むちうちとストレートネックの違いは?交通事故の後遺障害認定や治療も解説
監修記事
柿野 俊弥
理学療法士
「むちうちとストレートネックの違いって何?」と疑問を抱いている方はいませんか?その中には、もしかしたら交通事故の後にむちうちやストレートネックだと判明した方もいるかもしれません。どちらもよく耳にする用語ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
本記事では、むちうちとストレートネックの違いや治療法、ストレートネックが後遺障害として認められる可能性があるかを中心に解説します。
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目次
むちうちとストレートネックの違いは?
むちうちとストレートネックは、どちらも首の不調に関わるものですが、それぞれ明確な違いがあります。違いを簡単にまとめると以下のとおりです。
むちうち | ストレートネック | |
状態 | 首がむちのようにしなり、首周りの軟部組織が傷ついた状態 | 首の骨の湾曲がなくなり、真っすぐになった状態 |
原因 | 交通事故やスポーツなどでの外部からの強い衝撃 | 習慣的かつ長時間のスマホ操作や猫背姿勢の維持など |
症状 | 首の痛み、首・肩こり、疲労感、頭痛、腰痛、吐き気、目の疲れやすさ、腕・手のしびれなど | 首の痛み、首・肩こり、疲労感、頭痛、目の疲れやすさ、腕・手のしびれなど |
それぞれ詳しく解説します。
むちうちとは
むちうちについて、日本整形外科学会では「追突や衝突などの交通事故によってヘッドレストが整備されていない時代に首がむちのようにしなったために起こった頚部外傷の局所症状の総称」と定義されています。
首が動く範囲は決まっていますが、外から力が加わったことで動く範囲以上に無理に動かされ、周囲の筋肉や靭帯などが傷ついてしまうのがむちうちです。症状は、首の痛みやこり、肩こり、頭痛や腰痛、眼精疲労、吐き気など多岐にわたります。
治療期間は3ヶ月が一般的ですが、個人差が大きく、半年以上あるいは1年以上になるケースもあります。治療を早く開始したケースほど、改善が早いという報告もあるため、受傷後はできるだけ早く受診し、適切な治療を受けましょう。
関連記事むちうちはどんな症状?治療方法や完治までにかかる時間について解説
ストレートネックとは
本来、首は7つの骨が連結し、前に湾曲している構造をとっています。しかし、習慣的な長時間のスマホ操作や猫背姿勢などで、前への湾曲がなくなり、真っすぐな状態になっているものを「ストレートネック」と呼びます。
原因としては他にも「頚椎椎間板ヘルニア」や「線維筋痛症(せんいきんつうしょう)」といった病気によってストレートネックが見られることもあります。
治療期間は、はっきりとしたデータはありませんが、数ヶ月程度だとされています。年齢の若い方は改善が見られやすい傾向がありますが、高齢者の場合は首の骨だけでなく、体全体の歪みにより改善が難しい場合もあります。
関連記事追突事故により椎間板ヘルニアが悪化…後遺障害は認定されるの?
