交通事故の治療で病院を変更できる?転院の手順やタイミング等を解説
監修記事

世良 泰
医師(整形外科他)
交通事故の治療を行っていく中で、病院を変えることを検討している方はいないでしょうか。
✓交通事故の後に行った病院から転院できるのか知りたい
✓通い易い別の病院に転院したいけどやり方が分からない
✓どのタイミングで転院したら良いのか分からない
等疑問をお持ちの方に向けて、病院を変える方法や転院によるメリットや注意点を紹介します。
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目次
交通事故後に病院を変えることは可能
まず、交通事故の治療を受ける病院の変更は可能です。
「治療を継続しているが効果が見られない」「医師との相性が良くない」「もう少し家から近い病院にしたい」などさまざまな理由があるでしょう。
このように正当な理由をもって病院を変更するのは問題ありません。
しかし、ただ勝手に転院すればいいわけではありません。次項にて詳しく見ていきましょう。
病院を変えるために必要な手順
交通事故後、病院を変えるために必要な手順は以下のとおりです。
- 転院先候補に相談をする
- 通院先と加害者側の保険会社に転院の意思を伝える
- 通院中の病院で紹介状を作ってもらう
- 転院先へ通院開始
それぞれ見ていきましょう。
転院先候補に相談をする
転院先の病院の治療方針や設備が期待していたものと異なれば、再び病院を変更しなければならなくなります。無闇に転院を繰り返すと、それぞれの通院期間が短くなるため症状の経過が分かりにくくなり、保険会社から治療費の支払いを拒否される可能性があります。
また、一貫した治療が受けられなくなるため、回復の遅れにもつながりかねません。そのため、転院先候補の病院にあらかじめ相談しておくようにしましょう。
通院先と加害者側の保険会社に転院の意思を伝える
転院したい場合「病院を変えたい」という旨を、通院中の病院と保険会社に伝えましょう。
通院している病院への報告は、紹介状を作成してもらうために必要です。転院の理由をきちんと説明し、これまでの治療経過や検査データなどの情報提供を依頼します。
また、保険会社にも早めに連絡しましょう。転院後の治療費を継続して支払ってもらうためには、保険会社の了承が必要です。転院先の病院名や連絡先に加えて、転院を希望する理由を具体的に説明してください。
なお、保険会社は転院の手続きを進めるにあたり、現在の通院先から診断書などの資料を取り寄せる必要があります。資料の準備には時間かかることもあるため、転院を考えている場合は余裕をもって連絡するようにしましょう。
通院中の病院で紹介状を作ってもらう
病院を変えるうえで、紹介状は重要な書類となります。
病院間同士の紹介状の発行には、2,500円(3割負担であれば750円)かかります。交通事故による通院で自賠責保険を利用する場合、紹介状の発行費用も保険の補償対象となります。
紹介状には、主に以下の内容が記載されます。
- 転院理由
- これまでの症状の経過
- 実施した検査内容と結果
- 現在の治療状況
なお、MRIの検査の必要があるが設備がない病院で受診している場合は、検査設備のある病院への紹介状を作成してもらい検査を受けることをおすすめします。
転院先へ通院開始
転院先での初診時には、必要な書類を忘れずに持参することが大切です。
とくに紹介状やこれまでの診断書のコピーは、新たに担当する医師が治療経過を把握するために欠かせません。加えて、事故証明書や保険会社の連絡先も必要になるため、事前に準備しておきましょう。
また、これまでの治療経過や現在の症状について口頭でも詳しく説明することをおすすめします。
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交通事故治療において病院を変えるメリット
交通事故の治療において病院を変えるメリットが2つあります。
- よりよい治療を受けられる可能性が高くなる
- 通院しやすくなる
現在通院している病院から変えたいと考えている方は検討してみましょう。
よりよい治療を受けられる可能性が高くなる
医師によって治療の考え方は異なります。「現在の治療に対して満足できていない」または「効果が見られない」場合は、病院を変えることで、満足のいく治療を行う医師とマッチする可能性が高くなります。
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通院しやすくなる
自宅から距離が近い・診療時間が長いといった生活スタイルに合った病院を選ぶと、通院しやすくなるメリットがあります。交通事故による治療は長期間にわたる可能性も少なくありません。
現在通院している病院に通いづらいと感じている方は、治療に行くのが億劫になるおそれがあります。自身にとって通いやすい施設へ通院して、治療に専念しましょう。
関連記事交通事故の後遺症で認定される後遺障害等級14級とは?慰謝料の基礎知識について解説!
