むちうちで発熱はある?ほかの症状や交通事故後の流れも解説!
監修記事
世良 泰
医師(整形外科他)
交通事故直後は痛みやしびれといった症状は出なかったのに、数日経つと首に違和感をおぼえ、発熱してしまった。このような症状が出て不安に思っていませんか?
この記事では、下記のような方に向けて書いています。
・交通事故後、数日たって発熱の症状がある方
・交通事故と関係があるか分からないが、交通事故後に発熱等風邪に似た症状がある方
・追突事故でむちうちのような首の痛み等と共に熱もある方
実は、交通事故の怪我で非常によく発生するむちうちには首の痛み以外にも様々な症状が出る事が分かっており、そのむちうち症状の一つに「発熱」も含まれています。この記事では交通事故後に発熱の症状が出た時にどこに通院すれば良いかや交通事故発生~通院の流れ等についても併せて説明しています。
今回は、交通事故後の発熱やむちうち症について、山手接骨院の岩下先生に解説してもらいました。
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目次
交通事故後の発熱もむちうちの症状?
むちうちは、交通事故の大きな衝撃によって、首周辺の筋肉や靱帯などが損傷して症状があらわれます。様々な症状があるむちうちは、発熱の症状があらわれることもあります。
むちうちの主な症状とは
むちうちは、主に以下のような症状が現れます。
- 首の痛み
- 肩の凝り
- めまい
- 耳鳴り
- しびれ
- 発熱
- 吐き気
- 聴覚障害 など
さまざまな症状があるむちうちは、5つに分類することができます。
岩下先生:
「むちうちは単純に首の痛みだけではなく、実に様々な症状を引き起こします。特に吐き気や発熱が有る場合は頚椎だけでなく体内の自律神経も損傷している、バレー・リュー症候群の可能性があります。例え軽微な事故でも体に受ける影響は想像以上のものです。
『むちうちって単純に首が痛くなるだけでしょ?』
『発熱や頭痛、吐き気、めまい等のそれらの症状は関係ない季節柄のものだろうからすぐに治るだろう』
と軽く考える方もいらっしゃいますがそれは絶対にお勧めできません。出来る限り安静にし、すぐに適切な医療機関を受診してください。
また、受傷してすぐでなくても後日症状が出る場合もありますのでその場合も必ず早めに受診された方が良いと思います」
バレー・リュー症候群
発熱の原因は、バレー・リュー症候群が考えられます。バレー・リュー症候群は、交通事故の衝撃が首の骨を通り越して、自律神経を傷めたときに生じます。これによって、体温調節機能が低下してしまい、微熱であったり発熱が起こります。
首の損傷による熱感の可能性もあり
人の体は、筋肉や靭帯など、どこかに損傷が生じると損傷部位を回復させるために「炎症」を起こします。
つまり、首を損傷したことで炎症が生じ、腫れや熱感を感じる場合があるのです。炎症の影響で、首の腫れや熱感だけでなく、体全体のだるさを感じることもあります。
炎症が起きている場合は、アイシングで症状を抑えることが大切です。湿布では効果があまり望めないため、氷を入れた袋や氷嚢を用いて冷やすようにしましょう。
むちうちの治療について
むちうちの治療は、「どこへ行けばいいの?」「どんな治療をするの?」と不安になっていませんか?
むちうちの治療について簡単に説明していきます。
むちうちは自然には治らない?
