診断書は自分で作成できる?リスクや対処方法について解説
監修記事

柿野 俊弥
理学療法士
病気や怪我で仕事や学校を休む際に診断書の提出を求められることがあります。
そんな中、「自分で診断書を作成できないか」と考える方もいるのではないでしょうか。
この記事では診断書の基本知識や自分で作成するリスク、診断書が必要な場合の適切な対処法について解説します。
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目次
診断書は自分で作成できない
診断書は医師のみが作成できる公的文書です。
一般の方が自分で診断書を作成することは法律上認められていません。
看護師や薬剤師といった他の医療従事者でさえ、診断書を作成する権限はありません。
さらに診断書には医師の署名と捺印が必要です。模倣することは犯罪行為にあたります。
たとえ本物そっくりに作成したとしても、提出先からの確認連絡や内容の不自然さから偽造が発覚する可能性は非常に高いです。
もし診断書が、不正確な内容や偽造された診断書に基づいて制度が運用されると、診断書そのものの社会的な信頼が損なわれ、本当に支援を必要としている人にサポートが届かなくなる恐れもあります。
なぜ自作が認められないのか
診断書を自分で作成するのが認められないのは、先述したように診断書の作成は医師のみに認められた行為であるためです。
医師法第19条の第2項にて以下のように規定されています。
「診察若しくは検案をし、又は出産に立ち会つた医師は、診断書若しくは検案書又は出生証明書若しくは死産証書の交付の求があつた場合には、正当の事由がなければ、これを拒んではならない。」
引用:医師法(昭和二十三年法律第二百一号)「第十九条第2項」
もし、診断書の偽造・変造をした場合は法律違反となります。
具体的には、刑法第159条の有印私文書偽造罪や第161条の偽造有印私文書行使罪に該当し、3ヶ月以上5年以下の懲役に処せられる可能性があります。
また、不正な利益を得る目的で使用した場合は詐欺罪が適用され、より重い罰則を受けることもあります。
さらに、診断書を自分で作成したのが発覚した場合、会社から懲戒解雇などの処分を受けたり、学校からの退学処分を受けたりする可能性もあります。
以上の理由から、どのような事情があっても、診断書の自作や偽造は避けなければなりません。
診断書が必要な場合は、医療機関を受診して、正規の手続きで取得しましょう。
診断書の偽造がばれなかったことはある?犯罪に該当する行為や問われる罪を解説
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診断書とは?
▲交通事故治療における診断書の内容と役割
診断書とは、医師が患者の病状や治療経過、必要な療養期間などを証明するために作成する公的文書です。
医師の専門的な見解が書かれていて、患者の健康状態を客観的に証明する資料になります。
診断書には一般的に、次のような内容が書かれています。
- 患者の氏名や生年月日などの基本情報
- 疾病名
- 発症時期
- 症状の経過
- 検査で発見された異常所見
- 治療内容
診断書は医師の診察や検査結果に基づいて作成されるため、実際に医療機関を受診し、医師による診察を受ける必要があります。
電話やメールだけで診断書を発行してもらうことはできません。
また、診断書の作成には基本的に料金がかかり、保険適用外となるため全額自己負担となります。
診断書は発行する目的によって書かれている内容や様式が異なることもあります。
例えば、保険会社に提出する診断書と会社に提出する診断書では求められる情報が異なる場合があります。
そのため、必要な情報を漏れなく書いてもらうためには、診断書の使用目的を医師に伝えることが大切です。
診断書が必要なケースとは?
診断書が必要になるケースとして、主に4つ挙げられます。
- 病気が怪我で仕事や学校を休むとき
- 保険や給付金の申請
- 公的な福祉サービスの利用
- 運転免許の更新や海外留学時の健康証明、裁判での証拠資料など
職場での利用が最も一般的です。連続して数日以上休む場合、多くの会社では診断書の提出が義務付けられています。
本当に健康上の理由で休んでいることを証明するためです。
仕事を休む期間が長期にわたる場合や、復職する際にも診断書が必要になります。
学校でも同じように、欠席する理由の証明として診断書が必要です。
とくに感染症にかかった場合、「欠席」または「出席停止」の判断材料として診断書が重要となります。
保険や給付金の申請にも診断書は欠かせません。
交通事故に遭った場合、治療費や休業補償を相手の保険会社に請求する際に診断書が必要になります。
自動車保険や医療保険の給付金を請求する場合も同じです。
さらに、健康保険の傷病手当金を受給する場合や、障害年金を申請する場合にも診断書が必要になります。
公的な福祉サービスを利用する際にも診断書は必要です。
障害者手帳の取得や精神障害者保健福祉手帳の申請、自立支援医療の利用申請などでは、診断書が提出書類の一部となっています。
診断書の代わりに使える書類とは?
