むちうちで整骨院に通院していい?いつから通えるかや施術も解説!
監修記事
中村 匠
柔道整復師
交通事故による代表的な怪我のひとつに「むちうち」があります。
むちうちになってしまうと様々な不調が出現してしまい、場合によっては「後遺症」という形で不調が残り続けてしまうこともある厄介な怪我です。
そのため、むちうちになってしまった場合には然るべき処置を受けるためにも通院が重要となります。
むちうちの通院は整形外科などの医療機関のほか、「整骨院」でも施術が可能です。
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目次
むちうちの症状について
むちうちの言葉の由来は、交通事故において後方から追突をされた際の大きな衝撃により「首が鞭のようにしなる様子」からその名が付けられたと言われています。
突発的に大きな衝撃が首に加わることで、以下のような症状が現れることがあります。
- 首や肩への痛み
- 頭痛や眩暈
- 吐き気
- 倦怠感
- 熱感
- 腕や手への痺れ
筋肉や関節へのダメージによる首や肩の痛みから、自律神経の乱れによる倦怠感や熱感など様々な症状が現れることがあります。
また症状の程度も人により大きく異なり、無症状~軽度の症状を訴える人もいれば、重度の症状を訴える人もいます。
症状の程度は事故の衝撃と比例すると考える方もいますが、軽い衝突事故にも関わらず「重度の症状」を訴えて来院される方も少なくありません。
症状の出現時期は人により大きく異なり、交通事故直後から症状が出現する人もいれば、交通事故から数週間後から症状が出現する人もいます。
むちうち症で整骨院に通院できる?
交通事故によるむちうちは、整骨院へ通院できます。
整骨院は「捻挫・打撲・脱臼・骨折」の急性の怪我の処置を行うことができる「柔道整復師」という国家資格を持った者が施術を行う施設です。
むちうちは「首の捻挫」に該当するため整骨院で処置を受けることができます。
よく「整骨院と接骨院は違いますか?」と尋ねられることがありますが、整骨院と接骨院は同じ施設だと思って問題ありません。
また全国的にもあまり見かけない名称ですが「柔道整復院」「ほねつぎ」も整骨院と同じ施設です。
よく整骨院と間違えられる施設に「整体院」「もみほぐし」「治療院」などの名称の施設がありますが、原則としてこれらの施設へ「自賠責保険」を使用した交通事故での通院はできないのでご注意ください。
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いつから整骨院でむちうち施術を受けられる?
実際には、交通事故に遭った翌日頃から整骨院でむちうち施術を受けることができます。
しかし、以下のような場合は整骨院への通院を少し待った方が良いでしょう。
- 急性期(~5日前後)による酷い痛みがある場合
- 腕や手に強く痺れや感覚麻痺がみられる場合
- 吐き気や頭痛が酷い場合
- 医師から整骨院への通院を止められた場合
むちうちで主に損傷する場所は「頚椎(首部分の骨)」です。身体の中において頚椎は非常に重要な場所です。
痛みの酷い急性期のむちうちに対してとれる最善策は「安静と固定」です。
必要に応じて整形外科から処方される鎮痛薬や頚椎カラーで経過をみることが望ましいでしょう。
また、腕や手に痺れや感覚麻痺がみられる場合には、神経系に何かしらの損傷がみられる場合があるため、整形外科で詳しく検査を行いながら経過を観察する必要があります。
検査の結果、医師から整骨院での施術を止められた場合には、整形外科への通院を継続することをおすすめします。
上記のような症状がない場合には早めに整骨院での施術を開始しましょう。
関連記事交通事故で首のむちうち、治療費はいつまで?整骨院・整形外科の併用通院の方法
むちうちで整骨院へ通院する流れと注意点
交通事故によるむちうちで整骨院で施術しようと思っても「実際にどのような流れで行けば良いの?」と疑問に感じる人も多いでしょう。
そこで、むちうちで整骨院に通院する場合の流れや注意点を解説します。
まずは整形外科を受診し診断書を取得する
