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【交通事故】むちうちの通院は週4くらい?慰謝料金額や事例を解説!

監修記事

大嶋 伸雄

柔道整復師

交通事故による怪我で、むちうち症になってしまった場合、怪我の治療で通院することにより慰謝料を加害者に請求することができます。

しかし、通院先で提案された通院頻度は週3〜4回で「仕事もあるし、そんなに通院できない…。」と通院頻度を迷っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

皆さんご存知でしたか?通院頻度は、慰謝料の金額に影響します。

そこで今回は、交通事故によるむちうちの通院で通院頻度が週4回と週1回ではどれくらい慰謝料に違いがあるのか、また実際にむちうちで整形外科や整骨院に通院したユーザーの体験談を紹介しています。

ぜひ参考にしてください。

むちうちで通院をすると慰謝料が請求できる

交通事故にあってしまった場合、まず加害者は事故直後にけが人の保護をして警察と救急に連絡をし、保険会社に連絡をします。交通事故により、被害者の様々な苦痛に対しての補償という意味で「慰謝料」が支払われます。

むちうちで通院した場合に請求できる慰謝料もその1つで、入通院慰謝料と呼ばれています。

入通院慰謝料とは

入通院慰謝料とは、交通事故による怪我のため入通院が必要となった場合、被害者に対して精神的苦痛、肉体的苦痛、時間的苦痛の対価として支払われます。

つまり、交通事故によるむちうちの治療で入通院をした場合、加害者に入通院慰謝料を請求できるということになります。

関連記事むちうちとは?原因から症状・治療法や慰謝料まで徹底解説!

むちうちの入通院慰謝料の相場は計算できる?

被害者自身が受け取れるむちうちの入通院慰謝料の金額は、計算によって把握することができます。

慰謝料は、以下3つの査定基準となります。

  • 自賠責基準
  • 任意保険基準
  • 弁護士基準
交通事故の慰謝料の3つの基準(自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準)

▲交通事故の慰謝料の3つの基準

入通院の算定基準は、状況に応じて使い分けます。また、実際に受け取れる金額は、示談交渉によって決定します。

交通事故の示談交渉とは交通事故の加害者と被害者が和解の為に行う話合いのこと

▲交通事故の示談交渉とは

示談とは、裁判をせず、当事者同士の話し合いによって解決するという手続きです。加害者側が任意保険に加入していれば、示談交渉は加害者側の任意保険の担当者とおこなうこととなり、慰謝料が決定します。

自賠責基準

自賠責基準は、自賠責保険を使用する場合の算定基準です。自賠責保険は、車やバイクを所有者は加入が義務付けられています。自賠責保険の上限額は120万円となっており、この金額の中から慰謝料が支払われます。

また、最低限の補償しかされないため、負担してくれる金額にも上限があります。そのため、自賠責基準で損害賠償の計算を行うと、3つの基準の中で最も低い金額になります。

自賠責保険とは、自動車やバイクを所有する全ての人に、加入が義務付けられている強制保険。交通事故の被害者の救済が目的で、補償対応は人身事故の被害者。そのため、物損事故あ対象外となる。また、請求できる賠償金には限度額が定められている。

▲自賠責保険とは?

任意保険基準

任意保険基準は、任意保険会社独自の計算方法で算出される基準です。そのため、計算式は非公開となっており、慰謝料の金額にもバラつきがあります。

弁護士基準

弁護士基準とは、弁護士や裁判所が損害賠償を計算する場合に使われる基準です。弁護士基準は過去の判例に基にした基準となっており、3つある基準の中でもっとも高い金額となっています。

関連記事むちうち症の通院期間はいつまで?交通事故でもらえる慰謝料とは

入通院慰謝料は通院回数が重要

先程、慰謝料の計算における3つの算定基準について説明しました。どの算定基準を使うかによっても金額は左右されますが、通院頻度によっても金額が大きく異なります。その理由としては、自賠責基準の入通院慰謝料の計算式が、以下のように設定されているためです。

