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交通事故で打撲に…請求できる慰謝料は?注意すべきポイントや通院先も解説

監修記事

河野 裕也

理学療法士

交通事故にあって打撲を負ってしまった場合、
「打撲ってどんな症状?治療はどんなことをするの?」
「打撲で慰謝料はどれくらい受け取れるの?」
と疑問を抱えていませんか。

そこで今回は、以下のような内容を解説しています。
・交通事故による打撲の症状や治療方法、通院先
・交通事故による打撲の慰謝料について

交通事故による打撲の治療を進めていこうと考えている方はぜひ参考にしてください。

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交通事故による打撲の症状

交通事故の怪我:打撲の症状とは?

▲交通事故の怪我:打撲の症状とは?

打撲とは、身体を何かにぶつけてしまったり、転倒したりして起こるものです。ぶつけた部分に、内出血が起きたり腫れが出たり発熱したりします。患部を押すと痛みがあるのも特徴で、治癒までにかかる期間は1〜2週間です。

ただし、交通事故で打撲を負った場合、通常起きる打撲より重度のことが多く、特に頭部は血管の損傷、腹部は内臓へのダメージも考えられますので、たかが打撲と放っておかず必ず病院で検査を受けましょう

また、打撲が治った後に痛みが残ったり、首が痛くなったりするのは関節を捻挫していたり、むち打ち症を起こしている場合があります。なるべく早めに専門家のアドバイスを受けるようにしてください。

打撲の特徴は発赤や腫脹

打撲の特徴としては、発赤(赤くなる)、腫脹(腫れる)、内出血です。打撲は、受傷してから数分から数時間して内出血を起こします。また、腫れの度合いがあまりにもひどい場合は骨折をしている可能性があります。

判断を誤るとその後の経過も悪くなり、治癒するまでに時間がかかるようになってしまいますし、最悪の場合治らなくなってしまいます。打撲が軽傷の場合は、関節運動の妨げにならないため、日常生活には支障がおきません。

ただし、放置すると筋肉痛のような症状が抜けない場合もありますので、治療が必要です。

上記のことから、打撲でも重症な場合があるため、たかが打撲と自己判断せずにまずは病院を受診し医師による診断を受けましょう

交通事故の打撲で頭や腰部は要注意

交通事故で打撲の怪我を負った場合、頭の打撲や腰部の打撲には注意が必要です。もし交通事故で頭や腰部をぶつけた場合は、必ず病院で検査を受けるようにしましょう。

頭の打撲

打撲の中でも頭部の打撲に関しては、痛みがなくとも絶対に検査をしましょう。以下の症状があらわれている方は、特に注意が必要です。

  • めまいがする
  • 頭痛や吐き気
  • 手足がしびれる

脳には数え切れないほどの血管があります。強い衝撃を受けて脳の血管が損傷した場合、処置を怠って放置してしまうと、後遺症が残るほどの障害が残ってしまいます。

ほとんどの場合は、たんこぶができるなど所見でわかりますが、時には内出血が見られない場合もあります。

腰部の打撲

腰部を打撲した場合、通常の腰痛に似た症状が出ます。また、神経痛がある場合や自分の意思では動かせない場合は、腰椎を圧迫骨折している可能性もあります。

圧迫骨折とは?

▲圧迫骨折とは?

特に高齢者は軽度の衝撃でも骨折している場合が多く、無理な動きなどをせず、早めに病院へ行くようにしてください。

関連記事打撲で痛みが続くならロキソニン湿布がおすすめ!効果的な使い方と注意点

交通事故による打撲の治療と応急処置

先程述べましたが、打撲は皮下組織や筋肉などの軟部組織が損傷している状態です。骨に異常があるわけではないのですが、打撲でもしっかりと治療をする必要があります。

事故現場で自分の怪我が打撲だとわかった場合、応急処置を行いましょう。

打撲の応急処置

RICE処置 とは

▲応急処置で大切なRICE処置とは

打撲の応急処置で一般的なのは、以下4つです。

  1. 安静
    打撲した部分を安静にしておく。
  2. 冷却
    炎症を抑えるために15~20分間、打撲部分を冷やす。
  3. 圧迫
    腫れや内出血を防ぐために、弾力包帯やテーピングなどを使い、打撲部分を適度に圧迫する。強く巻いてしまうと、局部的に血流が低下してしまうため注意が必要。
  4. 高く挙げる
    内出血を防ぎ痛みを抑えるために、椅子やクッションなどを使い、打撲部分を心臓より高い位置に保つ。

