【交通事故】診断書をあとから書いてもらうのは可能?
監修記事

世良 泰
医師(整形外科他)
交通事故による怪我の診断書について、具体的なケース別に「あとから書いてもらうことが可能かどうか」を解説しています。
診断書をいつまでに提出すべきか、診断書にかかる費用、書いてもらえない場合の対処法なども紹介しています。
「事故直後に受診したが診断書をもらい忘れてしまい、後日書いてもらいたい」
「事故直後には受診しておらず、後日に痛みが出てきた」
などのケースで悩んでいる方はぜひ参考にしてください。
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目次
診断書をあとから書いてもらうのは可能?〈ケース別〉

▲交通事故治療における診断書の内容と役割
診断書をあとから書いてもらうことは可能です。法律で保険医療機関は患者の診療録を5年間保存しなければならないと定められています。
そのため、記録は残っているのでそれを基に診断書を書いてもらうことができます。その際にケースによっては再診が必要であったり内容を変更したり追加したりする場合もあります。
診断書の作成は医療機関によって対応が異なりますが、その中で特に多い4つのケースについてそれぞれ解説していきます。
ケース①事後直後に受診したが診断書をもらい忘れたため、後日に書いてもらいたい
基本的に診断書は5年以内であれば書いてもらうことは可能です。しかし、交通事故の診断書は物損事故から人身事故に切り替える際に必要であったり、賠償請求の際に必要だったりするためできる限り早めにもらう必要があります。
物損事故から人身事故に切り替える際には、警察署に診断書を提出する必要があります。切り替えの受け付けをいつまでやってくれるかは警察署によって異なりますが、事故発生から数週間~1カ月以上経過すると切り替えができない可能性もあるため、遅くとも10日以内には提出するようにしましょう。
事故直後に受診して後日診断書を書いてもらう場合に、医療機関や怪我の状況によっては再度受診が必要となる場合もありますので病院の窓口に確認してみましょう。
関連記事人身事故で診断書を取り下げてほしいと言われたら?対処法やデメリットを解説
ケース②事故直後に受診し診断書をもらったが、後日に新たな症状が出た
事故直後に受診してそのときに診断書をもらったが、日が経つにつれて新たな症状が出てきた場合、診断書を新たに書き直してもらう必要があります。
特に、後遺障害の認定では後遺障害診断書の内容が等級認定に大きく関わってくるため、最初の診断書のままだと十分な補償を受けられない可能性もあります。
しかし、事故から時間が経過すればするほど新たにでてきた症状が事故によるものなのかどうかの因果関係を証明することが難しくなるため、新たな症状が出てきた場合にはすぐに医師に相談しましょう。
また、それまでしっかりと通院を継続的にしていると医師も経過を把握しやすいため診断書の書き直しもしやすくなります。そのため、なるべく間を空けずに通院をしましょう。
ケース③事故直後に受診し診断書をもらったが、一部症状が反映されておらず再取得したい
例えば、交通事故で太ももを打撲し腰にも痛みがあり、事故直後に受診して診断書をもらったが腰の痛みについては書かれておらずしっかりと症状が反映されていないという場合、診断書を取り直したいと考えると思います。
診断書を取り直す場合は再診が必要となりますので、医療機関に連絡して再診を受けましょう。その際にいつから、どこが、どのようなときに、どのような痛みなのかを具体的に詳しく説明をしてしっかりと医師に伝える必要があります。
前回の診断書も持参してどこが異なるかを照らし合わせるのも良いでしょう。そして、それがしっかりと反映されるように医師に伝えて、新しい診断書を受け取りましょう。
ケース④事故直後には受診しておらず、後日に痛みが出てきた
事故直後は気になる症状がなく医療機関を受診していなかったが、日が経つにつれて痛みが出てきた場合、なるべく早期に病院を受診して医師の診断を受け、診断書を書いてもらいましょう。
交通事故の場合、事故直後は興奮状態で痛みなどの症状に気がつかず、翌日や数日後、数週間後になって症状が出現してくるといったことも多くあります。しかし、事故から時間が経過すればするほど症状と交通事故との因果関係を証明することが難しくなるため、あまり期間が空いてしまうと診断書の発行ができない可能性があります。
診断書がないと適切な補償を受けることができなくなってしまいます。そのため、症状が現われてきたらすみやかに受診をしましょう。
関連記事交通事故で整形外科の診断書のもらい方とは?もらえない場合の対応も
交通事故の診断書はいつまでに提出すべき?
