交通事故のあと救急車で運ばれた病院から転院したい時の流れ
監修記事

柿野 俊弥
理学療法士
交通事故で怪我をして救急搬送された場合、搬送先の病院をその後も継続して受診する方が多いでしょう。しかし、「自宅から遠くて通院が大変」「治療方針に不安がある」といった理由で、転院を検討される方も少なくありません。
実際に、救急搬送後の転院は可能なのでしょうか。また、転院する場合はどのような手続きが必要で、どんな点に気をつければよいのでしょうか。この記事では、交通事故後の転院について、メリット・デメリットや具体的な手順を詳しく解説していきます。
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目次
事故のあと搬送された病院から転院できる?

▲事故種別の救急出動件数と構成比の5年ごとの推移(令和6年総務省資料より)
グラフ出典:総務省「令和5年中の救急出動件数等(速報値)の公表」
総務省によると、令和5年の救急出動件数は763万7,967件で、そのうち交通事故が原因で搬送された件数は39万9,593件と報告されています。全体の救急出動件数に対する「交通事故の割合」は減少傾向にありますが、それでも毎年交通事故起因で救急搬送される方は多くいらっしゃいます。(参考:総務省「令和5年中の救急出動件数等(速報値)の公表」)
このような状況の中、交通事故で救急搬送された方から「別の病院に転院することはできるのか」という声をよく耳にします。
結論を述べると、転院できます。
患者には治療を受ける病院を選ぶ権利があるからです。ただし、注意点もあります。というのも、転院後の治療費を保険会社から継続して支払ってもらえるかどうかは別問題だからです。
転院した後も保険会社に治療費を請求し続けるには、いくつかやらなければならないことがあります。注意点や必要な手続きなどについては後ほど解説します。
転院のメリット
救急車で運ばれた病院から転院する主なメリットは、以下の3つです。
- 通院しやすくなる
- より良い治療を受けられる
- 後遺障害認定を受けやすくなる
事故現場から近い病院に運ばれても、自宅や職場から遠いと通院が大変です。近くの病院に転院することで、通院時間や交通費、体力的・精神的な負担を軽減できます。その分、通院回数を増やしたり、仕事や日常生活との両立がしやすくなったりします。
また、交通事故の怪我に精通した病院に変更することでより適切な治療を受けられます。その結果、スムーズな手続きや早期回復が期待できるでしょう。
とくに後遺症が残る可能性がある場合は、交通事故に精通した病院への転院がおすすめです。そういった病院では、後遺障害認定に必要な検査を行い、後遺障害認定に有利にはたらく診断書を作成してもらえます。
転院のデメリット
転院にはメリットがある一方で、以下のようなデメリットもあります。
- 転院先の病院が期待外れになる可能性がある
- 転院を繰り返すと保険会社から治療費が認められにくくなる
- 通院の交通費が上がる場合は保険会社とトラブルになりやすい
利便性のみで転院を決めた結果、治療が合わない等の問題が出てくる可能性もあります。転院先は事前に良く調べておく必要があるでしょう。
転院先が自分に合わない病院だった場合、再び転院を検討することになります。しかし、転院を繰り返すと、それぞれの病院での治療期間が短くなるため、症状の全体的な経過が分かりにくくなってしまいます。その結果、保険会社からは「本当にその症状が事故が原因なのか」「治療が本当に必要だったのか」といった疑問をもたれやすく、被害者の主張が認められにくくなる可能性があります。
また、転院先の病院が遠方の場合、通院費用が上がることで保険会社とトラブルになるケースもあるため、転院先はよく検討しましょう。
交通事故で転院するときの流れ
交通事故で救急搬送された病院から転院する場合、一般的な流れは以下のとおりです。
- 転院先の病院を探す
- 加害者側の保険会社に伝える
- 紹介状を作成してもらう
- なるべく早めに転院する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
転院先の病院を探す
安易に転院を決めてしまうのは危険です。転院先は治療方針や設備が希望したものと合っているか確認し、転院先の医師とも相談した上で決めるのが良いでしょう。
救急で運ばれた病院からの転院自体はできますが、何度も転院を繰り返すのはおすすめしません。無闇に転院を繰り返すと、それぞれの通院期間が短くなるため症状の経過が分かりにくくなり、保険会社から治療費の支払いを拒否される可能性があります。
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加害者側の保険会社に伝える
転院先の病院が決まったら、保険会社にすぐ連絡します。保険会社に病院名と連絡先を伝えることで、治療費の支払いがスムーズに継続できます。連絡を忘れると、転院後の治療費を支払ってもらえない可能性があるので注意が必要です。
紹介状を作成してもらう
通院中の病院で紹介状を書いてもらうことで、担当していた医師が転院を了承していることの証明になります。「通院に時間がかかるから」「他の診療科で治療を受けたいから」など、理由を説明して紹介状の作成を依頼しましょう。
もし紹介状がないと、保険会社から治療費の支払いを継続してもらえない可能性があります。また、紹介状は転院先の医師への情報提供としても重要になるため、必ず作成してもらいましょう。ただし、紹介状に「治癒」と書かれると保険会社からの支払いが打ち切られるため注意が必要です。
なるべく早めに転院する
転院する場合は、早い決断をおすすめします。交通事故から長期間経過してからの転院には、以下のようなリスクがあります。
「後遺障害診断書の作成を断られる可能性がある」
