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交通事故で病院へ通うペースは? 通院頻度と治療費打ち切りの関係とは

監修記事

柿野 俊弥

理学療法士

交通事故で怪我を負ってしまった場合、どれくらいのペースで病院へ通えばいいのでしょうか?

今回は交通事故の怪我での通院頻度の目安や、気になる通院頻度と治療費打ち切りの関係について解説します。

交通事故で怪我をした場合に通院頻度の目安とは

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病院へ通う頻度は、交通事故による怪我の種類や状態などによって差が生じます。

ここでは、交通事故による代表的な怪我といえる「むちうち」の通院頻度・通院期間を解説します。

通院頻度の理想は週3日

むちうちも程度によって必要な通院頻度や通院期間は異なります。そのため、あくまでも目安ですが、通院する頻度は週に3回が望ましいとされています。理由としては、むちうちは継続的な診察が必要であることと、治療費の打ち切りに関係するためです。

治療費の打ち切りに関して、通院頻度や通院期間が少ないと、保険会社に「症状は軽い」と評価され、治療費の支払いが打ち切られてしまいます。

通院が長期化する理由

病院へ通う期間は、多くの場合3ヶ月程度だといわれています。

しかし、むちうちの症状は軽い症状から重いものまで様々です。症状によって治療期間が1ヶ月から6ヶ月まで異なります。むちうちで通院が長期化してしまう場合の理由として、次のことが考えられます。

  • 通院や治療の怠り
  • 神経の損傷や骨のズレによる障害
  • 心理的な影響による痛みの残存

第一に、交通事故の後すぐに受診したかどうか、医師の指示に従ってきちんと通院または治療を行ったかどうかが、通院期間に大きく影響してきます。

また、神経損傷は長期化の原因になります。たとえば、首の骨がズレて神経を圧迫した場合です。体の構造上の問題になるため、長期化しやすくなります。さらに、痛みは心理的要因が影響するとされていて、むちうちや痛みに対してネガティブな心理状況が続くことで、痛みが増長し、長期化する場合があります。

むちうちを治すために必要な通院期間や通院頻度について、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事も合わせて参考にしてください。

関連記事むちうちの治療期間は平均いつまで?慰謝料打ち切りにならないための通院頻度とは

交通事故で通院する必要がある怪我の種類

次のケガに当てはまる場合は、定期的な通院をおすすめします。

  • むちうち
  • 打撲・捻挫・挫傷
  • 骨折・脱臼
  • その他後遺症

それぞれ詳しく見ていきましょう。

むちうち

「むちうち」とは?発症の原因や症状等

▲「むちうち」とは?発症の原因や症状等

むちうちとは、交通事故やスポーツが原因で首に衝撃がくわわり、ムチのようにしなることでケガを負うことを指します。医学的には「頸椎捻挫(けいついねんざ)」や「外傷性頸部症候群(がいしょうせいけいぶしょうこうぐん)」と呼ばれるケガです。骨折や打撲と同様に、交通事故でよく見かけるケガの一つになります。

打撲・捻挫・挫傷

打撲や捻挫、挫傷は、いずれもケガをしたばかりであれば患部の固定・冷却・圧迫・挙上という処置をします。「RICE処置」と呼ばれ、症状の悪化を防ぎつつ、治癒を促進するのが目的です。炎症が落ち着き、症状も緩和したらマッサージや温熱療法、ストレッチで治癒を目指します。挫傷には、肉離れや筋違いも含まれるため、治療の際に筋肉を痛めないように注意しなければなりません。

こういった治療が必要なことから、いずれも通院が必要です。通院期間としては、軽いもので1・2週間程度、重度のもので数ヶ月を要します。

また、挫傷については「脳挫傷」を引き起こしている可能性もあります。頭痛や吐き気といった症状がある場合は、必ず脳の検査をしておきましょう。

骨折・脱臼

骨折・脱臼の場合、程度や他の組織への影響がないかなどの状態を確認するためにレントゲンを撮ります。

その後、患部を固定して痛みの軽減と自然治癒による整復を目指します。整復を促すために、患部へ物理療法(温熱療法や電気療法など)を行うこともあります。また、長期間動かなかったことにより、筋肉や周辺の組織が硬くなり、関節の動く範囲が狭まるため、状態を見ながらリハビリも必要です。通院期間は1〜3ヶ月前後が目安になります。

その他後遺症

交通事故の後遺症には、次のようなものがあります。

  • むちうち症
  • 高次脳機能障害
  • 精神障害
  • めまい
  • てんかん

後遺症として症状が残れば、生活に支障をきたすものばかりです。治療内容はそれぞれ異なるため一概には言えませんが、いずれも根気強く治療を続ける必要があり、通院期間は数年にもおよぶことがあります。

通院のペースは損害賠償に影響する

ポイント!

