むちうちによるしびれが治るまでの期間|治療方法や後遺症を解説
監修記事
河野 裕也
理学療法士
交通事故によるむちうちを患うと腕にしびれが生じることがあります。
むちうちでは身体への強い衝撃により頭が大きく揺さぶられることで首の周囲の筋肉、靱帯などを損傷する可能性があります。
また、首には筋肉や靱帯の他に神経も存在し、この神経が損傷されたり圧迫されたりすると腕や指先にしびれや感覚の障害が生じる可能性があります。
しびれを放置すると長期間症状が続くことが多いため適切な治療が必要です。今回はむちうちによる腕のしびれについて解説していきます。
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むちうちによるしびれが治るまでの期間
腕や手を支配している神経は首の骨の間から出てきます。そのため、むちうちにより首から出る神経を損傷したり、首周囲の筋の緊張により神経が圧迫されたりすることで腕や手にしびれが生じる可能性があります。
むちうちの平均的な治療期間は2カ月前後だと言われています。
上記はむちうち等の交通事故の怪我で通院した方で「交通事故病院」相談窓口をご利用頂いた方からのご回答ですが、通院期間2~3か月という方々の割合が最も多く、その次に4~5か月の方が27.9%、1か月以下の方が24.5%と続きます。また、半年以上の通院期間を要した方も一定数いらっしゃいます。
神経による症状のため、手に力が入らなくなったり感覚の障害が生じたりする可能性があります。そのため、症状が軽度だからといってしびれを放置したり、短期間で治るものだと油断したりせずに適切な治療を受ける必要があります。
関連記事【医師解説】頚椎捻挫で手のしびれ?原因や治療法、他の病気の可能性も解説
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むちうちの症状の発生期間
むちうちは症状の発生期間から急性期と慢性期という2つの段階に分かれます。
それぞれの時期において、対処方法が異なるため、今がどちらの時期なのかを把握する必要があります。
急性期は交通事故によるむちうちを患った直後から1か月くらいの時期を指します。
この時期は交通事故により首周囲の組織が損傷し炎症が生じます。特に受傷後3日~1週間程度は症状が強く、炎症を抑えるために安静が重要となります。
慢性期は受傷から3カ月以降の時期を指します。慢性期では急性期のような強い症状は落ち着き、鈍痛やしびれ、可動域の制限などの症状が一般的です。
症状の期間はあくまでも目安であり、組織損傷の程度や人によって異なることは認識しておきましょう。
関連記事交通事故のむちうちの安静期間はいつまで?仕事を休む場合の補償も
むちうちの治療は整形外科・整骨院(接骨院)で行う
交通事故に遭遇したら症状が軽度であってもまずは整形外科を受診しましょう。
交通事故では身体へ想像以上に強い衝撃が加わります。そのため、整形外科でレントゲンやMRI、CTなどの検査を受けて医師による適切な診断を受けましょう。
また、交通事故の場合は慰謝料の請求や後遺症の申請などの手続きが必要な場合があります。これらは医師による診断書が必要となるため、できるだけ早く整形外科を受診しましょう。
整形外科を受診後、整骨院への通院も可能となります。整骨院では交通事故を積極的にに扱っていたり、遅い時間や休日なども開いていたりします。
治療を途中で中断してしまうと後遺症として残ってしまう可能性があるため、ご自身のライフスタイルに合わせて治療が継続できるようにしましょう。
関連記事むちうちは病院の何科を受診する?症状や治療内容、転院の仕方も解説
後遺症を疑っている場合はどうすればいい?
交通事故によるむちうちでは症状が改善せずに、これ以上治療を継続しても医学的に回復が見込めないという「症状固定」と医師が判断する場合があります。
残ってしまった症状は「後遺障害」として後遺障害認定に申請し認定されると後遺障害慰謝料などを請求することができます。
むちうちの後遺症では重症度によって後遺障害等級14級(14級9号)と後遺障害等級12級(12級13号)があります。
14級の認定基準は「局部に神経症状を残すもの」とされ、12級の認定基準は「局部に頑固な神経症状を残すもの」とされています。
それぞれ請求できる慰謝料の相場も異なり、14級では自賠責基準32万円、弁護士基準110万円であり、12級では自賠責基準94万円、弁護士基準290万円とされています。
関連記事交通事故で通院したら慰謝料はいくらもらえる?計算方法も解説<弁護士監修>
事故による怪我の受診で不安があるなら相談を
今回は交通事故によるむちうちのしびれが治るまでの期間、症状の発生期間、後遺障害等級と慰謝料などについて紹介しました。
しびれの症状が軽度であっても適切な治療をせずに放置してしまうと後遺症として残ってしまう可能性があります。
そのため、継続的に適切な治療を受けることが重要です。まだどこも受診していないようであれば、まずは病院を受診しましょう。
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この記事を監修したのは…
国家資格である理学療法士として、約10年間整形外科クリニックで一般の患者様からスポーツ選手の身体のケアに携わり、その後理学療法士の養成校の教員として身体の仕組み、治療技術などについて学生に講義を行っています。早稲田大学大学院スポーツ科学研究科にて修士取得。
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