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にしかわ鍼灸整骨院|むちうちによるしびれの原因は?後遺症が残った時の対処法も解説

交通事故で体に衝撃を受けると、何らかの怪我を負うかもしれません。交通事故による怪我で多いのは、「むちうち」だと言われています。

むちうちであらわれる症状といえば、首の痛みをイメージする方が多いと思います。しかし、しびれや耳鳴り、吐き気などの症状もあらわれることもあります。

そこで今回は、にしかわ鍼灸整骨院の院長を務める西川達也先生に、むちうちで「しびれ」があらわれる原因や施術方法、後遺症が残った場合の対処法などについてお話を伺いました。

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交通事故でむちうちがあらわれる原因

にしかわ鍼灸整骨院1

ーー 交通事故による怪我で最も多い「むちうち」。交通事故にあうと、何故むちうちが引き起こされるのでしょうか。

西川先生:
「むちうちは、名前の通り『鞭(むち)で打つ』ように首が強く『しなる』ことで起こります。

交通事故で強い衝撃を受けた際、体がシートベルトなどで急激に固定される事で、固定されていない頭と首に衝撃が集中してしまい、首にむちうち現象が起こります。

その衝撃は大きく、頚椎(首の骨)や筋肉、じん帯などの組織が損傷し、様々な症状があらわれます」

むちうちの症状は事故直後にあらわれないこともある

ーー また、むちうちの特徴の1つとして、事故直後に症状があらわれないこともあります。何故そのようなことが起こるのでしょうか。

西川先生:
「簡潔にいうと、交通事故という非日常的な出来事に脳がビックリして、正常な反応ができないからです。

本来、痛みは『体の痛みがある場所に異常を教えてくれる重要なサイン』です。しかし、交通事故のように瞬間的で予期できない衝撃によって怪我を負うと、脳が興奮状態になり、体の損傷を痛みとしてうまく認識できないことがあります。

他にも、相手への怒りによって、脳が興奮状態になっている場合もあります」

むちうちの症状は首の痛みやしびれなど様々

にしかわ鍼灸整骨院2

むちうちの症状は、首の痛みだけではありません。しびれや耳鳴り、めまい、頭痛など様々な症状があらわれ、以下のように4つの症状型に分類することができます。

  1. 頚椎捻挫型
  2. バレー・ルー症候群
  3. 神経根症状型
  4. 脊髄症状型

上記4つの症状型について、西川先生に解説してもらいました。

頚椎捻挫型

ーー 頚椎捻挫型とは、どのような症状なのか詳しく教えてください。

西川先生:
「むちうちで最も多いタイプは、頚椎捻挫型です。レントゲンやMRIでも異常が見つからないことも多く、事故との因果関係が証明しにくいタイプになります。

症状は、首周囲に疼痛や自発痛、首や肩、背中の筋肉に異常なコリとつっぱり感、首が動かなくなる可動域制限、動かすと痛い運動痛、上肢のだるさやしびれなどがあります」

バレー・ルー症候群

ーー バレー・ルー症候群とは、どのような症状なのか詳しく教えてください。

西川先生:
「バレー・ルー症候群は、後頚部交感神経症候群とも呼ばれ、事故による衝撃が神経を傷つけた際に発症するものです。頚椎の近くにある後部交感神経が損傷する事で、自律神経のバランスが崩れ、様々な症状を引き起こすと考えられています。

主な症状は、頭痛、めまい、耳鳴り、吐き気などです。その他にも、自律神経失調症と同じ症状である目のかすみや流涙、動悸、発汗なども見られることもあります」

神経根症状型

ーー 神経根症状型とは、どのような症状なのか詳しく教えてください。

西川先生:
「神経根症状型は、脊髄から出る神経の根元(神経根)が引き伸ばされたり、圧迫を受けたりして、様々な症状を引き起こすものです。

主な症状は、首の痛み、腕の痛みやしびれ、倦怠感、後頭部の痛み、顔面の痛みなどになります。また、首を動かさない状態では症状がなくても、首を曲げると神経が圧迫されるため、神経症状や痛みが強まることもあります」

脊髄症状型

ーー 脊髄症状型とは、どのような症状なのか詳しく教えてください。

西川先生:
「脊髄は、脳と直接つながる中枢神経で、背骨(脊柱管)の中を通っています。

事故の衝撃で首が振られ脊髄が損傷すると、体の麻痺、知覚障害、運動障害が起こることがあります。例えば、下半身につながる神経が損傷した場合は、下肢のしびれや知覚異常と共に、歩行障害があらわれます。また、膀胱や直腸に障害があらわれ、排便・排尿に支障をきたすこともあります。

