むちうちでリンパは腫れる?原因や症状、治療や対処法を解説
監修記事
柿野 俊弥
理学療法士
交通事故でむちうちになってしまい、
「なんだかリンパが腫れている気がする…」
「首に腫れや違和感がある…」
と不安を感じていませんか。
そこで今回は、以下のような内容を解説しています。
・むちうちとリンパの腫れの関係について
・むちうちの症状や通院先、治療方法
・痛みや腫れに自宅でできる対処法
むちうちの症状で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
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目次
むちうちでリンパは腫れる?
むちうちとリンパ節の腫れには関係性がないと考えられます。
そもそもリンパ節の腫れは、何らかのウイルスや細菌への感染、過剰に免疫がはたらいてしまう病気(膠原病)、腫瘍で起こることが多いです。
外からの衝撃で首がしなり、首の筋肉や靭帯が損傷して起こる怪我である”むちうち”では、リンパ節が腫れるとは考えにくいでしょう。もし、リンパの”むくみ”であっても、ガンの手術や放射線の治療で起こるケースがほとんどで、むちうちとの関係性は薄いです。
交通事故による「外傷」で首の皮膚が傷ついたことでウイルスや細菌が入り込み、リンパ節が腫れる可能性は否定できません。しかし、前述の理由から、むちうち自体はリンパ節の腫れとは関係ないと言えるでしょう。
リンパ節の腫れでむちうち以外に考えられる原因
先述したように、リンパ節の腫れは、ウイルスや細菌による感染や腫瘍、自身の免疫が過剰にはたらいてしまうことで起こることが多いです。身近な例では、一般的な風邪や中耳炎などでも起こることがあります。重い病気としては、HIV感染症やガン、成人Still病(ASD)などがあります。リンパは免疫反応に大きく関わっている組織のため、免疫が関わる病気で影響が出やすいわけです。
いずれにしても、リンパ節が腫れている原因や、そもそもリンパ節の腫れなのか(炎症で腫れていてリンパ節の腫れだと認識してしまっている場合もあるため)を自己判断することは難しいです。まずは病院を受診して、医師に診てもらうことが重要です。
むちうちの症状
「むちうち」は正式名称ではなく、医学的には「頚椎捻挫」や「外傷性頚部症候群」などと呼ばれます。「むちうち」と大きくまとめられていますが、症状には様々なものがあります。ここでは、むちうちの原因や症状について解説します。
むちうちになる原因
交通事故や転倒などで強い衝撃をうけると、首が鞭のようにしなり何度も前後に大きく動きます。そのときに、筋肉や靱帯、椎間板などに損傷が生じるからです。
むちうちの主な症状は首の痛みや凝りなど
むちうちの一般的な症状は以下の通りです。
- 痛みや凝り
- 首が回らない
- めまいや吐き気
- しびれや倦怠感
注意すべきなのは、むちうちの症状はすぐに現れるわけではないということです。交通事故にあって、痛みがなかったから安心だと思っていても、数日間は気にかけておくべきでしょう。
また、むちうちの症状は以下の5つの型に分けられています。
- 頸椎捻挫型:5つの型で最も割合が多く首の靭帯や筋肉を損傷した型
- 神経根損傷型:首の骨を通る神経の束「脊髄」から伸びる神経の根元を損傷した型
- 脊髄症状型:脊髄やそこから伸びる神経を損傷した型
- バレー・リュー症候群型:自律神経症状を主とする型
- 脳脊髄液減少症:外力によって脳脊髄液が漏れ出すタイプ
関連記事むちうちとは?原因から症状・治療法や慰謝料まで徹底解説!
むちうちの症状は後から出ることも多い
むちうちの症状は、すぐに出るケースが多いですが、遅れて出てくるケースもあります。24時間後、3日後など、症状が遅れて出てくる場合もあり、タイミングは個人によって異なります。
症状が遅れて出てくる理由は、自律神経系である「交感神経」がはたらくからと考えられます。
交感神経は興奮状態にあるときにはたらく神経です。交通事故によって交感神経が刺激されると、それによってアドレナリンが分泌されます。アドレナリンは痛みを感じにくくさせる作用があるため、痛みの症状があらわれるのを妨げてしまうのです。
首の骨の下には、自律神経を含めたさまざまな神経、血管が多く集まっている部分があります。そのため、自律神経への影響をきたしやすいと考えられます。
関連記事むちうちの自覚症状は事故の後から出てくる?通院先や治療内容も解説!
