首コルセットを寝るときに外すのはNG?正しい使い方と注意点
監修記事
河野 裕也
理学療法士
交通事故によるむちうちを患った場合、首のコルセットを処方されることがあります。正しく使用することで首の痛みの改善が期待できます。
しかし、いつまで使用すれば良いのかわからなかったり、汗で蒸れたり呼吸がしにくかったり動きが制限されたりと首のコルセットを煩わしく感じる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は首のコルセットの効果や外すタイミングなどについて解説します。
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目次
首のコルセットは寝るときに外す?
むちうちの場合、コルセットの目的は首の安静を保持することになります。頭の重さによって首に負担がかかるためコルセットで頭の重さを支えます。
特に下を向くような姿勢をとると首の椎間板の内圧が上昇し、線維輪という椎間板のドーナツ状の組織に亀裂が入ることで首に痛みが生じます。寝るときは頭の重さが首に加わることが少ないため基本的には外しても問題はありません。
しかし、使用する期間やタイミングなどは症状や治療計画に基づいて医師によって決定されるので場合によっては夜間もコルセットを着用する必要があります。そのため、自己判断ではなく担当の医師にしっかりと確認することが重要です。
関連記事むちうちの痛くない寝方とは?首の負担が少ない寝姿勢を解説
そもそも首のコルセットとは
首のコルセットは首部分のサポートや安定性を提供するために使用される装具です。頚椎骨折や脊髄損傷を患った場合、首の安静が保てずに動いてしまうと頚椎の中を通っている脊髄に負担がかかりより重篤な状態となってしまう可能性があります。
そのため、首の動きが入らず安静を保持できるようにするために首のコルセットが処方されます。頚椎骨折や脊髄損傷以外にむちうちでも処方されることがあります。むちうちでは頚椎周囲の筋肉や靭帯、関節包などに炎症が生じます。
コルセットによって首の動きを制限することで首の安静を保持し、炎症を抑えることができます。また、頭の重さを首ではなくコルセットが支えてくれるためより安静を保持しやすくなります。
交通事故のむちうちは首のコルセットが必要
首のコルセットはむちうちの症状(首の痛み、こり、頭痛、腕のしびれ、めまい、吐き気など)の治療や緩和に使用されます。
頭の重さは約4〜5kgあり、それを首で支えているため、普段から首には多少の負担がかかっています。むちうちにより頭を支える首の組織が損傷し炎症を起こすと頭の重さにより負担がかかり続け、炎症を抑えることが難しくなり回復が遅くなってしまいます。
そのため、首をサポートするコルセットが必要となります。
首のコルセットを外すタイミング
首のコルセットは正しい使用方法によって症状の緩和や回復を早めることが可能です。しかし、間違った使用方法では症状の回復を遅らせてしまう場合もあります。
特にコルセットを長期間持続的に使用していることのデメリットは大きいため注意が必要です。
1週間以内が目安
首のコルセットを使用するのは受傷後1週間程度が目安になります。むちうちでは首の筋肉や靭帯、関節包などが損傷され炎症が生じます。
炎症が落ち着くまでに数日から1週間程度要するため、炎症を長引かせないようにその期間は首の安静が必要となります。この受傷から炎症が落ち着く期間の急性期には首をサポートするコルセットが役立ちます。
急性期以降では徐々に首を動かしていく必要があるため首のコルセットは外します。
長期間は使わない
首のコルセットは首をサポートするため、長期間使用すると首周囲の筋力の低下が生じる可能性があります。また、首を固定していることで血流が悪くなり痛みを誘発するプロスタグランジンやブラジキニンといった疼痛誘発物質が溜まり痛みを増悪させることもあります。
首の可動域の制限も見られやすくなり2次的な問題を引き起こす可能性があるため、首のコルセットは1週間程度を目安にして長期間は使用しないことが重要です。
コルセットなしも検討する
首のコルセットはあくまでむちうちにより損傷した組織の炎症を回復させるために首を安静に保つことを目的に処方されます。しかし、過度に安静を保つことで筋力の低下や可動域の低下、血流不良による痛みの誘発などコルセットによるデメリットもあります。
