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交通事故で整形外科の診断書のもらい方とは?もらえない場合の対応も

監修記事

柿野 俊弥

理学療法士

交通事故後、整形外科に行った場合「どんな治療を行うのだろう」「治療の流れってどんな感じなの?」などさまざまな不安がありますよね。

そこで今回は、整形外科で受けられる交通事故の治療や流れなどについて解説していきます。

交通事故の治療は整形外科で受けられる!

交通事故後の整形外科受診は①検査(レントゲン・MRI)②診断書の発行③痛み止めや湿布の処方等ができる

▲交通事故後の整形外科受診

交通事故で怪我を負った場合、整形外科で治療を受けることが可能です。

整形外科は、医師が在籍しているため「治療行為」を行うことができます。法律上で「治療行為」を行えるのは、医師のみとされています。

整形外科の医師が行う、交通事故の治療の例は以下の通りです。

  • 痛み止めや湿布などの薬の処方
  • 温熱療法
  • 低周波治療器
  • レントゲンやMRIなどの画像検査
  • 手術             など

ただし、各整形外科によって設備が異なり、行えない治療もあります。そのため、必ず上記の治療が受けられるとは限りません。上記で挙げた治療は、一例として把握しておいてください。

また、整形外科では医師による治療だけでなく、必要に応じて理学療法士によるリハビリテーションも受けられます。

▶︎あわせて読みたい:整形外科だけじゃない!交通事故の施術は整骨院でも受けられる。

整形外科で受ける交通事故の治療の流れ

整形外科で交通事故の治療を受ける場合、一般的に以下のような流れで行います。

  1. 希望する整形外科へ行き、カウンセリングを受ける。
  2. 医師の診察を受け、治療の説明を受ける。
  3. 治療を開始する。
  4. 怪我の症状が緩和されたら、治療を終了する。

ただし、治療を受ける前に「どこの整形外科に通院するのか」を加害者側の保険会社に伝えておかなければなりません。そうしなければ、被害者は加害者に損害賠償を請求することができなくなる可能性があるからです。

きちんと加害者側の保険会社に連絡をすれば、転院や2つの通院先の併用も問題なくできます。

交通事故後の通院先は、被害者が自由に決められます。その場合は、先程述べたように、加害者側の保険会社に連絡するようにしましょう。

転院した場合のメリットは、以下の通りです。

  1. 前よりも症状に対して適確な治療が受けられる
  2. 信頼できる通院先に転院し、安心して治療が受けられる

交通事故で転院する方法は、まず保険会社と医師に転院したい旨を伝えます。次に、医師に紹介状(診療情報提供書)を作成してもらいます。注意点はできるだけ早めに転院することと、転院回数は最小限にとどめることです。

▲交通事故で転院する方法

整形外科と整骨院といったように、2つの通院先を併用するメリットは、以下の通りです。

整骨院では主に手技療法を行い、症状が緩和してきたら運動療法なども加えていきます。

整形外科では、整骨院では扱えないレントゲンやMRIなどの画像診断を行うことが可能です。また、初期によくある強い痛みには、痛み止めを処方してもらうと楽になるでしょう。

整骨院と整形外科では、症状に対するアプローチ方法が異なります。整骨院ではしっかりと施術を受け、整形外科では検査や症状経過の把握を行うことが最適でしょう。

交通事故通院における整形外科と整骨院の治療内容の違い

▲交通事故通院の病院と整骨院の治療内容の違い

交通事故の場合でも転院はできる?メリット・デメリットについて

上記のように、「整形外科で受けられる治療」「整骨院で受けられる施術」を組み合わせることで、より充実した治療を受けられます。

交通事故における診断書とは

交通事故治療における診断書の内容と役割

▲交通事故治療における診断書の内容と役割

整形外科は、交通事故による怪我の診断書や後遺障害診断書を発行できる医療機関になります。怪我の治療だけでなく、診断書を発行してもらうためにも、交通事故後は整形外科を受診することが大切です。

交通事故の被害者は、診断書がなければ、妥当な損害賠償を受け取ることができません。また、事故直後に整形外科や病院へ行かなかった場合、以下のようなデメリットがあります。

交通事故で怪我をしてしまったら、なるべく早いうちに病院へ行きましょう。交通事故から時間が経過し過ぎてしまうと、事故との因果関係が認められず、その後の治療費を全て自腹で支払わなければいけなくなります。

交通事故後、少しでも体に痛みや違和感がある場合はきちんとと診察を受け、交通事故との関連性について証拠を残しておきましょう。

交通事故後にすべき行動については、こちらで詳しく解説しています。

交通事故にあったら!事故直後の対処法と整骨院での治療について

損害賠償とは

交通事故の損害賠償の内訳

▲交通事故の損害賠償の内訳

そもそも交通事故における損害賠償とは、交通事故でさまざまな損害を負った被害者に対して、加害者が金銭で補うことをいいます。損害賠償の支払いは、基本的に加害者側の自賠責保険または任意保険会社が行います。

