、炎症を鎮めたり、痛みや腫れなどを抑えてくれます。ただし、その効果の持続時間は、約3~6時間と一時的なものであるため、鎮痛薬だけではむちうちの治療としては不十分なのです。したがって、むちうちによる頭痛の症状には、鎮痛薬だけでなくその他の治療も併用すべきといえます。
鎮痛薬以外の治療とは?
鎮痛薬以外のむちうちの治療には、アイシングや電気療法、マッサージ、牽引、温熱療法などがおすすめです。それぞれの治療効果について、次に説明していきます。
- アイシング
むちうちの痛みが強い時期は、炎症部位や熱を持っている部位を冷やすことで、発痛物質の発生を抑制することができる。 - 電気療法
電気による刺激で筋肉をほぐすことができ、痛みの緩和や血行を促すことができる。 - マッサージ
首や肩の筋肉の緊張を和らげ、痛みを軽減させることができる。 - 牽引
首を引っ張ることにより、神経が通る椎間孔を広げられ、症状を緩和させることができる。 - 温熱療法
首や肩の筋肉をあたためることで、痛みの原因物質を放散することができる。
上記のような治療・施術は、主に整形外科と整骨院で行っています。詳しくは、以下のリンクを参考にしてください。
関連記事整骨院と整形外科の違いは?どっちがいいか症状やケースにあわせて解説!
むちうちによる頭痛が後遺症になることも
むちうちによる頭痛は、後遺症が残る可能性もあります。後遺症を残さないためには、以下のような通院頻度を保つことが大切です。
近藤先生:
「当院では、わずかな骨のズレを見逃さず、そしてお身体に負担がかからないよう、主に手技を用いてアプローチを行なっています。
後遺症を残さないためには、週に3〜4回の頻度で通院していただくと良いかと思います。」出典:紺屋町整骨院 近藤先生
もしもむちうちによる頭痛が後遺症になってしまった場合は、後遺障害等級認定を申請するようにしましょう。
関連記事むちうちを後遺症にしない|症状や治療と後遺障害認定・慰謝料も解説
薬などむちうちによる頭痛の治し方まとめ
むちうちによる頭痛は、鎮痛薬だけではなかなか改善しないことが多いです。鎮痛薬と併用してアイシングや電気療法、マッサージ、牽引、温熱療法などの治療・施術も受けるとよいでしょう。
治療・施術については、主に整形外科や整骨院で受けることができます。通院先に迷われる方は、交通事故病院までお気軽にご相談ください。
また、むちうちによる頭痛は後遺症が残る可能性もあります。後遺症を残さないためにも、週に3〜4回の通院頻度を保つようにしましょう。
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この記事を監修したのは…
看護学校卒業後、総合病院にて外科病棟、救急病棟、外来等、急性期看護を経験。結婚・出産を経て、看護師として臨床以外でスキルを磨けるライターに魅力を感じ、活動を開始。現在、医療福祉系の記事を中心に執筆中。
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