交通事故の被害者は、加害者に対して損害賠償請求を行うことができます。

交通事故の加害者が、被害者が被った損害に対して、主に金銭で補うことを「損害賠償」といいます。損害賠償の中には治療費や慰謝料などが含まれます。

交通事故の怪我での通院頻度は、相手側の保険会社から支払われる治療費に大きく関わってきます。

関連記事むちうちの慰謝料金額には通院頻度が影響する?計算の仕組みを解説!

通院のペースが少ないと治療費が打ち切られる可能性も

交通事故による怪我の治療費は、加害者側の保険会社から支払われます。

しかし、保険会社から「そろそろ治療を終了してほしい」といったように、治療費が打ち切られてしまう場合があります。

治療費を打ち切られる3つのポイント

相手側の保険会社からの、治療費の打ち切りにあいやすい、以下の3つのポイントがあります。

1.通院頻度が低い

基本的に交通事故による怪我が完治、あるいは症状固定となるまで、治療費は支払われます。

しかし、あまり通院頻度が低いと、保険会社に被害者は「怪我が治った」「そもそも症状が軽い」と判断され、治療費の打ち切りに繋がる場合があります。

2.漫然治療

交通事故による怪我にあまり関係のない治療をしていたり、湿布やマッサージばかりなどの場合です。

通院頻度と同じく「もう怪我が治った」「症状が軽い」と判断され、治療費の打ち切りに繋がる場合があります。

3.保険会社に感情的にあたる

保険会社に感情的に当たってしまうと、感情的で話の通じない被害者だと判断されてしまう可能性があります。

交通事故は身体の負担はもちろんですが、精神的な負担も多くあります。

ご自身で冷静な判断が難しい場合には、保険会社との交渉を弁護士に任せるという手立てもあります。

治療費を打ち切られてしまったら

頭を抱えて悩む男性

治療費を打ち切られてしまった場合、治療を続けるにはどうすればいいのでしょうか?

解決策として2つの方法があります。

  1. 全額自己負担で治療を続ける
  2. 後遺障害等級認定を受ける

自己負担額は大きくなりますが、治療費の支払いが打ち切られてしまえば、自費で支払うほかなくなります。しかし、後遺障害等級認定を受ければ話は別です。要するに、後遺障害と公的に認められることで「後遺障害慰謝料」という形で、再び保険会社に請求することができます。後遺障害等級は、1~14級に区分されており、それぞれに認定の基準が定められています。医師や弁護士に相談して、申請の手続きを進めましょう。

弁護士監修交通事故で症状固定と言われたら?後遺障害も解説

交通事故の怪我の通院先

病院 (1)

交通事故にあってしまった場合、そもそもどのような通院先が考えられるのでしょうか?

交通事故にあったらまずは整形外科へ

交通事故にあった場合、まずは整形外科を受診しましょう。

軽い交通事故や、事故直後に痛みがない場合であっても、あとから痛みが現れる場合があります。交通事故直後は、脳が興奮状態にあることで、すぐには痛みが出ないことがあるためです。

また、薬の処方やレントゲンやMRIなどの検査、交通事故後の様々な手続きで必要となる診断書の発行は、医師のいる病院でのみ行えます。

まずは整形外科を受診しましょう。

整骨院への通院も可能

交通事故によるむちうちの場合、まずは整形外科へ行くべきです。

しかし、通い続けるといった場合、通院先の選択肢は整形外科だけではなく、整骨院や鍼灸院もあります。

整骨院・接骨院

整骨院では、国家資格である柔道整復師が、主に手技療法を用いて施術を行います。また、物理療法運動療法を行う場合もあります。

むちうちは骨の損傷ではないため、レントゲン検査に写らない場合があります。整骨院の手技療法は、柔道整復師が直接触れて施術するため、症状がわかりやすいメリットがあります。

接骨院とは、整骨院と名称は異なりますが、施術は同じです。

また、整骨院・接骨院の場合、土日祝日や夜の時間帯でも営業しているところもあります。比較的通院がしやすいことから、整形外科と併せて通院するのもいいでしょう。

交通事故通院における整形外科と整骨院の治療内容の違い

▲交通事故通院の病院と整骨院の治療内容の違い

交通事故における通院頻度についてのまとめ

整形外科まとめ アイキャッチ67

交通事故の怪我における通院頻度は、週3日が理想です。

通院頻度が少ないと、「症状が軽い」「もう治っている」と保険会社に判断され、治療費を打ち切りたいといわれる可能性があります。

治療費の打ち切りにあわないためにも、痛みがある場合には、きちんと通院しましょう。

この記事を監修したのは…

理学療法士として、回復期病院で脳血管疾患を中心にリハビリテーションを経験。その後、フリーライターに転向。医療・健康分野をはじめ、地域・観光、転職関連などの幅広いジャンルの執筆を行っている。

この記事の執筆者

理学療法士 / 柿野 俊弥
理学療法士として、回復期病院で脳血管疾患を中心にリハビリテーションを経験。その後、フリーライターに転向。医療・健康分野をはじめ、地域・観光、転職関連などの幅広いジャンルの執筆を行っている。

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