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尾てい骨が痛いときは何科?考えられる病気・怪我と対処法を解説

監修記事

坂井 あゆこ

看護師

椅子に座ったり、布団から起き上がったりするときに尾てい骨に痛みを感じることはありませんか。

交通事故にあった場合でも、長い時間が経ったあとにじわじわとお尻周りに痛みが生じることもあります。

痛みの原因はさまざまですが、適切な対処をせずに放っておくと場合によってはしびれなどの後遺症が残ることもあるでしょう。

今回は尾てい骨が痛む原因として考えられる病気や怪我について解説し、痛みを長引かせないための対処法について紹介します。

尾てい骨が痛い場合は何科を受診すべきか

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尾てい骨とは、脊椎の一番下にある、手で触って分かる飛び出した骨のことです。

  • 座ると痛い
  • いきなり痛みだした
  • 立ち上がるときに痛い
  • 押すと痛い など

上記のように痛むときのシチュエーションは様々です。

このような状態が続く時、何科に受診すればよいのでしょうか。

整形外科

痛みが長く続く場合、骨やその周辺の組織に異常がある可能性があります。

レントゲンMRIなどの検査を行い、痛みの原因を客観的に判断するのがよいでしょう。

特に交通事故でぶつけた可能性があるときは、まずは整形外科の受診をおすすめします。

事故直後にはなかった症状があとから出てきたり、画像検査でなければ見逃されてしまう怪我を負っている可能性もあるため適切な検査と診断が必要です。

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尾てい骨が痛いときに予測される病気や怪我

尾てい骨が痛いときに予測される病気や怪我

尾てい骨が痛む原因は、外傷や何らかの病気に起因するなどさまざまです。

今回紹介する疾患の中には、かなり稀な例もありますが、具体的にどのような病気や怪我が考えられるのか、ひとつずつ確認してみましょう。

打撲・骨折

お尻を強く打ったあとに痛みが続いている場合は、打撲や骨折の可能性が考えられます。

どちらも安静と抗炎症薬などでの治療が必要です。

尾骨は他の骨と比べて細く、強い痛みや腫れを伴わないケースがあります。軽い打撲と思って放っておいたら、実際には骨折していて症状が悪化してしまうことも実際にあります。

また骨折まで至らない場合でも、痛いまま放置することでお尻をかばうような不自然な動作が増え、体に歪みが生じてしまうこともあります。

POINT

姿勢の崩れに注意

姿勢の崩れは体のほかの部位の不調にも繋がるので、できるだけ早めの対処が賢明です。

尾骨滑液包炎

尾骨滑液包炎とは、尾骨滑液包に炎症が起こる病気です。滑液包は、尾てい骨と皮膚の間に存在し、摩擦や圧力を軽減する役割を果たします。

長時間のデスクワークなどで座り続けると、ズレや圧迫により滑液包が炎症し、仙骨や坐骨の滑液包炎になることがあります。

治療法は安静やステロイド治療など痛みの程度によってさまざまです。

症状が発症した場合は、整形外科で診断を受けることをおすすめします。

腰椎すべり症

腰椎すべり症とは、ブロックのように連なった背骨に何らかの原因でズレが生じ、腰痛や足のしびれといった症状を引き起こす病気です。その症状の一つとして、坐骨神経痛による尾てい骨の痛みも含まれます。

長い距離を歩くと痛みやしびれが出現し、かがむことで楽になるといった間欠性跛行が見られるのもこの病気の特徴です。

治療は、コルセット装着による腰への負担の軽減やブロック注射などでの対症療法が一般的です。

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仙骨脊索腫

仙骨にできる悪性腫瘍のひとつで、初期には自覚症状がないことが多いです。進行すると仙骨部にしこりが触れ、下肢のしびれや痛み・麻痺・排尿や排便の異常を引き起こすことがあります。