むちうちは軽い症状もあり、自然に治るかもと放置するという選択をする方がいるかもしれません。
しかし、むちうちは、自然に治るものではありません。
むちうちを放っておくと、症状が悪化したり、後遺症が残ることがあります。一度、病院(整形外科)へ行くことをおすすめします。
岩下先生:
「自然に治ることが絶対に無いとは言えません。治療をせずとも1~3ヶ月で症状が寛解(完治とはいえなけど、良くなっている状態)することもあります。
しかし交通事故に関しては、通常の怪我とは経過が大いに異なります。
具体的にいえば事故当時は体が興奮状態で痛みを感じないかまたは症状が軽く、時間が経つにつれてどんどん重篤になっていくことがあります。
『事故当時に痛みが軽く、このくらいなら自然に治ると簡単に考えていたら後々痛みが増し、しかしその時には事故から時間が経っているので事故との因果関係確認出来ないと言われ保険会社に治療を認められなかった』といった辛いケースも実際に数多く相談を頂きます。
そのような場合も当院は全力で治療のサポートをさせて頂きますが、治療費は患者様の自己負担になり満足な治療を提供できない場合もあります。
そうならない為にも、事故による体への影響を軽く考えず、すぐに医療機関を受診ししっかりと治療していくことがお体の為に必要だと思います。」
むちうちは薬だけで治る?
むちうちで処方される薬は、主に「痛み止め」です。痛み止めは、今ある痛みを抑制するものであり、傷めたところを治す薬ではありません。
もし痛み止めで症状が治ったという方は、自然治癒力の効果によるものだと考えられます。したがって、むちうちは薬で治ることはありません。
上記のことから、むちうちにはしっかりとした治療が必要なのです。
岩下先生:
「痛み止めや湿布はあくまで対症療法(症状に対しての治療)であり交通事故で痛めた部分の根本を治療するものではありません。
それでは元気になるとしても時間がかかってしまいますし、治らない場合もあると思います。
しっかりと原因から施術していくことが一日でも早い改善に繋がっていきます。
しかし痛み止めやシップが全て駄目というわけではありません。
急性期を過ぎて内部の炎症が落ち着いてくると筋緊張が痛みを引き起こし、痛みがまた筋緊張を引き起こすといった悪循環が起こる場合があります。
そういった場合当院では整形外科などで処方される痛み止めを薦める場合もあります。
やはり適切な医療機関、特に患者様に向き合い寄り添って治療プランを考えてくれる様な接骨院に相談されるのが良いかと思います」
むちうちの治療方法
具体的に、むちうちに対して行う治療は次の3つです。
- 物理療法
- 薬物療法
- 運動療法や手技療法
これらを整形外科や整骨院にて行います。症状が強い場合は、薬剤で症状を抑えながらできるだけ安静にします。
徐々に症状が落ち着いてきたら、状態に合わせて運動療法や手技療法で少しずつ動かしていくことが大切です。並行して、機器や道具を用いた物理療法で治癒を促すことも多くなっています。
薬物療法は、医師が在籍している整形外科でしか行えないため注意が必要です。
さらに具体的に整形外科と整骨院での治療方法を知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
関連記事交通事故のむちうち治療、どうすればいい?適切な通院や自宅での対処法とは
むちうちの通院期間と頻度は?
- むちうちの通院期間:だいたい3ヶ月
- むちうちの通院頻度:一般的には、2日に1回
むちうちは、軽度の症状から重度の症状まで様々です。
そのため、通院期間や通院頻度にも個人差があります。担当医と相談し、通院を続けていきましょう。
むちうちの通院先
むちうちの通院先は、基本的には自分自身で自由に選ぶことができます。
- 病院・整形外科
- 整骨院・接骨院
また、病院・整形外科と整骨院・接骨院を併用することも可能です。
併用することで相乗効果が期待でき、より充実した治療を受けることができますよ。
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交通事故後の流れとは
交通事故にあうことは、めったにないと思います。やはり、交通事故後の手続きを知らないと、不安になりますよね。
ここでは、交通事故後の流れを詳しく説明していきます。
被害者の場合
- 警察へ連絡する(※これは法律上の義務です。)
- 加害者の情報を確認する
- 自分の保険会社に連絡する(※自分が加入している保険の補償や特約を確認しておく。)
- 警察の事情聴取を受ける
- 通院を開始する
物損事故から人身事故に切り替える
交通事故による怪我の痛みは、後日あらわれることもあります。
そのため、物損事故のまま処理されている方もいると思います。物損事故のままだと、治療費や慰謝料を受け取ることができません。
物損事故から人身事故へ切り替える手順は以下の通りです。
ここで注意しておきたいのは、警察へ行く前に電話で連絡を入れておくということです。事前に連絡入れておくことで、手続きがスムーズにできます。
もし人身事故の切り替えができなかったら?