1日あたりの慰謝料金額(=4300円)× 治療期間または実通院日数

治療期間:治療をした期間
実通院日数:(治療期間中に実際通院した日数)×2の日数

上記の計算式に、治療期間と実通院日数のどちらをあてはめるかは、計算結果が少ない方と決められています。

 【検証!週4回 or 週1回】入通院慰謝料は通院頻度の影響を受けるのか

先程の計算式から、入通院慰謝料の金額は通院頻度の影響を受けそうなことがわかりました。ここでは、実際に入通院慰謝料を計算し、検証してみたいと思います。

ポイントを説明するビジネスマン

今回は、以下2つの通院頻度や治療期間を設定して進めていきます。

  • (例1)治療期間100日、週1回(計14回)通院した場合
  • (例2)治療期間100日、週4回(計56回)通院した場合

(例1)治療期間100日、週1回(計14回)通院した場合

治療期間=100
実通院日数=14 × 2=48

治療期間100日より実通院日数48日の方が少ないため、実通院日数を計算式に当てはめることになります。

4300円× 48日 =206,400

したがって、例1の場合、入通院慰謝料の金額は20万6400円となります。

(例2)治療期間100日、週4回(計56回)通院した場合

治療期間=100
実通院日数=56 × 2=112

実通院日数112日より治療期間100日の方が少ないため、治療期間を計算式に当てはめることになります。

4300円× 100日 =430,000

したがって、例2の場合、入通院慰謝料の金額は43万円となります。

検証結果から、通院頻度が多いと入通院慰謝料の金額も高くなることがわかります。

むちうちで週3~4回通院した人の体験談

交通事故でむちうちになってしまい、実際に整形外科や整骨院に通院された方の事例を紹介します。通院頻度や併用して通院する様子など、ぜひ参考にしてください。

事例1)整形外科に月1回、整骨院に週3~4回通院した方

大型ショッピングモールの駐車場で、左から一時停止を無視した車が突っ込んできて事故にあってしまった方です。

事故から数時間後、落ち着いた頃に首の痛み(むちうち)、腰の痛み(腰椎捻挫)、背中の痛みなどの症状が出てきました。

整形外科での検査・治療については、レントゲンを撮り診察を受け、首と腰に対してコルセット、痛み止め、湿布、神経に効く薬が処方されたのち、月1回ほど通院を継続されたそうです。

整骨院にも併用して通院し、週3回か4回施術を受けに行ったそうです。

「自宅から通いやすい場所を紹介してもらい、実際に行ってみると親切に対応してくれて。痛みがある箇所をしっかりと治療してくれました。また、営業時間も自分に合っており良かったです」

「最初はカウンセリングと電気療法で、徐々に手技療法と電気療法に変わりました。その日は特に痛む箇所を念入りにケアしてもらいましたね」

駐車場内での事故~怪我の治療まで「kmさん(20代・主婦)」のお話より

治療や通院を仕事や家事、学業と両立することは思った以上に大変だったそうですが、整骨院が自宅から通いやすい場所にあったことや通いやすい時間帯にも営業していたこともあり、週3・4回の通院を継続できたそうです。

体験談の詳細は以下の記事からご覧いただけます。

体験談駐車場内での事故~怪我の治療まで「kmさん(20代・主婦)」のお話

事例2)整形外科に3週間に1回、整骨院に週3〜4回通院した方

仕事中に2車線ある直進道路で、左側から加害車両が無理に車線変更したため避けきれず『自分の車の左側前方』と『相手の右側後方』が衝突してしまうという事故にあわれた方です。

事故の翌日になり、首の痛み・むちうち・ 腰の痛み・腰椎捻挫・ 腕や手の痛みが出てきました。

『交通事故病院』で紹介された整骨院に通い、整形外科はその整骨院に紹介してもらったところへ通院されていました。

整形外科での検査・治療については、初回にレントゲン等の検査を受けたあと、湿布と一緒に薬を処方してもらい、その後3週間に1回のペースで通院されたそうです。

整骨院には週に3〜4回通っていたそうです。

「大変親身になり施術していただきました。院長さんや各スタッフ共、明るく丁寧な対応で気持ちよく通えて感謝しています。ただ、金曜日の予約や夕方以降の予約は取り辛いときがあるようなので、事前にネットで予約しました」

「施術時間は20分程度で、ダメージ部の手技療法と電気療法でした。」

突然の車線変更により避けられず衝突「まじぇんたさん(50代・会社員)」のお話

朝の痛みや長期の通院は辛かったそうですが、理解ある病院や先生の対応もあり6か月間通い続けることができたそうです。

体験談の詳細は以下の記事からご覧いただけます。

体験談突然の車線変更により避けられず衝突「まじぇんたさん(50代・会社員)」のお話

むちうちの通院中に治療の打ち切りを打診されたら注意!

加害者側の保険会社から治療費の打ち切りを打診されたらどうする?

▲加害者側の保険会社から治療費の打ち切りを打診されたらどうする?

先程の検証から、むちうちの通院を週4回程の頻度で続けることで、入通院慰謝料も高額になることがわかりました。

しかし、むちうちの治療を3ヶ月以上続けていると、保険会社から「そろそろ治療費の支払いを打ち切ります。」といわれることもあります。

打ち切りに応じてしまった場合、その後の治療費や入通院慰謝料の支払いは、受けられなくなります。では、なぜ保険会社は治療の打ち切りを打診してくるのでしょうか。

保険会社が治療を打ち切る原因2つ

保険会社が治療の打ち切りを打診する人には、以下のように通院の仕方に問題があります。

  1. 通院頻度が低い
    通院頻度が低いと、保険会社から「本当は痛くないのでは?」と思われてしまう可能性があります。
  2. 漫然治療
    その怪我にあまり関係のない治療や施術ばかりやっていると、①と同様に「あまり痛くないのでは?」と思われる可能性があります。

保険会社も痛いのかそうでないのかわからない人に、延々と治療費を支払ってくれる訳ではありません。上記のように客観的な判断を行い、治療の打ち切りを打診してきます。

関連記事漫然治療とは?交通事故の治療費が打ち切りにならないためにできること

打ち切りを防ぐには?

