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むちうちは横からの衝撃でも起きる?対処法と慰謝料・後遺障害等級の申請を解説

監修記事

岡野 圭祐

理学療法士

交通事故ではむちうちの症状が現れる方が多くいます。

横から追突された交通事故の場合でも、むちうちを発症することがありますが、正面や後ろからの追突事故によって生じるむちうちとの違いはあるのでしょうか。

また、むちうちを発症した後の対処法を知っていれば、受けられる補償もあります。

今回は、むちうちを発症した場合の対処法と、慰謝料の請求や後遺障害の等級認定の申請についても解説していきます。

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交通事故で横からの衝撃でもむちうちになる?

むちうち 横からの衝撃

交通事故では、衝突によって首に過度な衝撃が加わった場合、痛みやしびれ、頭痛、自律神経症状といったむちうちの症状が現れることが多いです。

むちうちは受傷直後に症状が現れないことも多く、数日から数週間経って症状を自覚することがあります。

前後方向の衝撃を受けるイメージが強い交通事故ですが、横から衝突された場合も、むちうちの症状は出現しやすいのでしょうか。

横からの追突でも大きく首が曲がる

前後方向の追突では、首は前後に大きく曲がり、ある一定の角度を超えることで組織が損傷して痛みが出現します。

首は横方向にも動くので、横からの衝突に対しても大きく曲がります

横からの衝突による特徴は、衝突直後は衝突側に首が傾き、それから反対側へ傾きます。首が横方向に傾くことを側屈と呼びますが、側屈した方の神経は圧迫を受けやすい構造になっています。

衝撃が強ければ神経症状が出現してしまうこともあるので、注意深く症状を観察しましょう。

正面衝突よりも予測しにくく衝撃を受けやすい

正面衝突の場合では衝撃に備え、首周りなどの筋肉に力が入ることで体への被害を最小限にしようと働きます。

しかし、側方からの衝突は被害者の視界に車が映らないため、予測せずに衝撃を受けることが多く、首が大きく動かされることにより組織が損傷します。

つまり、予測しにくい側方からの衝突の方が症状は出現しやすく、場合によっては神経症状などの後遺障害に発展し、重症化しやすいといわれています。

それでは、具体的にどのような症状が起こるのでしょうか。

頚椎捻挫

衝撃により首が大きく動かされてしまうと、頚椎周囲の筋肉や靭帯などが過剰に牽引され、損傷を引き起こすことで頚椎捻挫を生じます。

なかでも多いのが疼痛であり、発症直後は患部の安静が第一優先となります。

頚髄損傷

過度な側屈により神経が圧迫を受けたり、牽引されることでさまざまな症状が現れます。指先のしびれを感じたり、手に力が入らないといった麻痺などが主な症状です。

後遺障害に発展しやすい症状であり、進行しないように早い段階で専門家への相談や整形外科への受診をおすすめします。

自律神経症状

頭痛や吐き気、睡眠障害などの自律神経症状もむちうちで現れます。事故そのもののストレスだけでなく、体の不調による慢性的なストレスによって症状が長引いてしまいます。

関連記事むちうちとはどんな症状?治療方法についても解説説

側面衝突によるむちうちの検査・治療内容

側面衝突によるむちうちの検査・治療内容

側面衝突は重症化しやすく、後遺障害に発展するリスクがあるため、受傷直後に症状がなくても検査を受ける必要があります。

側面衝突によるむちうちの症状を裏付けるために、医学的所見を発見するにはどのような検査がいいのでしょうか。また、検査を受けた後の治療についても解説していきます。

むちうちの検査内容

むちうちの検査には画像検査と神経学的検査の大きく2つに分けられます。画像検査はレントゲンCTMRIなどが代表的な検査で、まずはじめにレントゲン検査が選択されることが多いです。