脊索腫は非常にまれな病気で、年間の発症者は100万人に1人との報告もあります。

原因は明らかになっていませんが、こういった病気は他の病気との識別が難しいため、内科のほうが見つけやすい場合があります。

馬尾腫瘍

背骨の中を通る神経は、下端から馬のしっぽのように分岐します。この部分をその形状から馬尾と呼び、この部分にできた腫瘍を馬尾腫瘍といいます。

その多くは神経鞘腫という良性の腫瘍であることが多いですが、腫瘍によって神経が圧迫されると、下肢のいたみ・しびれ・脱力感といった症状が出現します。

この病気では、寝ていると症状が強くなり、体を起こすと症状が緩和するといった特徴が見られます。

尾てい骨が痛いときの自己対処法

尾てい骨が痛いときの自己対処法

尾てい骨が痛いけれど、すぐには病院を受診できない…」という場合には、自分でできる対処方法がいくつかあります。

具体的にどのような施術をすべきか、1つひとつ確認してみましょう。

ストレッチ

長時間の座り姿勢などで尾てい骨に痛みがある場合は、骨盤周りの筋肉をやわらげるストレッチが効果的です。

お尻の周りの筋肉が伸びるストレッチを紹介しますので、骨盤周りがしっかりと伸びているのを意識して実践してみてください。

お尻の筋肉を伸ばすストレッチ

  • 仰向けになる
  • 左足のひざを曲げて、身体の右横に向かって伸ばす
  • 左足を両手で支え、太ももの筋肉を意識してしっかり伸ばす
  • 右足も同様に行う

猫背で座らないようにする

姿勢の悪い座り方を変えるだけで痛みが軽減できることもあります。

背もたれに寄り掛かる座り方は骨盤が後ろに傾くので、尾てい骨が座面に当たって痛みを引き起こします。

正しい姿勢を保つために、背中を丸めず骨盤を立てて深く腰掛け、両足の裏を床につけて坐骨で上半身を支えるよう心がけましょう。椅子に座る時以外にも、床やソファに座る時、また運転時の姿勢にも注意してください。

クッション性のある椅子に替える

デスクワークが多い人は、尾てい骨を圧迫しないクッション性のあるやわらかい椅子を選択してください。

座った姿勢での尾てい骨への圧迫を軽減することが痛みの緩和に繋がります。

椅子を替えるのが難しい場合は、尾てい骨を浮かす円座型のクッションや、低反発素材のものを選ぶのもよいでしょう。

また、骨盤を矯正する機能がついた椅子やクッションを使用することで、尾てい骨の痛みだけでなく腰痛予防効果も得られます。

マッサージをする

お尻の大部分は筋肉で成り立っており、上半身からの荷重に耐え下半身を安定させる重要な役割を担っています。腰痛やお尻の筋肉をもみほぐすことで、こりがほぐれ骨盤や仙骨部の矯正につながります。

尾骨をマッサージする際は骨の形を意識しながらほぐすと効果的です。尾てい骨の左右にある凹みにコリが溜まることが多く、意識してほぐすことで痛みはだいぶ改善されます。

お風呂で温めてみる

痛みは保温することで和らぐ場合があります。

痛みのある部分が腫れていたり、熱を持っていたりするうちは控え、シャワーなどで軽く済ませるようにしましょう。

長く続く慢性的な痛みには、40度以下のぬるめのお湯にゆっくり浸かることで痛みの改善に効果的です。

ただし、入浴時は浴槽内で猫背にならないよう注意が必要です。姿勢を保つのがつらい人は腰に負担をかけにくい正座がおすすめです。

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尾てい骨の痛みが引かない場合にはまず整形外科に相談を

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お尻を打ったあとに痛みが出た場合は、外傷などの可能性を考えましょう。

腫れや激しい痛みがないケースも多く、見逃されやすい傾向があるため慎重な対処が必要です。

気付かずに放置することで、後々ほかの体の不調を引き起こす可能性もあります。痛みが生じた場合は早めに整形外科を受診をしましょう。

この記事を監修したのは…

看護師として、大学病院に勤務。急性期や整形入院患者を担当。 臨床業務のほか、管理部委員会への参加・リーダー業務・新人指導など経験は多岐に渡る。 保健師の資格も保有。現在は実務経験を生かして健康・医療に関するライター業務も行っている。

この記事の執筆者

看護師 / 坂井 あゆこ
看護師として、大学病院に勤務。急性期や整形入院患者を担当。 臨床業務のほか、管理部委員会への参加・リーダー業務・新人指導など経験は多岐に渡る。 保健師の資格も保有。現在は実務経験を生かして健康・医療に関するライター業務も行っている。

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