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軽い追突事故の後に頭痛を感じるのはなぜ?原因と治療について解説

監修記事

柿野 俊弥

理学療法士

軽い追突事故で頭部を打ち、痛みや不調があらわれて辛い思いをされていませんか?事故後の痛みはむちうちが多いとされていますが、頭部を打ち、頭痛がある場合は、脳挫傷などの脳の異常である可能性もあります。

この記事では、追突事故後の症状の原因や診療先について解説します。

交通事故後の頭痛の原因について

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軽い追突事故による頭痛の原因は、次の3つがあります。

  • むちうち
  • 頭部の打撲・脳挫傷
  • その他

それぞれ詳しく見ていきましょう。

むちうち

追突事故後、頭痛以外に首・腰にも痛みを感じていたり、頭痛や吐き気といった症状があらわれていたりするなら、むちうちが原因かもしれません。

むちうちは、事故の衝撃で首が揺さぶられることで発症します。むちうちで頭痛が生じるのは、頭部への血流低下が原因です。また、血流低下を引き起こす原因は次の2つが考えられます。

  • 首や肩まわりの筋肉の過緊張
  • 神経の異常

首や肩まわりの筋肉が過度に緊張したり、自律神経の異常で交感神経が優位になったりすると、脳への血流が低下し、頭痛を引き起こす場合があります。

むちうちと頭痛に関して、より詳しく知りたい方は下記記事を参考にしてみてください。
関連記事むちうちで頭痛が起こる?原因・症状~治し方まで易しく解説

頭部の打撲・脳挫傷

追突事故によって直接頭部に衝撃が加わった場合は、打撲や脳挫傷によって頭痛が生じることがあります。症状として、腫れや傷によるズキズキとした痛みだけであれば、打撲が原因だと考えられます。ただし、吐き気やめまい、浮遊感なども伴っている場合は、脳挫傷をはじめとする脳の異常が疑われます。心当たりのある方は、早急に病院を受診しましょう。

その他考えられる原因

むちうちや頭部の損傷以外にも、精神的ショックで頭痛を引き起こすことがあります。原因は分かっていませんが、心の不安や緊張に伴い、神経が過敏になることが1つの原因だと考えられています。精神的な病気を例に挙げると「うつ病」や「統合失調症」などでも頭痛の症状が出ます。つまり、心と頭痛は関係しているため、身体的に問題がない場合は、精神面に異常をきたしている可能性があります。心配な方は、精神科の受診をおすすめします。

むちうちについて

首の痛みに苦しむ女性

むちうちは、頚椎捻挫型やバレー・ルー症候群といった型に分けられます。まずは、それぞれの型について説明していきます。

頚椎捻挫型

むちうちの痛みに悩まされている方の70~80%が、頚椎捻挫型と診断されています。頚椎捻挫型は、交通事故の衝撃による椎間板や靭帯の損傷が原因のむちうちです。特徴としては、肩や首に寝違えたような痛みがあらわれるほか、肩こりと似た症状を伴います。

主な症状:肩や首の痛み、肩・背中のコリ、首の運動制限、頭痛

バレー・ルー症候群

バレー・ルー症候群は、頚部交感神経の過緊張や椎骨動脈の循環障害により発症するといわれていますが、正確な原因は解明されていません。
型の中でも頭痛に悩まされる方が多くみられるのが特徴です。また、首や肩の痛み、めまい、耳鳴りなどの症状を伴う頚椎捻挫型と併発し、慢性化する傾向があります。

主な症状:頭痛、後頭部・うなじ付近の痛み、めまい、耳鳴り、耳詰まり、食べ物が飲み込みにくくなる、息苦しさ、腕のしびれ

脳脊髄液減少症

脳脊髄液減少症は、頚部から肩甲部にかける感覚に障害が生じる可能性があります。ほかにも、記憶や認知する能力が低下する脳機能障害があらわれることもあります。

万が一、上記のような症状に身に覚えがある場合は、首以外にも脳や脊髄を損傷している可能性があります。

主な症状:頭痛、吐き気、めまい、肩こり、しびれ、記憶や脳の障害

頭部の打撲

軽い追突事故により、頭部を打つことがあります。頭部を打った場合、上記の症状に加え重度の病気を発症している可能性が考えられるため、2つの可能性について説明します。

脳震盪

脳震盪は、比較的に柔らかいものとぶつかり、頭部や顎付近に長時間の衝撃を受けたことで、神経伝達物質が過剰放出され起こる可能性があります。

症状としては頭痛や吐き気、めまいなどの症状があらわれます。また、意識消失や記憶力の低下といった、日常生活に支障をきたすような重度の症状に悩まされることも珍しくありません。

