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近くの病院に転院したい!手続きや紹介状の書いてもらい方を解説

監修記事

福山 泰平

医師(整形外科他)

【医師監修】交通事故の治療、近くの病院に転院したい。手続き方法や紹介状を書いて貰う方法を開設

交通事故をきっかけに通院している現在の病院から、自宅近くの病院に転院したいと考えている方はいないでしょうか。

この記事では、

・病院を変えたいけど、どうしたらいいかや流れがわからない
・転院のための紹介状のもらい方や費用がわからない
・主治医に転院したいと言いづらいから紹介状なしではダメ?

など、通院中の病院を変えることを検討中の方へ向けた内容を解説しています。

転院する前に知っておきたいポイントは以下の4つです。

  1. 紹介状は医師しか作成できないので素直に理由を伝えてお願いすること
  2. 紹介状なしで転院すると治療内容が引き継がれないこと
  3. 交通事故の場合は、保険会社への連絡も忘れないこと
  4. 紹介状は保険適用されるので3割負担の健康保険で750円程度

特に交通事故の治療で転院する場合は、保険会社に連絡が行っていないと、治療費の支払いが継続されないといったトラブルの要因にもなりかねません。

転院したいときに何から行動すればよいのか、転院する際の注意点を解説していきます。

近くの病院に転院したいときはどうしたら良い?

近くの病院に転院したいときはどうしたら良い?

交通事故で病院に搬送される際、自分で搬送先を選ぶことができません。そのため、自宅から遠い病院に通院しなければならず、転院したいと考える方は少なくないでしょう。

しかし、いざ近くの病院に転院しようとするとき、始めにどのような行動を取ったらよいかわからないと思います。そこで、転院したいときに行うべきことを解説していきます。

現在の担当医に転院したい旨を伝え紹介状を作成してもらう

まずは現在通院している病院の担当医に、転院したい旨を伝えてください。「こちらの病院は自宅から遠く通院が大変なので、自宅近くの病院に転院させてください」のように伝えます。

許可を得た後は、紹介状の作成依頼を忘れないようにしましょう。紹介状は医師のみが作成可能な書類で、他の医療スタッフが作成することはできません。

医師以外に依頼しても作成してもらえないので、注意してください。

紹介状に記載される内容とは

紹介状の正式名称は「診療情報提供書」です。名前の通り、患者の診療情報を提供するための書類になります。具体的には次のような情報が記載されています。

  • 名前や生年月日などの基本情報
  • 傷病名
  • 画像検査や血液検査、心電図などの検査結果
  • 治療計画

紹介状を作成してもらえば転院先の医師が事前に情報を得られ、転院先での治療がスムーズになります。

紹介状の費用は3割負担の場合750円

紹介状の作成には2,500円かかります。健康保険が適用になるため1〜3割の自己負担で、3割負担の場合は750円です。これだけ聞くと、費用的には負担になりそうですが実は大きな節約になります。

もし、紹介状なしで大病院や病床500以上を備える病院に転院すると、初診料(健康保健適用)に加えて「特別料金」を全額自己負担する必要があります。

また、現在の病院で受けたことのある検査を再度行う必要があるため、検査費用も追加でかかってしまうのです。

スムーズな治療と費用負担の減少のために、紹介状は作成してもらいましょう。

紹介状をもらったらできるだけ早く転院先へ

紹介状を作成してもらったら、できるだけ早く転院先へ向かいましょう。理由としては、遅くなると紹介状に記載されている情報が古くなり、初診と同じような状態になるためです。

基本的に、有効期限が設けられているわけではありませんが早めに行動しましょう。病院によっては特別に有効期限を設けている病院もあるため、転院する前に一度確認しておくと安心です。

関連記事交通事故で痛くないのに通院しても良い?軽い追突事故でも病院に行くべき理由

紹介状なしに転院すると治療内容が引き継がれない

紹介状を作成してもらわずに転院すること自体は可能です。しかし、何も情報の無いところから治療は行えないため、検査から行う必要があります。

現在通院している病院で受けた検査を再度受ける必要が出てくるため、みなさんにとっては二度手間となり時間の無駄になってしまいます。

転院後もスムーズに治療を受けるために、紹介状は作成してもらうべきと言えるでしょう。

交通事故後に近くの病院に転院する際の注意点

交通事故で転院する方法は、まず保険会社と医師に転院したい旨を伝えます。次に、医師に紹介状(診療情報提供書)を作成してもらいます。注意点はできるだけ早めに転院することと、転院回数は最小限にとどめることです。

