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交通事故後の肩の痛み。それはむちうちかもしれません。

むちうちは、交通事故による怪我で最も多い怪我といわれています。むちうちの場合、首や肩の痛みなどの他、めまいや頭痛など、「風邪かな?」と勘違いしてしまう症状があらわれることも。そのため、「これって、むちうちなのかわからない…。」と悩んでしまうかもしれません。

そこで今回は、むちうちの症状や特徴、通院先、治療費などについて解説していきます。

むちうちとは

むちうちとは、交通事故やスポーツによる衝撃で首に不自然な力が加わり、筋肉や神経が損傷することで起こる怪我の総称です。首に力が加わる際に、首が(むち)のようにしなることから「むちうち」と呼ばれています。一般的には「むちうち」と呼ばれていますが、正式名称は頚椎捻挫(けいついねんざ)」や「頚部挫傷(けいぶざしょう)といいます。

悩む女性

「交通事故によって、手のしびれや頭痛、首の動きがが以前よりも狭まっていると感じたら、それは、むちうちの可能性を疑っていいと思います。
むちうちは、交通事故の強い衝撃で後ろから追突された時に、急に首が後ろに沿ってしまうことで、筋肉や神経、関節が傷ついて起こる損傷のことをいいます。辛さはその損傷度合いで変わっていきますし、後遺症になることもあります。とにかく上記のような症状が少しでも現れたのであれば、一度は医療機関に診断してもらい、記録を取っておくことが大切です。」

出典:東中野オルガン整骨院 山田先生

交通事故後、上記のような違和感を感じた場合、むちうちの可能性が高いでしょう。

また、むちうちの症状は、大きく5つに分類することができます。

  • 頚椎捻挫型
  • バレー・ルー症状型
  • 神経根症状型
  • 脊髄症状型

むちうちの主な症状

むちうちは、交通事故直後に症状があらわれるとは限りません。交通事故から10日ほど経った時に痛みがあらわれる場合もあるため、「この痛みは交通事故が関係しているの?」と疑問に思う方もいるかと思います。

交通事故後、以下のような痛みがあらわれたら、それはむちうちかもしれません。

  • 肩こり、首や肩の痛み
  • 手足のしびれ
  • めまい
  • 耳鳴り
  • 頭痛
  • 顔が痛い、表情が動かしにくい
  • 食欲不振、消化不良

それぞれの症状を、詳しく解説していきます。

首に痛みがある女性

肩こり、首や肩の痛み

交通事故で衝撃を受けると、シートベルトがロックされます。それにより、肩の筋肉や靭帯が傷つき、痛みが生じることがあります。

以下のような場面で、首や肩の痛み、肩こりのような症状があらわれると、むちうちの可能性が高いといえます。

  • 首を曲げたり回したりした時
  • 黙っていてもずっと重いような痛みがある
  • 普段は痛まないが、集中して作業をすると痛みだす
  • 肩や首が動かせない

むちうちになると、7~8割の人に上記のような症状があらわれるといわれています。

手足のしびれ

交通事故の衝撃で頚椎(首の骨)の並びがゆがんだ場合、手足にしびれが生じます。

両手足のしびれだけに限らず、片方だけにしびれがあらわれたり、動かしにくくなる場合もあります。

めまい

むちうちによってめまいが生じると、座っていても周りがグルグル回っているような感覚に陥ります。また、歩いている時や立っている時もフワフワと地面が安定せず、動いた瞬間に意識が遠のく場合もあります。

耳鳴り

耳の奥で「ザー」「ジー」といった音が鳴っているように感じます。脈を打つようなリズムで継続的に音が鳴り、「キーン」という音が聞こえるような気もします。耳鳴りが起こる原因の1つとして、交通事故の衝撃を受けたショックにより、耳の奥の筋肉が緊張状態になっていることが考えられます。

頭痛

交通事故後、頭が重い日が続いたり、疲れた時に頭痛が起こる場合は、むちうちの可能性が高いといえます。また、気候や気圧の変化によって頭痛がひどくなったり、頭の片側だけが脈打つように痛むこともあります。

顔が痛い、表情が動かしにくい

交通事故の衝撃によって頚椎の神経が圧迫されたり、脳の血行が悪くなった時に発症します。顔が痛み、表情が動かしにくくなることの他に、顔にベールが被さっているような気がしたり、喋るときに顔に違和感があらわれることもあります。

食欲不振、消化不良

交通事故後、以下のような症状があらわれた場合も、むちうちの可能性があります。

  • 空腹なのに食欲がわかない
  • 胃のあたりがムカムカする
  • 食後に胃がもたれる
  • 吐き気がする

一見、ただの風邪のように思えますが、むちうちによって胃腸に障害があらわれる場合もあるのです。

関連記事むちうちはどんな症状?治療方法や完治までにかかる時間

むちうちの通院先

むちうちの主な通院先は、以下の3つ。

  • 整形外科
  • 整骨院
  • 鍼灸院

整形外科

処方箋を持つ医師

整形外科では、医師が施術を行います。

治療内容としては、まずレントゲンやMRIの検査機器で精密検査を行い、骨に異常があるかを診ます。治療を受けても症状が緩和されない場合は、湿布や痛み止めの処方をしてもらえます。

