腰椎捻挫とは?原因から症状、治療法やリハビリも解説!
監修記事

世良 泰
医師(整形外科他)
腰椎捻挫とは、どんな病態なのでしょうか?なんとなくイメージはあるけれど、正確にはよくわからない、という方も多いかもしれません。
本記事では腰椎捻挫の原因や症状、治療法やリハビリについて解説します。
「病院で腰椎捻挫と言われたけれど、具体的にどういうこと?」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
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目次
腰椎捻挫とは?症状や特徴

交通事故の腰椎捻挫は急激な痛みを伴う腰痛で動くときに痛むのが特徴
「腰椎」とは、いわゆる「背骨」の中でも腰部にある骨の名称です。
「背骨」つまり「脊椎」は、椎骨と呼ばれる小さな骨が連なって形成されており、頭の方から「頚椎 → 胸椎 → 腰椎 → 仙椎 → 尾骨」と分かれています。
また、「捻挫」とは、外部から強い力が加わっておこる怪我のうち、骨自体にダメージがおこる骨折や脱臼などを除く病態のことで、筋肉や靭帯、軟骨の損傷がこれにあたります。
つまり「腰椎捻挫」とは、外部に強い力が加わったことで、腰椎自体に異常はないけれど、周囲にある筋肉や靭帯などが損傷した状態、といえます。
重いものを持ち上げた時や交通事故などで起こりやすく、程度にもよりますが、強い痛みを伴い、前かがみの姿勢のまま動くことができなくなるのが特徴です。
腰部捻挫やぎっくり腰と違いはあるの?
「腰椎捻挫って、腰部捻挫やぎっくり腰と違いはあるの?」と聞かれることがあります。
「捻挫」という言葉は関節に対して使われる言葉の為、腰部捻挫という表現は厳密には適切ではありません。ただし、一般的に「腰部捻挫」も「腰椎捻挫」も同じ意味で使われていることが多いです。
ではぎっくり腰とは何が違うのでしょうか。そもそも「ぎっくり腰」は正式な病名(診断名)ではなく、日本整形外科学会の説明でもこのように書かれています。
いわゆる「ぎっくり腰」は急に起こった強い腰の痛み(腰痛)を指す一般的に用いられている名称(通称)で、病名や診断名ではありません。
日本整形外科学会より
一般的に「ぎっくり腰」は、「突然おこる腰部の痛み」を指す為、「腰椎捻挫」も「ぎっくり腰」に含まれているといえるでしょう。
他にも「ぎっくり腰」になる原因として「腰椎椎間板ヘルニア」や「腰椎圧迫骨折」などがあります。
要注意な腰痛もある?
上記のように、突然の腰痛にはさまざまな原因があります。
安静にしていれば改善が期待できる腰痛がほとんどだと言われていますが、残念ながらそうでないものもあります。
要注意な腰痛の例としては、骨髄が感染して膿(うみ)が溜まる「化膿性脊椎炎」や、がんの腰椎への転移などが挙げられます。
また、尿路結石や子宮内膜症でも腰痛になることがあり、注意が必要です。
これらの場合は、早急に専門医に診てもらう必要があります。自己判断せずに、「じっとしていても痛む」場合には、まず受診してください。
腰椎捻挫の原因とは
腰椎捻挫になってしまう原因・要因としては、「重いものを持ち上げる」「勢いよく体をひねる」といった日常生活動作や、交通事故、スポーツなどがあります。
また、稀ですが、「椅子から立ち上がった」「起床時に大きく伸びをした」だけで誘発された例もあるようです。
いずれの場合も、「腰部に無理な外力が急激に加わる」点が共通しています。
腰椎捻挫で行われる検査
腰椎捻挫を診断する為のテストというのはありませんが、交通事故で腰椎捻挫と他の疾患が発生している可能性はあり、ヘルニアや坐骨神経痛等が発生していないか検査を行う事はあります。
代表的なものを以下に紹介します。
徒手検査
仰向けになり、膝を伸ばしたまま検査者が脚を持ち上げる「下肢伸展挙上テスト」や、うつ伏せになって膝を曲げた状態で膝を浮かせる「大腿神経伸張テスト」などがあります。
いずれも腰椎椎間板ヘルニアとの鑑別診断に用いられます。ヘルニアの場合、上記のテストで突然の疼痛が認められます。
画像検査
- X線検査
いわゆる「レントゲン検査」です。骨折や脱臼など骨に異常がないか調べます。腰椎捻挫の場合は、X線画像で異常はみられません。 - CT・MRI検査
主に内臓の異常や、がんの骨転移、先ほどの腰椎椎間板ヘルニアなどを確認することができます。
様々な検査がありますが、いずれも「他の病気ではない」と確認するための検査がほとんどです。
関連記事交通事故後に受ける検査とは?検査にかかる費用や慰謝料を解説!