医師から診断書をもらったら、それを警察署と保険会社に提出する必要があります。提出する時期に明確な決まりはありませんが、事故発生から時間が経過すればするほど症状と事故との因果関係を疑われてしまい適切な補償を受けられない可能性があります。そのため、なるべく早期に提出するようにしましょう。
警察への提出期限
▲警察への診断書の提出が遅れるとどうなる?
交通事故が物損事故として処理されている場合は、人身事故へ切り替える必要があります。物損事故のままで人身事故に切り替えていないと、賠償請求ができずに適切な補償が受けられなくなります。
そのため、病院を受診し医師からの診断書を事故現場を管轄している警察署へ提出する必要があります。警察署への提出期限については法律で定められている訳ではありませんが、事故発生から時間が経てば経つほど症状と事故との因果関係を証明することが難しくなり、場合によっては人身事故への切り替えが困難になることもあります。そのため、できれば事故発生から2〜3日以内、遅くても10日以内には提出するようにしましょう。
保険会社への提出期限
警察署と同様に、医師からの診断書を保険会社にも提出する必要があります。保険会社への提出期限も明確に定められている訳ではありませんが、相手側の任意保険会社やご自身の任意保険会社と連絡をとり、保険会社からの「いつまでに提出してください」という指示に従って提出しましょう。
万が一、病院をなかなか受診できずに診断書の取得が遅れてしまいそうな場合は事前に保険会社へ連絡をしておくことでトラブルを防ぐことができます。
損害賠償請求に関しては3年以内に行えば良いとされていますが、こちらも警察署と同様に事故発生から時間が経てば経つほど因果関係を疑われてしまい適切な補償を受けることができない可能性もあるため、なるべく早期に対応するようにしましょう。
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診断書にかかる費用
医師が発行する診断書は無料ではなく「文書費」という費用がかかります。文書費の費用は全国一律という訳ではなく、各医療機関が独自に決めて良いことになっており、地域によっても相場が異なります。
また、文書費は保険の適用外となるため全額自己負担での支払いとなります。そのため、事前に病院の窓口で確認をしましょう。
費用の目安
診断書の作成にかかる文書費は全国一律で決められている訳ではなく、各医療機関が独自に設定して良いことになっており、地域によっても様々です。最低額は1,000円台、最高額は10,000円台とかなり差があります。また、7割の病院が同じ地域の他の病院を参考に値段を決めているようです。
その中で交通事故の診断書は1通あたり約5,000円程度としているところが多いようです。診断書の値段が高いように感じますがこれは診断書には保険が適用されないためです。
加害者側に請求可能
交通事故の診断書の費用に関して相手側の過失が認められる場合は、相手の保険会社に請求することが可能です。そのため、予め相手側の保険会社に連絡をしておきましょう。
しかし手続き上、病院の窓口で一度診断書の費用を自腹で立て替える必要があります。そのため、領収書はしっかりと保管をしておきましょう。
交通事故による怪我の診断書を書いてもらえない場合は?