レントゲンでは骨や関節の異常を発見できますが、関節の位置関係や軟部組織など、より詳細に評価が必要な場合にはCTやMRIによる画像評価を行います。

神経学的検査では、ジャクソンテストなどの椎間孔圧迫テストや、筋力を評価する徒手筋力検査(MMT)、筋電図などさまざまな種類があり、被害者の症状にあわせてひとつずつ確認していきます。神経学的検査は、画像評価で医学的所見が見つけられない場合にも有効です。

むちうちの治療法

むちうちは、急性期、亜急性期(回復期)、慢性期と症状が変化していくため、時期に合わせた治療を行うことが重要です。

急性期は受傷直後〜1ヶ月と病状が不安定な時期であり、患部の安静が最優先になります。

特に首の痛みや指先のしびれがある場合は頚椎カラーを装着し、症状が悪化しないようにします。筋肉の損傷により熱感がある場合には、アイシングも有効な方法です。

亜急性期は受傷後1ヶ月〜3ヶ月の期間であり、機能的な回復を目指していく時期です。頚椎カラーの固定により可動域が狭くなっていることが多く、ストレッチや運動療法、温熱などの物理療法が中心となります。

慢性期は受傷3ヶ月後以上の時期であり、機能維持に努めることが目標となり、マッサージなどの治療を行います。

横から突っ込まれてむちうちになった場合の過失割合は?

バランス 過失割合 天秤

交通事故で側方から衝突した場合の過失割合はどうなるのでしょうか。

交差点に信号機がある場合は、信号の色で判断することが一般的です。

例えば、被害者が青信号で加害者が赤信号の場合は過失割合が0:10です。他にも、両者が青信号または黄信号の場合は、両者共に過失が認められます。

信号機がない場合は左側優先の原則が適応され、基本的には左4割、右6割となりますが、減速の有無や道路幅、一時停止の有無によって過失割合が変動します。

また、ながら運転などの修正要素によっては、過失割合が加算されることがあるので注意しましょう。

道路の形状や飲酒運転などパターンはいくつかありますが、「その事故においてどれだけ危険行為を及んだか」によって過失割合は決定されます。

より詳細を確認したい方は、こちらの記事を参考にしてください。

弁護士監修事故で横から突っ込まれたときの過失割合は?側面衝突の慰謝料や各ケースを解説

むちうちで後遺症があれば後遺障害の等級認定を申請できる

保険の書類と電卓とメモ帳

むちうちが完治せず、後遺症となってしまった場合、後遺障害等級の認定を申請することができます。

医師に後遺障害診断書を作成してもらい、それをもとに後遺障害の等級認定の申請を行います。

むちうちは後遺障害の等級では、12級13号や14級9号となりやすいです。しかしながら、むちうちの認定率は全体の4.9%以下、14級の認定率は2.8%とかなり低い傾向にあります。

非該当とされて納得できない場合には、異議申立ても可能ではありますが、多くのケースで弁護士に委任することになります。

弁護士監修交通事故で症状固定と言われたら?後遺障害も解説

横からの衝撃でむちうちの症状を感じた場合には早めに治療を

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横から衝突された交通事故で、むちうちになった場合は、まずは整形外科を受診しましょう。

交通事故によるむちうちは、整形外科と併用することで整骨院へも通院できます。しかし、診断書や後遺障害診断書は、医師のみが作成できる書類です。

医師による経過観察を疎かにしないよう、治療や通院を続けましょう。

この記事を監修したのは…

理学療法士として、大学病院、総合病院に務め、急性期や外来整形患者を担当。臨床業務の他にロボット開発、リーダー活動、勉強会開催などを経験。理学療法士としての可能性を広げるため、ライターとしても活動中。

この記事の執筆者

理学療法士 / 岡野 圭祐
理学療法士として、大学病院、急性期総合病院に務め、急性期や外来整形患者を担当。 臨床業務の他にロボット開発、リーダー活動、勉強会開催など多岐にわたる経験がある。 理学療法士としての可能性を広げるため、ライター活動も行っている。

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