むちうちとストレートネックの症状は似ている
むちうちとストレートネックによって生じる症状は、首の傷み、首・肩こり、頭痛、疲労感など、共通点も多いです。しかし、ストレートネックはレントゲンを取れば容易に診断できますが、むちうちは画像検査で原因が判明しないことが多いという違いがあります。
また、両者の関連性としては、元々ストレートネックの人が交通事故にあうと、ストレートネックによる首の可動性低下から、むちうちの症状が強くなる場合があるため注意が必要です。
むちうちやストレートネックの通院先と治療法
むちうちやストレートネックを治療する際の通院先は、整形外科または整骨院が主です。整形外科と整骨院では、できることや受けられる治療が異なります。
これからご紹介する内容を基に、通院先を選びましょう。
整形外科での治療
むちうちやストレートネックが疑われる場合、まずは整形外科の受診がおすすめです。整形外科を受診することで、レントゲン等の検査による原因の特定や状態の確認を行ったうえで、適切な治療が受けられます。
薬剤の処方やブロック注射などで痛みのコントロールをしながら、国家資格を持つ理学療法士のリハビリも受けることが可能です。
また、後に解説する後遺障害認定の申請や交通事故の手続きに必要な診断書の発行は、医師が在籍している整形外科でできます。そのため、交通事故による受傷後は必ず整形外科を受診しましょう。
整骨院での施術
整骨院では、医療行為は受けられませんが、国家資格者である柔道整復師による施術が受けられます。交通事故の場合は、整骨院も病院と同様に自賠責保険の適用となります。ただし、加害者に治療費の請求を続けるには、医師の許可や保険会社への連絡が必要になるため注意しましょう。
整骨院で施術を受ける大きなメリットは、土日祝日や遅い時間帯でも営業しているところがあるため、スケジュールを合わせて通院しやすい点です。また、手技療法や物理療法が行われ、薬剤などを使うことがないため副作用のリスクがほとんどありません。
関連記事整骨院と整形外科の違いは?どっちがいいか症状やケースにあわせて解説!
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交通事故後のストレートネックは後遺障害認定される?
後遺障害認定とは、交通事故が原因で怪我をして後遺症が残ったことを認めてもらうことです。交通事故後にストレートネックだと判明した場合、後遺障害認定される可能性はあるのでしょうか。さっそく見ていきましょう。
交通事故でストレートネックが判明しても後遺障害認定されないことが多い
結論、ストレートネックは日頃の姿勢でなることも多いため、交通事故との因果関係が証明できず、後遺障害認定を受けられないケースが多いです。ストレートネックの後遺症として考えられる首の痛みや手足のしびれなどは、自覚症状のみでしか説明できず、客観的証拠が得られにくい後遺症になります。
また、交通事故後にストレートネックが判明しても、実際には交通事故の前からストレートネックだった可能性もあります。このような理由から、ストレートネックは後遺障害認定されにくいと言えます。
交通事故とストレートネックの因果関係が認められれば認定されることも
首の痛みや手足のしびれなどの神経症状が後遺症として残り、交通事故によるストレートネックと因果関係を示すことができた場合は、12級13号(局部に頑固な神経症状を残すもの)と14級9号(局部に神経症状を残すもの)の認定がされる可能性はあります。
12級13号の「頑固な神経症状」には、他覚的所見がある場合が該当します。14級9号の認定基準よりも厳しく、客観的に証明できなければ認定されません。
14級9号は、感覚検査や徒手筋力テスト、深部腱反射検査などの神経学的検査による後遺症の推定ができている場合も認定される可能性があります。
関連記事交通事故の後遺症で認定される後遺障害等級14級とは?慰謝料の基礎知識について解説!
むちうちとストレートネックのまとめ
むちうちとストレートネックは、それぞれメカニズムや原因、画像検査で判別できるかどうかといった点は異なりますが、首の痛み、首・肩こり、頭痛などのよく似た症状があらわれます。
どちらも治療や施術を行う場合は、整形外科や整骨院で受けられますが、医師による診察や検査、薬剤の処方、診断書の作成などが可能な整形外科をまずは受診するとよいでしょう。整骨院は通院のしやすさなどメリットもあるため、整骨院で施術を受けることも視野に入れておくと安心です。
参考
1)公益社団法人 日本整形外科学会:むちうち症
2)L A McKinney:Early mobilisation and outcome in acute sprains of the neck
3)Robert S. Katz:The Vast Majority of Patients With Fibromyalgia Have a Straight Neck Observed on a Lateral View Radiograph of the Cervical Spine
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この記事を監修したのは…
理学療法士として、回復期病院で脳血管疾患を中心にリハビリテーションを経験。その後、フリーライターに転向。医療・健康分野をはじめ、地域・観光、転職関連などの幅広いジャンルの執筆を行っている。
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