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首のむちうちの治し方|自宅で治療する方法はある?

交通事故でむちうちになってしまったら、まずは医療機関へ行き、怪我の状態を診てもらいましょう。

しかし、仕事やプライベートの予定が忙しいと、受診したくてもできないことがあるのではないでしょうか。

「せめて自宅で治療する方法があったら…」と考える方もいるかと思います。

そこで今回は、むちうちの通院できない期間に気を付けることやセルフケアなどをご紹介いたします。

むちうちとは

むちうちの正式名称は?

むちうちとは、交通事故やスポーツなどの衝撃で首に不自然な力が加わり、筋肉や靭帯が損傷することで起こる怪我の総称です。

首に力が加わる際、首が鞭(ムチ)のようにしなることから、「むちうち」と呼ばれています。
一般的にはむちうちと呼ばれていますが、正式名称は頚椎捻挫(けいついねんざ)頚部挫傷(けいぶざしょう)外傷性頚部症候群(がいしょうせいけいぶしょうこうぐん)といいます。

「軽い追突なら怪我も軽傷である」と安易に考えてしまう方が大勢いますが、そんなことはありません。交通事故の衝撃は、滅多に受けないものですよね。例えば、ラグビーやアメフトといったスポーツをされてる方でも、試合中はかなりの力で衝突しますが、衝突するときは脳が予測して、体を構えてくれるんですね。人間、予測ができればある程度の防御反応はできるものです。それが交通事故のように突然来られると、脳が予期できないので構えられないんです。関節に、直接的に衝撃が入ってしまいます。

出典:じん鍼灸整骨院インタビュー記事より

このように、軽い追突事故でもむちうちになることもあるのです。したがって、「むちうちの症状かも・・・。」と思ったら、すぐに病院へ行くようにしましょう。

むちうちの種類別症状

むちうちには、いくつかの種類があり、それぞれで症状が異なります。

  • 頚椎捻挫型(けいついねんざがた)
  • バレー・ルー症状型
  • 神経根症状型(しんけいこんしょうじょうがた)
  • 脊髄症状型(せきずいしょうじょうがた)

一つひとつの症状を詳しく見ていきましょう。

頚椎捻挫型

頚椎捻挫型とは、交通事故の衝撃によって首の筋肉や靭帯が傷ついた場合に発症します。いわゆる「首の捻挫」です。交通事故でむちうちになった7~8割の人が、頚椎捻挫型になるといわれています。

頚椎捻挫型の主な症状は、以下の通りです。

  • 首や肩、背中が痛む
  • 肩や背中がこっているような感覚になる
  • 首や肩が動かしにくくなる

バレー・ルー症状型

交通事故による衝撃は、首の骨を通り越し、自律神経を傷つけることもあります。バレー・ルー症状型は、交通事故による衝撃で自律神経のバランスが崩れた場合に発症します。

バレー・ルー症状型の主な症状は、以下の通りです。

  • めまい
  • 息苦しさ
  • 耳鳴り
  • 頭痛(特に後頭部)

神経根症状型

神経根症状型は、交通事故による衝撃で首の骨にゆがみが生じ、神経の根本部分が損傷されることで発症します。

神経根症状型の主な症状は、以下の通りです。

  • 腕の痛みやしびれ
  • 体のだるさ
  • 首の痛み
  • 顔面の痛み

脊髄症状型

脊髄症状型は、交通事故による衝撃が神経だけではなく、脊髄まで損傷された場合に発症します。むちうちの症状の中で最も重いとされていて、後遺症になる可能性が高いといわれています。

脊髄症状型の主な症状は、以下の通りです。

  • 下肢のしびれ
  • 知覚障害
  • 歩行障害
  • 排泄が困難になる

むちうちには2つの特徴

むちうちには、以下のような2つの特徴があります。

  • 事故後すぐに痛みがあらわれない
  • むちうちの症状には2つの期間がある

事故後すぐに痛みがあらわれない

むちうちが交通事故後すぐに痛みとして現れないことがある理由は?

▲むちうちの症状が事故後すぐに出ない理由

むちうちによる痛みは、交通事故後すぐにあらわれるとは限りません。交通事故の直後は、身体が興奮状態にあるため、痛みに気づかない場合があるからです。そのため、事故直後に痛みがなくても、数日後に痛み出すことがあります。

また、事故直後に痛みがなかったため、物損事故で処理してしまったという方は、人身事故への切り替えを行うようにしましょう。物損事故で処理したままだと、被害者は怪我に対する損害賠償を受け取ることができません。損害賠償については、別の章で解説します。

むちうちの症状には2つの期間がある

むちうちの急性期と慢性期

▲むちうちの急性期と慢性期における対処法の違い

むちうちの症状には、2つの期間があります。

  • 急性期
  • 慢性期

それぞれの内容をしっかりと把握し、適切な処置をとるようにしましょう。

急性期

急性期は、交通事故によって損傷した部位が炎症を起こし、熱を持っている時期です。むちうちになった直後から、1ヶ月程度続くといわれています。

急性期は、とにかく安静を保つということが重要です。無駄な動きをしたり、無理に刺激を与えることで症状が悪化してしまうことがあります。安静を保つため、コルセットを使用しても良いでしょう。また、損傷部分が熱を持っているので、お風呂への入浴はシャワー程度で済ませるようにしましょう。

