交通事故後に当事者同士の連絡先交換は必要?トラブルと対処法も解説
監修記事
オオクマ サキコ
看護師
交通事故にあった場合、どのような対応をとりますか。
ある忙しい朝、仕事に向かう途中だったあなた。最寄り駅に向かうため、交差点を歩いて渡っていると、左側から車が止まらずにぶつかって来て、転倒してしまいます。幸い大きな怪我は負いませんでした。慌てて加害者が降りてきて、警察を呼び対応をしてくれます。事故の処理も終わり、仕事に向かおうとしたところ、「念のために連絡先を交換していただけますか」と言われました。
このようなケースになった場合、当事者同士での連絡先交換について悩む方もいらっしゃるでしょう。
本記事では、
- 交通事故後の連絡先交換について
- 交通事故から数日経って新たな痛みが出た場合
- 交通事故後に行う保険の手続きについて
を説明していきます。
-
まずはお気軽にご連絡ください
- 電話受付時間 9:00~22:00
-
LINEで無料相談
(24時間365日、受付) -
WEBで無料相談
(24時間365日、受付)
目次
交通事故後の連絡先交換は必要?
交通事故にあった場合、以下のような手順を踏むことになります。
- 警察へ連絡
- 加害者の情報を確認する
- 目撃者を確保する
- 自分でも事故の状況を記録をする
- 連絡先を交換する
- 保険会社へ連絡
- 病院で診断を受ける
- 完治または症状固定(※1)
- 後遺障害等級認定(※2)を受ける
- 示談交渉(※3)
- 示談成立
上記からわかる通り、交通事故後に被害者と加害者は、連絡先交換をする必要があります。交通事故の被害者は、加害者側の保険会社とのやり取りや示談交渉などで連絡をとることになります。連絡先交換をしなければ、加害者側の保険会社とのやり取りもできず、被害者は加害者から損害賠償(※4)を受け取ることができません。
※1 症状固定とは、怪我の治療をしているが、これ以上症状の緩和がみられない状態のことをいいます。後遺症が残っていることになります。
※2 後遺障害等級認定とは、交通事故が原因で後遺症が残ったときに、後遺障害の等級を認定してもらうことをいいます。後遺障害の等級が認められると、後遺障害慰謝料や逸失利益を加害者に請求することができます。
※3 示談交渉とは、交通事故の加害者と被害者がどちらにどれくらいの責任があるのかの割合を基準に、損害賠償の金額を話し合うことをいいます。交通事故の加害者と被害者が話し合いをした後、双方が納得して和解することを目的としています。
※4 損害賠償とは、加害者が交通事故によって与えられた被害者の損害を金銭で償うことをいいます。
連絡先交換で聞いておくべき項目
加害者と連絡先交換を行う場合、以下の項目を聞いておきましょう。
- 氏名
- 住所
- 電話番号
- 加害者の車の登録番号と所有者(※5)
- 加害者の保険内容(※6)
※5 加害者の車の所有者が違う場合、損害賠償の請求は所有者になりますので、所有者の確認は必要です。
※6 自賠責保険や任意保険の保険会社名、契約者名、契約番号を確認します。今後保険会社とのやり取りを行う上で必要です。
連絡先交換を当事者同士で直接行う必要はない
交通事故の被害者と加害者は、連絡先交換を行わなければなりません。しかし、当事者同士が直接行う必要はありません。警察や保険会社を通して行うことも可能です。
示談における注意点
加害者によっては、「家族に知らせないで欲しい、警察の介入を避けたい」などといった理由から、その場で金額を提示し、示談を求めてくる場合があります。被害者が軽度の怪我で済んだ場合に、話を持ちかけられるケースも見られます。
しかし、示談への対応には注意が必要です。例え口約束でも、成人の当事者同士であった場合は、示談が成立したとみなされるからです。事故直後の示談の申し出には応じず、強気で断るようにしましょう。事故への被害額が示談金内でおさまらなかった場合、損をするのはあなたです。
連絡先交換ができない「ひき逃げ」の場合は?
