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整形外科と整骨院は併用できない?整骨院への通院で気になるポイント4つ

監修記事

森脇 直樹

柔道整復師

交通事故にあってしまい、整形外科を受診したら「むちうち」と言われた。

友人から整骨院への通院を勧められたが、整形外科と併用して通院できるかが気になる…。
そのような疑問を抱く方はが多くいらっしゃるでしょう。

この記事では、

・交通事故で整形外科と整骨院は併用して通院していいのか不安…
・併用すして通院するためには何をすればいいのか?
・整骨院でどのような施術をしているかわからない

など、整形外科と整骨院を同時に通院するにあたってご不安な方へ向けて解説しています。

結論、交通事故による怪我で整形外科と整骨院は併用できます。
しかし、併用して通院する上でいくつかポイントがあるのも事実です。

今回は、整形外科と整骨院を併用する上でのポイントや、整骨院で実際に受けられる施術についてご紹介します。

整骨院とは

そもそも整骨院とはどのような施設なのでしょうか?

整骨院とは、国家資格者である柔道整復師が開業した施設です。主に手技療法を用いて施術を行います。症状にあわせて物理療法や運動療法を用いる場合もあります。

整骨院・接骨院の交通事故施術とは?

▲整骨院の交通事故施術内容の種類

交通事故による怪我に多いむちうちは、筋肉といった軟部組織の損傷のため、レントゲン検査で異常がみられない場合もあります。整骨院で行う手技療法は、柔道整復師が直接手で触れて施術するため、症状がわかりやすいメリットがあります。

また、土日・祝日や夜の時間帯に営業している整骨院もあります。仕事や家事など、自分の都合に合わせた通院先を見つけやすいこともメリットの1つです。

また、接骨院とは名称が異なるだけで、実際に行う施術に変わりはありません。

整骨院と整体院に違いはある?

整体院は、主に指圧やマッサージといった施術を行います。民間資格である整体師の有資格者もいますが、無資格者であっても開業することができます。

また、リラクゼーションが目的となるため保険は適用されません。

整形外科と整骨院の違いとは

交通事故通院における整形外科と整骨院の治療内容の違い

▲交通事故通院の病院と整骨院の治療内容の違い

では、整形外科と整骨院はどのようなところが違うのでしょうか?

整形外科は医療機関であり、医師が在籍しています。レントゲンやCT・MRIなどの詳細な検査や、薬の処方、交通事故後の様々な手続きに必要な診断書の発行は、医師のいる整形外科でしか行なえません。

整骨院には、柔道整復師が在籍しています。打撲・骨折・脱臼・捻挫・挫傷などの怪我に対して、手技療法を中心とした施術を行います。

整形外科と整骨院のどちらも自賠責保険を使って通院することができます。

交通事故にあったらまずは整形外科で医師による検査や診察を受け、診断書を取得しましょう。その後、生活スタイルや症状にあわせて整骨院を検討するといいでしょう。

整形外科と整骨院は併用できない?

交通事故治療で病院と整骨院の併用はできる?

▲交通事故治療で病院と整骨院の併用と注意点

交通事故による怪我の場合、整形外科と整骨院は併用して通院できます。
しかし、併用するためには、押さえておきたいポイントが4つあります。

整形外科と整骨院を併用する際のポイント4つ

  1. 整形外科を受診し、診断書を取得する
    まずは、現在通院している整形外科に相談しましょう。まだ整形外科を受診していない場合は、あらかじめ整骨院への通院に理解のある病院を選ぶとよいでしょう。
  2. 整骨院(接骨院)に相談する
    交通事故による怪我の施術を得意とする整骨院(接骨院)に相談しましょう。場所や営業時間といった、通院しやすさも選ぶ際のポイントになります。
  3. 保険会社に連絡する
    交通事故の被害者の場合、怪我の治療費を支払うのは加害者側の保険会社です。加害者側の保険会社に、整骨院に通院することを伝えておきましょう。保険会社に連絡をしておかないと、適切な損害賠償が支払われない可能性があります。
  4. 整形外科で経過観察を受ける
    整骨院への通院を開始した後も、経過観察のため少なくとも月に1回は整形外科で医師の診察を受けましょう。

また、注意したい点として、同じ日に整形外科と整骨院の両方に行くことはできません。また、骨折といった整骨院では取り扱いしていない症状もあります。まずは、整形外科や整骨院で相談することをおすすめします。

【実例】整形外科と整骨院に併用通院したケース

「整形外科・病院と整骨院に併用通院できるとはいえ、実際に通院している人はいるの?」と思われている方もいらっしゃるかもしれません。

こちらでは、実際に交通事故病院の相談窓口にご相談頂き、整形外科と整骨院を併用治療をされた方々のケースをご紹介いたします。

①交差点で信号無視の車に突っ込まれたケース

会社からの帰宅途中、赤信号を無視した車に、左から突っ込まれる事故に遭われた「たいきさん」のケースです。

事故直後から首や腰、背中、腕や足の痛みがあり、頭痛や打撲といった症状も出てきたそうです。また、握力の低下もあり日常生活でもご苦労されたとのことでした。

たいきさんは、整形外科には2週間に1度の通院、整骨院には2日1回のペースで通院され、病院と整骨院を併用され通院完了されました。

▼たいきさんの詳しいインタビュー内容はこちら
交差点での事故 信号無視の車に突っ込まれ…<交通事故の体験談>

②バスによるバック事故のケース

仕事でお客さまを乗せて道路で停車中に、バックしてきたバスに衝突されてしまった「パブロウさん」のケースです。

後部座席のお客さまとお話をするために、上半身をひねって後ろを向いていた為、首や肩、腰に強い衝撃を受けられた形でした。

パブロウさんは月1で整形外科に通い、整骨院には週3で通われて、体調を回復されています。

▼パブロウさんの詳しいインタビュー内容はこちら
バスによるバック事故 仕事でお客様を送迎中に…<交通事故の体験談>

③仕事中に原付で移動中、交差点で事故のケース

原付で仕事の移動中、見通しの悪い交差点で出会い頭に車と衝突されてしまった「foxytomoさん」のケースです。

事故の数時間後から体に痛みが出てきて、むちうちにより首から左腕が痛み、薬指小指にはしびれが発生、仕事に復帰してからは、左腕をかばうように右腕を使っていたため、テニス肘の症状が出たとのことです。

