打撲(打ち身)の治し方は?治療期間や受診の目安とあわせて解説
監修記事
坂井 あゆこ
看護師
スポーツや交通事故だけでなく、日常生活の中でも起こしやすい、打撲。程度によって必要な処置が異なり、見た目での治療の判断がつきにくいため受診するべきか迷う場合も多いでしょう。
この記事では、打撲時の対処方法や受診の目安、おおよその治療期間などについて解説します。
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目次
打撲の症状や主な原因
そもそも打撲とは、外傷によって皮下組織の血管や神経・その下の筋肉組織が損傷することです。一般的には「打ち身」とも呼ばれ、発生した部位によって症状が異なります。
炎症や腫れを引き起こし痛みを伴う症状がみられる
代表的な症状としては、腫れ・痛み・皮下出血がみられます。皮膚に傷口は見られませんが、外部からの強い衝撃によって皮下組織の微小な血管が破壊されると腫れや皮下出血を生じます。
皮下組織とは皮膚の構造の一番下にある組織で、血管・神経・汗腺などを保護しています。また、皮下組織の下にある筋肉や大きな血管・腱が損傷されると痛みや腫れ、内出血の程度はひどくなり、部位によっては可動制限が生じる場合もあります。
軽度の打撲では数日から数週間で治るものがほとんどですが、徐々に痛みが増すようなケースでは骨折も疑われるので医師の診察を受ける必要があります。
衝突や転倒などによる強い衝撃が原因となる
打撲は、特定の部位が外部から直接強い衝撃を受けることで起こります。スポーツで受傷するイメージが強いかもしれませんが、運動中だけでなく日常生活でもよく起こる怪我のひとつです。
転倒して肘を強打したり、人と衝突した衝撃で脛を打ったり、高いところから落下したりした際にも発生するケースがあります。
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打撲の治し方
受傷時の応急処置の方法と受診が必要となるケースについて解説します。
まずは「RICE処置」による応急処置を行う
外傷を受けたら、すぐにRICE処置を行いましょう。RICE処置とは損傷部位の障害を最小限にとどめるため、医療機関を受診する前に行う応急処置の方法です。
安静(Rest)・冷却(Ice)・圧迫(Compression)挙上(Elevation)の4つを基本とし、その頭文字をとってRICE処置と呼びます。打撲だけでなく、捻挫や肉離れといった四肢の怪我に対して行います。
Rest| 安静にする
受傷直後はその場から動かさず、安静にしてください。損傷部位の腫れや血管・神経の損傷の進行を防ぐことが目的です。
可能であれば、床の上など固くて平らな場所に仰向けの状態で寝かせましょう。
Ice|冷やす
15〜20分を目安に患部を氷などで冷やしましょう。冷却することで血管を収縮させ、内出血や血腫を最小限に抑えられるので二次的な細胞の破壊を抑制する効果があります。
損傷の範囲を最小限に抑えるので、結果として回復も早くなります。また冷却することで損傷部の感覚や反応が弱くなり、痛みをやわらげる効果もあります。
ただし、冷やしすぎると凍傷になるリスクがあります。1度冷却したら1〜2時間間隔をあけて24時間〜72時間の間継続して繰り返しましょう。
打撲が軽い場合は、市販薬で痛みや炎症を市販薬で抑えてもよいでしょう。フェルビナクやインドメタシンなどの鎮痛消炎成分が含まれている外用鎮痛消炎薬でも痛みを和らげられます。
Compression|圧迫する
患部にテープなどを巻いて打撲した部分を固定してください。患部に適度な圧迫を与えることで腫れを抑制するとともに、すでにできた腫れの原因物質の再吸収を促すため、回復の促進に繋がります。
伸縮包帯などを利用して15〜20分ほど続けるとよいでしょう。ただし、きつく圧迫しすぎると血流障害や神経障害を起こす可能性もあります。
しびれや変色が生じたらすぐに緩め、患部の状態を確認しながら処置を行ってください。
Elevation |挙上する
患部は心臓より高い位置に保つようにしてください。挙上することで出血が軽減され、心臓への血液の返還が助長されるので腫れや出血などの症状を軽減します。
寝ているときは枕などを利用して心臓より高くするとよいでしょう。椅子に座るときはクッションを使用して高い位置で保持してください。
関節周囲の打撲や強い内出血がみられる場合は早急に受診する
打撲により強い内出血が出た場合、血液が線維化していく治癒過程で瘢痕組織ができることがあります。しこり状の瘢痕組織が関節機能を司る組織の運動を妨害することにより、関節拘縮を生じます。
関節拘縮を起こすと半年や1年の治療期間を要し、場合によっては後遺症として関節拘縮が完全に治らないままの状態で固まってしまうこともありますので、関節周囲の打撲や重度の打撲では、早めの来院を検討してください。
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打撲の治療期間
続いて、平均的な打撲の治療期間や治療が長期に長引いてしまうケースについて解説します。
通常は1週間~2週間で完治する
傷つけられた皮下組織が回復するまでに通常は1〜2週間ほどかかります。内出血は、体幹部の内出血は、4〜5日すると打撲した部分を中心に輪が広がり、日にちが経つに連れ少しずつ薄れてきます。
上肢部や下肢部の出血部分は、血液が手先・足先に移動します。内出血や腫れがあるうちは湿布を貼って、症状が落ち着くまでは包帯などで圧迫固定を続けてください。
関節拘縮が起こると半年~1年かかることも
打撲が関節周囲に及んでいたり、出血・腫脹の強いケースでは治療期間が長引くことがあります。関節周囲は、日常生活でも関節に負荷がかかりやすいため安静を保つことが難しく、関節運動のたびに傷ついた組織が動き、通常よりも多くの内出血や腫れが起こります。
POINT
後遺症が残る?
治癒していく過程で、関節組織の癒着や瘢痕組織の形成がおこると場合によっては関節拘縮を生じます。関節拘縮を起こすと半年や1年の治療期間を要し、後遺症が残ることもあります。
特に関節周囲の打撲や強い打撲では、早めの受診を心がけてください。
1カ月以上症状が落ち着かない場合は骨折等の可能性もある
強い打撲であっても、通常は痛みや腫れが徐々に軽減します。日数が経っても腫れが引かない・痛みがどんどん強くなっているという場合は骨折している可能性もあります。
打撲症状が長期間落ち着かない場合は、別の怪我や病気の疑いも考えて病院を受診するようにしてください。
まとめ
ここまで打撲の応急処置方法や治療期間などについて解説してきました。軽度な打撲は自然に治癒することが多いですが、重症の場合ではあとあと生活の支障になるような後遺症が残ることもあり、早めの対応が必要です。
もしすでに症状があって痛みが症状が改善しないという人は、受診も検討してくださいね。適切な治療を早めに行っていくことが、早期の回復につながります。
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この記事を監修したのは…
看護師として、大学病院に勤務。急性期や整形入院患者を担当。 臨床業務のほか、管理部委員会への参加・リーダー業務・新人指導など経験は多岐に渡る。 保健師の資格も保有。現在は実務経験を生かして健康・医療に関するライター業務も行っている。
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