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むちうちの対処法について。自宅でできるセルフケアとは?

交通事故にあうと、むちうちになる可能性があります。むちうちは、交通事故による怪我の中で最もなりやすいといわれている怪我です。

もしもむちうちになってしまったら、一刻も早く治療を受けたいですよね。しかし、仕事やプライベートの予定が忙しい場合、思うように通院することができない場合もあります。

そこで今回は、交通事故によるむちうちの対処法について、越谷みんなの鍼灸整骨院の福島先生に解説してもらいました。

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むちうちとは

「むちうち」とは?発症の原因や症状等

▲「むちうち」とは?発症の原因や症状等

交通事故の被害者によくみられるといわれる「むちうち」。交通事故でむちうちの怪我を負うのは、何故なのでしょうか。

交通事故におけるむちうちの原因は状況によって様々で、例えば車同士の接触した時の衝撃が、頚椎(首)に過度に加わった場合に引き起こされます。走行中、首は胴体の様にシートベルトで固定され、保護を受けていないので過度の負荷が加わりやすい箇所となります。そのため事故の衝撃を受けた首は、鞭のように前後に波を打ちながらしなり、むちうちになるのです。

また、徐行時などの低速度による衝撃でもむちうちになります。身体も痛みだけでなく吐き気・めまい・頭痛なども症状に含まれます。痛み、違和感がある場合は、必ず病院で診断を受けてください。

出典:越谷みんなの鍼灸整骨院 福島先生

このように、むちうちは交通事故やスポーツの衝撃で首に不自然な力が加わり、筋肉や靭帯が損傷することで起こる怪我の総称です。首に力が加わる際、首が(むち)がしなるように前後に動くことから「むちうち」と呼ばれています。

一般的にはむちうちと呼ばれていますが、正式名称は頚椎捻挫(けいついねんざ)頚部挫傷(けいぶざしょう)といいます。

むちうちの種類別症状

むちうちにはいくつかの種類があり、それぞれで症状が異なります。

  • 頚椎捻挫型(けいついねんざがた)
  • バレー・ルー症状型
  • 神経根症状型(しんけいこんしょうじょうがた)
  • 脊髄症状型(せきずいしょうじょうがた)

それぞれの症状について、詳しく見ていきましょう。

頚椎捻挫型

頚椎捻挫型とは、交通事故の衝撃で首の筋肉や靭帯が傷ついた状態のことを指し、いわゆる「首の捻挫」のことをいいます。交通事故でむちうちになった7~8割の人が、この頚椎捻挫型になるといわれています。

頚椎捻挫型の主な症状は、以下の通りです。

  • 首や肩、背中の痛み
  • 首や肩が動かしにくくなる
  • 肩や背中がこっているような感覚になる

バレー・ルー症状型

交通事故で衝撃を受けると、首の骨を通り越し自律神経を傷つける場合があります。バレー・ルー症状型は、交通事故による衝撃で自律神経が損傷し、バランスが崩されることで発症します。

バレー・ルー症状型の主な症状は、以下の通りです。

  • 耳鳴り
  • めまい
  • 息苦しさ
  • 頭痛(特に後頭部)

神経根症状型

神経根症状型は、交通事故による衝撃で首の骨がゆがみ、神経の根本部分が損傷されることで発症します。

神経根症状型の主な症状は、以下の通りです。

  • 首の痛み
  • 体のだるさ
  • 顔面の痛み
  • 腕の痛みやしびれ

脊髄症状型

脊髄症状型は、交通事故の衝撃により神経や脊髄が損傷した場合に発症します。むちうちの症状の中で最も重症とされ、後遺症が残る可能性も高いといえます。

脊髄症状型の主な症状は、以下の通りです。

  • 知覚障害
  • 歩行障害
  • 下肢のしびれ
  • 排泄が困難になる

むちうちの通院先

医師と患者が手を取り合う

むちうちの主な通院先は、3つ。

  • 整形外科
  • 整骨院
  • 鍼灸院

それぞれの医療機関で受けられる治療・施術内容が異なります。
一つひとつ詳しく見ていきましょう。

整形外科

交通事故後の整形外科受診は①検査(レントゲン・MRI)②診断書の発行③痛み止めや湿布の処方等ができる

▲交通事故後の整形外科受診

整形外科では、医師が治療を行います。

治療内容としては、レントゲンやMRIで骨の異常を検査し、必要な場合は手術を行います。治療を受けても痛みが引かない場合は、痛み止めや湿布の処方をしてくれます。整形外科では、切り傷や擦り傷、打撲などの外傷による怪我の治療を得意としています。

また、整形外科では診断書の取得をすることができます。診断書は、「この怪我は交通事故による怪我です」と証明するための書面です。保険金の請求人身事故の切り替えを行う際にも必要となります。

