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交通事故の検査は念のため受けた方がいい?検査費用や慰謝料も解説

監修記事

五十部 紀英

弁護士

交通事故の被害にあった場合、大きな怪我を負っていなくても、念のため病院で検査を受けたいと思う方は多いでしょう。

この記事では、下記のようなお悩みを持っていらっしゃる方に向けて書いています。

・交通事故に遭ってしまい、幸い重症は負わなかったものの後日病院で検査を受けた方が良いか迷っている方
・事故直後は怪我はないと思っていたが、後になって違和感や痛みが出てきた方
・交通事故後の検査を受けたいが、費用はどうなるのか分からない方

交通事故後の検査やそれにまつわる費用や手続き等、交通事故に遭って初めてどうすれば良いのか困ってしまう方も少なくありません。

交通事故後に検査を受けるべきか、病院ではどのような検査が実施されて検査費用はどうすれば良いのか、交通事故後の通院の費用は保険会社から出るのか等交通事故後の検査にまつわる疑問に回答していきます。

交通事故にあったら、検査を受けるべき?

「怪我も身体の痛みもないし、病院へ行かなくても大丈夫だろう」と思っていませんか?

交通事故の被害にあった場合、自覚症状がほとんどない場合でも、大きな怪我を負っていなくても病院へ行き、検査を受けることが大切です。

なぜ病院を受診するべきなの?

交通事故の直後は、脳が興奮状態にあることで、痛みや違和感に気づきにくいケースがあります。

むちうちが交通事故後すぐに痛みとして現れないことがある理由は?

▲むちうちの症状が事故後すぐに出ない理由

また、痛みがなくても骨にヒビが入っていたり、神経が損傷しているケースもあります。何事もないと思った交通事故でも、身体には大きな負担がかかっている場合があるのです。

関連記事軽い追突事故でも病院へを受診すべき理由

病院での検査内容と費用

一般的に、保険会社との連絡がスムーズに取れている場合は、病院の窓口での支払いは発生しないといわれています。

しかし、交通事故が起こってすぐに病院に行く場合は、被害者自身が費用を立て替えるケースがあります。

これから病院で検査を受けようと思っている方は、代表的な検査と立て替える費用の目安を把握しておきましょう。

1.レントゲン検査

レントゲン検査とは

▲レントゲン検査とは

レントゲン検査(X線検査)は、骨折の有無を調べるために行います。検査を受ける部位は、交通事故の影響で怪我をした患部やその周囲です。

事故直後は頭が真っ白になってしまい、どこに身体をぶつけたのか、記憶が定かではないこともあります。このような場合は、レントゲン検査を受けることをおすすめします。

また、わずかな骨のひびなどでは、「歩けない」「痛みで動かせない」といった自覚症状があらわれないこともあります。事故後は、身体が緊張状態にあることが多く、怪我をしていたとしても、痛みに気づかないことは珍しくありません。

さらに、事故からある程度の時間が経過してから、怪我や痛みなどの症状が発覚しても、事故直後に病院を受診していなければ、警察や保険会社に「事故による怪我なのか判断できないため受け入れられない」と判断されてしまう可能性があります。

このような理由から、腰や脚、肩や腕、頭などを打ちつけた場合には、事故直後に痛みや症状がなくても、病院を受診して治療やレントゲン検査などを受けることが大切です。

なお、妊娠中の方は、必ず医師・検査技師に申し出ましょう。

レントゲン検査の費用

レントゲン検査にかかる費用は、部位や撮影数によって変わります。

一例として、腰部分を4回撮影する場合、自費診療で2,000円〜5,000円程度の費用がかかります。(編集部調べ)

2.CT検査

CT検査とは

▲CT検査とは

レントゲン検査とあわせて代表的な検査がCT検査です。脳や骨の状態を確認する必要がある際に役立つ検査となります。

検査は、寝台に横になった状態で行います。寝台の周りを検査器具がX線を使って撮影するため、1度の撮影で複数の方向から状態を確認できます。

検査にかかる時間は撮影する回数にもよりますが、おおむね10分程度です。機種によっては、1分程度で撮影を終える機器もあります。

CT検査もレントゲン検査と同様にX線を使用する検査です。妊娠中の場合は必ず医師・検査技師に申し出ましょう。

CT検査の費用

自費診療での検査代は、一例として6,500円〜20,000円程度となっていますが、検査内容の詳細や病院によって異なります。
実際に、CT検査を受ける病院に相談してみるとよいでしょう。

3.MRI検査

MRI検査とは

▲MRI検査とは

MRI検査も代表的な精密検査のひとつです。頭を打ちつけている可能性がある場合などに行うことが多い検査となります。

MRI検査も、CT検査と同様、寝台に横になって行う検査です。そのまま、トンネルのようなMRI機器に寝台が移動し、撮影を行います。撮影中は、かなり大きな音がなる点が特徴的です。

MRI検査の費用

MRI検査を自費で受ける場合の目安は、16,000円〜25,000円程度です。
こちらも具体的な内容や受診する病院によって費用が変わるため、検査を受ける病院に相談をしてみてください。

交通事故後の検査費用の目安一覧

あくまで参考とはなりますが、交通事故後に自費で検査を受ける場合の費用の目安を下記の一覧にまとめました。

検査 費用の目安(自費)
レントゲン検査
2,000円~5,000円程度
CT検査
6,500円~20,000円程度
MRI検査
16,000円~25,000円程度

注:交通事故病院編集部調べ

実際の費用は、検査の内容や実施する医療機関によって異なります。
そのため、受診する予定の病院や整形外科へ事前に問い合わせるとよいでしょう。

MRI検査とCT検査の違いとは?

