交通事故で起こりやすい怪我とは|治療先や慰謝料も解説!
監修記事
五十部 紀英
弁護士
交通事故は予測できず、突然当事者になってしまうことがほとんどです。
この記事では、交通事故にあってしまった場合に、どんな怪我が起こる可能性があるのか、詳しく解説していきます。
また、交通事故直後に被害者がとるべき行動や、加害者側の保険会社に請求できる慰謝料や治療費などの損害賠償についても説明していますので、ぜひご一読ください。
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目次
交通事故にあってしまった後の流れ~警察への届け出は義務!~
交通事故が起こった直後は、気が動転してしまうものです。
しかし、事故直後の対応次第で、交通事故自体の扱い方も変わってしまう可能性があります。適切な対応を取らなかった場合、被害者にとって大きな不利益が生じてしまうことでしょう。
そこでまずは、交通事故直後に行うべきことを説明していきます。
交通事故の現場でやるべきことは4つ!
事故が発生した現場で行うべきことを1つずつ解説します。
①警察に連絡
まずは、警察に連絡をして、交通事故が発生したことを報告しましょう。交通事故を警察へ届け出ることは、道路交通法という法律で義務付けられています(同法第72条1項)。。
警察に電話をすると、怪我人の有無や事故発生時の道路状況、事故現場の住所などを聞かれますので、落ち着いて、わかる範囲で答えるようにしましょう。
②事故の現場や状況を記録する
交通事故から時間が経つと、当時の記憶が曖昧になってしまう場合があります。
示談交渉が長期に亘る際や、被害者と加害者の言い分が食い違った際には、当時の記録を証拠にすることができます。
- 事故現場の記録…事故現場を撮影する(車両や周囲の物の破損状況)
- 事故状況の記録…交通事故が発生した状況をメモ(どんな経緯で事故が発生したか)
以上の2点はご自身でできますので、可能な範囲で行うようにしましょう。
③加害者の情報を確認
ご自身が交通事故の被害者になった場合には、加害者について以下の情報を確認しましょう。
- 氏名・住所…相手の氏名・住所・連絡先のメモを残しておきましょう。可能であれば、運転免許証を確認するのが最適です。
- 車両…相手の車のナンバー・車両の所有者名など。可能なら車検証を確認するとよいでしょう。
- 勤務先…相手の勤務先の住所や電話番号を記録。
- 保険…任意保険や自賠責保険の保険会社名、契約番号など。
④自身の加入している保険会社に報告
被害者も、ご自身の加入している保険会社へ交通事故の報告をしておきましょう。
後から被害者に過失が認められた場合、加害者に対する損害賠償が必要なケースもあります。
また、後から痛みが出てきた時に病院へ行っても、痛みと交通事故の因果関係を疑われてしまう恐れがあります。そのため、事故からおよそ2~3日以内には病院で診察を受け、診断書の発行をしてもらいましょう。
交通事故にあった証拠を残しましょう
警察との対応や、現場の記録が終わり、交通事故の発生現場から離れた後の流れを解説していきます。
①病院へ行く
大した怪我ではなかったり、全く自覚症状がない場合でも、一度病院を受診しましょう。交通事故直後は心身が興奮状態にあり、痛みを感じにくくなっていることがあるためです。
後から痛みが出てきた時に病院へ行っても、痛みと交通事故の因果関係を疑われてしまう恐れがあります。事故から2~3日以内には病院で診察を受け、診断書の発行をしてもらいましょう。
特に自覚症状がない場合でも、靭帯や筋肉が損傷を受けている可能性がありますので、整形外科を受診して、検査を受けましょう。
②交通事故証明書を交付してもらう
交通事故証明書とは、交通事故が起きた事実を証明する書類のことです。加害者側の保険会社に対して、損害賠償金の請求を行う際に必要になります。
交通事故証明書は、各都道府県の交通安全運転センターが発行しています。任意保険に加入している場合は、その担当者が、契約者の代わりに取得してくれる場合が多いです。しかし、警察に交通事故の届け出をしていないと、交通事故証明書は発行されません。
したがって、事故発生後の警察への届け出は重要になります。
関連記事物損事故で警察を呼ばなかった場合どうなる?交通事故では早めに届出しよう
交通事故で起こりやすい怪我
交通事故後に自覚症状がある場合は、病院を受診しようと考える方が多いと思います。では、交通事故で起こりやすい怪我には、どのような種類があるのでしょうか?
