交通事故後に眠れないのはなぜ?原因や対処法を解説
監修記事
鍋谷 萌子
ビジネス実務法務検定3級
交通事故後に、「眠れない」という症状を抱く人は、少なからずいます。そしてこの「眠れない」症状は、多くの人を苦しませます。
そのような人のために、交通事故後に眠れなくなる理由や原因、家でできる対処法を紹介します。また、自分だけでは改善できない人のために、外部に頼るやり方にも触れますので、ぜひ最後までご一読ください。
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目次
交通事故後に眠れない原因とは
まず、「そもそも、交通事故後に眠れなくなる理由は何か」について解説します。
交通事故後に眠れなくなる理由は、身体的なものと精神的なものに分けられます。
ひとつずつ見ていきましょう。
むちうちによる交感神経の異常
交通事故後の怪我のなかでもっともメジャーなものとして、「むちうち」があります。
むちうちになった場合、神経に異常をきたす場合があります。これによって、目が醒めやすくなったり、眠りを浅くしたりする可能性があるのです。
また、この「不眠」によって体の回復機能が衰え、むちうち自体の治りが遅くなる可能性もあります。このように、不眠とむちうちの間には密接な関係があるのです。
強い恐怖感の体験によるトラウマ・PTSD
交通事故は、しばしば強烈な心的ダメージをもたらします。特に、「同乗者が亡くなった」「被害者であるにも関わらず、加害者から恫喝を受けて裁判沙汰になった」などのようなケースでは、その被害状況も深刻になりやすいといえます。
この結果、悪夢を繰り返し見て眠りが浅くなったり、なかなか眠れなくなったり、すぐに目が覚めてしまったりするといった状況に陥りやすくなります。
不眠は人にとってもっとも大きなストレスのうちのひとつでもあるため、「眠れないことによるストレス」がさらに心の状態を悪くすることもありえます。
関連記事交通事故後の精神不安定状態への対処|うつ病やPTSDで後遺障害等級認定は?
交通事故後眠れないときの対処法|今すぐできること
では、このような「眠れない」を解消するためにはどのような方法が考えられるのでしょうか。
これは主に、「今すぐにできること」と「外部の専門家の力を借りること」の2通りに分かれます。
まずは「今すぐにできること」から解説します。
寝る前は飲み物を工夫する
まず、眠る前の飲み物に工夫をしてみましょう。眠れないときにおすすめの飲み物として、まずは「牛乳」が挙げられます。「寝る前に子どもにホットミルクを飲ませる」という習慣は古今東西で見られますが、これには神経を鎮静化させる効果と、入眠をスムーズにしてくれる効果が見込めます。
温かい飲み物は総じて入眠を容易にします。安眠効果があるとされるカモミールやラベンダーなどを使ったハーブティーを飲むのもよいでしょう。
ただし、温めたお酒は飲まない方が望ましいといえます。アルコールは、入眠を助ける役割こそ果たしますが、眠りの質を低下させ、眠りを浅くする作用があるからです。楽しみで適量飲むことまでは否定しませんが、睡眠を助ける目的で飲むのは避けましょう。
腹式呼吸で深呼吸を繰り返す
だれでも今すぐにできる方法として、「腹式呼吸」があります。腹式呼吸は自律神経を整える呼吸方法であるとされていて、心を落ち着かせる効果があります。深く息を吸い込み、ゆっくりと吐き出す呼吸方法を試してみてください。
リラックスした姿勢で、まずは息を吐ききり、そのあと4秒程度かけて息を吸います。そのあと、7秒間息を止めて、さらに8秒間程度をかけてゆっくりと完全に息を吐ききるやり方で、ゆっくり息をしてみましょう。
POINT
意識して呼吸することが大切
「呼吸」はだれもが当たり前にしているものです。しかしその分、意識してこれを行うことはなかなかありません。眠りが浅いときは、ぜひ取り組んでみてください。
ベッドから離れて過ごす
たとえ眠れなくても、ベッドにじっと横になっているだけでも疲れは癒えるものです。上手くすればそのまま眠りにつけるかもしれません。
しかし、「ベッドへ横になっているにも関わらず、なかなか眠れないこと自体がストレスになっている」という状況ならば、思い切ってベッドから離れて過ごすのもひとつの手です。
無理に寝ようとすることで、さらに心が緊張して、「眠れない」という状況になっている可能性もあるからです。「眠れたらいいけれど、眠れなくても構わない」という気持ちを持つことで、リラックスできるようになるかもしれません。