腰椎捻挫の治療法やリハビリ
腰椎捻挫と診断された場合、どのような治療法があるのでしょうか。
以下に、代表的な治療法を3つ紹介します。
①薬物療法
医療機関では医師から薬が処方されますが、残念ながら「腰椎捻挫を治す薬」はありません。対症療法として痛み止めや湿布薬などが処方され、症状を和らげます。
②徒手療法
医療機関では、理学療法士による理学療法、整骨院では、柔道整復師によるマッサージなどの施術が行われます。
凝り固まった関節などをほぐしたり、筋肉をストレッチすることで動かしやすくしたり、血行をよくしたりします。
③物理療法
電気療法や牽引などで筋肉をほぐして血流を促進します。
熱を持っている時に冷やしたり、逆に強張った時に温めてリラクセーションする等も、この「物理療法」に含まれます。
その他、鍼灸師による鍼や灸を用いた施術などもあります。
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腰椎捻挫の治療・施術を受ける通院先
次に、腰椎捻挫の治療や施術を受けることができる通院先について紹介します。
▲交通事故通院の病院と整骨院の治療内容の違い
腰椎捻挫になった時に通院するのは、主に病院やクリニックの整形外科と、整骨院・接骨院とがあり、必要に応じて使い分け、もしくは併用することが可能です。
整形外科
整形外科では、医師により痛み止めなど薬の処方がしてもらえたり、画像診断の設備などが充実していたり、必要に応じて「診断書」を作成してくれるなどの利点があります。まずはこちらに通院することをおすすめします。
整骨院・接骨院
整骨院・接骨院は外傷に対する施術に特化した専門機関です。先ほど述べたように、柔道整復師が、マッサージや物理療法などを施術してくれます。
特に、「整形外科で薬をもらうだけでは改善しない」「再発を防ぐためにできる限りのことはやっておきたい」という場合は整骨院や接骨院への通院も検討してみると良いでしょう。
関連記事整骨院と整形外科はどっちがいい?症状やケースをあわせて解説!
腰椎捻挫の再発を防ぐには?
腰椎捻挫は、治療やリハビリを行ったとしても、症状が再発する可能性があります。
腰椎捻挫の再発を防ぐには、筋力を落とさず、柔軟性を維持することが大切です。
といっても、特別なことをする必要はありません。日常生活の中で、ウォーキングなどの適度な運動を取り入れる、椅子やベッドマットなどは、体に負担のかからないものを選ぶ、といったちょっとした工夫で腰部への負担を大幅に減らすことができます。
さらに、重いものを持ち上げない、腰に負担のかかるスポーツなどは避ける、どうしてもプレイしたい場合にはコルセットで腰部を守る、など受傷時と同じ状況を作らないことが大事です。
腰椎捻挫で仕事ができない場合は?
骨に異常がないといっても、腰椎捻挫の強い痛みで仕事ができなくなる場合もあるでしょう。そんな時のために休業補償制度があります。
交通事故(自賠責保険)の場合は休業損害補償
▲交通事故の損害賠償の内訳
交通事故の被害にあい、事故が原因の腰椎捻挫で仕事ができない場合には、その間の収入を「休業損害」として加害者側に請求することができます。
補償は、加害者側の保険会社に「休業損害証明書」を提出すると、完治するまで、もしくは「症状固定」とみなされるまでの期間にわたって休業損害補償が支払われます。
▲症状固定とは?
「交通事故による腰椎捻挫が原因で収入が下がった」ことが認められれば、被害者が正規雇用か非正規雇用かなどは問われません。
関連記事交通事故で症状固定と言われたら?後遺障害も解説<弁護士監修>
労働保険の休業補償もある
労働者が就労により腰椎捻挫となり休業した場合は、労働保険の休業補償を受けることができます。これについても正規雇用かどうかは問われませんが、雇用期間が30日以下の短期アルバイトの場合などは被保険者にならないので注意が必要です。
こちらも交通事故の休業損害補償と同様に、完治するまで、もしくは「症状固定」とみなされるまでが補償の対象期間となります。
腰椎捻挫の症状を残さないよう治療・通院をしましょう
腰椎捻挫は、骨には異常がなく、基本的には「安静にしておくと改善する」と言われていることもあり、ついつい痛み止めを飲みながら頑張ってしまう方もいるかもしれません。
しかし、症状を残さないためにも、また再発を防ぐためにも、適切な治療を受け、きちんと通院しましょう。
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この記事を監修したのは…
慶應義塾大学医学部卒。初期研修後、市中病院にて内科、整形外科の診療や地域の運動療法指導などを行う。スポーツ医学の臨床、教育、研究を行いながら、プロスポーツや高校大学、社会人チームのチームドクターおよび競技団体の医事委員として活動。運動やスポーツ医学を通じて、老若男女多くの人々が健康で豊かな生活が送れるように、診療だけでなくスポーツ医学に関するコンサルティングや施設の医療体制整備など幅広く活動している。「健康を通じて人々の夢や日常を応援すること」をミッションに2024年6月に池尻大橋せらクリニックを開院。
池尻大橋せらクリニックHP
https://sera-clinic.com/
日本整形外科学会専門医
日本内科学会認定内科医
公衆衛生学修士
International Olympic Committee Diploma in Sports Medicine
日本スポーツ協会公認スポーツドクター
日本医師会認定健康スポーツ医
日本整形外科学会認定スポーツ医
日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツ医
Performance Enhancement Specialist (National Academy of Sports Medicine)
Corrective Exercise Specialist (National Academy of Sports Medicine)
日本医師会認定産業医
ロコモアドバイスドクター
TWOLAPSチームドクター(陸上)
LADORĒメディカルアドバイザー
日本陸上連盟医事委員
株式会社スポーツ医学 代表取締役
株式会社Mesign 顧問
株式会社うごきのクリニック 取締役
AuB株式会社 顧問ドクター
株式会社富士急ハイランド 医療顧問
株式会社リハサク メディカルアドバイザー
株式会社アルゴス 顧問医師
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