むちうちだけでなく交通事故による怪我で施術をする場合には「診断書」が必要になります。実はこの診断書を発行できるのは医師のみです。
残念ながら整骨院に在籍している柔道整復師には診断行為は許されていないため診断書の発行はできません。
つまり、交通事故によるむちうちで最初に訪れる施設は「整形外科」ということになります。
整骨院では整形外科から発行された診断書をもとに施術を行います。
整骨院に通院する旨を保険会社へ連絡する
整骨院での通院には「自賠責保険」が使われます。
つまり、整骨院で交通事故による施術を行う場合には窓口での支払いはありません。そのため、整骨院で施術を行う場合には、事前に保険会社へ通院を行う旨を連絡する必要があります。
保険会社から承諾が出た場合には、通院の旨の連絡は保険会社から整骨院へ入ります。
ただし、なかには予約制を導入している整骨院もあるため、事前にホームページなどで確認しましょう。
関連記事むちうち症の通院期間はいつまで?交通事故でもらえる慰謝料とは
整形外科で定期的に経過観察を受ける
整骨院へ通院している期間中でも定期的に整形外科へ受診することが大切です。
特に症状が酷く、治療期間が長期化しそうな場合ほど定期的に整形外科を受診しましょう。
その理由は、医師による診察を定期的に受けられる点や、画像検査といった精密検査を受けることができる点です。もうひとつは、スムーズな通院を継続できる点です。
整骨院だけで施術を受けている場合、保険会社から治療費の支払いの早期打ち切りが行われやすいデメリットがあるため、通院を継続するためにも整形外科への受診が必要となります。
関連記事接骨院と整形外科の違い。2つの通院先を併用することは可能?
むちうちに対して整骨院で行う施術
むちうちに対して整骨院ではどのような施術を行うのか解説します。
なお、実際に行われる施術の詳細は整骨院ごとの方針により大きく異なる場合があります。
電気療法
患部(痛みのある箇所・怪我をした箇所)に電気パッドを装着し、微電流を流します。
痛みを抑える効果や、血行促進の効果があり、多くの整骨院で導入されている物療器のひとつです。
罨法(あん法)
アイシングなどで患部を冷やす「冷あん法」や、ホットパックや遠赤外線などで患部を温める「温あん法」があります。
いずれも痛みを抑える効果や、血行促進の効果があり、多くの整骨院で導入されています。
牽引療法
首を引っ張り「牽引」することで、硬くなった筋肉や関節に掛かっている負担を軽減させることを目的として行われる物療のひとつです。
ただし牽引療法に関しては、専門家のなかでも判断が分かれることもあり整骨院のなかでも導入していない施設は多く存在します。
運動療法
簡単なストレッチから、専用のマシンを使用した筋力トレーニングや有酸素運動を実施する整骨院もあります。
主な目的は機能回復で、むちうちにより動きが悪くなった関節や、落ちてしまった筋力などの回復を目指します。
手技療法
手技療法は整骨院毎に大きく異なります。
例えば、むちうちに対しての手技療法として入念に首や肩周りの施術を行う整骨院もあれば、あくまでも全身バランスを考えた全身への施術を行う整骨院もあります。
その他
その他にも「超音波治療器」「ウォーターベッド」「ハイボルテージ」など、整骨院ごとに様々な物療器を導入している場合もあります。
関連記事交通事故の施術は接骨院でもいい?通院の仕方についても解説
まとめ
整骨院は整形外科と比べると、夜遅くまで受付をしていたり、比較的待ち時間少なく施術を受けることができるなどのメリットがあります。
ご自身のライフスタイルに合わせた施設選びが大切になりますが、整骨院へ通院する場合は定期的な整形外科への受診も忘れないようにしましょう。
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この記事を監修したのは…
柔道整復師として接骨院を経営。医療機関や大型ジムでトレーナー経験もあり、幅広い視点から日々施術にあたる。また、1人でも多くの人に正確な健康情報を伝えるためライター活動や健康商品の監修なども務める。
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