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むちうちで息苦しい…?息苦しさや動悸の原因や対処法を解説

監修記事

柿野 俊弥

理学療法士

むちうちになってから、なんだか息苦しい…」
「むちうちで息苦しさや動悸を引き起こすことはある?」
と不安を感じていませんか。

交通事故などが原因で発症するむちうちによって、息苦しさや動悸を引き起こすことがあります。本記事では、むちうちによる息苦しさの原因や対処法について解説しています。

むちうちの症状や息苦しさがあり、悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

むちうちが息苦しさや動悸を引き起こすことがある

むちうちでは主に首・腰の痛みやこり、頭痛、疲労感があらわれますが、ケースによっては息苦しさや動悸を引き起こすこともあります。対処するには、まず原因を把握しておかなければなりません。ここでは、むちうちで息苦しさや動悸が見られる原因について解説します。

むちうちによる息苦しさや動悸の原因

むちうちで息苦しさや動悸を感じるのは、自律神経のバランスが崩れているのが原因です。交通事故などで首に強い衝撃を受けると、身体が危険を察知して「交感神経」が過剰にはたらくようになります。

普段、呼吸は交感神経と副交感神経が絶妙なバランスを保ちながら行われていて、息を吸うときに交感神経が優位にはたらきます。そんな中、交感神経が過剰にはたらくと、息を吐くのがうまくできなくなり、呼吸が浅くなります

その結果、呼吸数が増えて息苦しさを感じたり、心臓が早く鼓動する動悸を引き起こしたりするわけです。むちうちの中でも、バレー・ルー(バレリュー)症候群の症状としてみられます。

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むちうちとは

「むちうち」とは?発症の原因や症状等

▲「むちうち」とは?発症の原因や症状等

むちうちとは、主に交通事故などで突然首に強い衝撃が加わった際に、首の骨や筋肉、靭帯に損傷が生じたものを指します。正式には「頚椎捻挫」や「外傷性頚部症候群」と呼ばれます。主な症状には、首の痛み、肩こり、頭痛、吐き気などがあり、症状の程度や持続期間には個人差があります。

多くの場合、むちうちは2~3ヶ月以内に治癒しますが、神経に損傷がある場合や症状が重い場合には、6ヶ月以上の治療が必要になることもあります。症状が長引く場合には、早めに整形外科や医療機関を受診し、適切な治療を受けることが重要です。

むちうちは交通事故以外にも、スポーツや転倒によっても引き起こされることがあるため、受傷した際は症状の有無にかかわらず、早めに医師の診断を受けることが大切です。

関連記事むちうちとは?原因から症状・治療法や慰謝料まで徹底解説!

むちうちによる息苦しさや動悸の原因となるバレー・ルー症候群

バレー・ルー(バレリュー)症候群は、むちうちが原因で発症する自律神経失調症状です。触診や視診、画像検査では異常を確認できない場合が多くなっています。

代表的な症状としては、頭痛、めまい、不眠、耳鳴り、視力低下、倦怠感、動悸、息苦しさが挙げられます。症状が現れるのは、むちうちによる首の損傷から2〜4週間後が一般的で、通常のむちうちよりも治癒が長引く傾向にあります。

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むちうちで息苦しいときの対処方法

先述したように、むちうちによる息苦しさは交感神経が過剰にはたらいていることが原因です。息苦しさの改善には、根本的な原因となっているむちうちや交感神経の抑制を目指して整形外科整骨院で適切な治療を受けることが大切です。自宅でのセルフケアも合わせて行うと、より改善効果が期待できます。

整形外科での治療

むちうちによる息苦しさが続く場合、整形外科を受診しましょう。整形外科では次のような治療が行われます。

  • 受傷直後の場合は安静指導
  • 徒手療法や運動療法、物理療法による筋緊張の緩和
  • 交感神経の活動を直接抑える「星状神経節ブロック」

むちうちの発症直後は、首回りの損傷や炎症の悪化を防ぐために安静第一です。むちうち自体が悪化すれば、交感神経もより活発になり息苦しさが増すかもしれません。無理に動かさず安静にするよう指導されます。

炎症が落ち着いた段階で、徒手療法や運動療法、物理療法を用いて高まった筋肉の緊張の緩和を図ります。筋肉の緊張が緩和されれば、それに伴い交感神経のはたらきも抑えられるため、息苦しさの改善につながります。

もし、息苦しさや動悸が強い場合は、神経に局所麻酔をして、一時的に交感神経のはたらきをブロックする「星状神経節ブロック」という治療を実施する場合があります。

関連記事交通事故でおすすめの整形外科の選び方|病院以外の通院先も紹介

整骨院での施術

整骨院・接骨院の交通事故施術とは?

▲整骨院の交通事故施術内容の種類

整形外科で診断を受けた後、整骨院での施術も併用することで、むちうちによる息苦しさの緩和に役立ちます。

整骨院では、手技療法によって筋肉をほぐしたり、温熱療法で血行を促進したりして、交感神経の緊張を緩める施術が行われます。「整形外科での治療」で解説したとおり、筋肉の緊張を緩めることで交感神経を抑えることができるため、息苦しさや動悸などの症状を軽減できる可能性があります。

また、交通事故によるむちうちの場合、整骨院での施術も自賠責保険が適用されるため、治療費の心配なく通院できるのもメリットです。

ただし、通院している整形外科の担当医師に許可を得てから、整骨院を利用するようにしましょう。許可なく整骨院に通院すると、整形外科での治療計画に沿わない施術を受け、症状が悪化する可能性があるため注意しましょう。

関連記事むちうちで整骨院に通院していい?いつから通えるかや施術も解説!

自宅でのセルフケア

むちうちによる息苦しさや動悸に向けて、自宅でのセルフケアも行うのもよいでしょう。簡単にできるセルフケアは次のとおりです。

  • ストレッチや軽い体操で首や肩の筋肉をほぐす
  • 深呼吸を定期的に行う
  • リラックスできる姿勢をとる

ただし、無理に首を動かしたり、強い力でマッサージをしたりするのは逆効果になることがあります。症状が悪化しないように、痛みが強い場合や不安な場合は自己判断をせず、専門医の指示に従ってセルフケアを行うことが大切です。

関連記事むちうちの対処法について。自宅でできるセルフケアとは?

むちうちで息苦しいときは受診をしましょう

むちうちでは、自律神経の乱れが原因で息苦しさや動悸が起こる場合があります。息苦しさや動悸が続く場合は、早めに整形外科を受診して適切な治療を受けることが大切です。受診の際には、医師に症状をしっかり伝え、治療方針を相談しましょう。

また、整骨院での施術を併用したり、自宅でのセルフケアを行うことも症状を和らげる有効な方法です。整形外科の担当医師の指示を仰ぎながら、整骨院やセルフケアを活用し、息苦しさや動悸の改善を目指しましょう。

参考
1)荒田晶子:呼吸の意識・無意識の切り替え─発声・呼吸モードスイッチング機構─

この記事を監修したのは…

理学療法士として、回復期病院で脳血管疾患を中心にリハビリテーションを経験。その後、フリーライターに転向。医療・健康分野をはじめ、地域・観光、転職関連などの幅広いジャンルの執筆を行っている。

この記事の執筆者

理学療法士 / 柿野 俊弥
理学療法士として、回復期病院で脳血管疾患を中心にリハビリテーションを経験。その後、フリーライターに転向。医療・健康分野をはじめ、地域・観光、転職関連などの幅広いジャンルの執筆を行っている。

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