交通事故で起こりやすい怪我の種類と診療科
症状があらわれる部位によって、受診する診療科も異なります。ここでは、部位や症状別に、受診すべき診療科を挙げていきます。
症状や部位 | 診療科 |
---|---|
むちうち・捻挫・骨折 | 整形外科 |
視力低下・ピント調節不良 | 眼科 |
聴力低下・嗅覚低下 | 耳鼻咽喉科 |
意識に関する症状・強い頭痛 | 脳神経外科 |
歯の欠損 | 歯科 |
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最も起こりやすいむちうちには症状もたくさん
交通事故にあった際に起こる怪我の中で、最も起こりやすいといわれているのが、むちうちです。むちうちの症状は、大きく3種類に分類されます。
①頚椎捻挫型
頚椎(首の骨)の靭帯や、関節の軟部組織が損傷を受けることで発症します。むちうちを負った約70%程度の人が、頚椎捻挫型に分類されるといわれています。
主な症状
首や肩、背中にかけての痛み
②神経根症状型
脊髄から枝分かれしている神経根の圧迫が原因で、症状があらわれます。
主な症状
肩や腕の痛み、腕や手指のしびれ
③バレー・ルー症候群
自律神経に含まれている頚部交感神経が損傷したり、過度な緊張状態になることで発症するといわれています。
主な症状
頭痛・めまい・吐き気・倦怠感
関連記事むちうちは症状が出るまで数日かかる?痛みがあとから出る理由とは
怪我の治療ができる通院先は大きく分けて2つ
交通事故で怪我をした場合に治療を受けられるのは、病院のみだと思っている方も多いでしょう。しかし、病院以外にも通院できる場所はあります。
ここでは、交通事故の怪我を治療してくれる通院先を解説していきます。
病院・整形外科
交通事故後に症状や痛みを感じる部位が明らかな場合は、前掲した表の診療科を受診するとよいでしょう。
また、自覚症状がない場合でも、交通事故の当日や翌日に病院を受診する際には、整形外科を受診すると覚えておいて問題ありません。
整形外科では診断書の発行の他にも、レントゲンやMRIを使った画像診断、手術、痛み止めや湿布などの処方箋の交付を受けることができます。これらは全て、医師にしかできない医療行為です。
医師による診断や治療を受けることで、交通事故による怪我であることを明確にすることができます。
また、自覚症状が出ていなくても、骨や神経が損傷を受けている可能性もありますので、病院で検査を受けることが大切です。
整骨院・接骨院
整骨院では、柔道整復師による施術が受けられます。マッサージなどの手技療法を中心に、超音波や電気を使った物理療法、身体を動かす運動療法など、様々な方法で症状の緩和を目指します。また、鍼灸師による鍼灸療法を受けられる場合もあります。
整骨院は、病院と比べて受付時間が長かったり、休日も営業している場合があるため、継続的な通院が続けやすいです。
通院頻度としては、整形外科での治療と合わせて、週に1~2回のペースで整骨院に通うとよいでしょう。
関連記事整骨院と整形外科の違いは?どっちがいいか症状やケースにあわせて解説!
後遺症が残ってしまったら後遺障害等級の認定を
ある程度の期間、適切な治療を受けても、症状の回復がみられない場合、後遺症となってしまうことがあります。
もしも交通事故の怪我が後遺症になってしまったら、どうすればよいのでしょうか?
