腰椎捻挫を負ったらリハビリを受けるべき?現れる症状の特徴も解説!
監修記事
宇賀神 絵里
看護師
交通事故で腰を強打すると、腰椎捻挫を発症することがあります。
今回は腰椎捻挫の症状や治療法、腰椎捻挫はリハビリを受けるべきなのか、リハビリの費用や慰謝料は請求できるのかなどについて解説していきます。
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目次
辛い痛みを伴う腰椎捻挫について
腰椎捻挫は「ぎっくり腰」とも呼ばれています。不自然な体勢で重いものを持ち上げたり、腰をひねったりすることで発症することが多いですが、交通事故による衝撃や、スポーツをしている最中に発症するケースもあります。
発症すると、腰に強い痛みが走り、動けなくなってしまう場合があります。
まずは、腰椎捻挫とはどのような怪我なのか、症状の具体的な特徴とは何かを説明していきます。
腰椎捻挫はどんな怪我?
腰椎捻挫は、腰椎に無理な力が加わることで損傷し、急激な腰痛が生じます。靭帯の一部が損傷している「捻挫」であるため、骨折と違ってレントゲンやMRI、CTなどの画像検査では異常が見当たらない場合も多いです。
腰の痛みは腰痛捻挫だけではない
腰に痛みが生じる疾患は、腰椎捻挫の他にも様々なものがあります。
- 腰椎椎間板ヘルニア
椎間板の一部が飛び出して神経を圧迫することで症状を引き起こします。腰痛や下肢の痛み、しびれ、動かしにくさを感じます。 - 腰部脊柱管狭窄症
腰椎の変形や椎間板ヘルニアにより、脊柱管が圧迫されて狭くなることで発症します。高齢者に多い疾患といわれています。腰痛や臀部から下肢にかけての痛み、しびれを感じます。 - 腰椎すべり症
腰椎がずれてバランスが悪くなり、腰痛や下肢の痛みが現れます。
一方で、腰椎捻挫の症状は、腰椎の周りにある組織の損傷から引き起こされます。腰椎捻挫の症状の特徴としては、以下の2つが挙げられます。
- 安静にしていると軽減するが、動こうとすると強まる痛みがある。
- 痛みが広がったり、しびれを感じることはない。
しびれや下肢の痛みを伴う場合は、腰椎捻挫ではなく、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などが発症している可能性があります。
腰椎捻挫を発症したら早期治療を
腰椎捻挫は後遺障害となり、痛みが慢性化する場合があります。腰に痛みを感じた場合は、適切な治療を受けましょう。
受傷後すぐに十分な治療を受けることで、より早い回復を目指せるといわれています。
こんな自覚症状はありませんか?
腰椎捻挫以外にも、以下のような自覚症状がある場合は早めに病院を受診しましょう。
- 今までに経験したことのないような激痛。
- 楽になる姿勢がなく、痛みのせいで夜も眠れない。
- 足の麻痺や脱力感があり、歩行ができない。
- 尿が出にくい。
- 発熱や発汗があり、急激に体重が減少した。
腰椎捻挫の治療方法
痛みがあるからといって、安静にし続けることで回復を遅らせてしまう可能性があるといわれています。
動けなくなるほどの痛みがあらわれた場合は、整形外科を受診しましょう。
整形外科では、腰椎捻挫に対してどのような治療が行われるのでしょうか?詳しく説明していきます。
保存療法
保存療法とは、人体を傷付けず出血を伴わない治療法の総称です。具体的には、以下のような治療が行われます。
- 安静
痛みで身動きが困難な段階では、安静にして炎症がおさまるのを待ちます。痛みが落ち着いてきたら、早めに動き始めて普段通りの日常生活を送りましょう。 - 杖の使用
杖を使うことで腰に加わる力を軽減し、痛みを和らげる効果が期待されます。 - 体重制限
肥満は負担がかかり腰痛が起こりやすくなるため、適度に運動を行い体重をコントロールします。 - 装具
腰部の安静を保ったり、負担を軽減させるためにコルセットなどの装具を身に着けます。
その他の治療方法
保存療法で回復がみられなくても、以下のような治療を受けることで症状が改善することがあります。
- 薬物療法
痛みの種類に合わせた薬を投与して、痛みを緩和させたり筋肉の緊張を和らげたりする治療です。 - 神経ブロック注射
局所麻酔薬を神経や神経の周辺に注射して、痛みの伝達をブロックする治療です。 - リハビリ