応急処置を行うことで、打撲の治りが早くなります。何かあったときのためにも、覚えておくとよいでしょう。これは、あくまで応急処置です。応急処置を行った後は、必ず病院の診察を受けましょう

打撲の治療方法

打撲の治療で一般的なのは、以下の2つです。

  1. アイシング
    3日間打撲部分を冷やし、内出血を抑えて血管を収縮させ、痛みを和らげる。
  2. 温熱療法
    打撲部分を温めます。温めると血管を膨張し、血液の流れがよくなり、症状が緩和されます。

しかし、打撲の怪我を負って、すぐに温熱療法を行ってはいけません

打撲の怪我を負って初期の段階で温めてしまうと、血行が良くなるため内出血がひどくなり、結果腫れもよりひどくなってしまいます。痛い場合などお風呂で温めたくなる人も多くいますが、ぶつけてすぐは絶対に温めないようにしましょう。

打撲を負った場合、まずはアイシングを行います。2~3日程度冷やして炎症が治まれば、その後は患部を温めていきます

しかし、温めたり冷やしたりの判断を素人が行うと、症状が悪化してしまいますので、必ず専門家のアドバイスを受けましょう

関連記事打撲した患部は温めるよりも冷やした方が良い!急性期の正しい処置について解説

交通事故による打撲の通院先

交通事故による打撲の通院先は主に整形外科と整骨院です。どちらも自賠責保険の対象になります。整形外科と整骨院は併用して通院することが可能ですが、慰謝料の受け取りにおいては注意点もあるので、事前に把握しておくとよいでしょう。

交通事故通院における整形外科と整骨院の治療内容の違い

▲交通事故通院の病院と整骨院の治療内容の違い

整形外科

整形外科ではレントゲンやMRI、CTなど画像検査をもちいて怪我の正確な状態を把握できます。打撲だと思っても実は骨折をしている場合や見逃されがちな微細な骨折、内部の損傷など体表からではわからないものも診断することができます。

また、被害者の場合は通院費や慰謝料など損害賠償請求をすることができますが、そのためには事故と症状の因果関係を証明する「診断書」が必要となります。これは医師のみ発行できるものなので、交通事故にあった場合にはまず整形外科を受診し医師の診断を受けましょう。

整骨院

整骨院では、治りを早くするために打撲部位へ施術を行います。例えば、超音波の機器を使った施術、炎症期がすぎた後は指圧やストレッチや運動リハビリなど、元々運動をされている方へは運動復帰への指導というような施術を行います。

また、足や腰を打撲した場合、全体のバランスを崩す事もありますので、そちらも矯正していきます。

このように、整骨院の場合は打撲した部分に直接施術を行ったり、超音波治療器、ストレッチなどを行います。

関連記事整骨院と整形外科の違いは?どっちがいいか症状やケースにあわせて解説!

慰謝料請求上での通院の注意点

整形外科と整骨院の併用通院の場合、条件によっては慰謝料の請求や後遺障害認定の申請を拒否されてしまうことがあります。そのため、併用通院をする場合の手順をしっかり確認しておきましょう。

交通事故の怪我で整骨院と整形外科を併用通院する為のステップ

▲交通事故の怪我で整骨院と整形外科を併用通院する為のステップ

まずは整形外科を受診して医師から「診断書」を受け取ります。診断書は事故と症状の因果関係を証明するもので、慰謝料の請求や後遺障害認定の書類に必要となります。これは医師のみ発行することができ、整骨院ではもらえません。

そして、整骨院を併用する場合には整形外科の医師と加害者側の保険会社にその旨を伝え了承を得ましょう。了承を得ずに通院するとトラブルの原因となり請求を拒否されてしまう可能性があります。

関連記事交通事故で整形外科と整骨院は併用可?メリットや注意点を解説

交通事故による打撲で請求できる慰謝料

交通事故が原因で打撲になり、痛みに悩まされたり、通院することになったりすると大変です。このような精神的苦痛に対して支払われるのが、慰謝料というものです。

交通事故の打撲で被害者が請求できる慰謝料は、入通院慰謝料後遺障害慰謝料の2つがあります。

入通院慰謝料

入通院慰謝料は、入通院したことで負った精神的苦痛に対して支払われるものです。入院もしくは通院の開始後から症状固定と診断される前までの期間で算出されます。入通院慰謝料の計算方法と使用する3つの基準については後述しています。

後遺障害慰謝料

後遺障害とは?(後遺症と後遺障害の違い)

▲後遺障害とは?(後遺症と後遺障害の違い)

後遺障害慰謝料は、後遺症が残ることで負った精神的苦痛に対して支払われるものです。しかし、後遺障害慰謝料は後遺障害等級認定を申請し、等級が認められなければ支払われません。

交通事故での怪我が打撲のみの場合は、もし神経痛などが残ってしまった場合に14級9号もしくは12級13号が認定される可能性があります。

交通事故による打撲の入通院慰謝料はいくら?