通院が長期間になってきたら症状固定も検討
むちうちの場合、一般的に治療期間は6ヶ月程度といわれています。治療期間が長引いても、回復しない症状については、医師から症状固定の診断を受ける場合があります。
症状固定は、医師のみが判断でき、「これ以上治療を継続しても、症状の改善が見込めない状態」を指します。
加害者側の保険会社が症状固定を促す場合もありますが、その場で応じることはせず、医師の指示に従うようにしましょう。
なお、症状固定になった時点で、保険会社からの治療費の支払いは打ち切られます。
そして、症状固定の時に残っている症状は後遺症として扱われます。
この場合には、後遺障害の等級認定を申請できるようになります。申請をして後遺障害等級が認定されれば、後遺障害慰謝料と後遺障害逸失利益を請求できます。
後遺障害等級の認定基準
後遺障害として認められるには、後遺症の原因が交通事故であると証明され、かつ労働能力の低下が認められる必要があります。
後遺障害の等級認定を申請すると、損害保険料算出機構という機関が公正中立な立場で審査を行います。
具体的な調査については、全国の都道府県庁所在地に設置されている54ヶ所の自賠責損害調査事務所が行います。後遺障害等級は1~14級に分けられており、提出書類から症状の重さや程度が判断されていきます。
後遺障害等級認定の申請方法
後遺障害等級認定の申請方法は、事前認定と被害者請求の2種類があります。
事前認定
事前認定は、加害者側の任意保険会社に手続きを一任する方法です。
被害者は、後遺障害診断書を加害者側の任意保険会社に提出するのみで、その後の手続きは、加害者側の任意保険会社に任せることができます。
ただし、一見便利なように思いますが、事前認定の場合、任意保険会社が他に提出している書類や記載内容が不明瞭です。
そのため、書類に不備があるなどの理由によって、症状に見合わない低い等級に認定される場合や等級が認定されない恐れがあることに注意が必要です。
被害者請求
被害者請求は、被害者自身が加害者側の自賠責保険会社に対して、必要な書類を提出します。
必要書類の他に、被害者がレントゲン写真やカルテなど、必要と感じる書類を自分で提出できるため、手続きの透明性は高くなります。
しかし、書類を収集するための手間はかかります。通院先や勤務先に書類の作成を依頼する必要がある書類も存在します。それでも、後遺障害の等級認定を得られる可能性を高める工夫ができますから、被害者請求で行うことを検討するとよいでしょう。
なお、被害者請求で後遺障害等級に認定された場合は、示談成立前でも(自分の過失が7割未満であれば)自賠責保険会社から等級に応じた保険金が支払われるというメリットもあります。
慰謝料や治療費は加害者の保険会社に請求できる
交通事故の被害者は、怪我の治療費や交通費、慰謝料などを損害賠償として、加害者側に請求できます。
請求できる損害賠償の項目
被害者が請求できる主な損害賠償は、以下になります。
治療費 | 治療にかかった費用 |
---|---|
通院交通費 | 通院にかかった公共交通機関の費用、自家用車のガソリン代、タクシー代など |
入院雑費 | 入院に際して必要な買い物の費用(紙コップや新聞) |
休業損害 | 交通事故の怪我で仕事を休んだ場合の減収部分 |
入通院慰謝料 | 入通院による精神的苦痛の賠償 |
後遺障害慰謝料 | 後遺障害が残ってしまった精神的苦痛を賠償 |
後遺障害逸失利益 | 後遺障害で失われた労働能力による減収部分の賠償 |
一度成立した示談は変更できないので要注意
被害者が賠償金を受け取るためには、示談交渉を行う必要があります。
示談交渉とは、交通事故の加害者と被害者が、和解のために行う話し合いです。主に以下の点が話し合いのポイントになります。
- どんな損害が生じたか
- 損害賠償額はいくらになるか
- 支払方法はどうするか
一度示談が成立すると、原則として、後に新たな損害賠償の請求を行う事ができなくなります。
そのため、示談交渉の際には、簡単に了承してしまわずに、示談内容についてしっかり確認しましょう。
交通事故で怪我をしてしまったら
交通事故による怪我は、種類や症状の重さにも個人差があります。中には痛みが後から出てくるケースもあります。
しかし、病院の受診が遅くなってしまうと、交通事故と怪我の因果関係を疑われる可能性もありますので、自覚症状がない場合でも、早めに整形外科などの病院を受診するようにしましょう。
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この記事を監修したのは…
弁護士法人プロテクトスタンスの代表弁護士。多くの病院や整骨院等の法律顧問に就任。医事法に関する研究部会に所属し、医療法制に精通。交通事故の示談交渉で豊富な解決実績があり、特に保険会社対応に定評がある。
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