むちうちの症状が飲み込みにくさにつながる?その原因と対策を解説
監修記事
世良 泰
医師(整形外科他)
むちうちと言えば、首の痛みや頭痛が主な症状だと知られています。しかし、中には「飲み込みにくい」という症状が現れる場合があります。
本記事では、交通事故のむちうちで飲み込みにくい症状が出た場合の原因と今後の動き方について解説します。本記事をご覧になり、解決の糸口になれば幸いです。
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目次
交通事故のむちうちで飲み込みにくい症状が出る
交通事故によるむちうちで、飲み込みにくい症状が現れることがあります。これは自律神経の乱れが原因だと考えられます。
食事のときは、副交感神経が働き、消化気管の活動を促すようになっています。しかし、自律神経が乱れると交感神経が働きすぎてしまい、飲み込みを円滑にする効果もある唾液の分泌量が減り、飲み込みづらさにつながる可能性があるのです。
また、むちうちによって首周囲の筋肉の緊張が高まり、上記のような自律神経の乱れと相まって複合的に飲み込みに影響を及ぼしていることも考えられるでしょう。
バレー・リュー症候群型が該当する
むちうちの症状は主に頚椎捻挫型、神経根損傷型、脊髄症状型、バレー・リュー症候群型、脳脊髄液減少症の5つの型に分かれています。飲み込みにくい症状が現れる場合は、バレー・リュー症候群型である場合が多くなっています。
バレー・リュー症候群型のむちうちは、主に自律神経障害が発生し、頚椎の痛みやこりだけでなく、嚥下障害や声のかすれ、首周りの浮腫みなどが見られることが特徴です。
また、バレー・リュー症候群型は交通事故から2~4週間を経過してからさまざまな症状が出てくるのも特徴になります。交通事故を起こしてからすぐは無症状でも、1ヵ月は油断しないようにしましょう。
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脳脊髄液減少症に注意が必要
むちうちの中でも、とくに脳脊髄液減少症に注意が必要です。脳には、脳の水分量や形を保つことが役割とされる「脳脊髄液」が流れています。しかし、交通事故を起こすと、頭部の急激な加速・減速によって、脳脊髄液の漏れが生じることがあるのです。
脳髄液が漏れると、周囲の組織を圧迫してしまいます。それによって頭痛やめまい、吐き気、意識障害、嚥下障害などが現れる場合があります。
重篤な症状を引き起こすこともあるため、早めに医療機関で適切な診断と治療を受けることが大切です。
むちうちで飲み込みにくい以外の自律神経症状
むちうちは、飲み込みにくさ以外にも、自律神経に関連したさまざまな症状が現れることがあります。
- 頭痛とめまい:自律神経の乱れにより血管がうまく調整できず頭痛やめまいが起こる場合がある
- 疲労感と倦怠感:疲労感や倦怠感が長期にわたって持続することがある
- 胃腸の不調:自律神経の乱れが消化器官にも影響を及ぼし、胃痛や腹部不快感、食欲不振、便秘や下痢などの症状が起こることがある
- 眠気や不眠:日中に眠気が襲ってきたり夜寝つけなくなったりする
- 心拍の異常:心拍数に変動が生じ、ときには不整脈や動悸が現れることがある
自律神経は、身体の調子を整えている大切な神経です。そのような神経が異常をきたすと、さまざまな症状が現れ、日常生活に大きな影響を与えてしまいます。
むちうちで飲み込みにくさを感じている場合、他にも症状が現れていることも少なくありません。上記の症状のうち、一つでも思い当たる場合はすぐに医療機関を受診しましょう。
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むちうちで飲み込みにくいなら整形外科を受診
むちうちによる飲み込みにくい症状が現れた場合は、早めに整形外科を受診することが大切です。
身体に関して精通している整形外科を受診することで、頚椎の状態や自律神経の乱れを評価してもらうことができ、適切に治療を進められます。飲み込みにくさの進行を防ぐためにも、医師の診断を受けるようにしましょう。
気になる場合は飲み込みの検査を受ける
飲み込みにくい症状が気になる場合は、嚥下機能に関する検査を受ける事も選択肢の一つです。
嚥下機能検査では、飲み込みの力や喉部の動きを評価し、異常があれば早期に対応できます。検査の方法としては次のようなものがあります。
- 嚥下内視鏡検査(VE):内視鏡をのどに入れて食べ物の飲み込みを観察する検査
- 反復唾液嚥下テスト:30秒間で唾液を何回飲み込めるかを計測する検査。2回以下の場合は嚥下障害の可能性が疑われる