計算

交通事故の入通院慰謝料は、計算によってだいたいの相場を知ることができます。入通院慰謝料を計算するには、3つの基準と計算式が必要です。

慰謝料の3つの基準

交通事故の入通院慰謝料を計算するには、「自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準」の3つの基準から1つの基準を使います。

交通事故の慰謝料の3つの基準(自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準)

▲交通事故の慰謝料の3つの基準

自賠責保険基準

自賠責保険を使って計算するときの基準です。自賠責保険は、車を運転する人が必ず加入することを義務づけられています。交通事故の被害者を救済するために、最低限の保障を行うことが目的の保険です。

そのため、自賠責保険基準で計算すると、3つの基準の中で最も低い金額になります。

任意保険基準

任意保険を使って計算するときの基準です。そもそも任意保険は、加入が義務づけられていない保険ですが、多くの人が加入しています。その理由は、自賠責保険でカバーできない部分を補償してくれるためです。

任意保険基準は、各保険会社で異なる基準になっていますが、公表されていません。慰謝料の金額は、自賠責保険基準の金額より高く、弁護士基準の金額より低くなります。

弁護士基準

弁護士を使うときの計算基準です。弁護士基準で計算すると、3つの基準の中で最も高い金額になります。しかし、弁護士費用が発生するため注意が必要です。

入通院慰謝料の計算式

自賠責保険基準を使った計算方法は、明確に決められています。そこで今回は、自賠責保険基準を使った入通院慰謝料を計算する方法を説明していきます。

自賠責基準の場合、慰謝料は1日あたり4300円です。

・実通院日数:(実際に通院した日数)×2
または
・通院期間:通院を開始した日から、完治または症状固定した日
※実通院日数と通院期間を計算して、比較したときに小さい数字を使います。

このことから計算式は、4300円×(実通院日数 または 通院期間)になります。

打撲の入通院慰謝料を実際に計算すると?

入通院慰謝料の計算方法がわかったところで、実際に打撲の場合の入通院慰謝料を計算してみましょう。

先程も述べたように、打撲の治療期間は1ヶ月程度です。では、通院期間を1ヶ月(=30日)、実通院日数を12日(=週3で通院)と仮定します。

実通院日数:12日×2=24
通院期間:30日
この場合、実通院日数の計算結果の方が小さいため、実通院日数を使います。

4300円×24日=103,200円となり、今回の入通院慰謝料は103,200円となります。

関連記事交通事故の慰謝料を払うのは誰?治療費がもらえない時の対処法とあわせて解説

交通事故による打撲で慰謝料を請求するためにすべきこと

慰謝料を請求するためには事故後なるべく早く病院を受診すること、その後適切な頻度で通院を続けることが重要です。慰謝料は加害者側の保険会社が支払うことになるため「本当は大した怪我ではないのではないか」「もう完治しているのではないか」と疑われてしまうと適切な慰謝料を請求することができない可能性があります。

交通事故後すぐに病院へ行く

交通事故後はすぐに病院を受診し、医師の診断を受けることが重要です。そして、医師から発行される診断書を警察へ届け出ることで「人身事故」扱いとなり適切な慰謝料を請求することができます。

交通事故治療における診断書の内容と役割

▲交通事故治療における診断書の内容と役割

事故にあっても病院を受診していない場合は「物損事故」扱いとなり、物損事故では物に対する賠償しかされないため慰謝料を請求するには人身事故に切り替える必要があります

診断書は症状と事故との因果関係を証明するためのものであり、事故後から日にちが経ってしまうと事故との因果関係を証明することが難しくなってしまうケースがあります。そのため、事故後はできる限り早く病院を受診しましょう