湿布や痛み止めを使っても痛みが引かない場合は、ブロック注射を打ってもらうこともできます。
関連記事ブロック注射について

また、整形外科では診断書の取得をすることもできます。診断書は、「この怪我は交通事故による怪我」と証明するための大切な書類です。診断書の作成ができるのは、医師のみです。交通事故にあったら、まずは整形外科へ行き、診断書の取得をしましょう。

整骨院

マッサージをしている様子

整骨院では、柔道整復師が施術を行います。

柔道整復師は国家資格の1つで、整復法、固定法、後療法の手技を用いて施術を行う専門家です。

むちうちは、レントゲンやMRIには症状が写らない場合もあり、整形外科では異常なしと判断されてしまう場合があります。整骨院では、体に直接触れて施術を行うため、検査機器には写らなかった症状を見つけ、施術してくれる場合もあります。

整形外科へ通院を続けても痛みが緩和されない場合は、保険会社から了承を得てから整骨院へ転院するとよいでしょう。

鍼灸院

鍼治療

鍼灸院では、はり師ときゅう師が施術を行います。

施術内容としては、鍼や灸を使って、人間の体にあるといわれている約365以上のツボに刺激を与えます。刺激を与えることにより、血液やリンパの流れが良くなり、身体機能の回復が期待できるといわれています。

むちうちの治療費はどうなる?

お金

むちうちの治療にかかる費用は、損害賠償として加害者に請求することができます。
損害賠償とは、交通事故で様々な損害を受けた被害者に対して、加害者がその損害の埋め合わせをすることです。

被害者が加害者に対して請求できる損害賠償は、以下の3つ。

  • 積極損害
  • 消極損害
  • 慰謝料

むちうちの治療費や通院交通費などは、積極損害によって補われます。積極損害は、交通事による怪我が原因で入通院を強いられ、出費を余儀なくされた場合に発生する損害です。

むちうちは後遺症になることがある

ある程度の期間、治療を受けても症状が緩和されない場合、医師に症状固定と判断されてしまうことがあります。症状固定とは「治療を受け続けても、症状が良くなる見込みがない」状態のことです。むちうちの場合、約6ヶ月程度で症状固定と判断されるようです。

症状固定となった時点で、その怪我は後遺症となります。
後遺症になると、今まで支払われていた治療費や慰謝料は打ち切られてしまいます。

神経に痛みが走る

後遺症になった後にすべき手続きとは?

後遺症になった後も慰謝料を受け取りたい場合は、後遺症が後遺障害と認められ、さらに後遺障害等級が認定されなければなりません。
後遺障害等級とは、後遺障害に等級がついたもので、1級から14級まであります。後遺障害等級が認定されると、等級に応じて後遺障害慰謝料の支払いを受けることができます。

まず、後遺症が後遺障害と認められるには、5つの条件を満たす必要があります。

  • 交通事故による怪我が、今後生きていく上で完治する見込みがないこと
  • 怪我の症状が自賠責保険の等級認定に値すること
  • 交通事故の怪我により、労働力が低下してしまうこと
  • 交通事故と怪我との因果関係があること
  • 後遺症が医学的に証明または、説明されていること

後遺障害と認められたら、後遺障害等級認定の申請準備をしましょう。

人差し指を立てる女性

後遺障害等級認定の申請準備としてすべき事は、2つ。

  • 症状固定まで通院を続ける
  • 医師に後遺障害診断書の作成を依頼する

症状固定と判断されないと、後遺障害等級が認定される可能性はほぼないに等しくなります。自己判断で通院を中止することなく、医師に症状固定と判断されるまで、しっかりと通院を続けるようにしましょう。

また、症状固定と判断されたタイミングで、医師に後遺障害診断書の作成を依頼します。
後遺障害診断書を作成してもらう際は、自覚症状を正確に伝え、記載された内容を自身でも確認することが大切です。

むちうちの後遺障害等級認定の申請方法

むちうちで後遺障害等級認定を受けるには、申請手続きを行う必要があります。
後遺障害等級認定の申請方法は、以下の2つ。

  • 加害者請求
  • 被害者請求

ハートを持った医師

加害者請求は、加害者側の保険会社に、後遺障害等級認定の申請手続きをすべて任せる方法です。被害者は、手続きの手間を省くことができますが、どのような手続きが行われているのかを知ることはできません。

被害者請求は、加害者側の保険会社に、被害者自身が後遺障害等級認定の申請を行う方法です。すべての手続きを行わなければいけないため手間はかかりますが、自分にとって有利に手続きを進めることができます。

むちうちによる肩の痛みについてのまとめ

交通事故の瞬間

交通事故による怪我で、むちうちは最も多い怪我といわれています。むちうちの症状は、首や肩の痛み、肩のコリだけに限らず、頭痛や吐き気、体のだるさなど、風邪と勘違いしてしまうような症状もあります。

通院先に迷った際は、交通事故病院相談窓口へお問い合わせください。交通事故に詳しい専門スタッフが、怪我の症状に適した通院先をご紹介いたします。

この記事の執筆者

交通事故病院編集部 ライター / A.M
専門学校卒業後は、フリーライターとして様々なジャンルの記事を執筆してきました。現在は交通事故や整骨院に関する知識を身につけるためにまだまだ勉強中ですが、ライターの経験を活かしてみなさんが読みやすい記事を提供していきます!

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