脳挫傷

脳挫傷は頭部を強打した場合、脳組織が破壊されてしまうことが原因で発症します。

症状としては、吐き気や頭痛といった症状のほか、半身の麻痺や感覚障害、言語障害、意識障害、けいれん発作といった重度の症状があらわれることもあります。

追突事故にあったら行くべき病院

医師と相談

「軽い追突事故だったから…」と病院に行かない方も少なくありません。しかし、むちうちや脳の損傷など、将来にも影響してくるケガをしている可能性もあるため、交通事故にあった場合は必ず病院に行きましょう。

被害者ご本人は、自覚症状がなく「病院なんて大袈裟」という方もいらっしゃるかと思いますが、気付かずに損傷を受けている場合があります。また、症状は事故直後ではなく、数日経過した頃にあらわれることもあります。

実際に症状があらわれた場合、どの診療科を受診すればいいのでしょうか?ここからは診療科について解説していきます。

脳神経内科

整形外科に受診したけれど、原因がわからなかったり、むちうちではなく頭部外傷が疑われたりする場合には、脳神経内科を受診しましょう。

脳神経内科では、CTやMRIなどの画像診断で脳の異常を調べられ、何か異常が見つかればすぐに対処してもらえます。ただし、脳神経内科で対応できるのは手術以外での治療です。手術が必要な場合は、医師の判断で脳神経外科を紹介してもらえます。

脳神経外科

脳神経内科でも原因がわからなかったり、手術が必要な損傷だとわかったりした場合には、脳神経外科を紹介されます。

脳や脊髄、神経といった神経系全般の症状に対して治療を受けることができます。

医療費について

病院と街並み
治療を進めていく上で、治療費の支払いが一番の気掛かりではないでしょうか。

実は病院との関係上、治療費の支払い義務は被害者側にあります。
そのため、先に治療費を立て替え、後から加害者に対して請求する形になります。

後から請求できるといっても、一度は自分で負担しなければいけないため、被害者からすればお金の心配がありますよね。

加害者が任意保険に加入している場合、治療費を加害者側の保険会社から治療機関に直接支払いができる一括対応というものがあります。一括対応により、被害者の窓口負担がないため安心して治療を受けることができます。

健康保険は使用できる?

交通事故でも健康保険を使うことは可能です。

ただし、病院に対して健康保険証を呈示し、健康保険を使う意思を伝えることが重要になります。

使う意思を伝えたとしても、健康保険使用を拒否されたり、一括対応に応じてくれない場合も少なくありません。そのため、健康保険を使用して通院をしたい場合には、弁護士に相談してみるのもよいでしょう。

仮渡金制度について

交通事故の被害にあった場合、被害者は加害者に損害賠償を請求することができます。

ただし受け取れるのは、交通事故から数ヶ月以上経過してからです。長期間受け取ることができない場合、被害者は金銭に困ってしまう可能性もあります。

このような事態に備えて、自賠責保険の仮渡金制度があります。

仮渡金制度を利用すると、示談交渉が成立する前の段階で、先に損害賠償額の一部の受け取りが可能です。後日、損害賠償額が確定した際に、先に受け取った金額が差し引かれる仕組みになっています。

まとめ

交通事故後の症状は事故の大きさや人により度合いは様々ですが、すぐに整形外科を受診しましょう。事故による症状は、時間が経過してからあらわれることも多くあります。

また、軽症だからと安心していても、実は脳震盪や脳挫傷を起こしている可能性もあるため、事故で頭部を打っているのであれば、脳神経内科や脳神経外科で検査をしてもらいましょう。

この記事を監修したのは…

理学療法士として、回復期病院で脳血管疾患を中心にリハビリテーションを経験。その後、フリーライターに転向。医療・健康分野をはじめ、地域・観光、転職関連などの幅広いジャンルの執筆を行っている。

この記事の執筆者

理学療法士 / 柿野 俊弥
理学療法士として、回復期病院で脳血管疾患を中心にリハビリテーションを経験。その後、フリーライターに転向。医療・健康分野をはじめ、地域・観光、転職関連などの幅広いジャンルの執筆を行っている。

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