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交通事故による頚椎捻挫の後遺症とは?後遺障害認定を受けるためには

監修記事

髙橋 マキ

正看護師

「交通事故のあと、首の痛みやめまい・頭痛などの症状が続いている」
「気圧の変化で調子が悪くなる」
「病院で半年以上治療してもらったけれど、なんだか体調がすぐれない」

といった症状で悩んでいませんか?もしかしたら頚椎捻挫の後遺症かもしれません。

この記事では、交通事故後の頚椎捻挫の症状や後遺障害等級認定について解説しています。

頚椎捻挫と診断された方・症状が治らず悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。

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交通事故の後遺症とは

交通事故による怪我で、半年以上の治療を継続しても症状の改善が見込めず、残ってしまった症状を「後遺症」といいます。

痛みを感じるなどのはっきりとしたものから、首や肩の痛み、頭痛、腰痛、手足の痛みやしびれ、気圧の変化で症状が悪化したりと、さまざまな症状があります。

代表的な後遺症:頚椎捻挫

交通事故の代表的な後遺症は頚椎捻挫です。

交通事故で首が強い衝撃を受け、短時間に大きく振られることで発生します。

頚椎捻挫の症状

頚椎捻挫には5つの型があり、それぞれ以下のような症状がみられます。

頚椎捻挫型:頚椎捻挫の約70%を占める・頚椎の筋肉や靭帯を損傷している状態

  • 頭痛
  • 首や肩の痛み
  • 首の運動制限

神経根症状型(しんけいこんしょうじょうがた):脊髄から出ている神経の根元が損傷している状態

  • 首の痛み
  • 肩から腕にかけての痛み
  • 知覚障害
  • しびれ
  • 脱力

脊髄症状型(せきずいしょうじょうがた):頚椎の中を走っている脊髄やそこから伸びている神経が損傷している場合

  • 腕や足の痛みとしびれ

バレー・ルー症候群型:自律神経が損傷している場合

  • 頭痛
  • 耳鳴り
  • 吐き気
  • めまい
  • 難聴

脳脊髄液減少症:交通事故の衝撃で一時的に髄液圧が上昇し、脳脊髄液がくも膜下から漏れている状態

  • 頭痛
  • めまい
  • 耳鳴り
  • 倦怠感

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頚椎捻挫が後遺症になるケース

先ほどお伝えしたように、交通事故で頚椎捻挫を生じた場合、頭痛・めまい・吐き気・首の運動制限・手足のしびれや倦怠感など、さまざまな症状がみられます。

これらの症状は、整形外科や整骨院に通い、一般的に2〜3ヶ月で改善するケースもあります。

ただし、現状よりも回復が見込めない場合や、半年以上の治療を継続しても症状の改善が見られない場合に、交通事故による頚椎捻挫の後遺症と診断されます

頚椎捻挫の後遺障害等級

交通事故の後遺障害には「交通事故損害賠償法施行令」によって定められた、要介護1・2級、1〜14級の後遺障害等級があります。

頚椎捻挫になった場合に獲得できる等級は14級か12級です。

それぞれ、後遺障害等級認定に必要な条件について解説します。

頚椎捻挫は14級か12級

頚椎捻挫が後遺障害として認められた場合、14級か12級が獲得できます。

ただし、どちらの等級になるかは、症状の原因となる病変がレントゲンやMRIなどの画像で証明されるかによって異なります。

頚椎捻挫の程度を判断するために行われるテストには、握力検査・腱反射テスト・ジャクソンテスト・スパークリングテストなどがあります。

その結果から得られた神経学的所見と自覚症状が一致している場合、後遺障害として認められる等級は14級です。

神経学的所見と自覚症状が一致していることに加え、レントゲンやMRIの結果、神経を圧迫していたり、症状の原因となる画像が明確に証明されている場合に後遺障害等級は12級と認められます。

頚椎捻挫で14級に認定される条件

頚椎捻挫で14級に認定されるために必要な条件は以下4点です。

  • 事故の態様が頚椎捻挫の症状を発生する程度であること
  • 事故当初から病院へ定期的に通院していること
  • 事故当初からの症状が継続し、一貫性があること
  • 症状がそれなりに重篤であること