▲交通事故で転院する方法

近くの病院に転院する際、以下の点に注意してください。

  • 紹介状がないと保険会社からの支払いが継続されない場合がある
  • 転院先が決まり次第保険会社に連絡すること
  • 転院は最小限にとどめること
  • 転院先の病院が保険会社等殻の治療費支払いを認めないケースもある

不利益を被らないよう、これらの点に十分注意しましょう。ではそれぞれ詳しく見ていきます。

紹介状がないと保険会社からの支払いが継続されない可能性がある

紹介状は、医師の許可が得られたうえで転院を希望しているという「証明」になります。つまり、紹介状がないと「医師の許可が得られていないのでは」と保険会社が判断してしまい、治療費の支払いを継続してもらえない可能性があるのです。

紹介状を作成してもらえなかった場合、転院先の医師へこれまでの経過や情報を伝える必要があります。その際、診断書を提出しますが、診断書に「治癒」と記載されないよう注意しましょう。

治癒と記載された診断書を見た医師が、交通事故による怪我や病気はすでに治っており、転院する必要はないと判断する可能性があります。

転院先が決まり次第保険会社に連絡すること

転院先が決まったらすぐに加害者側の保険会社に連絡し、転院先の病院の名前と連絡先を伝えましょう。連絡せずに転院してしまうと、治療費を継続して受け取れなくなる可能性があります。

交通事故での治療は、長期間にわたる場合が多いです。その長い期間、治療にまつわる費用を全額負担するのは大変です。治療に専念して怪我を治すためにも、連絡は忘れないようにしましょう。

転院は最小限にとどめておくこと

保険会社に治療費を請求したい場合は、転院を最小限にとどめ、早めに実行することが大切です。治療し始めてから一定期間経過した後に転院すると、2つのリスクがあります。

1つ目は、転院先では症状固定までの治療が短くなり、後遺障害等級の認定で不利になってしまう点です。転院先の医師は、患者の治療経過を短期間しか診られないため責任をもって「後遺障害診断書」を作成できないのが原因になります。

症状固定とは:治療を続けても症状の緩和が見られない状況の事

▲症状固定とは?

2つ目は、保険会社から治療費の支払い打ち切りの申し出を受ける場合がある点です。基本的に保険会社は、支払いを最小限にしたいと考えているため、打ち切りを要求される場合があります。

関連記事交通事故の後遺症で認定される後遺障害等級14級とは?慰謝料の基礎知識について解説!

転院先の病院が保険会社等からの治療費支払いを認めないケースもある

保険会社は治療が必要ではないと判断した場合、治療費の支払いを拒否することがあります。他にも、医師の許可を得ていない転院や、頻繁に転院を繰り返している場合も拒否することがあります。

その場合、受診や治療にかかる費用は被害者の自己負担となります。

自分自身で保険会社とやり取りをして解決できない場合は、弁護士への相談も検討すると良いでしょう。

まとめ

POINT ポイント まとめ

近くの病院に転院したい場合に行うことと注意点を解説してきました。転院の際に重要なことは次の通りです。

  • 医師と保険会社に転院したい旨を伝えて許可を得る
  • 医師に診療像法提供書(紹介状)を作成してもらう
  • 転院をする場合はできるだけ早く実行する
  • 転院は最小限にとどめる

自分自身が不利益を被らないよう、気をつけた上で通院を続けましょう。

この記事を監修したのは…

品川大井町整形外科・リハビリクリニックの院長。これまで交通事故患者の受け入れ実績は1000件以上。交通事故の怪我の治療やリハビリにも力を入れている。交通事故の怪我の治療はもちろん、後遺症や事故後の手続きなどの相談も可能。

品川大井町整形外科・リハビリクリニック
https://shinagawa-oimachi-seikei.clinic/

資格:
日本整形外科学会認定 整形外科専門医
日本整形外科学会認定 リウマチ医
日本整形外科学会認定 リハビリ医
日本運動器科学会 リハビリ指導医

経歴:
神戸大学医学部 卒
神戸大学医学部大学院(医学系研究科) 卒
大阪大学医学部大学院(医学系研究科)特別研究生
M. D. & Ph. D.
神戸大学医学部附属病院
神戸労災病院
三菱神戸病院  など

この記事の執筆者

理学療法士 / 柿野 俊弥
理学療法士として、回復期病院で脳血管疾患を中心にリハビリテーションを経験。その後、フリーライターに転向。医療・健康分野をはじめ、地域・観光、転職関連などの幅広いジャンルの執筆を行っている。

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