むちうちの通院先と治療内容
むちうちの通院先は、主に「整形外科」と「整骨院(接骨院)」です。整形外科と整骨院は両方とも自賠責保険が適用されます。「整体院」でもマッサージなどの施術を受けることができますが、自賠責保険の対象外ですので、治療費の請求はできません。
それぞれの通院先でどのような治療・施術が受けられるのか、詳しく解説していきます。
病院・整形外科での治療
病院・整形外科では、医師による治療を受けることができます。
切り傷やすり傷など、外傷の治療を得意としていて、必要な場合は手術を行います。治療を受けても痛みが引かない場合は、痛み止めの薬や湿布を処方してくれます。「手術」や痛み止めや湿布などの「処方」は、医師のみが行える医療行為となります。
また、病院・整形外科で診断を受けたら、診断書を作成してもらいましょう。診断書は「交通事故が原因で負った怪我」と証明するための書面です。作成は、医師のみが行えます。保険金の請求や、人身事故へ切り替える際に必要となる大切な書面なので、交通事故にあったらまず病院・整形外科を受診し、診断書を取得しましょう。
整骨院での施術
整骨院・接骨院では、柔道整復師が施術を行います。柔道整復師は国家資格の1つで、主に手技療法を用いて施術を行います。医師のような医療行為を行うことはできず「医療類似行為」という位置づけです。
手技療法とは、痛みのある部位や周辺を手で押したり揉んだりして、血液やリンパの流れを改善することなどにより自然治癒力を高める施術方法です。
手技療法の他に、電気や光などの物理エネルギーを用いた「物理療法」、体を動かし身体機能を回復させる「運動療法」があります。
むちうちは、レントゲンやMRIに症状が写らない場合があるため、病院・整形外科では「異常なし」と診断されてしまうことがあります。整骨院・接骨院では、体に直接ふれて施術を行うため、病院・整形外科では見つけられなかった症状を見つけてくれる場合があります。
病院・整形外科に通院を続けても痛みが引かない場合は、保険会社から許可を得た上で、整骨院・接骨院と併用してもよいでしょう。
関連記事交通事故で整形外科と整骨院は併用可?メリットや注意点を解説
整体院は保険適用されないので注意
整体院は、自賠責保険や健康保険が適用されません。血液やリンパの流れを良くするリラクゼーションサロンや、ストレッチサロンなども同様に適用されないため注意が必要です。
自賠責保険が適用されない理由は、整体院の位置づけにあります。
整体院と混同されやすい「整骨院」や「接骨院」の開業には、国家資格者である柔道整復師が、一定期間の実務経験と施術管理者研修の受講したうえで申請が必要です。つまり、国の法律制度に基づいて開業しているため、保険適用での施術が可能(施術の目的によっては適用外になることも)となっています。
一方で、整体院は特別な資格や条件なく開業できます。そのため、国の制度である自賠責保険や健康保険は利用できないのです。
関連記事交通事故の怪我で整体院に通院してもいい?保険や整骨院との違いも解説
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むちうちの治療期間は2・3ヶ月〜6ヶ月程度
むちうちの治療期間の目安は、一般的に2・3ヶ月〜6ヶ月程度です。しかし、むちうちの症状にも個人差があります。よって、3ヶ月以内で症状が緩和される場合もあれば、6ヶ月以上通院を続けなければいけない場合もあります。
症状の程度には個人差があるので一概には言えませんが、定期的に治療を受けることで、症状の緩和が早くなることもあります。通院を怠らず、専門家から指示を受けた適切な頻度で通院を続けるようにしましょう。
関連記事むちうちの治療期間は平均いつまで?軽度の場合や自分でできる対処法も解説
むちうちの痛みや腫れへの自宅での対処法
むちうちの痛みや腫れを治すために、整形外科や整骨院で治療していきます。しかし、治療してもらえる時間は限られています。そこで自宅での対処法を知っていれば、むちうちの治癒を早めることができるかもしれません。
自宅での対処法としては、次の2つを行いましょう。
- 安静にする
- 痛みや腫れがある部分を冷やす
それぞれ解説します。
安静にする
むちうちになったばかりの急性期は安静にしましょう。炎症のある時期に無理をすると、症状が悪化するおそれがあります。
首につける頸椎カラー(コルセット)は痛みが強い場合を除いて、長期間にわたって装着しておくべきではないと言えます。理由は、コルセットの装着期間が長いほど、むちうちが治るまでの期間が長引くという研究報告があるためです。
頸椎カラーの装着期間については、医師と相談して決めるとよいでしょう。
痛みや腫れがある部分を冷やす
冷やすことで炎症による痛みや腫れを落ち着かせることができます。炎症が続くと、炎症の熱で細胞が壊れたり活動低下したりします。人の体はたった1℃の変化が悪影響をもたらすため、これらを防ぐために冷やすわけです。
とくにむちうちでは、1年・2年経っても残る症状として多いのが痛みです。長期化しやすいのは以下の2つが原因です。
- 痛みを繰り返すことで神経が過敏になる
- 心理的な影響で痛みを感じやすくなる
首は、生活していると自然に動いてしまうところです。痛みを繰り返しやすいため、神経が過敏になり慢性化することがあります。痛みに対して嫌悪感が強いと、心理的な影響から慢性化しやすいことがわかっています。
関連記事交通事故のむちうちにマッサージはしてもよい?自分でできる対処法は?
むちうちでリンパ節の腫れがみられることはほとんどない
むちうちは、外からの衝撃によって首がしなり、筋肉や靭帯などを痛める怪我です。感染症や膠原病、ガンなどが原因で起こるリンパ節の腫れは、ほとんど見られることがありません。
ただし、皮膚が傷ついたことでウイルスや細菌が侵入して生じる場合があります。また、筋肉や靭帯を痛めたことで、炎症が起き、リンパ節が腫れているように見えることもあるでしょう。
いずれにしても、交通事故の後に首元が腫れていたら、医師の在籍している医療機関を受診して検査してもらうことが大切です。もし、医療機関で悩んでいる方は当サイトから問い合わせていただけると相談に乗れますので、お気軽にお問い合わせください。
参考
1)公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット:高齢者におけるリンパ節腫脹の特徴
2)日本内科学会雑誌 105 巻 3 号 三浦 偉久男:リンパ節腫大の鑑別診断と治療法の選択
3)警視庁 交通事故が被害者に与える精神的影響:交通事故の被害者にみられる精神疾患
4)National Library of Medicine:Trauma-related dissociation and the autonomic nervous system: a systematic literature review of psychophysiological correlates of dissociative experiencing in PTSD patients
5)文部科学省:第2章 心のケア 各論
6)厚生労働省:柔道整復師等の施術にかかる療養費の取扱いについて
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この記事を監修したのは…
理学療法士として、回復期病院で脳血管疾患を中心にリハビリテーションを経験。その後、フリーライターに転向。医療・健康分野をはじめ、地域・観光、転職関連などの幅広いジャンルの執筆を行っている。
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