関連記事自宅のフェイスタオルをコルセットととして使用する方法

慢性期

慢性期は、交通事故によって損傷した部位の炎症が治まり、長期的な治療・施術と向き合う時期のことをいいます。

慢性期は、長期的な治療・施術と向き合う時期のため、コルセットでの固定は終了してよいでしょう。マッサージや運動療法などを受け、血流を良くするということが大切です。

お風呂にゆっくりと浸かり、温めることも効果的です。マッサージは整体院でも受けることができますが、保険適用外の施術になるため通院は避けたほうがよいでしょう。また、自身でマッサージをしたりせず、専門的な技術を持った整骨院での施術を受けるようにしましょう。

むちうちの通院先

様々な症状があらわれるむちうちは、治療期間の目安が3ヶ月となっています。そのため、長く通院することになります。通院先を選ぶ際は、自分のライフスタイルや症状に合わせて、通院先を選ぶことをおすすめします。

交通事故のむちうちの主な治療先(病院・整形外科、整骨院・接骨院)

▲交通事故のむちうちの主な治療先

では、交通事故でむちうちになった場合、どこへ通院できるのでしょうか。
むちうちの主な通院先は、2つ。

  • 整形外科
  • 整骨院

それぞれの医療機関で、受けられる治療・施術内容が異なります。

関連記事むちうちの治療について

整形外科

整形外科では、医師が治療を行います。
レントゲンやMRIで骨の異常を検査し、必要な場合は手術をします。治療を受けても痛みが引かない場合は、痛み止めや湿布の処方もしてくれます。

また、整形外科は交通事故にあったらまず行くべき医療機関です。なぜなら、整形外科では診断書の取得ができるからです。診断書は、「この怪我は交通事故による怪我」と証明するための大切な書面です。診断書がないと人身事故への切り替えもできませんし、保険金の請求をすることもできなくなります。

交通事故にあったことによって怪我を負ったということを証明するためにも、交通事故後は整形外科で診断を受け、診断書の取得をするようにしましょう。

検索【全国】交通事故の治療に特化した整形外科を探す

整骨院

整骨院では、柔道整復師が施術を行います。
柔道整復師は国家資格の1つで、整復法・固定法・後療法の3つの手技を用いて施術を行う専門家です。
関連記事整復法・固定法・後療法について

むちうちは、骨の損傷というよりは、筋肉や靭帯が損傷しているため、レントゲンやMRIには症状が写らない場合があります。そのため、整形外科では異常なしと判断されてしまうことがあります。

整骨院では、身体に直接触れて施術を行うため、整形外科では見つけることができなかった症状を見つけ、施術してくれる場合があります。

また、整骨院によっては夜遅くまで営業していたり、土日も受け付けているところもあります。時間的に整形外科への通院は難しい、整形外科へ通院を続けても痛みが引かない、という場合は、保険会社から許可を得てから整骨院へ転院するとよいでしょう。

関連記事【全国】交通事故の施術に特化した整骨院を探す

むちうちは自宅で治療できる?

自宅

「仕事が忙しくてなかなか通院できない!」「プライベートの予定が詰まりすぎていて今週も通院できなそう…」という理由で、「むちうちを自宅で治療できたらいいのに…」と考える方も多いかと思います。

しかし、むちうちに対してのセルフケアは避けた方が良いでしょう。自分自身でストレッチやマッサージなどを行うことによって、かえって症状が悪化してしまう可能性があります。むちうちを治療する際は、医師や整骨院の先生に任せるのが最適です。

むちうちの治療費は誰が負担する?

むちうちの治療にかかる費用は、損害賠償として加害者に請求することができます。損害賠償とは、交通事故によって被害者が受けた様々な損害を、加害者が補うことをいいます。

被害者が加害者に対して請求できる損害賠償は、3つ。

  • 積極損害
  • 消極損害
  • 慰謝料

むちうちの治療費や通院交通費、診察費などは積極損害によって補われます。積極損害は、交通事故で怪我を負ったことによって、出費を余儀なくされた場合に発生する損害です。

むちうちは自宅ケアよりも通院!

治療 怪我 通院

交通事故でむちうちになってしまったら、一刻も早く治療を受け、症状を緩和させることが大切です。しかし、仕事やプライベートの予定が重なると、思い通りの通院ができない場合もありますよね。

今回は、交通事故でむちうちになってしまい、思うように通院ができない場合のセルフケア方法をご紹介しましたが、やはり医療機関へ通院を続けることが症状緩和への一番の近道となります。

この記事を監修したのは…

総合病院脳神経外科勤務後、産婦人科クリニック、消化器内科クリニックにて勤務。現在は内科、消化器内科、リウマチ科、小児科、美容皮膚科クリニックにて看護主任として勤務中。看護師のほか、メディカルアロマセラ...

この記事の執筆者

交通事故病院編集部 ライター / K.N
交通事故にあわれた方が抱える不安やお悩みを解決するべく、日々勉強中。 専門家へのインタビューや怪我の治療・施術、相手側とのやり取りや手続き方法、車の修理など、交通事故に関するお役立ち情報を発信していきます。

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