CT検査とMRI検査では、似たような方法で検査が行われますが、検査の目的や効果について、それぞれ特徴があります。

X線を使わない検査:MRI

MRI検査は、X線を使わない点に大きな特徴があります。MRI検査では、強い磁気と電波を使って体内の状態を画像化する方法によって行われます。

放射線を使用しないため、妊娠中の方や子どもにも安心して行うことができる検査です。

検査可能な部位の大きさ

次に、検査可能な範囲に違いがあります。

CT検査は、広範囲を調べることができ、MRI検査では、範囲は狭まりますが、特定の部位を詳細に検査することができます。

検査にかかる時間

そして、検査にかかる時間も異なります。

CT検査は長くても10分程度と短時間で撮影を終えることができます。

一方MRI検査の場合は、検査内容や撮影場所によって異なりますが、おおよそ15〜40分程度は必要です。

CT検査が脳・骨に対しての撮影が得意であることに対し、MRI検査では脳・脊髄・関節の撮影が得意という違いも見られます。

なお、MRI検査の特性上、磁気を発する金属を体内で使用している場合、検査は行えません。心臓にペースメーカーを装着している方や、人工内耳を利用している方などは、医師に申し出てください。

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検査費用や、交通費など保険会社から支払われるお金について

検査費用や交通費など、交通事故の治療ではお金のかかるタイミングが多いと思います。

そこで、ここでは保険会社から支払われるお金には、どのようなものがあるのか解説していきます。

損害賠償の項目

損害賠償とは、相手に負わせてしまった損害を金銭的に賠償することをいいます。

交通事故の損害賠償の内訳

▲交通事故の損害賠償の内訳

交通事故の場合、加害者が被害者に対して賠償金を支払う方法で損害賠償が行われ、その代表的な項目は以下のものがあります。

  • 治療費
    通院先で治療にかかった費用
  • 通院交通費
    通院先までの交通費(電車代や自家用車のガソリン代)
  • 入院雑費
    入院に際して必要な出費(紙コップやタオルの購入)
  • 休業損害
    交通事故の影響で仕事を休んだ場合の減収部分
  • 入通院慰謝料
    交通事故で怪我をして、病院に入院・通院しなければならなくなったことにより受ける精神的苦痛に対して支払われる賠償金
  • 後遺障害慰謝料
    後遺障害が残ったことによって受ける精神的苦痛に対して支払われる賠償金。後遺障害の等級が認定された場合に請求することができる。
  • 逸失利益
    後遺障害や死亡によって将来得られるはずであった収入の減収に対して支払われる賠償金

治療を開始する際に、費用の負担を心配される方も多いと思います。

交通事故の怪我の治療には、健康保険を使って自己負担額を抑えることができますので、自己負担する場合には、利用するとよいでしょう。
もちろん、自己負担した治療費は、後から加害者側に請求することができます。

また、病院が加害者の保険会社と連絡をとり、当日から窓口で支払いをしなくて済むように手続きを行う場合もあります。そのため、病院に相談してみるとよいでしょう。

関連記事交通事故の病院への支払いは誰がする?立替や自己負担のケースを解説

交通事故の怪我、検査後の通院先について

病院での検査が終了したら、その後の治療について考えますよね。

交通事故で負った怪我の治療を受けるための通院先は、整形外科や整骨院などから選択することができます。

交通事故通院における整形外科と整骨院の治療内容の違い

▲交通事故通院の病院と整骨院の治療内容の違い

これらの通院先でかかった治療費などは、加害者側の保険会社に請求することができます。納得のいく治療を受けられるよう、症状や希望に合う通院先を選択するようにしましょう。

病院・整形外科

交通事故後の整形外科受診は①検査(レントゲン・MRI)②診断書の発行③痛み止めや湿布の処方等ができる

▲交通事故後の整形外科受診

特徴としては…

  • 医師が治療を行う
  • 診断書を作成できる
  • 痛み止めや湿布の処方を受けられる
  • MRIやレントゲンといった検査を受けられる

整骨院・接骨院

整骨院・接骨院の交通事故施術とは?

▲整骨院の交通事故施術内容の種類

特徴としては…

  • 柔道整復師が施術を行う
  • マッサージや電気療法、牽引の施術を受けられる
  • 土日や夜遅くまで営業しているところがある

通院先を選ぶ場合はこれらの特徴を参考にしてください。

この他にも、交通事故の被害者は、病院での検査や通院について注意すべき点が多くあります。分からないことは1人で抱えこまず、弁護士などの専門家に相談してみるのもよいでしょう。

交通事故の怪我の検査についてまとめ

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今回は、交通事故により怪我を負ったときの検査内容や費用についてご説明しました。

交通事故の被害にあってしまったら、病院や整形外科を受診することが大切です。

検査費用について不安になってしまう方も多いと思いますが、立て替えたとしても戻ってくるお金です。安心して治療や施術を受けましょう。

その他通院先でお悩みの方は、交通事故病院相談窓口でも相談が可能です。お気軽にお問い合わせくださいね。

この記事を監修したのは…

弁護士法人プロテクトスタンスの代表弁護士。多くの病院や整骨院等の法律顧問に就任。医事法に関する研究部会に所属し、医療法制に精通。交通事故の示談交渉で豊富な解決実績があり、特に保険会社対応に定評がある。

この記事の執筆者

交通事故病院編集部 ライター / A.M
専門学校卒業後は、フリーライターとして様々なジャンルの記事を執筆してきました。現在は交通事故や整骨院に関する知識を身につけるためにまだまだ勉強中ですが、ライターの経験を活かしてみなさんが読みやすい記事を提供していきます!

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