ひき逃げの場合は加害者がわからないため、連絡先交換ができないですよね。その場合、誰に損害賠償を請求すればよいのでしょうか。
政府保障事業という制度を活用する
政府保障事業とは、自賠責保険の対象とはならない、ひき逃げや無保険事故にあった被害者を救済するためのものです。保障限度額は、自賠責保険と同様で120万円です。政府保障事業に損害賠償を請求する場合、請求できる期間が決まっています。基本的に事故発生日から3年以内に政府保障事業へ請求を行うようにしましょう。
請求の際に必要な書類は、以下の通りです。
- 政府保障事業への損害のてん補請求書
- 振込依頼書
- 請求者本人の印鑑登録証明書
- 交通事故証明書
- 事故発生状況報告書
- 診断書
- 診療報酬明細書
- 通院交通費明細書
- 休業損害証明書 など
その他連絡先交換におけるトラブルの対処法
連絡先を交換しても、教えてもらった番号に連絡がつかなかったり、連絡がしつこいなどトラブルへとつながることもあります。
相手先に連絡がつかない場合
事故に対する対応をスムーズに行うためにも、相手先に連絡がつかなければ、示談の交渉を進めることができません。まずは内容証明郵便を送り、相手先の意思確認を行います。万が一、加害者と連絡がつかない状態が継続してしまって裁判になった場合、被害者側として意思表示をしていたという有力な証拠となります。
相手先からの連絡がしつこい・謝罪がない場合
相手からの連絡がしつこかったり、謝罪をしてくれないといったケースはトラブルにつながる恐れがあります。連絡がしつこい場合は、電話でなくメールで対応してもらうことが一つの解決策です。謝罪が欲しい場合には、代理人を介して行うのも手です。いずれも、直接電話で加害者側に連絡を取ることは避けるのがベターでしょう。
交通事故から数日経って新たな痛みが出たら?
交通事故の怪我は、数日経ってから新たな痛みが出てくることも珍しくありません。交通事故直後は身体が興奮状態にあり、痛みに気づかないことがあるのです。
損害賠償の金額は、診断書の内容に影響を受けます。そのため、交通事故の怪我で新たな症状が出てきた場合は、「診断書を取り直したい。」と考える方が多いでしょう。では、実際に診断書の取り直しはできるのでしょうか。
診断書の取り直しはできるのか
診断書の取り直しは、場合によって可能です。しかし、検査結果や医学的評価に対する記載の変更は難しいです。一方、診断書の作成日が違う、怪我の部分が左右違ったという記載ミスの場合であれば、医師に依頼して診断書を取り直すことができます。
診断書の原本を保険会社に提出していた場合は、以下の方法で診断書の訂正を行います。
- 病院に診断書のコピーを持っていき、医師に訂正してもらう。
- 記載ミスの旨も併せて記載してもらう。
- 訂正した日付と署名、原本照合印を押印してもらう。
交通事故後の連絡先交換についてのまとめ
交通事故後に被害者と加害者が行う連絡先交換は、加害者側の保険会社とのやり取りや示談交渉を行う上で必要になります。しかし、必ずしも当事者同士で行う必要はありません。警察や保険会社に通して、連絡先交換を行うことも可能です。
また、ひき逃げの被害にあった場合は加害者がわからないため、連絡先交換ができません。その場合は、政府保障事業という制度を活用することができます。
-
まずはお気軽にご連絡ください
- 電話受付時間 9:00~22:00
-
LINEで無料相談
(24時間365日、受付) -
WEBで無料相談
(24時間365日、受付)
この記事を監修したのは…
看護学校卒業後、総合病院にて外科病棟、救急病棟、外来等、急性期看護を経験。結婚・出産を経て、看護師として臨床以外でスキルを磨けるライターに魅力を感じ、活動を開始。現在、医療福祉系の記事を中心に執筆中。
この記事の執筆者
カテゴリ一覧
交通事故に関する知識や通院について
無料でサポートいたします。