賠償請求や後遺障害認定を受けるには、診断書や後遺障害診断書が必要となります。これは病院の医師のみ発行することができるもので、診断書は基本的に書いてもらえないことはありません。
医師法で正当な理由がない限り診断書の作成依頼は拒否できないと定められています。しかし、後遺障害診断書は場合によっては書いてもらえないこともあります。
交通事故で診断書を書いてもらえないケース
後遺障害診断書は事故直後の状態を記載する通常の診断書とは異なり、治療の経緯や治療の期間、具体的な症状などを記載したもので、交通事故での治療を終えた後に作成されます。
しかし、医師によっては交通事故の被害者に対応した経験があまり多くなく、後遺障害診断書を書く機会も少ないため書き方がわからないといったことも実際にあるようです。また、書き方に不備があると後遺障害認定に影響があるため責任を追及されることを避けるために対応してくれない場合もあります。後遺障害診断書の対応を行っていない病院の場合は、交通事故治療の対応をしていないとしてそもそも最初の受診を受付していないでしょう。
作成に慣れていたとしても治療期間が短かったり、症状固定とまだ判断されない場合には書いてもらえないこともあります。そのため、通院先の医師が交通事故に対してしっかりと対応してくれるかどうかが重要なため、通院先は慎重に選びましょう。
交通事故で診断書を書いてもらえない場合の対処法
後遺障害診断書がなければ後遺障害認定を受けることができません。しかし、通院先の医師に後遺障害診断書の作成を拒否され書いてもらえないケースもあります。
この場合、書いてもらえない理由を確認しましょう。例えば後遺症がないと判断された場合や治療期間が短く治療の経緯を把握していない場合には今の状態だけでもいいので記載してほしい旨を伝えてみましょう。
後遺障害を実際に認定するのは医師ではないため、医師が後遺症がないと考えても実際には認定されることもあります。また、交通事故の対応を十分にしてもらえない場合には他の医療機関へ転院し、ある程度の期間治療を受けてから後遺障害診断書を作成してもらうようにお願いする方法もあります。
元弁護士監修整形外科が後遺障害診断書を書いてくれない理由は?具体的な対処法を解説
交通事故の診断書をあとから書いてもらうには注意点もある
診断書は症状と事故との因果関係を証明するものであり、賠償請求する際に必要になります。しかし、事故発生から時間が経過してから作成しようとすると症状と事故との因果関係を証明することが難しくなります。
そのため、なるべく早期に診断書を書いてもらうようにしましょう。医師によっては交通事故の対応に不慣れで手続きがスムーズにいかないこともあり、賠償請求に影響がでることもあります。
通院先を選ぶ際には交通事故に対応してもらえる病院かどうかをしっかりと確認しましょう。
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この記事を監修したのは…
慶應義塾大学医学部卒。初期研修後、市中病院にて内科、整形外科の診療や地域の運動療法指導などを行う。スポーツ医学の臨床、教育、研究を行いながら、プロスポーツや高校大学、社会人チームのチームドクターおよび競技団体の医事委員として活動。運動やスポーツ医学を通じて、老若男女多くの人々が健康で豊かな生活が送れるように、診療だけでなくスポーツ医学に関するコンサルティングや施設の医療体制整備など幅広く活動している。「健康を通じて人々の夢や日常を応援すること」をミッションに2024年6月に池尻大橋せらクリニックを開院。
池尻大橋せらクリニックHP
https://sera-clinic.com/
日本整形外科学会専門医
日本内科学会認定内科医
公衆衛生学修士
International Olympic Committee Diploma in Sports Medicine
日本スポーツ協会公認スポーツドクター
日本医師会認定健康スポーツ医
日本整形外科学会認定スポーツ医
日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツ医
Performance Enhancement Specialist (National Academy of Sports Medicine)
Corrective Exercise Specialist (National Academy of Sports Medicine)
日本医師会認定産業医
ロコモアドバイスドクター
TWOLAPSチームドクター(陸上)
LADORĒメディカルアドバイザー
日本陸上連盟医事委員
株式会社スポーツ医学 代表取締役
株式会社Mesign 顧問
株式会社うごきのクリニック 取締役
AuB株式会社 顧問ドクター
株式会社富士急ハイランド 医療顧問
株式会社リハサク メディカルアドバイザー
株式会社アルゴス 顧問医師
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