foxytomoさんは整形外科には最初の1か月は週2、仕事復帰後は月1のペースで通われ、整骨院には事故後1か月半ごろから週2~3のペースで併用をされた形です。

▼foxytomoさんの詳しいインタビュー内容はこちら
転職2日目、交差点のバイク事故でむちうちに<交通事故の体験談>

整骨院でのむちうち施術

では、整骨院ではむちうちに対して、実際にどのような施術を行っているのでしょうか?

むちうちとは

「むちうち」とは?発症の原因や症状等

▲「むちうち」とは?発症の原因や症状等

そもそもむちうちとは、正式には頚椎捻挫(けいついねんざ)頚部挫傷(けいぶざしょう)などと診断される症状です。

人間の頭部を支える首が、強い衝撃でむちのようにしなることから、むちうちと呼ばれています。交通事故にあった多くの人に見られる症状です。

また、むちうちの症状は様々です。主に以下の5つの種類に分けられます。

  1. 頚椎捻挫型(けいついねんざがた)
    むちうちの7割を占めると言われています。首の捻挫で、頚椎(首部分の骨)を支えているじん帯や筋肉が損傷しています。頭痛、首や肩の痛み、首が前後左右に動かないなどの症状がみられます。
  2. 神経根損傷型(しんけいこんそんしょうがた)
    脊髄から出ている神経の根元を損傷しています。首の痛み、肩から腕にかけての痛み、知覚障害、しびれ、脱力などの症状がみられます。
  3. 脊髄症状型(せきずいしょうじょうがた)
    頚椎の中にある脊髄や、そこから伸びる神経が損傷しています。腕や足に、痛みやしびれなどの症状がみられます。
  4. バレー・ルー症候群型
    自律神経が損傷しています。むちうち動作が原因となりおこったと考えられる自律神経失調症状のことです。頭痛、めまい、吐き気、耳鳴り、難聴などの症状がみられます。
  5. 脳脊髄液減少症(のうせきずいえきげんしょうしょう)
    脳髄液腔から脳髄液が漏れ、さまざまな症状がでます。慢性的な頭痛や首の痛み、めまい、耳鳴り、聴覚障害、吐き気や視力低下、全身の倦怠感などの症状がみられます。

むちうち施術

では、整骨院では具体的にどんな施術が行われているのでしょうか?
柔道整復師が行う施術は主に「整復法」「固定法」「後療法」の3つがあります。

整骨院・接骨院で受けられる施術の種類

▲整骨院・接骨院で受けられる施術の種類

整復法

整復法とは、脱臼や骨折したときに、手で揉んだり伸ばしたりして元の状態に戻すための方法です。

固定法

固定法とは、脱臼や骨折したときに、包帯やギブスなどを使い患部を固定する方法です。

後療法

後療法とは、患部を回復させるために、さまざまな刺激を加える方法です。後療法には大きく分けて「手技療法」「物理療法」「運動療法」の3つがあります。

  • 手技療法・・・手で患部に触れ、刺激を与えることで自然治癒力を高める方法です。
  • 物理療法・・・電気や熱などの物理エネルギーで、刺激を与える方法です。
  • 運動療法・・・運動によって身体の機能の回復を図る方法です。

関連記事むちうち症状の伝え方ポイント4つ!伝え方が重要な理由も解説

整形外科と整骨院の併用は可能

病院

整形外科と整骨院は併用して通院することができます。

また、事前に整形外科で診断書を取得することや、加害者側の保険会社に連絡しておくことで、整形外科と整骨院の併用通院がしやすくなります。

整骨院でのむちうち施術も検討してみてはいかがでしょうか。

この記事を監修したのは…

柔道整復師。もりわき鍼灸・整骨院・整体院グループの代表を務め大阪を中心に8院を展開。現在に至るまで25年以上、交通事故患者の施術対応にあたる。グループでは交通事故施術の専門窓口を設け、むちうち専門プログラムも用意するなど、交通事故患者の豊富な対応実績を持つ。

もりわき鍼灸・整骨院・整体院グループHP
https://moriwaki-seikotu.com/

<保有資格>
・柔道整復師

<経歴>
1974年~
・吹田で生まれ育つ
2001年
・(株)冨金原カイロプラクテック学院よりアメリカ・パーマーカイロ大学研修に派遣
2002年
・大阪・神戸の鍼灸・整骨院・病院にて約10年勤務・研修を経て、吹田に「もりわき鍼灸整骨院」開院
2005年
・スキーチームの海外キャンプへ帯同
2006年
・シンガポールにてカイロ研修
2006年
・兵庫県国体ラグビー代表チームトレーナーを務め日本一をサポート
~現在
・もりわき鍼灸・整骨院・整体院グループを8院展開

この記事の執筆者

交通事故病院編集部 ライター / M.F
大学卒業後は社内で違う業務に就いていましたが、以前から興味のあった記事の執筆を最近始めました。学生時代に通っていたこともあり、整骨院に関する知識は豊富ですが、まだまだ新たな知識を身につけるべく勉強の毎日です。

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