症状が軽度であればコルセットをしない方が回復が早まる可能性もあります。そのため、医師や専門家に相談し、コルセットを使用するべきかどうかを検討しましょう。
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首のコルセットを寝るときに外す際のポイント
首のコルセットは首にかかる頭の重さを軽減させ負担を減らす作用があります。寝るときには基本的に頭の重さがかからないためコルセットは外しても大きな問題はありません。
しかし、寝返りを打った際に首に強い痛みが出る場合にはコルセットをつけたまま寝ることも検討しましょう。
首を曲げない
首の負担を減らすためになるべく下を向くような首を曲げる動作や姿勢に注意しましょう。首を曲げることで首の骨の間にある椎間板の圧縮力が増大し痛みが強く出現する場合があります。
また、頭を支えるためには頭の直下に身体があるような姿勢が理想的です。下を向くことで頭が身体より前に位置し、身体から離れてしまいます。
頭が前に出てしまうと頭を支えるために首の筋肉は過剰に働かなければならなくなります。そのため、良い姿勢を意識して首を曲げないように過ごすことが重要です。
体全体で動く
首に捻れるような動きが入ることでも負担がかかります。特に後ろに振り向く動きや寝返りの動きの際に首だけで動くことで首に回旋が加わり捻れが生じます。
特に首は回旋の動きが大きい部位であるためより負担がかかりやすくなります。
POINT
受傷直後の急性期の場合
受傷直後の急性期の場合では首に負担がかからないようにして炎症を早く抑えるために首と肩、腰、足を一緒に動かすようにして首に捻れが入らないように注意する必要があります。
枕は適切な高さにする
首の負担を考慮して枕の高さも調整する必要があります。枕は高過ぎても低過ぎても首の骨や筋肉に負担がかかります。首のカーブにあわせて首と布団の間に隙間ができないように調整をします。
寝ていて首に違和感があったり、朝起きると首に痛みがあったりする場合は枕の高さが合っていない可能性があります。個々の体の状態や寝る姿勢によって適切な枕の高さが異なります。
また、枕の材質や形状によっても首の負担が異なりますので専門家に一度相談することをお勧めします。
関連記事腰痛でも寝るときはコルセットを外すべき?正しい使い方を医師が解説
【補足】むちうちの後遺障害認定
むちうちを患った場合、症状が完全に回復せずに残ってしまう可能性があります。症状が残ってしまう場合には後遺障害認定を受けることができます。
後遺障害認定は区分により補償内容が異なります。
より補償の大きい区分では痛みが持続しているというだけでは不十分であり、医学的に障害の存在が証明できなければなりません。
具体的にはMRI検査などの画像所見や医師による神経学的検査(知覚障害、深部腱反射の異常、筋力低下など)が必要となります。また、受傷から一定期間(一般的には6ヶ月程度)通院し、症状に一貫性があり持続的なものであることが重要となります。
そのため、自己判断で治療を中断したり、通院を辞めたりしないようにしましょう。
交通事故に関して不安があれば相談してください
今回は首のコルセットの効果や外すタイミングなどについて解説してきました。交通事故によるむちうちの症状や程度は個々によって異なりコルセットの処方についても個人差があります。
正しい使用方法によって症状の緩和や回復を早めることが可能です。そのため、医師や専門家にコルセットの正しい使用方法を確認することが重要です。
交通事故によるむちうちでは通常と異なる手続きや症状が長引き後遺症として残ってしまう可能性があり不安を感じる方も多いと思います。不安がある場合には医療機関へ問い合わせをしましょう。
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この記事を監修したのは…
国家資格である理学療法士として、約10年間整形外科クリニックで一般の患者様からスポーツ選手の身体のケアに携わり、その後理学療法士の養成校の教員として身体の仕組み、治療技術などについて学生に講義を行っています。早稲田大学大学院スポーツ科学研究科にて修士取得。
この記事の執筆者
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