そのため、脊髄の損傷は、後遺障害として残る可能性が非常に高く、むちうちの中でも最も深刻なタイプになります」

交通事故によるむちうちの通院先について

病院

交通事故でむちうちになった場合、以下の2つの通院先から選択することができます。

  • 整形外科
  • 整骨院

では、2つの通院先にどのような違いがあるのでしょうか。

整形外科

ーー 整形外科では主にどのようなことが行われるのか、解説をお願いします。

西川先生:
「整形外科では、主に診断と治療が行われます。診断では、レントゲンやMRIなどの画像診断や神経学的検査を行い、その診断結果をもとに、カルテや診断書を作成します。

治療内容としては、湿布や注射、痛み止め、しびれ止めの薬を出してくれます。他にも、電気を当てたり、首を引っ張る牽引といった物理療法やリハビリを行うところもあります」

整骨院

にしかわ鍼灸整骨院3

ーー 整骨院の場合は、どのようなことが行われるのか、解説をお願いします。

西川先生:
「整骨院が行う施術は、むちうちの急性期と慢性期で施術内容が異なります。

そもそも急性期とは、受傷直後から1ヶ月程度のことで、痛みが強い時期を指します。一方、慢性期とは、受傷から3ヶ月以降のことで、痛みの症状が落ち着いてきた時期を指します」

ーー なるほど。にしかわ鍼灸整骨院では、むちうちの急性期と慢性期でどのような施術を行うのでしょうか。

西川先生:
「事故直後の急性期に動けないほど痛みが強い場合は、固定やサポートテーピングで補助をします。また、炎症が強い場合は、アイシング(冷却)で痛みを抑えていきます。さらに当院は、鍼灸整骨院なので、急性期の動かせない時期をできるだけ早く回復するように鍼灸施術を行う事も可能です。

慢性期に移行していく時期からは、筋緊張をほぐす施術と可動域を広げるストレッチなどをメインにしていきます。整骨院では病院と同様の物理療法やリハビリが受けられます」

むちうちによるしびれの施術とは?

ーー むちうちの通院先とそれぞれの治療・施術内容は理解できました。では、むちうちによるしびれは、具体的にどのような治療・施術を受ければよいのでしょうか。

西川先生:
「むちうちで起こるしびれの多くは、肩から腕にかけて出てきます。しかし、しびれている肩や腕そのものが損傷していることは少なく、ほとんどが首の神経が圧迫されたり、ダメージを受けたことによって発症しています。

そのため、しびれている箇所だけに施術をしても効果は少なく、首周りの筋肉をほぐしたり、伸ばしたり、温めるといった物理療法が適しているといえます」

むちうちの施術期間はどれくらい?

にしかわ鍼灸整骨院4

ーー むちうちの症状は、1回の施術で症状が緩和するものではないと思います。実際には、どれくらいの施術期間を目安に通院を続ければよいのでしょうか。

西川先生:
「当院では、体の調子が事故の前と変わらないくらいに回復するまでに、6ヶ月の期間を目標として施術を行っています。

基本的にむちうちは、3ヵ月以内に症状が緩和されることが多いとされています。しかし、交通事故の場合は、後から症状があらわれたり、体質が変わって頭痛やめまい持ちになることなども考えられます。

したがって、6ヶ月の余裕もって、施術期間に充ててるのがよいでしょう」

ーー そうなのですね。では、日常生活を送るうえで、症状が悪化しないように注意すべきことはありますか?

西川先生:
「症状の程度によりますが、首の筋肉や骨に過度な伸展や収縮をかけないようにしていただきたいです。

また、急性期を過ぎてもしびれがある場合、首や肩を冷やしてしまうと症状が悪化する恐れがあります。したがって、お風呂でしっかりと温めることも大切です」

むちうちが後遺症として残ってしまったら

首周辺が痛い女性

むちうちは後遺症になることもあります。したがって、しびれの症状が後遺症となってしまい、日常生活に支障をきたす場合もあります。交通事故によるむちうちが後遺症になった場合は、後遺障害等級認定を申請するのが一般的です。

後遺障害等級認定の方法

後遺障害等級認定とは、交通事故によって残ってしまった後遺症が1~14級のうち、どの等級に該当するかを認定するものです。

後遺障害等級認定を申請し、等級が認定された場合、被害者は後遺障害慰謝料逸失利益などを受け取ることができます。

ーー むちうちのしびれが後遺症になってしまったら、後遺障害等級認定でどの等級が認定されるのでしょうか。

西川先生:
「むちうちによる後遺障害の認定は、主に14級と12級になります。

簡単にいうと、14級は『レントゲンやMRIには異常がないが、神経症状があることを状況や症状により推定が可能である』、12級は『神経学的検査やレントゲン、MRIなどに神経症状の原因となる明確な異常所見がある』となります。

また後遺障害等級は、数字が小さい方が重度となりますので、12級の方が重い後遺障害が残ったと認定されたことになります」

後遺障害等級認定の申請方法とは?