ただ、コーヒーを飲んだりスマホを触ったりすると、交感神経が優位になって眠りにくくなってしまうので、これは避けましょう。
無理のない範囲でストレッチをする
心地よい、無理のない程度の運動は、適度な疲れを人にもたらし、眠りやすくしてくれます。
「もう寝なければならない時間」からの運動は大変かもしれませんが、ベッドから離れて過ごすと決めたのならば、ストレッチやヨガなどの「静かに、音を立てずに、家の中でできて、負荷も強すぎない、リラックス目的で行われることもある運動」に取り組んでみるとよいでしょう。ストレッチやヨガで体をほぐせば心の緊張もほぐれますから、上手くすれば眠りやすくなるかもしれません。
また、あわせてツボの刺激などを行うのもよいものです。
※ヨガやストレッチ、ツボ押しは、信頼できるサイトから情報を集めたうえで、適切に行ってください。
副交感神経に働く音楽を聴く
「音があったら眠りにくくなる」という人もいるかもしれません。ただ、音楽のなかには、人をリラックスさせたり、人を眠りに誘ったりすることのできるものもあります。
これらのCDを購入してもよいのですが、現在ならばYouTubeなどで「眠れる 音楽」「眠れる 音」「ヒーリングミュージック」などと検索してみる方が早いでしょう。さまざまなヒーリング音楽がひっかかるはずです。それを流しながら、目をつぶっていればそのうち眠りにつけるかもしれません。
ただ、眠りにつく直前に音楽を流し続けすぎると、逆に眠りにくくなってしまう可能性が高いといえます。またイヤホンを使って眠りにつくことを習慣づけてしまった場合、難聴になる恐れもあるため注意が必要です。
関連記事交通事故の後遺症で認定される後遺障害等級14級とは?慰謝料の基礎知識について解説!
交通事故後眠れない状況が続くならこころの専門家に相談を
上記では「自分で、しかも今すぐにできる不眠解消方法」について解説してきました。しかし心的ダメージが深刻な場合、上記のような対応方法では不眠症が解決しない可能性もあります。
その場合は、適宜外部の専門家に頼りましょう。
交通事故に関する主な相談窓口
交通事故によって精神的にダメージを受けて不眠症などになった場合は、精神科などを受診するのがもっともおすすめの選択肢です。
精神科はあう・あわないがあるものの、一人で悩むよりもずっと有効な選択肢だといえます。なお精神科でかかった医療費も、体の怪我と同様、交通事故との因果関係がみとめられれば、治療費や慰謝料の請求要因となりえます。
また、公的機関も、交通事故で心にダメージを受けた人に対するフォローの窓口を用意しています。臨床心理士によるカウンセリングを受けられるなどの対応があるので、利用してみましょう
また、地方自治体でも独自で「こころのサポート相談」などを行っているところもあります。SNSによる相談ができるところもあるので、これを利用してみるのもよいでしょう。
多くの症状が残る場合には一人で抱え込まないことが大切
「眠れない」という状態は、人に多大なストレスをもたらします。そしてさらに、「今夜も眠れなかったらどうしよう」という不安感が、またストレスを呼び込むこともあります。
この症状が出た場合は、まずは家族などの身近な人に相談してみてください。それと並行して、「自分でできる不眠症対策」にトライしてみてください。
それでもなお、数週間にわたって不眠の症状が続くのならば、自分と周囲の人だけで解決するのには限界がある、と考えて、外部の専門家に頼るようにしてください。場合によっては薬の処方などもしてもらえるかもしれません。
いずれの場合でも、とにかく一人で抱え込まないようにすることが何よりも大切です。
まとめ
交通事故の後に「眠れない」症状が出るのは、それほど珍しいことではありません。ただ不眠は大きなストレスとなりますから、解消するために早めに動くようにしてください。
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この記事を監修したのは…
交通事故関係、弁護士事務所・クリニック等でのコラム執筆を数多く経験。確かな情報収集力を元に、常に正しく信頼のおける情報を「誰であっても理解できるかたちで」わかりやすく丁寧に解説していきます。
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