交通事故で病院を変更した事例
「交通事故病院」相談窓口では、日々交通事故の怪我の通院先探しのお手伝いをしておりますが、実際にご相談頂いた方の中で交通事故治療の病院を変更された方々の事例をご紹介いたします。
事故後に搬送された病院が遠く転院された吉ちゃんさんのケース
親戚を訪ねた帰宅途中に、赤信号で停止していたところ、後ろから追突される事故にあってしまった吉ちゃんさん(70代、男性)のケースです。
事故当日に搬送された病院は自宅から20数km離れていました。そのため、翌日に自宅のある市内の病院を探して行きました。
吉ちゃんさんインタビュー記事より
と通院距離を理由に病院を変更されています。
吉ちゃんさんの詳しいインタビュー記事はこちら
救急搬送先の病院から転院された大島ゆまさんのケース
バイク走行中に車との事故に遭ってしまった大島ゆまさん(20代、女性)のケースです。
最初の病院は救急車で搬送された場所だったのですが、距離があったので自宅の近くの病院を紹介してもらいました。同時に、ネットで交通事故対応の整骨院を探していて『交通事故病院』のサイトを見つけたので、すぐに解決したくてその日に問い合わせをしました。
大島ゆまさんインタビューより
とスムーズに近くの病院に転院されています。
大島ゆまさんの詳しいインタビュー記事はこちら
交通事故治療で転院する際によくあるQ&A
交通事故での転院について、よくある質問をまとめました。転院の回数制限や時期、保険会社との関係など、多くの方が不安に感じる点について回答します。
Q.転院回数に上限はありますか?
上限は特にありません。ただし、無闇な転院は避けるべきです。転院を繰り返すと、各病院での治療期間が短くなり、症状の経過が把握しづらくなります。その結果、後遺障害診断書の作成が困難になったり、保険会社から治療の必要性を疑われたりすることで、治療費の支払いを拒否される可能性があります。
Q.交通事故の転院は紹介状なしでもできますか?
交通事故の転院は紹介状なしでも可能です。しかし、紹介状がないと事前情報が得られないため、一から検査が必要となり、スムーズに治療が受けられません。また、医師が転院を了承していることを証明できないため、保険会社から治療費の支払いを拒否される可能性も高くなります。可能な限り紹介状を取得してから転院しましょう。
Q.病院から整骨院や鍼灸院に転院できますか?
転院できますが、注意が必要です。保険会社によっては医師による診察や治療がないことを理由に支払いを拒否することがあります。また、整骨院や鍼灸院は診断書の作成ができないため、整形外科との併用通院が必要です。
▲交通事故治療で病院と整骨院の併用と注意点
Q.交通事故の通院期間はどのくらいですか?
怪我の程度や症状により異なります。たとえば、むち打ちなら3ヶ月程度、骨折なら半年程度だと言われています。ただし、あくまで目安で個人差があります。むちうちでも1年以上を要することがあるなど、予想以上に治癒するまで時間がかかることもあるため、焦らず治療を続けることが大切です。
Q.交通事故で入院した際の転院はいつまでできますか?
決められた制限はありませんが、入院から長期間経過すると、治療経過の把握が難しくなります。とくに、受傷直後の状態や治療内容を、新しい医師が正確に理解することが困難になるため、後遺障害診断書の作成にも支障が出る可能性があります。そのため、転院を考える場合は、早い段階での決断がおすすめです。
Q.保険会社から治療費の支払いを拒否されることはありますか?
状況によっては拒否されることがあります。とくに、転院後の治療が「必要かつ相当」と認められない場合や、長期間経過後の転院の場合は、保険会社が支払いを拒否する可能性が高まります。その場合「新しい病院は自己負担でお願いします」と言われる可能性があります。対策として、転院する際は事前に保険会社に相談し、治療費の支払いについて確認しておくことが大切です。
交通事故の治療で病院を変えるなら早めに行動に移そう
交通事故の治療で病院を変えることは、被害者の自由になるため可能です。その場合は、加害者側の保険会社や医師に許可を得ることを忘れないようにしましょう。
また、治療費や慰謝料といった補償に影響が出るおそれもあるので、転院する場合は基本的に早めに行いましょう。
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この記事を監修したのは…
慶應義塾大学医学部卒。初期研修後、市中病院にて内科、整形外科の診療や地域の運動療法指導などを行う。スポーツ医学の臨床、教育、研究を行いながら、プロスポーツや高校大学、社会人チームのチームドクターおよび競技団体の医事委員として活動。運動やスポーツ医学を通じて、老若男女多くの人々が健康で豊かな生活が送れるように、診療だけでなくスポーツ医学に関するコンサルティングや施設の医療体制整備など幅広く活動している。「健康を通じて人々の夢や日常を応援すること」をミッションに2024年6月に池尻大橋せらクリニックを開院。
池尻大橋せらクリニックHP
https://sera-clinic.com/
日本整形外科学会専門医
日本内科学会認定内科医
公衆衛生学修士
International Olympic Committee Diploma in Sports Medicine
日本スポーツ協会公認スポーツドクター
日本医師会認定健康スポーツ医
日本整形外科学会認定スポーツ医
日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツ医
Performance Enhancement Specialist (National Academy of Sports Medicine)
Corrective Exercise Specialist (National Academy of Sports Medicine)
日本医師会認定産業医
ロコモアドバイスドクター
TWOLAPSチームドクター(陸上)
LADORĒメディカルアドバイザー
日本陸上連盟医事委員
株式会社スポーツ医学 代表取締役
株式会社Mesign 顧問
株式会社うごきのクリニック 取締役
AuB株式会社 顧問ドクター
株式会社富士急ハイランド 医療顧問
株式会社リハサク メディカルアドバイザー
株式会社アルゴス 顧問医師
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