診断書は、交通事故にあったら必ず取得するべき書類です。診断書の作成は医師以外行えませんので、交通事故にあったらまずは整形外科を受診し、診断書の取得をしましょう。

整骨院

整骨院・接骨院で受けられる施術の種類

▲整骨院・接骨院で受けられる施術の種類

整骨院では、柔道整復師が施術を行います。
柔道整復師は国家資格の1つで、手術を行わず、手技によって施術を行います。

柔道整復師が行う手技は、3つ。

  • 整復法
    骨折した箇所を元の状態に戻したり、関節が外れた箇所を元に戻すための操作をする施術方法。
  • 固定法
    骨折や脱臼した箇所を包帯やギブスなどで固定し、自然治癒を高める施術方法。
  • 後療法
    電気や超音波などによる物理療法、運動することで身体機能の回復を高める運動療法、患部を押したりさすったりする手技療法によって、損傷した組織を回復させる施術方法。

むちうちの症状は、レントゲンやMRIに写らない場合があるため、整形外科では異常なしと判断されてしまうことがあります。整骨院では、体に直接触れて施術を行うため、整形外科では見つけられなかったむちうちの症状を見つけ、施術してくれることがあります。

また、夜遅くまで営業していたり、土日も受付をしている整骨院もあるので、仕事やプライベートなど、自身の予定に合わせて通院することも可能です。

整形外科へ通院を続けても痛みが引かないという場合は、保険会社から許可を得た上で、整骨院へ転院するとよいでしょう。

鍼灸院

鍼の施術を受ける様子

鍼灸院では、鍼の施術は「はり師」、灸の施術は「きゅう師」が行っています。

施術内容としては、人間の体にあるといわれている約365以上のツボに対して、鍼や灸を使って刺激を与えます。刺激を与えることによって血液やリンパの流れが良くなり、身体機能が回復するという施術効果が見込まれます。

むちうちの治療期間や治療方法

むちうちの治療期間は、一般的には3ヶ月程度といわれています。しかし、怪我が重症な場合や通院を怠った場合、6ヶ月~1年程度の期間を要する場合もあります。

むちうちの症状を早く良くするには、治療を怠らず、2日に1回ほどの頻度で通院を続けるとよいでしょう。また、「絶対に治る」と信じながら治療を受け続けることも効果的なようです。

むちうちの症状は、急性期慢性期の2つの時期に分けることができます。

むちうちの急性期と慢性期における対処法の違い

▲むちうちの急性期と慢性期における対処法の違い

  • 急性期とは
    交通事故にあい、むちうちになり始めた時期。損傷した部位が炎症を起こし、熱を持っている。
  • 慢性期とは
    損傷部位の炎症が落ち着き、長期的な治療・施術と向き合う時期。

この急性期と慢性期によって、むちうちの治療方法が異なるようです。

むちうち症は急性期と慢性期があり、急性期に過度な手技療法など無理に行わず、軽擦による手技が主となります。また、低周波治療器による筋肉の血流改善・緊張の緩和を図ります。

炎症症状が強い急性期には、超音波治療器による痛み、関節の可動域制限の改善を図ります。深層の筋肉の痛みは手技で強い刺激を与えないと届かないので、患者様への負担は大きくなりますが、超音波治療器は細かな振動による電気が流れ、患者様に負担が全くなく痛みの奥深くまで治療が可能となります。超音波治療器は出力を変えることで、炎症の抑制から逆に深部を温める温熱効果も発揮しますので、急性期から慢性期まで幅広く対応できます。

慢性期には、軽擦から指圧の手技に切り替えながら運動療法と合わせて治療をすることで、事故以前のお身体まで状態を運んでいきます。

出典:越谷みんなの鍼灸整骨院 福島先生

むちうちのセルフケア方法

ここでは、むちうちに効果的なセルフケアの方法や、セルフケアを行う際の注意点などについて詳しく解説していきます。

ストレッチを行う女性

セルフケアをする前に

先程も述べましたが、むちうちには、急性期と慢性期という期間があります。セルフケアは、急性期と慢性期のどちらの時期でも行うことは可能なのでしょうか。

急性期は、ストレッチや運動は一過性に症状を悪化させる恐れがあるので、患部に炎症症状による痛みが強ければ冷やす(アイシング)、筋肉のこわばりによる場合は温めていただくと症状の緩和につながります。冷やすか温めるかは、整骨院の先生などの聞いていただくと良いでしょう。

慢性期になれば、ご自宅での簡単な筋力トレーニングやストレッチなども聞いてみましょう。

出典:越谷みんなの鍼灸整骨院 福島先生

上記のように、急性期はとにかく安静を保つことが重要なため、セルフケアを避けたほうがよいでしょう。一方、慢性期はセルフケアを行うことが適した時期のようです。

したがって、セルフケアを行う場合は、慢性期になってから行うようにしましょう。

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むちうちに効果的なストレッチ

ここでは、自宅でできるむちうちに効果的なストレッチ方法をご紹介します。

  1. 頭の右側を右手の平で押さえる。
  2. 右手の平で頭を左側にゆっくりと倒す。
  3. 右の首筋を伸ばしながら、5秒間キープ。
  4. ①~③の動きを反対側も行う。

