交通事故の種類、物損事故と人身事故について実際にあった相談と解説
交通事故には、人身事故と物損事故があるのを知っていますか?
加害者や加害者側の保険会社が、物損事故扱いでの処理を提案してくる場合もあるでしょう。
交通事故の被害者にとって、人身と物損にどのような違いがあるか、きちんと理解しておくのはとても大切です。
今回は、「交通事故病院」相談窓口の相談員が実際に受けた相談例を紹介しながら解説していきます。
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目次
物損事故と人身事故の違いについて相談
【相談事例】
先日、友人たち4人でドライブ中に、事故にあってしまいました。首と肩に、少し痛みがあります。後ろからの追突で、過失割合は10:0です。しかし、保険会社からは人身事故にしないでほしいといわれています。
物損事故のままでいいのでしょうか?
交通事故は、まず相手のいる事故といない事故に分かれます。
相手のいない事故は、自損事故といいます。相手がいる事故で、怪我人が出た事故を人身事故、怪我人が出ずモノが壊れた事故を物損事故と呼びます。
物損事故と人身事故の違いは、被害者の有無だけでなく、被害者が受けられる補償も大きく異なります。
物損事故の損害賠償は、壊れた物に対してしか支払われません。
例えば、被害物が車の場合、元通りに修理できる、もしくは、買い替えることができるため、物に対する被害は「元通りに回復する」という考え方です。
一方、人身事故の場合、「人間の身体を事故前とまったく変わらない状態に治癒することは不可能であり、治療の過程に伴う精神的苦痛も相当なものである」と判断されます。
物損事故のままでは、その事故による死傷者がいない扱いになっています。
そのため、交通事故による怪我の治療費や通院にかかった費用などは補償されません。
首と肩に痛みがあるとのことなので、少なくとも病院でレントゲンといった検査は受けたほうが良いでしょう。
また、人身事故への切り替えには、医師に診断書が必要になります。
病院受診の際に、あわせて診断書の発行もお願いしておきましょう。
関連記事交通事故の検査は念のため受けた方がいい?検査費用や慰謝料も解説
物損事故として処理されているときの相談
【相談事例】
赤信号で停車中、前のトラックがバックしてきて追突されてしまいました。事故のあとすぐ脳神経外科へ行き検査をしてもらったのですが、特に異常はないとのことで、湿布を処方してもらいました。
1週間ほど様子をみたのですが、首と腰の違和感が取れません。どうしたらよいのでしょうか。物損事故として処理されています。
物損事故は、モノに対しての損害のみ補償されます。
交通事故では、事故から時間が経過して症状が現れるケースも少なくありません。
交通事故の被害に遭い症状を自覚したら、すみやかに病院を受診します。
その際、診断書を発行してもらい、人身事故に切り替える準備をしましょう。
人身事故として処理されていなければ、自賠責保険による治療費といった補償を受けられません。
物損事故から人身事故に切り替える方法についての相談
【相談事例】
この前、車で信号待ちをしていたら、後ろから来た車に追突されました。
「相手の人に、物損事故のままにしてくれ」と言われています。私もそんなに怪我の症状がひどいわけではないし、「物損事故のままでもいいのかな?」と思っています。
しかし、友人に話すと「人身事故にした方がいいよ」と言われます。
どうしたらいいですか?
物損事故の処理の場合、怪我人はいない扱いになっています。
そのため、自賠責保険適用で怪我の治療・通院を行いたい場合は、人身事故への切り替えを行いましょう。
人身事故への切り替えができれば、治療費の負担なく通院を行えます。
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物損事故の場合の治療・施術について相談
【相談事例】
一昨日、追突事故の被害にあいました。
昨日病院へ行ったのですが、痛み止めしか処方されませんでした。背中がとても痛いので、自宅の近くにある整骨院に通いたいと思っています。
あと、保険会社からは「物損事故にしませんか」という提案があったので、病院では診断書を取得していません。
物損事故のままでも、通院費は負担してもらえますか?
物損事故扱いのままでは、相手の自賠責保険で通院費用は支払われません。
自賠責保険は、人身事故でなければ補償対象になりません。
それは、通院先が病院でも整骨院でも同じです。
まずは、人身事故への切り替えを行いましょう。
関連記事交通事故で診断書を取得するべき理由とは?提出先や期限も解説
人身事故の場合の治療・施術について相談
【相談事例】
先日、帰宅途中に交通事故にあいました。被害者です。
首から肩甲骨にかけて痛みがあります。交通事故にあったのは初めてです。どこに行ったらいいかも、何をしたらいいのかも分かりません。とりあえず、怪我を診てくれる通院先を探しています。
交通事故にあった被害者のおおまかな流れは下記のようになります。
- 交通事故の発生から警察への連絡
- 保険会社へ連絡する
- 整形外科を受診し診断書を取得する
- (物損の場合)人身事故に切り替える
- 怪我の治療や通院をする
- 症状が完治したら示談
まずは、整形外科を受診して、自身の症状についての診断書を発行してもらいましょう。
また、症状がすでに出ている場合は、すみやかに診察を受けましょう。
交通事故から時間が経過してから受診しても怪我と交通事故との間の因果関係が認められず、治療費等の支払いを受けることができなくなる可能性があります。
病院の休日に交通事故にあったような場合であっても休み明けには必ず受診するようにしましょう。
交通事故による怪我の通院先には、整形外科(病院)や整骨院(接骨院)があります。
特にむちうちに代表される、筋肉といった軟部組織が原因の症状は、整骨院へ通院し電気療法や手技療法を受けるケースが多いです。
尚、整骨院へ通院する場合であっても、少なくとも2週間〜1ヶ月に1回は、整形外科で医師による経過観察を受けましょう。
関連記事むちうちで整骨院に通院していい?いつから通えるかや施術も解説!
人身事故の場合の慰謝料について相談
【相談事例】
妻と子ども3人で、車で出かけた帰りの出来事です。交差点で信号待ちをしていたら、後ろの車に追突されました。今、加害者側の保険会社からの連絡を待っているところです。そこでいくつか質問があります。
私と妻、子ども3人とも被害者です。全員、保険が適用されますか?
病院に通院するときのお金や、慰謝料についても教えてください
自賠責保険では、同乗者の被害についても補償します。
運転者も同乗者も、まずは整形外科を受診し、異常の有無の確認などを行いましょう。症状が現れている場合は、診断書も忘れずに発行してもらいましょう。
同乗者であっても、同乗者がこどもであっても、加害者側の保険会社に通院費用や慰謝料を請求する点は変わりません。
また、運転者が人身傷害保険や搭乗者傷害保険に加入してした場合は、自身の任意保険会社により補償されることもあります。
関連記事交通事故で通院したら慰謝料はいくらもらえる?計算方法も解説<弁護士監修>
まとめ
今回は、交通事故の人身事故と物損事故について、実際の相談例を交えてご紹介しました。
同じようなお悩みを抱えている方は、相談例を参考にしてみてください。
また、「交通事故病院」相談窓口では、交通事故被害者さまの通院先や手続きのご相談を無料で承っています。
- むちうちの通院先はどこがいいのかわからない……
- 整形外科と整骨院を併用するにはどうしたらいいの?
- 保険関係の手続きや対応に困っている…… など
交通事故に関してのお悩みは「交通事故病院」相談窓口までご連絡くださいませ。
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