もしもむちうちの症状が完治していない段階で、治療費の支払いの打ち切りを打診された場合、以下の対策をとることをおすすめします。

  • 交通事故問題に詳しい医師に相談し、まだ治療が必要であることを保険会社に説得してもらう。
    例:「症状固定していないですよ、まだ治療が必要ですよね。」

    症状固定とは:治療を続けても症状の緩和が見られない状況の事

    ▲症状固定とは?

  • 自費で立て替えて通院する。
    ※自費で負担した治療費は、後で示談金に乗せてまとめて支払ってもらうことができるのでご安心を。
  • 弁護士に相談し、保険会社と交渉してもらう。
  • 定期的に通院して通院実績をつくり、まだ治療が必要だという証拠にする。

関連記事保険会社が治療の打ち切りを連絡してきたら?理由と対処法を解説

むちうちは後遺障害が残ることも…

後遺障害とは?(後遺症と後遺障害の違い)

▲後遺障害とは?(後遺症と後遺障害の違い)

交通事故によるむちうちは、頭痛やめまいなどの神経損傷が原因の後遺障害が残ることがあります。このような後遺障害が残った場合は、後遺障害等級認定を受けるようにしましょう。

後遺障害等級認定を受ける

後遺障害等級認定とは、事故後に残った後遺症が後遺障害の等級に該当するか、どの等級に当てはまるかを認定するものです。後遺障害等級認定を申請して等級が認定された場合、後遺障害慰謝料逸失利益を受け取ることができます。

後遺障害等級認定の手続き

後遺障害の等級を認定してもらうには、後遺障害等級認定の申請手続きを行わなければなりません。後遺障害等級認定の手続きは、事前認定または被害者請求で行います。

事前認定

事前認定の場合、後遺障害等級認定の手続きを加害者側の保険会社に任せることができます。そのため、被害者が行うことは、加害者側の保険会社に後遺障害診断書を提出することだけです。したがって、被害者は後遺障害等級認定の手続きの手間を省くことができます。

ただし、加害者側の保険会社が後遺障害等級認定の手続きを行うため、どのような内容の書類を提出したかを把握することができません。そのため、妥当な後遺障害の等級が認定されないこともあります。

被害者請求

被害者請求の場合、被害者自身で後遺障害等級認定の手続きを行うことになります。そのため、被害者は後遺障害等級認定に必要な書類を取得・作成し、加害者側の自賠責保険会社に提出しなければなりません。したがって、事前認定と比べて、後遺障害等級認定の手続きの手間がかかることになります。

ただし、被害者自身で後遺障害等級認定をすることで、後遺障害等級認定で自分が有利になるような書類を作成することができます。そのため、適切な後遺障害の等級が認定されることが多いです。

関連記事むちうちを後遺症にしない|症状や治療と後遺障害認定・慰謝料も解説

まとめ

むちうちの入通院慰謝料を計算する際に、自賠責基準を使った場合、通院頻度で慰謝料の金額は大きく変わります。そのため、通院頻度を保つことが大切です。

しかし、通院が長期化してくると、保険会社は治療の打ち切りを打診してくることがあります。保険会社が治療の打ち切りを打診してきた場合は、今回の記事で紹介した対策を実践するとよいでしょう。

また通院頻度だけでなく、交通事故における手続きなども踏まえて、通院先は交通事故に理解のある病院や整骨院を選んでおくと安心です。

この記事を監修したのは…

柔道整復師。施術歴は27年。スポーツトレーナー、フィットネスインストラクター、リラクゼーションサロン店長、大手接骨院グループの分店長を経験。その後、独立し接骨院・整体院を開業をして6年目を迎える。その経歴を活かし人材育成や、セミナー開催の活動も行う。柔道整復師以外では、カイロプラクター、健康管理士一般指導員、健康管理能力検定1級、健康運動実践指導者などの資格を持つ。

この記事の執筆者

交通事故病院編集部 ライター / T.N
大学を卒業し、出版社で取材や編集業務を経験。その後、WEBメディアの執筆に転向し、事故に関する様々な知識を多くの人に届けるべく、日々邁進中。現在は、交通事故専門士の資格を取得するために勉強をしている。座右の銘は、格物究理。

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