「保険会社が治療費の支払いを打ち切る可能性がある」
受傷直後からの治療経過を把握していない医師は、責任をもって後遺障害診断書を作成できない場合があります。また、仮にむちうちなどの症状が出てから半年近く経過してから転院すると、症状固定だと診断され、保険会社から治療打ち切りを提案される可能性があります。
転院をスムーズに進めるためのポイント
転院をスムーズに進めるためには、以下のポイントが大切です。
- 紹介状を依頼すること
- 転院先をきちんと保険会社に伝えること
- 転院の回数とタイミング
- 保険会社が治療費支払を認めないリスク
それぞれ見ていきましょう。
紹介状を依頼すること
紹介状は保険会社に対して、医師が転院を認めているという重要な証明になります。
仕事の都合や通院時間の問題、他の診療科への転院といった理由を医師に説明して紹介状を書いてもらいましょう。
ただ、「整形外科から別の整形外科に転院したい」など、担当医に転院の話をしづらい場合もあるでしょう。その場合は、これまでの診断書や治療経過をコピーして、転院先の医師に提出するとよいです。
転院先をきちんと保険会社に伝えること
転院が決まったら、保険会社への報告を忘れずに行いましょう。保険会社への連絡をせずに転院すると、転院後の治療費を支払ってもらえない可能性があるためです。
報告の際には、転院先の病院名と連絡先を保険会社に伝えます。保険会社から病院に連絡が入ることで、転院後の手続きもスムーズに進みます。交通事故の治療は長期化することも多いため、きちんと保険会社に報告をして、「治療費の全額自己負担」という事態は避けましょう。
転院の回数とタイミング
転院はできるだけ早い段階で行い、回数も最小限に抑えることが大切です。理由は主に2つあります。
1つ目は、後遺症が残った場合の診断書作成に影響が出る可能性があるためです。受傷当初から症状固定まで治療経過を診ている医師であれば、責任をもって後遺障害診断書を作成できます。しかし、治療終了直前に転院した場合、短期間しか診ていない医師は診断書作成を断る可能性があります。
2つ目は、長期間経過してからの転院は保険会社から治療費の支払いを拒否されるリスクがあるためです。先述したように、症状があらわれてから半年近く経過してからの転院は、症状固定だと診断されかねません。
保険会社が治療費支払を認めないリスク
保険会社は、治療の必要性がないと判断した場合や、医師の許可のない転院、転院の繰り返しなどをすると、治療費の支払いを拒否することがあります。そうなった場合の治療費は、全額自己負担となります。
もし、保険会社との交渉が難しい場合は、弁護士への相談を検討しましょう。
救急車で運ばれた病院から転院した事例
「交通事故病院」相談窓口では、皆様の交通事故の怪我の通院先探しのお手伝いをしておりますが、実際にご相談頂いた方の中で交通事故治療の病院を変更された方の事例をご紹介いたします。
親戚を訪ねた帰宅途中に、赤信号で停止していたところ、後ろから追突される事故にあってしまった吉ちゃんさん(70代、男性)のケースです。
事故当日に搬送された病院は自宅から20数km離れていました。そのため、翌日に自宅のある市内の病院を探して行きました。
吉ちゃんさんインタビュー記事より
と通院距離を理由に病院を変更されています。
吉ちゃんさんの詳しいインタビュー記事はこちら
このように相談窓口では、「通院先が通うには遠い」「治療方針が合わない」等の理由で通院先を探されている方も実際に多くいらっしゃいます。
日頃の通院は整骨院という選択肢もある
▲交通事故治療で病院と整骨院の併用と注意点
交通事故の治療では、整形外科と整骨院を併用した通院が可能です。整形外科での診察は続けながらも、マッサージなどの施術を整骨院で受けることができます。
整骨院では、国家資格所有者である柔道整復師の施術を自賠責保険で受けられます。ただし、「診察」や「診断」は医師にしかできないため、整骨院のみへの通院は避けましょう。とくに後遺障害診断書の作成は医師でなければできないため、整形外科への通院は必須となります。
整骨院のメリット
交通事故治療で整骨院に通うメリット(営業時間が長い・土日祝日も通える・予約可能)
整骨院での施術には、以下のようなメリットがあります。
- 予約が取りやすく、待ち時間が少ない
- 施術時間が比較的長く、丁寧な対応が受けられる
- マッサージや電気治療など、痛みの緩和に効果的な施術が受けられる
一般的に整形外科をはじめとする病院は混雑していることが多く、診察までの待ち時間が長くなりがちです。一方、整骨院は予約が取りやすく、柔軟な時間設定で通院できます。また、一回の施術時間も長めに設定されていることが多いため、痛みの緩和やリハビリに十分な時間をとれます。
救急車で運ばれた病院から転院するときのまとめ
救急車で運ばれた病院からの転院は可能ですが、以下について把握しておくことが大切です。
- 転院する際は早めに決断し、適切に手続きを進める
- 紹介状の作成と保険会社への連絡は必須
- 転院は最小限にとどめ、頻繁な転院は避ける
- 必要に応じて整骨院との併用通院も検討する
転院の際は保険会社への連絡と医師への相談を確実に行い、継続して治療費を支払ってもらえるようにしましょう。また、整骨院との併用通院も行うことで、より効果的な治療が期待できます。
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この記事を監修したのは…
理学療法士として、回復期病院で脳血管疾患を中心にリハビリテーションを経験。その後、フリーライターに転向。医療・健康分野をはじめ、地域・観光、転職関連などの幅広いジャンルの執筆を行っている。
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