後遺障害等級認定申請には、被害者請求加害者請求の2つの方法があり、自身で選択することができます。

ただし、被害者請求の場合、必要な書類の取得や作成を被害者自身で行うことになります。後遺障害等級認定は、書面主義で行われるため、書類の中で後遺障害が残っていることを証明しなければなりません。

後遺障害等級の認定に重要なポイント

ーー 後遺障害等級認定において、適切な後遺障害等級が認定されるためには、どのようなことに注意すればよいのでしょうか。

西川先生:
「後遺障害等級認定を申請するにあたっての最も大事なポイントは、『後遺症が残ってからではなく、初診の時から後遺症が残る可能性を考慮して施術を受けること』と『後遺障害等級認定の申請に詳しい先生のアドバイスを受けること』です。

整骨院では珍しいでのすが、にしかわ鍼灸整骨院には、交通事故に特化した顧問弁護士がいます。施術の分野だけでなく、保険会社への対応や請求・申請の部分でもアドバイスも行っています」

ーー それは患者様にとって心強いですね。他にも患者様がやっておく事やできる事はありますか?

西川先生:
「たくさんありますが、後遺障害等級認定の判断要素を簡単にあげておきます。

①できるだけ施術を早く開始し、完治に向けての努力をし、通院実績を残すこと
②レントゲンやMRIの画像診断、神経学的検査などの後遺症の根拠となるものを残すこと
③怪我が原因で事故前にできたことができなくなり、重篤性の高い現状の説明ができるか
④普段の通院時から一貫した症状を医師に伝えてあること
⑤症状固定後も施術の必要性があり、自費で施術を継続していること

上記以外にも、事故の規模も1つの考慮要素です。例えば、自動車が大きく変形しているといった大きな事故の場合、後遺症状が残る可能性が高いと判断されます」

ーー なるほど。5つの認定基準の中でも、特に重要な判断基準は何なのでしょうか。

西川先生:
「後遺障害等級の5つの判断基準の中でも、特に通院実績・重篤性・常時性は、重要なポイントとなります」

ーー 後遺障害等級認定の判断基準における、通院実績・重篤性・常時性とは、具体的にどのようなことなのでしょうか。

西川先生:
「例えば、適切な治療を受けたが、手に神経症状が後遺障害として残ってしまったと仮定します。この場合、しびれがあっても普通に手を使える状態より、物がつかめない程の状態の方が重篤性があるということになります。

また、気温や湿度の変化、仕事がない休日は症状がマシに感じることはよくありますが、特定の条件がある場合に限らず、常に手のしびれを感じる状態の方が、常時性があると判断されます。

さらに、仕事や事情があって『通院が月に1度しかできない』という場合もあるかもしれません。しかし、保険会社からすると『月に1度の通院で大丈夫な怪我はたいした怪我ではない』という認識になる可能性があるので、後遺障害等級認定の申請時に不利に捉えられるかもしれません。

なので、施術の開始時期や通院をできるだけ優先して考えてることが大切です」

交通事故後はしっかりと通院を

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ーー 最後に、交通事故の被害者や読者の方に向けて、何かメッセージをお願いします。

西川先生:
「交通事故でむちうちになった場合、しびれの症状があらわれることもあります。

むちうちのしびれは、肩から腕にかけてあらわれます。しかし、その多くは首の神経が圧迫されたり、ダメージを受けている状態です。しびれている箇所だけでなく、首から肩にかけての筋肉全体をほぐす・伸ばす・温めるといった物理療法を受けることをおすすめします。

また、むちうちは後遺症が残ることもあるので、その場合は後遺障害等級認定を申請することも大事です」

この記事を監修した先生

柔道整復師。

この記事の執筆者

交通事故病院編集部 ライター / A.M
専門学校卒業後は、フリーライターとして様々なジャンルの記事を執筆してきました。現在は交通事故や整骨院に関する知識を身につけるためにまだまだ勉強中ですが、ライターの経験を活かしてみなさんが読みやすい記事を提供していきます!

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