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追突事故の原因とは?事故を防ぐためのポイントも合わせて解説

監修記事

河野 裕也

理学療法士

交通事故は、誰しもが少しの不注意により、加害者となってしまう可能性があります。その中でも追突事故は、交通事故の中で最も発生件数が多いといわれています。この記事では、追突事故の原因や、事故を起こさないために気を付けるべき点について解説していきます。

追突事故が起きる原因とは?

交通事故現場

追突事故は、先行車に後続車が衝突する事故のことをいい、信号待ちや渋滞時の減速中に多く発生しています。

警察庁によると、追突事故はここ数年で減少傾向にあります。その理由として自動車に搭載されている自動ブレーキの普及が考えられます。しかし、減少傾向ではあるものの令和4年の交通事故の発生件数のうち追突事故は91,835件で全体の約30%を占めており、全事故類型中で一番多い交通事故となっています。

なぜ、追突事故が発生するのかについて説明します。

脇見・よそ見運転

脇見・よそ見運転では、運転中に違うことに気を取られ前方から視線を外してしまったことで、事故が起こります。
では、なぜ脇見やよそ見運転をしてしまうのでしょうか?
主な理由として、同乗者との会話などに気をとられてしまうことなどがあります。助手席の同乗者から「すごい景色!」などと声をかけられるとつい外の景色に視線が向いてしまいます。また、カーナビを注視したりエアコンの操作で視線を外してしまうことも考えられます。運転中にペットボトルやアクセサリーなど不注意で落としたものを拾おうとしたときも危険です。

脇見運転やよそ見運転は道路交通法第70条による「安全運転の義務」に違反するもので前方不注意の一種に当たり、追突事故の原因となります。特に近年では運転中のスマートフォンの操作による事故が増加しており、2019年12月より厳罰化されています。

動静不注視

動静不注視とは、事故の相手に気付いていたけど、危険性を軽くみた結果事故を起こすことをいいます。

事故の原因として、「急な停止はしないだろう」「減速しないだろう」といった思い込みが要因となっています。そのため、思い込み運転と呼ばれています。

例えば、前を走行する車が左折をする際に「停止せずにそのまま曲がるだろう」と思い込んでしまい危険はないと判断して減速せずに車間距離をつめていると前の車が自転車が横断歩道を渡ってくることに気が付いて急停止したことでブレーキが間に合わず追突事故が起こってしまうことがあります。

漫然運転

漫然運転とは、「ぼんやりと考え事をしながら運転をする状態のこと」です。免許をとって間もない方や、普段からあまり運転されない方、運転をすることに緊張される方が割合を占めています。

原因として、前方を向いているのに、ぼんやりし考え事をしていることで、車や歩行者に気づかず、事故を起こしてしまうというケースが多く見られます。

「前を見ているようで実は見ていない」という状況で物理的にはハンドルをしっかり握り前方を見て運転しているのに注意力や集中力が散漫であるため、見た目は脇見をしていないが意識は脇見をしているとも言えます。

その他

上記で説明した状況以外にも、追突事故が起こる原因は考えられます。

  • スピードの出しすぎ
    前方車の停止や減速をしたときに、対応が間に合わずに追突してしまう
  • 車間距離不足
    前方車と間隔をあけた運転をしていないため、前方車の急停止や減速に反応できず追突してしまう

以上のように、法定速度以上のスピードの出しすぎや、車間距離の詰めすぎなども事故を起こす原因になります。

追突事故を起こさない為には

歩道

追突事故の8割以上は、運転に集中していれば防げたであろううっかり事故です。また、「自分は大丈夫」、「事故を起こすはずがない」といった過信も追突事故に繋がります。
運転中は、予測できないことが起こることもあります。ご自身の「うっかり運転」や「過信」により、加害者とならないための心掛けについて説明します。

危険がないような状況でも運転に集中する

携帯やカーナビの操作をしたいのであれば、一旦安全が確保できる場所に停車をし、操作するようにしましょう。運転中の操作は、どうしても注意力が散漫してしまいます。
また、高齢者の方や身体機能に低下がみられる要素がある場合は、運転をやめるという選択肢もあります。

充分な車間距離を確保する

交差点に近づいたらスピードを落とし、充分な車間距離を確保し、前車の動きや信号などに目を配りましょう。前車が動き出したからといって発進するのではなく、信号や前車の発進を確認したうえで、発進するようにしましょう。

歩行者を優先することを意識する

歩道橋や横断歩道がある場合は歩行者の有無を確認し、前車がいるときはもちろん、確認できない場合でも、減速や停止を行いましょう。横断歩道がある箇所は、人が通る可能性がある場所です。子どもなどの急な飛び出しの可能性もあります。
もしものことを考えて、行動するように意識しましょう。

追突事故の被害者について

車に追突された人

追突事故の被害者は、65歳以上の高齢者が最も多くみられますが、中には15歳以下の子どもが事故により重傷や死亡するケースもあります。
子どもの事故の中で最も多いのは飛び出し事故です。
子どもの安全認知力は低く、何も考えずに道路へ飛び出していくことがあります。運転者は、住宅街や駐車している車の影、住宅街の塀や角の死角などから飛び出してくるかも、という意識を持って運転する必要があります。

万が一追突事故にあった際にやるべきこと

追突事故にあった際にはまず最初にケガ人の救護が最優先になります。同乗者や相手のケガの状態を確認し、必要であれば119番で救急車を手配します。

また、二次被害を防ぐため、ハザードランプをつけたり、停止表示板を立てたりして後続車に追突事故の発生を知らせ、安全を確保します。

そして、警察への連絡が義務づけられているため、110番で警察へ連絡をしましょう。

追突事故直後は当事者間で冷静に話し合うことが難しいケースもあるため、ご自身で加入している保険会社にも連絡を入れ、保険会社を通して補償などのやり取りをしてもらいましょう。

まとめ

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追突事故はちょっとした不注意で起きてしまうものです。
うっかり運転や過信により、突然加害者となってしまう可能性も考えられます。常に安全運転を心掛け、ご自身の運転技術を過信せず予期せぬ危険を回避できるような運転をすることが大切です。
また、高齢者や身体機能の低下がみられる方の追突事故も増えています。運転をせず、免許を返還するという選択も安全に繋がります。

この記事を監修したのは…

国家資格である理学療法士として、約10年間整形外科クリニックで一般の患者様からスポーツ選手の身体のケアに携わり、その後理学療法士の養成校の教員として身体の仕組み、治療技術などについて学生に講義を行っています。早稲田大学大学院スポーツ科学研究科にて修士取得。

この記事の執筆者

理学療法士 / 河野 裕也
国家資格である理学療法士として、約10年間整形外科クリニックで一般の患者様からスポーツ選手の身体のケアに携わり、その後理学療法士の養成校の教員として身体の仕組み、治療技術などについて学生に講義を行っています。早稲田大学大学院スポーツ科学研究科にて修士取得。

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