  • 自賠責保険
    自賠責保険は、交通事故の被害者を救済することが目的で、自動車を所有する全ての人に加入が義務付けられています。交通事故によって死傷者が発生する人身事故のみに適用され、120万円を限度額として支払いが行われます。
  • 任意保険
    一方の任意保険は、運転者の任意で加入が決められる保険です。損害賠償が自賠責保険の限度額を超えた場合に、不足分を補う役割を果たしています。任意保険では人身事故のみではなく、物損事故にも適用されます。

後遺障害等級認定で必要な後遺障害診断書

交通事故の怪我がこれ以上症状の改善が見込めない「症状固定」になった場合に申請できる「後遺障害等級認定」というものがあります。申請時に必要になるのが、医師だけが発行できる「後遺障害診断書」です。

症状固定とは:治療を続けても症状の緩和が見られない状況の事

▲症状固定とは?

後遺障害等級認定は、1~14の等級に分けられ、それぞれの等級は基準が定められています。判断材料は提出された書類のみのため、心身の状態が詳細に書かれている後遺障害診断書の内容は、非常に大切です。

もし、後遺障害等級認定の審査で「非該当」と判断された場合は、は、次の4つが原因として考えられます。

  • 事故の程度が軽い
  • 通院回数が少ない
  • 症状の一貫性や連続性がない
  • 常時痛みやしびれの症状がない

結果に納得できない場合は、再審査を求めることが可能です。

整形外科における診断書のもらい方

整形外科で診断書をもらいたい場合は、医師に診断書の作成をお願いするほかありません。医師法によって「医師は正当な事由がない限り、診断書の作成依頼を拒否できない」と定められているため、基本的に断られることはありません。

診断書の内容に関して、医師に書いてほしいこと、書いてほしくないことを伝えることが可能です。しかし、医学的根拠に基づいた記載が必要なため、すべて希望通りにはならないことを念頭に置いておきましょう。

診断書発行の費用・発行できるまでの期間

診断書の発行には費用がかかります。およそ2000円~1万円程度で、全国一律で決まっているわけではありません。費用が気になる場合は、受診予定の整形外科にあらかじめ確認しておくと安心です。

診断書の発行にかかる期間は、数日~数週間です。用途によっては、医師に依頼した当日に受け取れる場合もあります。しかし、後遺障害等級認定に使う診断書の場合は、記入項目が多いため、2~3週間はかかると思っておいてよいでしょう。

整形外科で診断書を発行してもらう際の注意点

診断書を発行してもらう場合、次の2点に注意が必要です。

  • 診断書の発行は健康保険の適用にならない
  • 転院したばかりだと書いてもらえないことがある

先述したように、診断書の発行には2000円~1万円程度がかかります。健康保険は適用されず、全額自己負担になるので注意しましょう。

また、診断書には担当医師が治療経過を記載する必要があるため、転院したばかりだと書いてもらえないことがあります。たとえ、前の病院の医師から情報共有があっても書いてもらえないケースもあるため、事前に確認しておいた方がよいでしょう。

整形外科で診断書を発行してもらえない場合の対応

実は、医師に診断書の作成を依頼しても「拒否されるケース」があります。万が一、診断書の発行を断られた場合は、次のような対応をしましょう。

  • 症状固定だと判断されるまで治療を続ける
  • 転院して他の医師に発行してもらう
  • 弁護士に相談する

そもそも診断書を発行してもらう目的は、後遺障害等級認定に申請するためです。まだ症状の改善の見込みがある状態、つまり、後遺症ではない状態で後遺障害等級認定に申請することはできません。6ヶ月以上の治療期間を目安に、まずは治療を続けましょう。

もし、すでに症状固定であるにもかかわらず、診断書を発行してもらえない場合は、転院先の医師に依頼するか弁護士に相談してください。

まとめ

交通事故で足を骨折した人

交通事故で怪我を負った場合、整形外科で治療を受けることが可能です。整形外科には医師が治療を行うため、薬の処方や手術、画像検査などが受けられます。

交通事故病院では、通院先に関する相談窓口があります。「どこへ通院すべきか迷ってる。」「希望にあった通院先を探してほしい。」といったお悩みがある方は、一度交通事故病院へお問合せください。

この記事を監修したのは…

理学療法士として、回復期病院で脳血管疾患を中心にリハビリテーションを経験。その後、フリーライターに転向。医療・健康分野をはじめ、地域・観光、転職関連などの幅広いジャンルの執筆を行っている。

この記事の執筆者

理学療法士 / 柿野 俊弥
理学療法士として、回復期病院で脳血管疾患を中心にリハビリテーションを経験。その後、フリーライターに転向。医療・健康分野をはじめ、地域・観光、転職関連などの幅広いジャンルの執筆を行っている。

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