どうしても診断書を取得できない場合や費用負担を抑えたい場合に、状況に応じて代わりとして使える主な書類は以下のとおりです。
- 通院証明書
- 診療明細書や領収書
- 処方せんや薬の説明書
- 会社や学校の欠席届や申告書
通院証明書は、医療機関への通院したことを証明する書類です。
病名や治療内容は書かれませんが、通院日や通院期間が書かれるため、短期間の欠席や休暇の証明には使えることがあります。
一般的には1,000円前後で発行してもらえます。
診療明細書や領収書も代わりとして書類として使える場合があります。
診療明細書や領収書には、受診日や診療科目、治療費などが書かれていて、医療機関を受診したことの証明になります。
とくに医療費控除の申請や一部の保険金請求では、診療明細書で対応できることがあります。
処方せんや薬の説明書も軽い症状であれば証明する資料として使える可能性があります。
医師から処方された薬の内容や用法・用量が書かれており、どのような症状に対する治療を行ったかの参考になります。
また、会社や学校独自の欠席届や申告書なども、診断書の代わりとして使える場合があります。
多くの企業や学校では、3日程度の欠席であれば、自己申告での欠席届で対応できるようになっています。
診断書の取得が難しい場合の対処法
診断書が必要なのに取得が難しい場合、オンライン診療の活用や各機関への相談がおすすめです。
オンライン診療で診断書を取得する方法
オンライン診療を利用すれば、通院が難しい場合でも診断書を取得できる可能性があります。
オンライン診療は、ビデオ通話を通じて医師の診察を受けられる診療方法です。
診察後に診断書が必要である旨を伝えれば、多くの場合、発行してもらうことが可能です。
ただし、すべての病気や怪我で診断書の作成ができるわけではありません。
詳しい診察や検査が必要な場合は、診断書の発行ができないため、医療機関の受診をすすめられます。
診断書の受け取り方法は医療機関によって異なりますが、一般的には郵送で自宅に届けられます。
料金は通常の診察料に加えて診断書作成料がかかり、郵送料も上乗せされることがあります。
病院に行けない場合の相談先
病院に行けない場合は、以下に相談してみましょう。
- 会社や学校の担当者
- 病院のソーシャルワーカーや医事課のスタッフ
- 公的機関
- 保険会社(交通事故の場合)
診断書の提出先である会社や学校などの担当者に事情を説明することが大切です。
診断書の取得が難しい理由を正直に伝え、別の方法について相談しましょう。
短期間の欠席であれば自己申告書で対応してもらえることがあります。
また、後日診断書を提出することを条件に、欠席や休暇を認めてもらえる可能性もあります。
診断書の作成費用が理由の場合は、病院のソーシャルワーカーや医事課のスタッフに相談してみるのも選択肢の一つです。
病院によっては分割払いに対応していたり、経済状況に応じた減免制度を設けていたりする場合もあります。
また、複数の診断書が必要な場合は、まとめて依頼すると割引されることもあります。
ソーシャルワーカーや医事課のスタッフ以外にも、公的機関へ相談することもできます。
生活保護を受給している場合は、ケースワーカーに診断書の費用について相談できます。
また、自治体によっては医療費助成制度を設けている場合もあり、診断書料金の補助が受けられることがあります。
交通事故で診断書が必要になった場合は、相手の保険会社に診断書が必要な理由を伝え、費用について相談してみましょう。
こちらが被害者であれば多くの場合、治療に必要な診断書の費用は保険会社が負担してくれます。
保険給付の申請で診断書が必要な場合は、まず保険会社に診断書以外の書類で申請できないか問い合わせてみましょう。
少額の請求では、診療明細書や領収書での申請が認められるケースもあります。
交通事故の診断書はすぐもらえる?状況別の発行期間と必要な費用を解説
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診断書に関するQ&A
診断書に関してよくある質問と回答をまとめました。
診断書の発行はいくらかかりますか
診断書の発行費用は、医療機関や記載内容によって異なります。
標準的な診断書であれば2,000円〜5,000円程度が相場です。
ただし、詳細な記載が必要な場合や特殊な形式の診断書の場合は、それ以上の費用がかかることもあります。
診断書の費用は健康保険が適用されず、全額自己負担となります。
ただし、労災保険の申請や自賠責保険の請求に必要な診断書の場合は、保険で費用が支払われることもあります。
診断書の有効期限がありますか
法律で定められた有効期限はありませんが、一般的には発行日から3ヶ月程度が目安とされています。
患者の症状や状態が時間の経過とともに変化する可能性があるためです。
長期間経過した診断書は、現在の状態を正確に反映していない可能性があるため、提出先によっては受け付けてもらえないことがあります。
診断書を取得したら、できるだけ早く提出することをおすすめします。
提出が遅れる場合は、提出先に事前に相談するとよいでしょう。
診断書の自作はダメ!適切な方法で対応しよう
診断書を自分で作成してはなりません。
診断書は医師のみが作成できる公的文書であり、偽造は犯罪行為にあたります。
発覚した場合、刑事責任を問われる可能性があるだけでなく、会社からの懲戒解雇や社会的信用を失うなどの結果を招くことになります。
診断書が必要な場合は、医療機関を受診して診断書を発行してもらいましょう。
費用や時間の問題で診断書の取得が難しい場合は、代わりになる書類を活用したり、一人で抱え込まず、周囲の人や専門家に相談したりすることが大切です。
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この記事を監修したのは…
理学療法士として、回復期病院で脳血管疾患を中心にリハビリテーションを経験。その後、フリーライターに転向。医療・健康分野をはじめ、地域・観光、転職関連などの幅広いジャンルの執筆を行っている。
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