適切な通院頻度を保つ

通院頻度が少ない場合、慰謝料の請求などに影響を与える可能性があります。治療費や慰謝料を支払うのは加害者側の保険会社になります。

慰謝料は怪我の程度や通院頻度、治療期間に基づいて算定されるため、保険会社は交通事故を偽装する保険金詐欺や虚偽の不正請求に警戒をしています。そのような意図がなくても通院頻度が少ないと「もうすでに完治しているのではないか」と疑われてしまい、保険会社の対応が厳しくなります

場合によっては慰謝料をもらえなかったり減額されたりする可能性があります。また、通院頻度が少ないと事故による怪我の証拠が不十分となり、裁判になった場合では主張が弱くなることがあります。

治療の必要性を疑われないためにも適切な通院頻度を保ち、治療に専念する必要があります。

関連記事交通事故で病院へ通うペースは? 通院頻度と治療費打ち切りの関係とは

交通事故による打撲で慰謝料を受け取るまでの流れ

慰謝料を受け取るには事故発生、通院、治癒・症状固定、後遺障害認定、示談交渉、示談成立・訴訟提起という流れがあります。それぞれに適切に対応しないと十分な慰謝料を受け取れなかったりトラブルが発生したりなどスムーズにことが進まなくなる可能性があります。

そのため、それぞれに対応するためのポイントをお伝えします。

交通事故発生・通院開始

事故が発生したらまずはすぐに警察に連絡をして、症状が軽度であっても後から症状が強くなる場合もあるためなるべく早めに病院を受診しましょう。受診が遅くなればなるほど事故による怪我の証明がしづらくなり、慰謝料や治療費を適切に受け取ることが難しくなる可能性があります。

治療が必要となれば通院開始となります。通院時の交通費、治療費なども加害者側の保険会社に請求することができます。通院中は保険会社から治療費を病院に直接支払う任意一括対応がとられることが多いため、窓口での支払いは通常ありません。

任意一括対応の流れ

▲任意一括対応の流れ

治癒または症状固定

症状固定とは:治療を続けても症状の緩和が見られない状況の事

▲症状固定とは?

通院をして症状が改善、またはこれ以上の治療を継続しても症状の改善が見込めないと医師が判断した場合は「症状固定」と判断され、通院が終了となり保険会社の治療費の対応も終了となります。

症状固定となった場合には症状が残っているということで後遺障害等級認定の申請をします。後遺障害は等級によって受け取れる慰謝料が異なります。もし、症状固定後も治療を継続したい場合は自費での治療となります。

後遺障害の申請

医師によりこれ以上治療を継続しても症状の改善が見込めないと判断された場合、後遺障害等級認定を受けましょう。後遺障害等級認定を受けるには「後遺障害診断書」を医師に作成してもらう必要があります。

後遺障害診断書とは?

▲後遺障害診断書とは?

この後遺障害診断書の内容が等級認定に重要となります。どの等級に認定されるかによって後遺障害慰謝料や損失利益の額が大きく変わります。しっかりと後遺障害診断書を書いてもらうためにも定期的に通院しておく必要があります。

示談交渉

交通事故の示談交渉とは交通事故の加害者と被害者が和解の為に行う話合いのこと

▲交通事故の示談交渉とは

示談交渉では損害賠償慰謝料の支払いについて話合いをします。裁判での法的な手続きを避けて合意することでスムーズかつ費用を抑えて解決することができます。

通常は当事者同士ではなく保険会社が代理人として交渉します。保険会社から示談案を提示されることが多いですが、被害者にとって満足する示談案になっていないことが多いです。

保険会社は任意保険基準または自賠責基準で算定するため、弁護士基準で得られる十分な内容になっていないことが多くあります。十分な慰謝料などを受け取るためには弁護士に依頼をして示談交渉を進めることもあります。

交通事故による打撲で慰謝料以外に受け取れる損害賠償

交通事故の損害賠償の内訳

▲交通事故の損害賠償の内訳

交通事故による打撲で受け取れる損害賠償は慰謝料以外にも治療費や入通院交通費、休業損害、逸失利益など多岐にわたります。特に「積極障害」と「消極障害」という費目に分けられ、適切な賠償を受けるためにもそれぞれ詳細に記録し、証拠となる必要なものは保管しておきましょう。

積極損害

積極損害とは、交通事故により被害者が支払うことになった経済的な損害のことです。事故の結果として直接発生した費用や損失を指し、治療費(診察費、入院費、手術費、検査費、薬代、リハビリ費用など)、通院交通費(バス、電車、タクシー代など通院に伴う交通費)、入院雑費(入院中に発生する雑費)などが該当します。項目は細かく多岐にわたるため、記録をとっておき領収書なども保管しておきましょう。