上記すべてを満たしておけば、14級の認定が受けられます。

事故の容態が軽いと過小評価されてしまうことがあります。

交通事故との因果関係を証明するため、車両の損傷部位や外傷など、写真を撮って証拠を残しておくといいでしょう。

また、通院実績が乏しい場合は認定されないケースがあるので注意が必要です。

最低でも週1回は通院し、症状が軽くなったら医師と相談しましょう。

頚椎捻挫は時間が経ってから症状が現れることがあるので気をつけてください。

加えて、症状に一貫性がないと認定されない場合があります。

もちろん日によって症状は変化するものです。

そのため、主治医には「以前は右肩が痛かったが、かばっているせいか左手がしびれてきた」など具体的に伝えるといいでしょう。

カルテにも記載してもらうことが大切です。

頚椎捻挫で12級に認定される条件

頸椎捻挫(けいぶねんざ)の後遺障害の等級獲得は14級にとどまってしまいます。

これまでの条件に加え、12級の認定を受けるためのポイントについて解説します。

  • 症状の原因となる病変がMRI画像などにより他覚的に証明されている
  • 画像上、神経根の圧迫所見が明確であること
  • 神経学的な検査結果と画像所見が一致していること
  • 画像所見が事故の影響による重篤かつ新鮮な病変であること

上記4点を証明できれば、12級の認定を受けられることがあります。

事故との因果関係を証明するため、事故直後もしくは早めにMRI撮影をしてもらいましょう。

同時に、症状が固定するまでに神経学的検査も行なってもらうことも重要です。

等級獲得のために、後遺障害診断書に画像所見や神経学的所見をしっかり記載してもらいましょう。

関連記事追突事故でうつ病やPTSDに…後遺障害等級認定は受けられる?

頚椎捻挫の通院先

交通事故で頚椎捻挫になった場合、どういった病院に行ったらいいか迷う方もいらっしゃるかもしれません。

どれだけ症状が軽くても自宅で様子を見るのではなく、通院して治療することが大切です。

まずは病院へ

事故で頭をぶつけているようあれば、脳外科と整形外科のある総合病院を受診しましょう。

まずは脳外科でCTMRIで検査をし、脳内に問題がなければ整形外科に依頼してもらえ、同じ病院内であれば紹介状が必要ないからです。

症状の軽い頚椎捻挫であれば、整形外科のある病院でも良いでしょう。

交通事故に遭って慰謝料や保険金を請求するためには、医師の診断書が必要です。

初診から治療完了までの経過を記載するのは病院でしかできないため、事故直後から通院しましょう。

整骨院にも通院できる

交通事故後の頚椎捻挫の治療で整形外科へ通っても症状の改善がみられない場合、整骨院への通院も視野に入れましょう。

整骨院は医師ではなく柔道整復師による施術を行います。

病院ではないため、医療行為ではなくマッサージを中心とした医療類似行為になります。

整骨院は医療機関ではありませんが、場合によっては保険適用してくれます。

ただ、必要な処置ではないと判断されれば慰謝料算定の対象外になることは理解しておきましょう。

関連記事接骨院と整形外科の違い。2つの通院先を併用することは可能?

まとめ

解決

今回、交通事故後の頚椎捻挫の症状や後遺障害等級の14級または12級に認定される条件について解説してきました。

頚椎捻挫による後遺症は、頭痛・めまい・痛みやしびれといった目に見えない症状です。

そのため、等級獲得の際、神経学所見や画像所見の有無が重要なポイントになります。

過小評価されないためにも、交通事故直後から認定獲得までの対策をしっかり理解しておきましょう。

この記事を監修したのは…

正看護師として都内の総合病院・個人病院で循環器内科・脳外科・ICU・整形外科など、さまざまな経験を積む。現在は整形外科病院で勤務しつつ、在宅Webライターとしても活動中。

この記事の執筆者

正看護師 / 髙橋 マキ
正看護師として都内の総合病院・個人病院で循環器内科・脳外科・ICU・整形外科など、さまざまな経験を積む。食と健康のつながりに興味があり、マクロビオティックについても学ぶ。 現在は整形外科病院で勤務しつつ、在宅Webライターとしても活動中。正看護師・クシマクロビオティッククッキングアドバイザー・伝え方コミュニケーション検定中級。

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