正当な理由があるにも関わらず、人身事故への切り替えができないこともあるかもしれません。
その場合、人身事故証明書入手不能理由書を保険会社に提出することで、人身事故と同じ扱いにすることができます。
しかし、警察に事故の届出をしていなかった場合は、人身事故証明書入手不能理由書を提出しても切り替えの申請をすることができません。
したがって、事故にあった場合は、必ず警察への届出を行うようにしましょう。
慰謝料は請求できる?
治療費などを含む慰謝料は、人身事故の場合のみ保障されます。
怪我人がいる場合は、人身事故と判断されます。したがって、先述したように、物損事故で処理している方は、人身事故への切り替えを検討しましょう。
交通事故の慰謝料とは
交通事故の慰謝料には、2つの種類があります。
入通院慰謝料
入通院慰謝料は、交通事故で入通院を強いられたことによる、被害者の精神的苦痛を補うものです。
後遺障害慰謝料
後遺障害慰謝料は、交通事故の怪我が後遺障害になってしまったことによる、被害者の精神的苦痛を補うものです。
後遺障害慰謝料は、後遺症が後遺障害の等級に該当しなければ、受け取ることができません。
慰謝料の請求方法は?
ここでは、「自賠責保険金の請求方法」と「後遺障害慰謝料の請求方法」を紹介していきます。
自賠責保険金の請求方法
被害者請求
加害者側から賠償が受けられないとき、加害者が加入している保険会社に、損害賠償額を直接請求することができます。
加害者請求
加害者がまず被害者に損害賠償金を支払い、そのあとで保険金を保険会社に請求することができます。
後遺障害慰謝料の請求方法
加害者請求(事前認定)
加害者側の保険会社に、後遺障害等級認定の申請を任せる方法
被害者請求
被害者自身が、後遺障害等級認定の申請を行う方法
関連記事交通事故で症状固定と言われたら?後遺障害も解説<弁護士監修>
むちうちは、しっかりと治療することが大事です
交通事故後の発熱は、むちうちによる症状の場合が多いです。
先程述べた通院先から、自由に選び治療を開始しましょう。むちうちの治療はしっかりと行い、症状を治してくださいね。
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この記事を監修した先生
この記事を監修したのは…
慶應義塾大学医学部卒。初期研修後、市中病院にて内科、整形外科の診療や地域の運動療法指導などを行う。スポーツ医学の臨床、教育、研究を行いながら、プロスポーツや高校大学、社会人チームのチームドクターおよび競技団体の医事委員として活動。運動やスポーツ医学を通じて、老若男女多くの人々が健康で豊かな生活が送れるように、診療だけでなくスポーツ医学に関するコンサルティングや施設の医療体制整備など幅広く活動している。「健康を通じて人々の夢や日常を応援すること」をミッションに2024年6月に池尻大橋せらクリニックを開院。
池尻大橋せらクリニックHP
https://sera-clinic.com/
日本整形外科学会専門医
日本内科学会認定内科医
公衆衛生学修士
International Olympic Committee Diploma in Sports Medicine
日本スポーツ協会公認スポーツドクター
日本医師会認定健康スポーツ医
日本整形外科学会認定スポーツ医
日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツ医
Performance Enhancement Specialist (National Academy of Sports Medicine)
Corrective Exercise Specialist (National Academy of Sports Medicine)
日本医師会認定産業医
ロコモアドバイスドクター
TWOLAPSチームドクター(陸上)
LADORĒメディカルアドバイザー
日本陸上連盟医事委員
AuB株式会社 顧問ドクター
株式会社富士急ハイランド 医療顧問
株式会社リハサク メディカルアドバイザー
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