代謝機能や身体機能などの改善を目的として、運動やマッサージなどを行う治療法です。 - 運動療法
関節の可動域を広める可動域訓練、使わずにいた筋肉の萎縮を防ぐための筋力トレーニングなどを行う治療法です。
運動療法について
上記で紹介した治療法の中でも、腰椎捻挫に効果的なものが運動療法です。
前述のように、安静にし続けていると筋肉が衰えてしまいます。筋力の低下は新たな痛みに繋がりますので、運動療法を行って腹筋や背筋などを鍛えることで腰椎の負担を軽減することが大切です。
ただし、急性の痛みがある場合、無理に体を動かすと症状が悪化する恐れがあります。医師の指導のもと、体力を考えながら運動療法を行いましょう。
腰椎捻挫を予防するために
腰椎捻挫を予防するためには、日頃からストレッチを行い、腰回りの筋肉を柔軟にしておくことが大切といわれています。
ストレッチや準備運動をしないで激しい運動を行ったり、無理な姿勢で作業を続けることも腰椎捻挫が発症する原因になります。
ストレッチを行う場合は、必ず無理のない範囲で、気持ちいいと思う程度を目安に筋肉を伸ばしましょう。
腰椎捻挫はリハビリを受けるべき?
交通事故で腰椎捻挫が発症した場合、リハビリを受けるべきなのか、リハビリにかかった費用は加害者側へ請求できるのか、気になる方もいると思います。
腰椎捻挫で行うリハビリや、費用について詳しく解説していきます。
リハビリとは
リハビリは、怪我や病気による障害が残っても、基本的な日常動作を取り戻せるようにサポートすることを目的としています。
リハビリを行う専門医は理学療法士、作業療法士、言語聴覚士の3種類があります。
その中でも、腰椎捻挫のリハビリは理学療法士が行います。
理学療法士とは
理学療法士とは、怪我や病気による身体の障害や、障害の発生が予測される人に対し、自立した日常生活が送れるようにサポートする専門職です。
理学療法士によるリハビリは、前述した運動療法に加えて牽引療法、電気療法を用いて行われます。
リハビリ費用は請求できるの?
交通事故で腰椎捻挫になった被害者は、損害賠償として加害者にリハビリの費用を請求することができます。その他にも、治療費や慰謝料、通院交通費、休業損害などを請求することができます。
慰謝料について
腰椎捻挫の場合に請求できる慰謝料は、入通院慰謝料と後遺障害慰謝料の2種類があります。
慰謝料の金額は、3つの基準に基づいて算定されます。
- 自賠責基準
交通事故の被害者の損害を最低限補償することを目的としている、自賠責保険に基づいた基準です。3つの基準の中では最も低い金額で算出されます。 - 任意保険基準
各任意保険会社が独自に定めている基準です。具体的な金額の相場は公表されていません。 - 弁護士基準
交通事故の過去の裁判例をもとに定められた算定基準です。3つの基準の中では、最も高い金額で算出されます。
どの基準を適用するかで、慰謝料の金額は大きく変わってきます。
慰謝料が最も高額になる算定基準は弁護士基準ですが、適用するには示談交渉を弁護士に依頼する必要があります。
後遺障害が残った場合
腰椎捻挫で後遺障害が残った場合は、後遺障害等級認定を申請しましょう。
後遺障害等級の認定を受けると、後遺障害慰謝料や後遺障害逸失利益の請求が可能になります。
まとめ
腰椎捻挫は、交通事故による衝撃を受けることで発症する場合があり、腰に強い痛みを感じます。交通事故にあった後に腰の痛みを感じたときは、早めに病院を受診し、検査を受けましょう。
痛みが落ち着いてきたら、硬くなった筋肉や関節の可動域を回復させるためにリハビリを受けることをおすすめします。リハビリにかかった費用は、加害者側へ請求することができます。
交通事故後の腰椎捻挫に悩む被害者の方が、1日も早く健康的な状態を取り戻せるよう祈っております。
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この記事を監修したのは…
総合病院脳神経外科勤務後、産婦人科クリニック、消化器内科クリニックにて勤務。現在は内科、消化器内科、リウマチ科、小児科、美容皮膚科クリニックにて看護主任として勤務中。看護師のほか、メディカルアロマセラピスト、ベビーマッサージインストラクターの資格を持つ。
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