消極損害

消極損害とは交通事故の被害にあわなければ得られるはずだった利益が得られなくなった損害のことです。消極損害には休業損害後遺障害逸失利益があります。

休業損害とは交通事故の影響で働くことができなくなった場合、その期間に本来得られたであろう収入が得られないことをいいます。後遺障害逸失利益とは、交通事故により後遺障害が残り労働の効率や能力が低下してしまったことで減少してしまう将来の収入のことをいいます。

それぞれ交通事故前の収入をベースにした計算式で算定されます。

交通事故による打撲の慰謝料を請求する上で注意すべきポイント

交通事故による打撲の慰謝料を請求する上で、対応を間違えてしまうと適切な慰謝料を受け取れない可能性があります。特に、物損事故ではなく人身事故扱いにしておくこと、漫然治療をしないこと、保険会社からの打ち切りの打診などには注意する必要があります。

これらについて詳しく説明していきます。

人身事故扱いにしておく

物損事故と人身事故の違い

▲物損事故と人身事故の違い

交通事故では人身事故と物損事故の2種類に分類されます。事故直後に目立った症状がなかった場合には、基本的に物損事故として扱われます。

物損事故では損壊した物に対して補償を受けることができますが、慰謝料などは基本的に受け取ることができません。また、物損事故では過失割合を決める助けとなる「実況見分調書」を作成することができません。

実況見分調書は過失割合による慰謝料の金額に影響を与えるため非常に重要となります。適切な慰謝料を受け取るためにも物損事故から人身事故へ切り替える必要があります。

弁護士監修物損事故と人身事故の損害賠償の違いとは?

漫然治療をしない

漫然治療とは、明確な治療方針や効果を確認せずただ漫然と続けられる治療のことを指します。加害者側の保険会社が真剣に治療を行っていない漫然治療と判断すると治療費が打ち切られたり慰謝料を減額される可能性があります

保険会社に漫然治療と判断されないためには、適切な通院頻度(少なくとも週3回程度)や治療の進捗を定期的に医師と確認することが大切です。医師とのコミュニケーションを密にして治療の必要性と有効性を明確にすることで漫然治療と判断されるリスクを減らすことができます。

保険会社から打ち切りの打診に注意

加害者側の保険会社から治療費の打ち切りを打診されたらどうする?

▲加害者側の保険会社から治療費の打ち切りを打診されたらどうする?

交通事故では被害者は加害者側の任意保険で治療費などを支払うことが多いです。しかし、保険会社から一方的に治療費の打ち切りの連絡を受けることがあります。

打ち切られるとその後も治療を継続する場合は自費となるため、保険会社から打ち切りの打診をされてもすぐに応じないようにしましょう。基本的には医師が判断する「症状固定」までは支払いを受けることができます。

そのため、保険会社から打ち切りの連絡を受けた場合にはまず主治医に治療の状況を確認しましょう

関連記事保険会社が治療の打ち切りを連絡してきたら?理由と対処法を解説

交通事故で打撲になったときの通院・慰謝料まとめ

今回は交通事故による打撲の症状や治療法、通院先、慰謝料などについて解説しました。交通事故による打撲の場合、通常起こる打撲より重症となることが多く、特に頭部や腹部の内臓へのダメージも考えられるため、たかが打撲と安易に考えずにしっかり治療をするようにしましょう。

また、慰謝料や治療費などを受け取るためのポイントを理解し、適切な補償が受けられるようにしましょう。

参考
1)国土交通省 自賠責保険・共済ポータルサイト:自賠責保険・共済の限度額と補償内容
2)公益財団法人 日弁連交通事故相談センター :任意保険会社から提示を受けた慰謝料額についての相談(2)

この記事を監修した先生

柔道整復師。

この記事を監修したのは…

国家資格である理学療法士として、約10年間整形外科クリニックで一般の患者様からスポーツ選手の身体のケアに携わり、その後理学療法士の養成校の教員として身体の仕組み、治療技術などについて学生に講義を行っています。早稲田大学大学院スポーツ科学研究科にて修士取得。

この記事の執筆者

理学療法士 / 河野 裕也
国家資格である理学療法士として、約10年間整形外科クリニックで一般の患者様からスポーツ選手の身体のケアに携わり、その後理学療法士の養成校の教員として身体の仕組み、治療技術などについて学生に講義を行っています。早稲田大学大学院スポーツ科学研究科にて修士取得。

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