セルフケアをする際の注意点

セルフケアをする際の注意点は、2つ。

  • 急性期はストレッチなどを行わず、安静に。
  • ストレッチは無理をせず、少しでも痛みや違和感を感じたら中止する。

また、以下のことにも気をつけてください。

しかし、ネット上での知識やセルフケアの方法は傷める原因となるので、お気を付けください。また、急性期の状態ではご自身でできるやり方は限定的なものとなってしまいます。

お時間が作れない理由は、お仕事や家事など多岐にわたります。しかし、事故治療は治療ができる期間が決まっております。むちうちを治す為に整骨院や病院に通っていただき一日でも早く元のお身体に戻すために、場合によってはお仕事などを休んでお時間を作ることも大切になってきますのでお悩みの際は是非ご相談ください。

出典:越谷みんなの鍼灸整骨院 福島先生

むちうちになってしまった場合、セルフケアを行うことも可能ですが、まずは整骨院や病院に通うことが大切です。セルフケアを行って症状が悪化することもあるため、むちうちの治療に関する知識のある方にセルフケアの方法を教えてもらうことをおすすめします。

むちうちの治療費はどうなる?

むちうちの治療を受ける際、通院にかかる交通費や治療費などは誰が支払うのか、気になるのではないでしょうか。ここでは、交通事故の「損害賠償」について詳しく解説していきます。

加害者に損害賠償を請求できる

交通事故にあったら、被害者は加害者に対して損害賠償を請求することができます。

交通事故の損害賠償の内訳

▲交通事故の損害賠償の内訳

損害賠償とは、交通事故の被害者が受けた様々な損害の埋め合わせを、加害者が行うことです。損害賠償は、加害者側の保険会社と示談が成立した後、被害者に支払われます。

被害者が請求できる損害賠償は、3つ。

  • 積極損害
  • 消極損害
  • 慰謝料

それぞれの内容について、解説していきます。

積極損害

病院の廊下

積極損害とは、交通事故によって出費を余儀なくされた場合に発生する損害のことをいいます。

積極損害として請求できる代表的なものは、以下の通りです。

  • 診察費
  • 治療費
  • 入院費
  • 通院交通費
  • 付添看護費
  • 装具・器具などの購入費 など

消極損害

消極損害とは、交通事故によって収入が減少した場合に発生する損害のことをいいます。

病気の夫を見守る妻

消極損害として請求できるものは、2つ。

  • 休業損害
  • 逸失利益

怪我の治療をする際、仕事を休まなければいけなくなる場合があります。
交通事故の怪我で仕事を休み、収入が減少してしまった場合、減収分は休業損害によって補われます。

交通事故による怪我が後遺障害になると、これまで発揮できていた労働能力が低下してしまうことがあります。
後遺障害が原因で労働能力が低下し、収入が減収してしまった場合の減収分は、逸失利益によって補われます。

慰謝料

慰謝料とは、交通事故の被害者が受けた様々な精神的損害を、加害者が金銭で補ったものです。

慰謝料として請求できるものは、2つ。

  • 入通院慰謝料
  • 後遺障害慰謝料

交通事故で怪我を負うと、被害者は治療のために入通院を強いられることになります。

入通院慰謝料は、怪我の治療をするために入通院を強いられたことで、被害者が受けた精神的損害を金銭で補ったものです。
「交通事故にあわなければ通院する必要もなかったのに」「入通院のためにわざわざ時間を割かなければいけない」など、入通院に対して被害者が感じた迷惑料のようなものです。

後遺障害慰謝料は、交通事故による怪我が後遺障害になってしまったことで、被害者が受けた精神的苦痛をお金で補ったものです。

後遺障害には1級から14級までの等級があります。被害者に支払われる後遺障害慰謝料の金額は、後遺障害等級によって異なります。1級が最も高い金額となり、14級が最も低い金額となります。

むちうちの対処法についてまとめ

病院の待合ロビー

むちうちには、急性期と慢性期という時期があり、慢性期になると自宅で行うことができるセルフケアの方法もあります。

しかし、症状を早く良くするには医療機関へ通院し、治療を受けることが一番でしょう。交通事故でむちうちになると、様々な精神的苦痛や肉体的苦痛を受けられると思いますが、「絶対に治る」と信じることが大切です。

この記事を監修した先生

柔道整復師。

この記事の執筆者

交通事故病院編集部 ライター / T.N
大学を卒業し、出版社で取材や編集業務を経験。その後、WEBメディアの執筆に転向し、事故に関する様々な知識を多くの人に届けるべく、日々邁進中。現在は、交通事故専門士の資格を取得するために勉強をしている。座右の銘は、格物究理。

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