肋骨の打撲と骨折の違いとは?症状や治療内容を詳しく解説
監修記事
福山 泰平
医師(整形外科他)
交通事故や転倒で肋骨をぶつけてしまい、病院に行くべきかどうか悩んではいないでしょうか。
基本的にそれほど痛みがない場合でも、病院を受診した方がよいです。
この記事では、肋骨の打撲と骨折について触れた後、治療内容や生活上での注意点を解説します。
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目次
肋骨の打撲と骨折の違い
打撲と骨折は、何らかの衝撃を受けることが原因である点は同じです。肋骨の打撲と骨折で異なる点は、損傷箇所と症状になります。
これから詳しく見ていきましょう。
打撲の場合の症状
肋骨の打撲は、衝撃によって肋骨周囲にある筋肉や血管などの皮下組織が損傷する怪我です。胸を打ち付けた部位に痛みやあざ、腫れが見られます。
軽傷の場合は狭い範囲にこれらの症状が認められ、軽く動かす程度であれば可能です。重度の打撲では、動かせないほど痛みが強い場合があります。
症状は一般的に、1〜2週間程度で落ち着きます。
骨折の場合の症状
肋骨骨折の症状は、次の通りです。
- 骨折部位または周囲の圧痛や腫れ、熱感
- 呼吸に伴う痛み
- 身体を反らすまたは捻る動作に伴う痛み
- 軋んだ音がする
上記に加え、骨折した骨が周囲にある肺などの内臓を損傷し、それに応じた症状を発生させる場合があります。
緊急性のあるケースもあるため、早めの受診が大切です。
肋骨の打撲または骨折の場合の治療内容はほぼ同じ
ここからは肋骨の打撲と骨折の治療について解説します。どちらも治療内容としてはほとんど同じで応急処置として「RICE処置」を行った後、痛みの程度によって内服やバンドでの固定などの治療を行います。
それでは詳しい治療内容を見ていきます。
応急処置としては圧迫し安静にすること
交通事故や転倒で肋骨をぶつけた際は、すぐに「RICE処置」を行います。
RICE処置とは、外傷を受けた際の応急処置で、Rest(安静)、Ice(冷却)、Conpression(圧迫)、Elevation(挙上)の4つを行います。打撲、骨折のどちらであってもはじめにRICE処置が必要です。
肋骨を骨折している場合は特に「安静」が大切になります。
折れた骨が肺に刺さってしまい呼吸困難に陥るリスクがあるため、動かさないようにしましょう。
痛みが軽度なら痛み止めの内服と湿布などで経過観察
痛みが軽度なら、痛み止めの内服や湿布の処方にて経過観察の場合が多くなっています。処方は、痛みの程度で異なります。
例えば、軽度の痛みに対して「NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)」に分類されるカロナールやセレコックスなどが処方されます。
強い痛みの場合は、オピオイド鎮痛薬に分類されるオキシコドンやヒドロコドン、ステロイド性抗炎症薬に分類されるプレドニゾロンなどが処方されます。
痛みがやや強い場合はバンドで圧迫固定も
痛みがやや強い場合は、バンドで肋骨を圧迫して固定する場合があります。呼吸には肋骨周囲の筋肉が主に活動し、肋骨の動きが伴います。
そのため、痛みが強いと負担がかかるためバンド固定にて痛みの軽減を図るのです。
注意点として、バンドでの圧迫固定を行う場合は医師の指示を仰ぎましょう。市販で販売されているものを購入し、自身でバンド固定を行うと症状を悪化させるおそれがあります。
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肋骨の打撲や骨折を放置すると合併症のリスクが高まる
肋骨を打撲または骨折した場合、すぐに病院を受診して治療を受けましょう。放置すると合併症のリスクが高まります。
骨折の場合は、肺や肝臓、脾臓など周囲にある組織を損傷させる場合があります。打撲であっても油断は禁物です。
打撲を放置すると、治癒までの期間が長くなったり、傷跡が残ったりします。また、打撲だと思っていても骨折している可能性があるため、すぐに病院を受診しましょう。
POINT
肋骨骨折の症状を再確認
・骨折部位または周囲の圧痛や腫れ、熱感
・呼吸に伴う痛み
・身体を反らすまたは捻る動作に伴う痛み
・軋んだ音がする
関連記事交通事故で症状固定と言われたら?後遺障害も解説<弁護士監修>
肋骨の打撲または骨折時における生活上の注意
ここからは肋骨を打撲または骨折した際に生活上で注意すべきことを紹介します。
注意すべき点は、以下の2つです。
- 入浴は避けてシャワーのみにする
- 痛みが出る動作は控える
入浴は避けてシャワーのみにする
打撲、骨折ともに発生時は炎症が生じています。その中で入浴をすると炎症が促進され、腫れや痛み、熱感が悪化するおそれがあります。炎症が収まるまでは入浴は避けてシャワーのみにしてください。
炎症がおさまっていれば、逆に入浴はメリットになり得ます。代謝や血液の循環を促進し、打撲または骨折の回復が促進されます。
入浴に切り替えてもよいタイミングがわからない場合は、医師の指示を仰ぐとよいです。
痛みが出る動作は控える
身体を捻ったり反らしたりする動作は、できるだけ控えてください。痛みの出る動作を繰り返すと、痛みが長引く可能性があります。
痛みが長引くと血流の悪い状態が続くことになり、「痛み」を出す物質が分泌されやすい状態となります。そうなるとさらに血流が悪くなり、悪循環に陥ってしまいます。
悪循環に陥るのを避けるためにも、生活するうえで痛みが出る動作は行わないようにしましょう。しかし、安静にしすぎると身体が固くなってしまうので、痛みのない範囲で身体を動かすことは大切です。
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まとめ
交通事故では、肋骨の打撲や骨折を招くことがあります。打撲または骨折を生じた場合は、すぐにRICE処置を行いさらなる悪化の予防が大切です。
病院の受診後は、症状に応じて内服の処方やバンドでの圧迫固定などの処置が行われます。病院を受診せずに放置すると合併症を生じる場合があるため注意してください。
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この記事を監修したのは…
品川大井町整形外科・リハビリクリニックの院長。これまで交通事故患者の受け入れ実績は1000件以上。交通事故の怪我の治療やリハビリにも力を入れている。交通事故の怪我の治療はもちろん、後遺症や事故後の手続きなどの相談も可能。
品川大井町整形外科・リハビリクリニック
https://shinagawa-oimachi-seikei.clinic/
資格:
日本整形外科学会認定 整形外科専門医
日本整形外科学会認定 リウマチ医
日本整形外科学会認定 リハビリ医
日本運動器科学会 リハビリ指導医
経歴:
神戸大学医学部 卒
神戸大学医学部大学院(医学系研究科) 卒
大阪大学医学部大学院(医学系研究科)特別研究生
M. D. & Ph. D.
神戸大学医学部附属病院
神戸労災病院
三菱神戸病院 など
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