- 改訂水飲みテスト:少量の冷水を口に含み、飲み込みを2回行う検査
ただし、嚥下機能評価を行える施設は限られており一般的な検査ではないので、担当医師に必要性も含めて相談してみるのが良いでしょう。
整骨院は許可をもらってから受診
むちうちによる飲み込みにくい症状で整骨院に通う際は、まず整形外科からの許可を得ることが重要です。整形外科医の診断や治療計画を共有し、整骨院の施術が適切かつ安全であることを確認します。
連携を取ることで、より効果的な治療が期待できます。自身で判断せず、医師の指示に従って治療を進めることが大切です。
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むちうちで飲み込みにくい症状は日常生活でのケアも必要
むちうちで飲みにくい症状が出た際には、悪化したり誤嚥を起こしたりしないようにケアも必要です。むちうちが急性期の場合と慢性期の場合に分けて、行うべきケアを具体的に紹介します。
急性期
急性期は、医師の指示に従い安静にすることが最も大切です。首の動きは食事に大きく影響するため、首に負担のかからないようにしましょう。痛みがひどい場合は首をサポートする頚椎カラーを使用するとよいです。
また、すでに飲み込みにくさがある場合は、食事の際に液体や柔らかい食事を選びましょう。食材も大きな塊を避けて、小さくしておくことも大切です。
慢性期
慢性期になっても飲み込みにくさが残っている場合は、食べ物の大きさや質、食べ方を引き続き注意しましょう。誤嚥すると肺炎を起こす可能性もあるため、慎重な対策が大切です。また、自律神経の乱れを最小限にするためにも、ストレスの解消や生活習慣の見直しなども行います。
首に関しては、専門家の指示に従って筋力訓練やストレッチなどを行い、治癒を目指します。定期的に病院を受診して、経過を診てもらいましょう。
むちうちで飲み込みにくいときは受診がおすすめ
むちうちになってから「何か飲み込みにくいな…」と感じたときには、すぐに受診することをおすすめします。
むちうちによる飲み込みにくさは、主に自律神経の乱れが影響していると考えられます。多くの人が自律神経の乱れを経験したことがあり、自然と治るケースが多いため甘く見られがちです。
しかし、むちうちの場合は根本の原因であるむちうちが治癒しないと改善が見込めません。
放っておくと、重篤な症状につながる可能性もあるため、できるだけ早めに医療機関を受診するようにしましょう。受診先に悩んだら、お気軽に交通事故病院の相談窓口にご相談ください。
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この記事を監修したのは…
慶應義塾大学医学部卒。初期研修後、市中病院にて内科、整形外科の診療や地域の運動療法指導などを行う。スポーツ医学の臨床、教育、研究を行いながら、プロスポーツや高校大学、社会人チームのチームドクターおよび競技団体の医事委員として活動。運動やスポーツ医学を通じて、老若男女多くの人々が健康で豊かな生活が送れるように、診療だけでなくスポーツ医学に関するコンサルティングや施設の医療体制整備など幅広く活動している。「健康を通じて人々の夢や日常を応援すること」をミッションに2024年6月に池尻大橋せらクリニックを開院。
池尻大橋せらクリニックHP
https://sera-clinic.com/
日本整形外科学会専門医
日本内科学会認定内科医
公衆衛生学修士
International Olympic Committee Diploma in Sports Medicine
日本スポーツ協会公認スポーツドクター
日本医師会認定健康スポーツ医
日本整形外科学会認定スポーツ医
日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツ医
Performance Enhancement Specialist (National Academy of Sports Medicine)
Corrective Exercise Specialist (National Academy of Sports Medicine)
日本医師会認定産業医
ロコモアドバイスドクター
TWOLAPSチームドクター(陸上)
LADORĒメディカルアドバイザー
日本陸上連盟医事委員
AuB株式会社 顧問ドクター
株式会社富士急ハイランド 医療顧問
株式会社リハサク メディカルアドバイザー
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